LIVE/DEAD® Viability/Cytotoxicity Kit* 3
4.2 この細胞を室温で 30~45 分間インキュベートします。
色素濃度やインキュベーション温度を上昇させると、インキ
ュベート時間を短くできます。
4.3 インキュベーション後、約 10 μLの新鮮な
LIVE/DEAD®試薬または約 10 μLのD-PBS を、清浄な顕微鏡
用スライドに添加します。
4.4 濡らしたカバーガラスを、先端が細い鉗子を用いて慎
重(かつ迅速)にひっくり返し、顕微鏡用スライドの上に乗
せます。蒸発を防ぐため、カバーガラスをガラススライドに
密閉します(例、透明なマニキュアを使用)。スライド調製
中に細胞を傷つけたり、破砕したりしないように注意します。
4.5 標識した細胞を蛍光顕微鏡下で観察します。
蛍光マイクロプレートプロトコール
マイクロプレートリーダー用の光学フィルターの選定
プレートリーダーを用いて最大の感度を得るために、それ
ぞれの吸光度に最適な光学フィルターを用いてフルオロフォ
アを励起させることを推奨します。カルセインを十分に励起
するには蛍光色素光学フィルター(485±10 nm)を使用しま
すが、EthD-1 は一般的なローダミン光学フィルター
(530±12.5 nm)と互換性があります。また、蛍光発光も、
カルセインについては 530 ±12.5 nm、EthD-1 については
645±20 nm で別々に取得します。
マイクロプレートリーダー用に細胞を調製する
5.1 マルチウェルプレートで接着細胞を培養します。線維
芽細胞は一般に、ウェル内で 2~3日増殖させると、良好な
細胞密度が得られます。アッセイ前に、細胞を、500~1,000
倍量のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)で穏やか
に洗浄します(注 A)。最後の洗浄の後、D-PBS をウェルの
底を覆うのに十分な量添加します。細胞サンプルを洗浄し、
エステラーゼ活性を除去または希釈します。エステラーゼ活
性は、血清含有培地に通常存在するものであり、カルセイン
AM の加水分解により細胞外蛍光が増強される場合がありま
す。
5.2 比較的接着性の低い細胞(例、白血球またはその他の
浮遊細胞)を、試験管内で、500~1,000 倍量の組織培養グレ
ードの D-PBS で洗浄し、遠心分離により沈降させて血清由
来エステラーゼ活性を除去します。
5.3 この細胞を十分な量の緩衝液中に懸濁し、ウェルの底
を十分に覆う量を添加します。一般に、総容量が 250~
300 μLの平底のウェルについては、約 100 μLを添加します。
総容量が 150~200 μLの丸底のウェルについては、約 70 μL
を添加します。総容量が 100~150 μLのコニカルウェルにつ
いては、約 50 μLを添加します。細胞毒性剤などの試薬の希
釈を最小限にするためには、少量の緩衝液が好まれる場合が
あります。
5.4 その細胞を、LIVE/DEAD®試薬染色前の任意の時点で、
または同時に、必要に応じて細胞毒性剤により処理します。
5.5 1ウェルあたりの検出可能な最少の細胞数は通常、200
~500 個です。1ウェルあたりの使用可能な最大の細胞数は、
106単位です。
最適な色素濃度の決定
最良の結果を得るためには、カルセイン AM により生細
胞が、EthD-1 により死細胞が明確に染色されるように各色
素の濃度を調整する必要があります。光学フィルター、装置
の感度設定、細胞の数または種類を変更した場合、色素濃度
も変更する必要になる場合があります。一般に、十分なシグ
ナルが得られる最低濃度の色素を用いるのが理想的です。以
下の手法を用いて、色素の最適濃度を決定することができま
す。
6.1 LIVE/DEAD®試薬を冷凍庫から取り出し、室温になる
まで静置します。プレートリーダーに適切なフィルターを選
択し、適切に設定します。
6.2 生細胞と死細胞のサンプルを調製します。細胞はいず
れかの方法で殺処理します(例、0.1%サポニンで 10 分間処
理、0.1~0.5%ジギトニンで 10 分間処理、70%メタノールで
30 分間、補体および適切な IgG で30 分間)。
6.3 死細胞サンプルを用いて、EthD-1 の飽和濃度(最大の
蛍光を発する最低濃度)を決定します。細胞濃度を高く維持
しながら(1 mL あたり約 106個)、EthD-1 の濃度 0.1~10
μMをお試しください。最適なインキュベーション時間を決
定するために染色を経時的に観察します(例えば、10~15
分おきに測定値を取ります)。当社では、4 μM EthD-1 で45
分間インキュベートすることにより、120,000 個のマウス死
白血球サンプルの結合部位が飽和されることが明らかになっ
ています。
6.4 死細胞サンプルを用いて、死細胞がごくわずかにしか
染色されないカルセイン AM 濃度を決定します(濃度 0.1~
5 μMをお試しください)。
6.5 生細胞サンプルを用いて、生細胞にはっきりと検出で
きる蛍光が認められるカルセイン AM 濃度を決定します。
シグナルが低すぎる場合、細胞数を増やすか、色素の濃度を
若干高くします。
6.6 ステップ 6.3 および 6.5 で決定した試薬濃度が生存アッ
セイに最適な濃度となります。
マイクロプレートリーダー測定用のサンプル調製例
このプロトコール例では、マルチウェルプレートスキャナ
ーで用いる、カルセイン AM 1 μMおよび EthD-1 2 μMの
LIVE/DEAD®試薬を 10 mL 調製します(当社テストでは、こ
れらの試薬濃度がマウス白血球に最適であること明らかにな
っています)。本プロトコールでは、2倍濃縮試薬ストック
液を調製し、これをウェルに添加することで、最終濃度が 2
倍希釈となるようにします。1ウェルに用いる容量を 100 μL
とすると、ストック液が 10 mL あれば、96 ウェルマイクロ
プレート 1枚に十分足りる染色液が得られます。これはあく
までもプロトコールの一例に過ぎません。実験で用いられる
実際の容量および濃度は、用いられる細胞とマイクロプレー
トの種類によって異なります。
7.1 LIVE/DEAD®試薬のストック液を冷凍庫から取り出し、
室温になるまで温めます。
7.2 2 mM EthD-1 ストック溶液(Component B)20 μLを、
滅菌済みの組織培養グレードの D-PBS 10 mL に添加し、ボ
ルテックスにかけて完全に混合します。これにより、約 4
μMのEthD-1 溶液が得られます。
7.3 4 mM カルセイン AM のDMSO 溶液(Component A)
5 μLを4 μM EthD-1 溶液 10 mL に移します。得られた溶液を
ボルテックスまたは超音波にかけて、完全に混合します。こ
れにより、カルセイン AM が約 2 μM、EthD-1 が約 4 μMの
ワーキング溶液が得られます。