Zenon® Goat IgG Labeling Kit 4
2.10 必要であれば、細胞をスライドガラスまたは
カバーガラスにのせるか、あるいはフローチュー
ブ内に入れてください。細胞を顕微鏡観察する際
には、アンチフェード封入剤にて封入してくださ
い(ProLong®アンチフェードキット、P7481 を使
用してください)。適切な方法で、試料の分析ま
たは観察を行ってください。
フローサイトメトリー
Zenon® Goat IgG Labeling Kit をフローサイト
メトリーアプリケーションに使用する試験は特
に実施しておりませんが、以下に示すプロトコー
ルは Zenon®マウス、ウサギ、およびヒト抗体標識
キット用に開発され、問題なく使用できることが
確認されています。本プロトコールは抹消血単核
細胞の染色用に開発されたものですが、他のタイ
プの細胞または全血試料にも容易に応用するこ
とができます。十分な量の標的が存在する一次抗
体の場合には、Zenon®標識試薬(Fab)と抗体の
モル比が 3:1となる条件で Zenon®標識複合体を
形成させるのが適切です。標的が少量の場合には
モル比を増加させる必要があります。Zenon®テク
ノロジーによって標識した抗体を用いる場合に
はFc ブロッキングの工程が不要であることに注
目してください。
4.1 細胞懸濁液または血液試料を任意の方法で調
製してください。
4.2 培養細胞(1 × 106細胞/mL)100 µL または
全血試料 100 µL をフローサイトメトリーチュー
ブに添加してください。
4.3 (オプション)細胞試料を、4%のホルムアル
デヒドを含む PBS 溶液中、室温で 15 分間固定し
てください。細胞試料を PBS で洗浄し遠心分離操
作によって細胞をペレット化し、上清を廃棄して
ください。細胞を残りのバッファーに再懸濁して
ください。注意:本工程および以降の工程は、細
胞内マーカーを検出する場合にのみ必要です。細
胞表面に対する抗体と細胞内マーカーに対する
抗体を一つの実験で同時に用いる場合には、先に
細胞表面マーカーの染色を行ってから、本工程お
よび 4.4~4.7 の工程に従って細胞内マーカーの染
色を行ってください。
4.4 (オプション)細胞試料を、0.1%のTriton
X-100 を含む PBS 溶液中、室温で 5分間インキュ
ベートし、細胞の透過処理を行ってください。細
胞試料を PBS で洗浄し、遠心分離操作によって細
胞をペレット化し、上清を廃棄してください。細
胞を残りのバッファーに再懸濁してください。
4.5 一次抗体 1 µg を、上記の Zenon®
複合体の形
成
に従って標識してください。
4.6 Zenon®標識混合溶液(ステップ 4.5 で調製し
たもの)の全量を試料チューブに添加してくださ
い。注意:全血試料を用いる場合、赤血球の溶解
を行うのは、細胞染色の前と後のどちらでも構い
ません(ステップ 4.6~4.7)。
4.7 試料を室温で 30 分間インキュベートしてく
ださい。フルオロフォアを用いた Zenon®標識試薬
は、インキュベーション中に遮光する必要があり
ます。インキュベーションが完了したら、細胞を
一度 PBS で洗浄した後、遠心分離操作によって細
胞をペレット化し、上清を廃棄してください。細
胞を残りのバッファーに再懸濁してください。イ
メージングアプリケーションに必要な染色後の
固定化は、フローサイトメトリーにおいては必要
ありません。
4.8 適切な装置パラメータを用いて、試料の分析
を行ってください。
注
[A] 標識プロトコールにおいて Zenon®ヤギ IgG標
識試薬の使用量を決定する際、Fab と抗体の比は
重要な因子です。すべての Zenon® Goat IgG
Labeling Kit に付属の Zenon®標識試薬は、Fab
フ
ラグメントの質量に基づき
、200 µg/mL の濃度で
提供されます。Fab フラグメントの分子量は約 50
kDa、一方インタクトな IgG の分子量は約 150 kDa
です。したがって、すべての Zenon®標識試薬にお
いて、その 5 µL をヤギ IgG 抗体 1 µg と混合する
とFab と抗体のモル比は、3:1となります。
[B] 標識する抗体の量または Fab と抗体のモル比
を調節する際には、常に同量の Zenon®標識試薬と
Zenon®ブロッキング試薬を使用することが重要
です。例えば、Zenon®標識試薬の使用量を 10 µL
に増加した場合は、Zenon®ブロッキング試薬の使
用量も 10 µL に増加させてください。抗体 1 µg あ
たり Zenon®標識試薬 10 µL を添加すること(モル
比は 6:1となります)により、しばしば測定シ
グナルが約 50%増加することに注目してください。
モル比をこれ以上増加させても、シグナル強度の
増加幅は減少していきます。
[C] ヤギ IgG の濃度が特定されていない場合は、
各メーカー等に問い合わせ、少なくとも IgG のお
よその含有量に関する情報を入手してください。
提供先に問い合わせても濃度が分からない場合
には、Zenon®標識試薬による滴定を行って最適な
標識条件を決定する必要があります。