Thermo Fisher Scientific TRIzol Reagent 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
TRIZOL® Reagent
Cat. 15596-018 Size: 200 ml
室温保存
警告:有毒です。皮膚への接触、飲み込みのない様ご注意ください。接触によりやけどを起こすこと
があります。皮膚へ接触した場合は直ちに十分な洗浄剤および水で洗い流してください。気分が悪
い場合は医師の助言を求めてください。フェノール(108-95-2)および他の成分(NJTSRN
80100437-5000p)
室温で保存してください。室温で保存した場合、本製品は約12ヶ月間安定です。
概要:
TRIZOL®試薬(米国特許番号5346994)は、細胞や組織からの total RNA分離用試薬です。Chomczynski
およびSacchiによって開発されたフェノールとグアニジンイソチオシアネートを含んだ溶液によるシングルス
テップRNA単離法の改良版です。最初にサンプルへTRIZOL®試薬を加え、ホモジナイズします。この間
RNAを分解から防ぐことができます。クロロホルム添加後、遠心し、溶液を水相とフェノール-クロロホルム相
に分離します。RNAは、水相の方に含まれているので、水相を取り出し、イソプロピルアルコールによる沈殿
によりRNAを回収することができます。水相の除去の後、残りのDNAおよびタンパク質は、順次沈澱させる
ことによって回収可能です(2)DNAは中間相からエタノール沈殿により回収できます。タンパク質はフェノー
-クロロホルム相からイソプロピルアルコール沈澱により回収できま(2)DNAの同時抽出はサンプル間
RNA収率の補正としても使用することができます。
TRIZOL®試薬は、少量のヒト、動物、植物または細菌の細胞(5 × 106)または組織(50-100 mg)だけでなく、
多量の細胞 (>107)、組織 (1g)についても使用できます。TRIZOL®試薬は、多くのサンプルを同時処理でき
大変簡便です。プロトコールは1時間で完了し、回収されRNAには、タンパク質およびDNAの混入があり
ません。このためノーザンブロット分析、ドットブロットハイブリダイゼーション、poly A 選択、インビトロ翻訳、
RNaseプロテクション法およびクローニングに使用することができます。PCR反応*での使用については、2
つのプライマが単一のエキソン内に在る場合は増幅グレードDNase I (Cat. No. 18068)によるRNAの処理
を推奨いたします。
TRIZOL®試薬は、大きさの異なる様々な RNA の抽出が可能です。ラット肝臓から抽出した RNA をアガロー
スゲル電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色すると、7kb から 15kb の高分子 RNA が確認できます。ま
~5kb(28S)~2kb(18S)2本の rRNA のバンドが見られ、0.1kb から 0.3kb に低分子 RNA が確認でき
ます。純度として、TE に溶解後の RNA A260/280 の比は、1.8 以上になります。
RNase混入の予防
RNaseの混入は、RNA抽出時によく見られます。RNase活性は非常に安定なため、混入を防ぐことが重要
です。そのためRNAを扱う時には、以下の点にご注意ください。
常に使い捨ての手袋を着用してください。皮膚はバクテリアやカビなどで汚染されていますので、
RNaseの混入の原因になります。
実験器具からのRNaseの混入に注意してください。RNAに滅菌した使い捨てのプラスチック器具や
電動ピペットをご使用ください。例として、RNA プローブを使用している研究室ではRNase ARNase
T1を使用していますので、使用している器具からのRNase混入の危険があります
TRIZOL®溶液中では、RNaseによるRNAの分解を防ぐことができますが、その後の操作では、RNase
freeのガラス器具やプラスチック器具が必要になります。ガラス器具は、150℃で4時間加熱し、プラ
チック製品は0.5M NaOH溶液で10分間浸漬し、水で完全に洗浄後、オートクレーブしてください。
その他の注意点:
2ml未満のTRIZOL®試薬で作業する場合は、ポリプロピレン製の使い捨て器具を使用してください。
多量のTRIZOL®試薬を使用する場合は、ガラス(Corex)またはポリプロピレンチューブを使用してくだ
さい。またチューブ12,000gの遠心に使用できる強度が必要です。チューブのひび割れにもご注意く
ださい。
遠心の前にはチューブの重量を慎重に釣り合わせてください。
ガラス管はアルミホイルとパラフィルムで覆い、ポリプロピレンチューブは遠心の前にキャップをしてくだ
さい。
RNAの抽出方法
注意:TRIZOL®試薬を扱う時は、手袋および眼の保護(シールド、安全ゴーグル)を使用してくださ
い。皮膚や衣類への接触を避けてください。クリーンベンチで使用し、蒸気の吸入を避けてください。
特に明記しない限り、手順は
15
30
℃で実施し、試薬も
15
30
℃にしてください。
必要な試薬:
クロロホルム
イソプロピルアルコー
75%エタノール(DEPC処理水)
RNase freeの水または0.5% SDS溶液[RNase free水を調整するには、RNase freeのガラス瓶に
水を入れ、0.01%(v/v)になるようにジエチルピロカーボネート(DEPC)を加えてください。一晩静置
後、オートクレーブしてください。SDS溶液の調整には、DEPC処理後オートクレーブした水を使用
て下さい]
1. サンプルのホモジナイズ
a.
組織
ガラステフロンあるいはホモジナイザー(ポリトロン、またはTekmarTISSUMIZERなど)を使用
して、50100gの組織あたり1mlTRIZOL®試薬を用いてホモジナイズしてください。サンプ
ルボリュームは、TRIZOL®試薬の10%以内になるようにします。
b.
接着細胞
3.5cm dishTRIZOL®試薬を加え、ピペッティングで直接細胞を溶解します。加えるTRIZOL®
薬の量は、細胞数ではなく、培養面積に応じて決定してください (10cm2あたり1ml)TRIZOL®
薬の量が不十分な場合、DNAがコンタミネーションする可能性がありますのでご注意ください。
c.
浮遊細胞
遠心により細胞を回収し、TRIZOL®試薬を細胞に加え、ピペッティングにより溶解します。動物細
胞、植物細胞、酵母の場合、510×106個、細菌の場合、1×107個の細胞に対して1ml
TRIZOL®試薬を加えてください。TRIZOL®試薬添加前の細胞洗浄は、mRNAが分解される可
能性があるので避けてください。一部の酵母および細菌の破砕には、ホモジナイザーが必要
な場合があります。
オプション:筋肉、脂肪組織および植物の塊茎部のような、タンパク質、脂肪、多糖類または細胞外物質を
大量に含むサンプルは、さらに分離ステップが必要な場合があります。この場合、ホモジナイズ後、遠心分
離(12000g, 10 分、2℃か8℃)により不溶性画分を除去してください。細胞外膜、多糖類および高分子量
DNA は沈澱し、RNA は上清に含まれています。脂肪組織からの検体は、上層に脂肪成分がみられるこ
とがありますので除去してください。得られた RNA 溶液は、新しい RNase free のチューブに移し、クロロホ
ルムを添加し、以下のプロトコールへ進んでください。
2. 2相分離
タンパク質を分離するため、15℃から30℃で5分間インキュベートしてください。TRIZOL®試薬1mlあた
りクロロホルム0.2 mlを加えて、静かにチューブに蓋をしてください。チューブを15秒間激しく振り混合
した後、1530℃で23分間インキュベートしてください。インキュベート後、28℃で15分間、
12,000gで遠心してください。遠心後、溶液は暗赤色のフェノール-クロロホルム相、中間相および無色
の上部水相に分離します。RNAは水相に溶解しています。得られる水相のボリュームは、使用した
TRIZOL®試薬の約60%になります。
3. RNAの沈殿
水相を新しいチューブに移してください。DNAまたはタンパク質の抽出も行う場合はフェノール-クロロ
ホルム相を保存してください。RNAは水相にイソプロピルアルコールを混合することによって沈殿させ
ることができます。使用したTRIZOL®試薬1mlあたりイソプロピルアルコール0.5 mlを加えてください。
添加後、サンプルを1530℃で10分間インキュベートした後、28℃で10分間、12,000gで遠心して
ください。RNA の沈殿物は、チューブの側面および底部にゲル状ペレットとして確認できます。
4. RNAの洗浄
上清を除去してください。RNAペレットを75%エタノールで1回洗浄し、使用されたTRIZOL®試薬1ml
つき75%エタノールを1ml以上加えてください。ボルテックス処理し、サンプルを混合した後、28℃で
5分間、7500gで遠心してください。
5. RNA
RNAペレットを乾燥させてください(5-10分間、風乾また真空乾燥してください)。真空乾燥時は遠心し
ないでください。RNAのペレットは、完全に乾燥させると溶解度が極端に低下するため、完全に乾燥す
る前に溶解してください。RNARNase free の水または0.5% SDS溶液を加え、ピペッティングで混
合し、55℃から60℃で10分間インキュベートします(回収したRNAを、その後の実験で酵素反応に使
用する場合は、SDS溶液を用いないでください)A260/280<1.6の場合は、RNAが完全に溶解してい
ない可能性が考えられます。RNA100%ホルムアミドに溶解し、-70℃に保存することも可能です
(5)
RNA抽出時の注意点:
1. 少量の組織(110 mg)または細胞(102104個)サンプルからのRNAの抽出:組織または細胞に
TRIZOL®試薬800 µlを加えてください。粘性がある場合は、ゲノムDNAをクロロホルム添加前に26
ージ針を2回通し切断してください。サンプルを溶解後はステップ2のクロロホルム添加による2相分離
を行ってください。回収した水相へ5-10μgRNase freeのグリコーゲン(Cat.No.10814)をキャリアとし
て加えてください。グリコーゲンは水相へ局在し、RNAと共沈します。グリコーゲンは最高4mg/mlの濃
度まで加えても、1本鎖cDNA合成やPCR反応を阻害しません。
2. TRIZOL®試薬によるホモジナイズ後のサンプルは(クロロホルム添加前)、-60-70℃で1ヶ月間は保
存可能です。RNAの沈殿物(ステップ4RNA洗浄)は、28℃で1週間、-5-20℃では1年間、75%
タノール中で保存可能です。
3. 卓上遠心機を本プロトコールに使用する場合は、最大2600gの遠心機を用いて遠心時間をステップ2
および3において3060分延長してください。
DNAの抽出方法:
RNA抽出法に記載されているように水相の除去後、中間相およびフェノール-クロロホルム相よりDNAを抽
出することができます。沈殿および洗浄後に、DNA8mM NaOH溶液で可溶化します。ゲノムDNARNA
と同時に抽出し、DNA含量を定量することによって、total RNA量や組織量をゲノムDNA量で標準化するこ
とができます(2)。サンプルによって、DNAはさらに精製(フェノール抽出など)が必要となる場合があります。
必要な試薬:
エタノール
0.1 M クエン酸ナトリウム/10% エタノール溶液
75% エタノール
8 mM NaOH溶液
特に明記がない限り、手順は
15
30
℃で行ってください。
1. DNAの沈殿
中間相の上に残っている水相を除去し、DNAを中間相およびフェノール-クロロホルム相からエタノ
ールで沈殿させます。使用した TRIZOL®試薬1mlにつき100%エタノール0.3mlを加え、転倒混和
にてサンプルを混合してください。次にサンプルを1530℃で23分間インキュベートし、28
5分間、2000gで遠心し、DNAを沈殿させてください。
水相を注意深く除去することが、
DNA
の精製度に重要です。
2. DNAの洗浄
フェノール、エタノール含有の上清を除去します。タンパク質を抽出する場合は、この上清は保存し
てください。10%エタノールに0.1Mクエン酸ナトリウムを加えた溶液でDNAペレットを2回洗浄しま
す。使用したTRIZOL®試薬1mlあたり1mlの溶液で洗浄してください。各洗浄ステップでは、DNA
レットを1530℃で30分間洗浄液でインキュベートし(時々撹拌してください)28℃で5分間、
2000gで遠心してください。2回洗浄した後、DNAペレットを75%エタノール(1mlTRIZOL®試薬あ
たり75%エタノール1.5-2ml)で懸濁し、1530℃で1020分インキュベートし(時々撹拌してくださ
)28℃で5分間2000gで遠心してください。
200µg
以上の
DNA
または大量の
DNA
以外の産物を含むサンプルを処理する場合は、
0.1M
クエン
酸ナトリウム
/10 %
エタノール溶液での洗浄ステップをさらに追加してください。
3. DNAの再溶解
チューブの蓋を開け、515分間風燥させてください。(遠心分離下では乾燥させないでください。
溶解がより困難になる場合があります。)DNA濃度が0.2-0.3µg/µlになるように、DNA8mM
NaOH溶液に溶解してください。通常、107個の細胞、または5070mgの組織から抽出したDNA
300600µl8mM NaOH溶液溶液を加えます。単離されたDNAは、水あるいはTrisバッファー
では再懸濁が難しいため、弱アルカリ性のバッファーで再懸濁することを推奨します。8mM NaOH
溶液のpH9以下のため、DNA溶解後は、TEバッファーまたはHEPESで容易に調節することが
できます。この段階では、DNA溶液(特に組織からの溶液)は不溶性のゲル状物質(膜の断片等)
を含むことがあります。この場合、12000g以上で10分間遠心し、不溶性物質を除去してください。
遠心後、新しいチューブにDNAを含む上清を移してください。8mM NaOH溶液で可溶化したDNA
は、4℃で一晩保存可能です。長期保存については、サンプルがpH 7-8(表参照)になるまで
HEPESで調節し、1mM EDTAを加えてくださいpH調節後は、DNA4℃または-20℃で保存可
能です。
DNAの定量および予想される収量
8mM NaOH溶液に溶解したDNA溶液を一定量取り、水と混合した後、A260の吸光度を測定してくださ
い。2本鎖DNAについては、A260値を使用してDNA含量を計算してくださいA2601ユニットは2本鎖
DNA50µg/mlに相当します。ヒト、ラット、マウス由来の2倍体細胞1×106個あたりのDNA量はそれぞれ
7.1µg6.5µg5.8µgになります(3)。サンプルに使用した細胞数は、この値を基に算出してください。
アプリケーション:
PCR
による
DNA
の増幅:
DNA8mM NaOH溶液に溶解後、0.1M HEPESpH8.4に調製してください(表参照)DNAサンプ
0.11.0µgPCR反応に加え、通常のPCRプロトコールを行ってください。
制限酵素反応:
DNA溶液のpHHEPESを使用し、目的の値に調整してください(表参)。または1mM EDTApH 7
pH8.0)溶液中でサンプルを透析することも可能です。1.0µgDNAあたり35ユニットの酵素を使用し
てください。それぞれの酵素についてメーカーが推奨する条件324時間反応させてください。通常
反応で、DNA8090%が消化されます。
8mM NaOH
溶液で溶解した
DNA
サンプルの
pH
調整
ml8mM NaOH溶液について、以下の量の0.1Mあるいは1MHEPESを使用します。
Final pH 0.1 M HEPES (µl) Final pH 1 M HEPES (µl)
8.4
86 7.2 23
8.2
93 7.0 32
8.0
101
7.8
117
7.5
159
DNA抽出の注意点:
1. フェノール-ロロホルム相、中間相は、28℃で一晩保存可能です。
2. 75%エタノールに溶解したサンプルは、28℃で数ヶ月間保存可能です。
3. 8mM NaOH溶液に溶解したサンプルは、28℃で一晩保存可能です。長期保存については、pH
78に調整し、EDTAの濃度を1mMに調整してください。
タンパク質の分離方法:
タンパク質は、エタノールによるDNAの沈殿(DNAの沈殿、ステップ1)後に得られるフェノール、エタノー
ル含有の上清から分離します。得られるサンプルは、ウエスタンブロット法による解析が可能です(2)
必要な試薬:
イソプロピルアルコー
0.3 M 塩酸グアニジン/95% エタノール
エタノール
1% SDS溶液
1. タンパク質の沈殿
イソプロピルアルコールでフェノール、エタノール含有の上清よりタンパク質を沈殿させます(上清
は使用したTRIZOL®試薬1mlあたり約0.8mlの量になります)。使用したTRIZOL®試薬1mlあたりイ
ソプロパノール1.5 mlを加えます。サンプルを1530℃で10分間インキュベートし、28℃で10
間、12000gでタンパク質を沈殿させます。
2. タンパク質の洗浄
上清を除去し、0.3M塩酸グアニジンを含む95%エタノール溶液でペレットを3回洗浄してください。
使用したTRIZOL®試薬1mlあたり洗浄液2mlを加えてください。各洗浄時、ペレットを1530℃で
20分間洗浄液でインキュベートし、28℃で5分間、7500gで遠心してください。
3回目の洗浄後はペレットにエタノール2mlを加え、ボルテックスした後、530℃で20分間インキ
ュベートしてください。インキュベート後、28℃で5分間、7500gで遠心してください1
3. タンパク質の溶解
510分間ペレットを真空乾燥させます。1%SDS溶液を加え、ピペッティングして溶解してくださ
い。ペレットが完全に溶解しない場合は、サンプルを50℃でインキュベートしてください。不溶性画
分は28℃で10分間、10000gで遠心し沈殿させ、上清を新しいチューブに移してください。回収し
たサンプルはウエスタンブロット法に使用することができます。また、サンプルは-5-20℃で保存
可能です。
タンパク質抽出の注意点:
1. 0.3M塩酸グアニジン/95%エタノール溶液あるいはエタノールに溶解したタンパク質ペレットは、2
8℃で1ヶ月間、-5-20℃で1年間は保存可能です。
2. より効率的にタンパク質を回収したい場合は、こちらのプロトコールをお試しください。28℃の
0.1%SDS溶液中で、フェノール、エタノール含有の上清を透析してください。透析のバッファーは3
取り替えてください。10分間、10000gで遠心し、上清を回収してください。
3. SDS濃度が低濃度(0.1%以下)であれば、タンパク質はブラッドフォード法によって定量可能です。界
面活性剤による干渉を受けず、A260/A280に依存しない測定方法を使用してください(微量のフェノー
ルは、タンパク質濃度の測定に影響する可能性があります)
トラブルシューティングガイド:
RNAの分離
•1mgの組織または1×106個の培養細胞からの予想RNA収量
肝臓と脾臓、6-10 µg
腎臓、3-4 µg
骨格筋および脳、1-1.5 µg
胎盤、1-4 µg
上皮細胞(1×106の培養細胞)8-15 µg
線維芽細胞(1×106の培養細胞)、5-7 µg
・収率が低い
サンプルが完全にホモジナイズされていない、もしくは溶解されていなかった。
抽出後、RNAペレットが完全に再溶解されていなかった。
A260 /A280比が1.65以下
RNAサンプルを、TEバッファーではなく水で希釈した。低イオン強度およびpHが低い溶液は、280nm
での吸収率を増大させます(67)
ホモジナイズに使用したしたTRIZOL®試薬1少なすぎた。
ホモジナイズ後、サンプルを室温で5分間インキュベートしなかった。水相がフェノール相とコンタミネー
ションしてしまった。
抽出後、RNAペレットが完全に再溶解されていなかった。
RNAの分解
動物より取り出された組織を直ちに処理または冷凍しなかった。サンプルまたは抽出されたRNA-5
-20℃で保存していた。サンプルは-60-70℃で保存してください。
細胞の回収時、トリプシンを使用し回収した。バッファーまたはチューブがRNase freeではなかった。
アガロースゲル電気泳動に使用するホルムアルデヒドのpH3.5 より低かった。
DNAの混入
ホモジナイズに使用したしたTRIZOL®試薬1少なすぎた。
サンプルが、有機溶媒(エタノール、DMSO)、または強いアルカリ性溶液を含有していた。
プロテオグリカンおよび多糖の混入
プロテオグリカンや多糖が混入してくる場合、RNA抽出プロトコールのステップ3を以下の様に変更し
てください。水相に0.25 mlのイソプロパノールを加え、さらに使用したTRIZOL®試薬1mlあたり、0.25
mlの高塩濃度溶液(0.8M クエン酸ナトリウム/1.2M塩化ナトリウム溶液)を加えてください。その後のス
テップは、プロトコールに従ってください。またRNA抽出時の遠心ステップの追加(1ページ、RNAの分
離方法、サンプルのホモジナイズ-オプション参照)と本プロトコールを組合せることにより、より高純度
RNAを抽出することができます。
DNAの分離
•1mgの組織または1×106個の培養細胞からの予想DNA収量
肝臓および腎臓、3-4 µg
骨格筋、脳および胎盤 2-3 µg
培養ヒト、ラットおよびマウス細胞(1 × 106)5-7 µg
線維芽細胞、5-7 µg
・収率が低い
サンプルが完全にホモジナイズされていない、もしくは溶解されていなかった。
抽出後、DNAペレットが完全に再溶解されていなかった。
A260/280 比が1.70以下
DNAサンプルを、TEバッファーではなく水で希釈した。
フェノールが十分除去されていなかった。DNAペレットを0.1Mクエン酸ナトリウム/10%エタノール溶液
でもう1度洗浄してください。
DNAの分解
動物より取り出された組織を直ちに処理または冷凍しなかった。サンプル、または抽出されたDNA-
5-20℃で保存していた。サンプルは-60-70℃で保存してください。
サンプルが、ポリトロンまたは他の高速度ホモジナイザーでホモジナイズされた。
RNAの混入
水相の除去が十分でなかった。
0.1Mクエン酸ナトリウム/10%エタノール溶液による洗浄が不十分だった。
・他のアプリケーション
PCR反応を行う前に、pH8.4に調整してください。
制限酵素によるDNAの切断は、pHを調整し、1µgDNAあたり35ユニットの酵素を用い、最適な条
件下で324時間反応させてください。通常、DNA80-90%が消化されます。
タンパク質の分離
・収率が低い
サンプルが完全にホモジナイズされていない、もしくは溶解されていなかった。
抽出後、タンパク質ペレットが完全に再溶解されていなかった。
・タンパク質の分解
動物より取り出された組織を直ちに処理または冷凍しなかった。
SDS-PAGEにおけるバンドパターンの乱れ
タンパク質ペレットの洗浄が不十分だった。
References:
1. Chomczynski, P., and Sacchi, N. (1987) Anal. Biochem. 162, 156.
2. Chomczynski, P. (1993) Biotechniques 15, 532.
3. Ausubel, F.M., et.al, eds. (1990) Current Protocols in Molecular Biology, Vol.2, Greene
Publishing Assoc. and Wiley-Interscience, New York, p.A.1.5.
4. Simms, D., Cizdziel, P.E., Chomczynski, P. (1993) FOCUS® 15, 99.
5. Bracete, A.M., Fox, D.K., and Simms, D. (1998) FOCUS 20, 82).
6. Wilfinger, W., Mackey, K. and Chomczynski, P. (1997) BioTechniques 22, 474.
7. Fox, D.K. (1998) FOCUS 20, 37.
Teflon® is a registered trademark of E. I. Du Pont de Nemours & Co. TISSUMIZER® is a registered
trademark of Tekmar Co.
TRIZOL®® is a registered trademark of Molecular Research Center, Inc. *PCR is covered by a patent held
by Hoffman LaRoche Corporation.
Part 15596018.pps Rev. date: 12 Jun 2007
  • Page 1 1
  • Page 2 2

Thermo Fisher Scientific TRIzol Reagent 取扱説明書

タイプ
取扱説明書