Thermo Fisher Scientific Invivofectamine 2.0 Reagent 取扱説明書

  • こんにちは!Invivofectamine 2.0 Reagentの製品説明書の内容を理解しました。この試薬は、動物由来成分を含まない脂質ベースのin vivo RNAiトランスフェクション試薬で、肝臓への効率的なsiRNA導入に最適です。低毒性で、動物のストレス反応を軽減するなど、様々な特長があります。Invivofectamine 2.0 Reagentに関するご質問があれば、お気軽にお尋ねください。
  • Invivofectamine 2.0 Reagentの保存方法は?
    推奨される投与量は?
    siRNAの調製方法は?
    投与経路は?
Invivofectamine® 2.0 Reagent
カタログ番号 1377501 サイズ:1 mL スターターキット
カタログ番号 1377505 サイズ:5 × 1 mL
4°C保存(凍結不可)
概要
Invivofectamine® 2.0 は、当社が独自に開発した、動物由来成分を含まない、脂質ベースの in vivo
RNAi トランスフェクション試薬です。本試薬は、尾静脈への注入により、肝臓において高い
in vivo トランスフェクション効率を示すもので、全身性の siRNA 導入用にデザインされています。
Invivofectamine® 2.0 は、Ambion® In Vivo siRNA および当社の Stealth RNAi™ siRNA in vivo 導入
に最適です。Invivofectamine® 2.0 の毒性の低さに加え、低圧で少量の siRNA を導入することによ
り、動物のストレス反応を回避します。siRNA BLOCK-iT™蛍光コントロールと組み合わせる
ことで、siRNA の体内分布を解析することも可能となります。
キット内容
内容物 1377501 1377505
Invivofectamine® 2.0 Reagent 1 mL 5 × 1 mL
Complexation Buffer 1 mL 5 × 1 mL
Ambion® In Vivo FVII siRNA(マウス)
(凍結乾燥ポジティブコントロール) 50 nmol
保存
Invivofectamine® 2.0 は、適切な方法で保存すれば、6ヵ月間安定です。
使用目的
この製品は研究用です。ヒト、動物の診断または治療用としては承認されておりません。
in vivo 導入における重要なガイドライン
y Ambion® In Vivo siRNA またはインビトロジェンの in vivo Purityグレードの Stealth RNAi™2
本鎖 siRNA は、動物試験用として製造され、in vivo での RNAi 実験への使用が推奨されてい
ます。
y Invivofectamine® 2.0 は、尾静脈投与による肝細胞への導入用に最適化されています。他のアプ
リケーションおよび投与経路に関しては、試験されておりません。
y 実験の開始用量としては、7 mg/kg を推奨しています。これは、体重 20 g のマウスに
0.7 mg/mL濃度の溶液を 200 µL注入する用量(10 µL/g)に相当します。
パート番号:100010263 MAN0003202 更新日:2010 813
Page 2
Invivofectamine® 2.0 siRNA の複合体の調製
使用する用量(例:7 mg/kg)に応じて必要な量の Invivofectamine® 2.0 siRNA の複合体を調製
してください。siRNA の量のスケールアップまたはスケールダウンは、複合体の透析または透析
濾過後に、必要な最終濃度になるように調整して行ってください。
お客様にご用意いただくもの
y 2本鎖 siRNA3 mg/mL 濃度の DNase/RNase フリー水溶液、約 0.2 mM
y pH7.4 のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(カタログ番号 10010-031
y 2 mL または 50 mL の滅菌チューブ
y UltraPure™ DNase/RNase フリー滅菌水(カタログ番号 10977-023
y
透析プロトコール
Spectra/Por Float-A-Lyzer® G2 8-10 KD
Spectrum Medical Laboratories社製、カタログ番号 G235031
y
透析濾過プロトコール
Amicon® Ultra-15 Ultracel-50 遠心式フィルターユニット(ミリポア社
製、カタログ番号 UFC905024UFC910024
2本鎖 siRNA の調製
2本鎖 siRNA DNase/RNase フリー水で再懸濁または希釈して、3 mg/mL濃度のストック溶液を
調製してください。Ambion® In Vivo FVII siRNA のポジティブコントロールは、250 µL
DNase/RNase フリー水に懸濁してください。siRNA を完全に懸濁させるため、必要に応じてボル
テックスしてください。未使用の試料は-20˚Cで保存してください。
透析プロトコール(推奨プロトコール)
本プロトコールは、最終濃度が 0.7 mg/mL未満の siRNA 溶液用の推奨プロトコールです。以下に、
Float-A-Lyzer® G2 カセットを用いて、PBS 中で 0.7 mg/mL の複合体を 1 mL 調製するプロトコー
ルを示します。
1. 250 µL siRNA ストック溶液(3 mg/mL)と 250 µL Complexation Bufferを混合し、1.5
mg/mL siRNA 溶液を 500 µL 調製します。
2. Invivofectamine® 2.0 Reagent を室温に戻し、その 500 µL 2 mL のチューブに移します。
3. 希釈した siRNA 溶液(上記ステップ 1で調製した溶液)を 2 mL のチューブ内の
Invivofectamine® 2.0 に直接加え、直ちに 23秒間ボルテックスします。
4. Invivofectamine® 2.0 siRNA の混合物を 50˚C30 分間インキュベートします。
5. 軽く遠心を行い試料を回収します。
6. Float-A-Lyzer®透析装置は、メーカー推奨の方法に従って滅菌水に 10 分間浸して行ってく
ださい。
Page 3
7. Invivofectamine® 2.0 siRNA の混合物を Float-A-Lyzer®透析装置に加え、1 L PBSpH
7.4)中で、穏やかに攪拌しながら室温で 2時間インキュベーションします。複数の試料を
ご使用の際には、少なくとも 500 倍量以上の PBS を用いて透析を行ってください。
8. 試料を回収し、容量を測定します(容量は約 10%増加する可能性があります)。容量から
siRNA の濃度を算出します。目的の濃度となるように、PBS を加えて容量を調整してくだ
さい。
9. Invivofectamine® 2.0 siRNA の複合体の in vivo 投与を始めます。直ちに使用しない場合、
この複合体は 4˚Cで最大 1週間保存可能です。
透析濾過プロトコール
本プロトコールは、投与量を少なくする必要がある場合で、最終濃度が 0.7 mg/mL 以上の siRNA
溶液用の推奨プロトコールです。以下に、Amicon® Ultra-15 Ultracel-50kDa 遠心式フィルターユニ
ットを用いて、PBS 中で 1.4 mg/mL の複合体を 0.5 mL 調製するプロトコールを示します。
1. 250 µL siRNA ストック溶液(3 mg/mL)と 250 µL Complexation Buffer を混合し、1.5
mg/mL siRNA 溶液を 500 µL 調製します。
2. Invivofectamine® 2.0 Reagent を室温に戻し、その 500 µL 50-mL コニカルチューブに移し
ます。
3. 希釈した siRNA 溶液(上記ステップ 1で調製した溶液)を 50-mL のチューブ内の
Invivofectamine® 2.0 に直接加え、直ちに 23秒間ボルテックスします。
4. Invivofectamine® 2.0 siRNA の混合物を 50˚C30 分間インキュベーションし、軽く遠心
して試料を回収します。
5. 14 倍量(14 mL)の PBSpH 7.4)をコニカルチューブに加え、混合します。
6. Amicon® Ultra-15 カラムを、メーカーの方法に従って準備します。
7. コニカルチューブの内容物を、洗浄済みの Ultracel-50 メンブレン付き Amicon® Ultra-15
心式フィルターユニットに移します。
8. メーカーの方法に従って、(希釈した混合溶液 15 mL あたり)30 分から 1時間遠心分離し
ます。
重要:蛍光標識された RNAi(例:BLOCK-iT™蛍光コントロール)を使用する場合には、
メンブレンをよく洗浄して試料を回収してください。蛍光標識 RNAi がメンブレンに付着
している可能性があります。
9. Invivofectamine®2.0 siRNA の複合体を含んだ溶液を回収し、PBS を加えて容量を 500 µL
に調整してください。
10. Invivofectamine®2.0 siRNA の複合体の in vivo 投与を始めます。直ちに投与しない場合、
4˚Cで最大 1週間保存可能です。
Page 4
投与方法
一般注意事項
動物の取り扱いおよび実験は、国内規制および地方実験倫理委員会の承認に従って行ってくださ
い。動物を取り扱う者はすべて、当該地域施設において適正なトレーニングを受ける必要があり
ます。注入前(標準注入量は 200 µL です。ここに示した計算値は、体重 20 g のマウスを用いた
場合の値です。異なる体重のマウスを扱う場合には適宜調節してください)にマウスの体重を量
り、実験を通して体重の記録を続けることをお勧めします。お客様の Invivofectamine® 2.0
siRNA の複合体溶液の注入を確実に行うために、マウス用の拘束具や TailveinerBraintree
Scientific 社)の使用を推奨しています。
静脈内注入
1. 拘束具を用いて、マウスを拘束します。尾を見やすくするため、Tailveiner を使用すること
も可能です。
2. 静脈およびその拡張を見やすくするためには、ウォーターバスまたは加熱ランプを用いて
静脈を約 37˚Cに温めてください。尾をわずかに回転させて静脈の位置を確認したら、注入
部位をアルコール綿で消毒します。
3. わずかに角度をつけて針を挿入し、ゆっくり2040 µL/秒)血液のクリアリングを確
認しながら注入します。抵抗が増し、尾にわずかな膨隆が見られた場合には、針を抜き取
り、先の注入部位の近位で同じ操作を繰り返してください。
4. 注入終了後、針を抜き取り、注射部位を約 5秒間押さえてください。
追加サポート
本製品のご使用に関する詳細情報、または技術サポートは、当社のウェブサイト
www.invitrogen.com/invivofectaine をご覧いただくか、テクニカルサポートまでご連絡ください。
/