Thermo Fisher Scientific TRIzol LS Reagent 取扱説明書

  • TRIzol LS試薬の製品説明書の内容を理解しました。RNA、DNA、タンパク質の抽出方法、試薬の取り扱い、トラブルシューティングなど、この試薬に関するご質問にお答えできます。お気軽にご質問ください。
  • TRIzol LS試薬は固体サンプルにも使用できますか?
    TRIzol LS試薬とTRIzol試薬の違いは?
    抽出されたRNA、DNA、タンパク質の保存方法は?
    RNAの純度を確認するにはどうすればよいですか?
    安全に扱うための注意事項は?
TRIzol® LS Reagent
カタログ番号 Quantity 室温保存
10296-010 100 mL
10296-028 200 mL
概要
TRIzol® LS 試薬 は、ヒト、動物、植物、酵母、細菌由来の液体サンプルから 1間以内で高品質の RNA(および DNA また
は蛋白質)を抽出する Ready-To-Use の試薬です。TRIzol® LS 試薬は、低分子から高分子の RNA 分子を効率良く抽出するた
めのフェノールおよびグアニジンイソチアシアネートなどを含む 1層の溶液です。TRIzol® LS 試薬は、細胞ホモジナイズ
のステップにおいて、効率的に細胞を溶解し、RNase 活性を抑え、損傷のない RNA の抽出を可能にします。TRIzol® LS
は多量なサンプルを同時に処理できる試薬で、Chomcynski および Sacchi によって開発されたシングルステップ RNA
単離法(Chomczynski & Sacchi, 1987)の改良版です。
TRIzol® LS 試薬 1つのサンプルから RNADNA およびタンパク質を抽出することができます(Chomczynski, 1993)
TRIzol® LS 試薬をサンプルに加えてホモジナイズした後、クロロホルムを加えます。遠心で層分離した後、RNA を含む水
相と DNA および蛋白質を含む中間相およびフェノール-クロロホルム相に分離されます。水相の RNA Isopropanol を加え
て沈殿させて回収します。中間相およびフェノール-クロロホルム相の DNA はエタノールにより沈殿させ回収します。タン
パク質はフェノール-エタノールの上清をイソプロパノール沈殿することにより回収します。沈殿した RNADNA およびタ
ンパク質は不純物を取り除くための Washing を行い、再懸濁し、ダウンストリームのアプリケーションに使用します。
抽出した RNA RT-PCRノーザンブロッティング、 Dot Blot hybridization poly(A)+ selection, in vitro トランスレーシ
ョン、 RNase protection assay およびクローニングに使用することができます。
抽出した DNA PCR 制限酵素処理およびサザンブロッティングに使用することができます。
抽出した タンパク質は、ウェスタンブロッティング、酵素活性のリカバリー(タンパク質による)、免疫沈降(タンパク
質による)に使用できます。
重要点:TRIzol® LS 試薬は液体サンプル(例:血液、ウイルス溶液)のための試薬です。TRIzol® 試薬と TRIzol® LS
薬の違いは成分の濃度だけになります。TRIzol® LS 試薬はサンプルに添加する試薬量を減らすために濃縮されております。
TRIzol® LS 試薬を希釈せずに固体のサンプルに使用しないでください。TRIzol® LS 試薬を固体のサンプルに使用すると、
TRIzo 試薬を使用した時よりも RNA の収量が減少します。
注意点
TRIzol® LS 試薬 はフェノール (有毒、腐食性) とグアニジンイソチアシアネート (刺激性)が含まれております。これらの
成分は適切に扱わない場合、健康に被害を及ぼす可能性があります。扱う時は、ドラフト内で、手袋および眼の保護具(
全ゴーグル)を装着してご使用ください。適切な取り扱いと廃棄のガイドラインに関してはお客様の施設 Environmental
Heath and Safety (EH&S) のご担当者にお問い合わせください。TRIzol® LS 試薬への直接の接触は避けてください。皮膚ま
たは眼への接触、吸い込みにより化学火傷を引き起こす恐れがあります。万が一皮膚や眼に接触した場合には、ただちに
部を大量の水で 15 分間洗浄し、必要があれば医師の診察を受けてください。もし気化ガスを吸いこんでしまった場合には、
ただちに新鮮な空気が得られる場所に移動し、必要があれば医師の診断を受けてください。更なる情報につきましては、
www.invitrogen.com/sds より入手可能な SDS (Safety Data Sheet)をご参照ください。
製品サイズと保存温度
TRIzol® LS 試薬 100 mL (Cat. no. 10296-010)のものと 200 mL (Cat. no. 10296-028)のサイズの者があり、室温で出荷さ
れます。製品がお手元に届きましたら、室温で保存してください。本製品は 12 カ月安定です。
用途
本製品は研究用となります。ヒトまたは動物への診断、治療にはご使用できません。
必要な試薬
RNADNA、タンパク質抽出には下記の器具および試薬が必要となります。
サンプル調整 サンプルのホモジナイズ
1. サンプルのタイプを選び、下記の表をもとに室温でサ
ンプルをホモジナイズします。サンプル量と TRIzol®
LS 試薬のボリュームの割合は必ず 13にしてくださ
い。TRIzol® LS 試薬の量が不十分な場合、DNA がコ
ンタミネーションする可能性がありますのでご注意く
ださい。
Note;少量のサンプル(0.25ml 以下)から抽出する場合は、
RNase free 水で 0.25ml にメスアップしてください。
サンプルタイプ アクション
生体液 1. 0.25ml のサンプル量あたり 0.75ml
TRIzol® LS 試薬を加えてください。
2. 何度か上下にピペッティングを行い、
細胞を溶解して下さい。
Note: 血液のように多くの物質が混入
しているサンプルについては、サンプ
ルと同量の RNase Free Water を加えて
サンプルを希釈してください。
組織 1. 50–100 mg 組織または 0.25ml の細胞あ
たり 0.75mL TRIzol® LS 試薬を加えて
ください。
2. glass-Teflon® または power
homogenizer を使
モジナイズしてください。
Note: 組織回収後は、速やかに上記の
ホモジナイズを行うか、凍結します。
希釈せずに固体のサンプルには使用し
ないでください。
接着細胞
(単層)
1. 培地を dish から取り除く。
2. 10 cm2 dish 表面積に対して 0.3-0.4mL
TRIzol® LS 細胞に加
えます。
3. 数回上下にピペッティングし、直接細
胞を溶解します。
Note:Culture Dish またはホモジナイ
ズ溶液には絶対に水を加えないでくだ
さい。Dish と細胞に残っているわずか
な培地でホモジナイズ溶液は十分に希
釈することができます。
浮遊細胞 1. 遠心で細胞を回収し、培地を取り除き
ます。
2. 0.25 mL のサンプル (動物、植物、酵
母由来の場合は 5–10 × 106 、細菌由
来の場合には 1 × 107 cells)に対して
0.75 mL TRIzol® LS を加えま
す。
Note: TRIzol® LS 試薬添加前の細胞洗
浄は、mRNA が分解される可能性がある
ので避けてください。
3. 数回上下にピペッティングし、細胞を
溶解します。一部の酵母および細菌の
破砕には、ホモジナイザーが必要な場
合があります。
2. (Option) 筋肉、脂肪組織または植物の塊茎部のような、
タンパク質、脂肪、多糖類または細胞外物質を大量に
含むサンプルは、さらに分離ステップが必要な場合が
あります。
NoteRNA 分離後に DNA も分離するサンプルにはこの
加ステップは行わないでください
サンプルタイプ Note
タンパク質、脂肪、
多糖類または細胞
外物質を大量に含
む組織または細胞
1. ホモジナイズ後、12000g, 10 分間、4℃で
遠心します。
Note: 細胞外膜、多糖類および高分子量の
DNA は沈澱し、RNA は上清に含まれて
います。脂肪組織からの検体は、上層に
脂肪成分がみられることがありま
2. 脂肪成分の相を取り除きます。
3. 透明な上清を新しいチューブに移します。
3. 2 相分離ステップに移るか、ホモジナイズサンプルを保
存してください。ホモジナイズサンプルは室温で数時間、
-60 ℃から -70°C で少なくとも 1年は安定です。
2相分離
1. ホモジナイズサンプル(サンプルのホモジナイズの項目
をご参照下さい)の核タンパク複合体を完全に分解させ
るため、室温で 5分間インキュベーションします。
2. 0.75mL TRIzol® LS 試薬に対しての 0.2 mL のクロロ
ホルムをを加えます。しっかりと蓋を閉めます。
3. チューブを 15 秒間、激しく振ります。
4. 室温で 2分から 15 分間インキュベーションします。
5. 12,000g15 分間、4℃で遠心を行います。
Note: 遠心後の溶液は暗赤色のフェノール-クロロホル
ム相、中間相および無色の水相に分離します。RNA
は水
相に溶解しています。
得られる水相のボリュームは、使
用した TRIZOL® LS 試薬の約~70%になります。
6. チューブを 45 度に傾け、注意深く水相を回収します。
水相をピペットで吸い込む際には、中間相およびフェノ
ール-クロロホルム相を吸いこまないよう十分に注意し
ます。
7. 水相を新しいチューブに移し、RNA 抽出のステップ
進みます。
8. その後、DNA、タンパク抽出を行う際には、中間相、フ
ェノール-クロロホルム相を保存しておきます。具体的プ
ロトコールについては DNA の抽出およびタンパク質の
抽出の項をご参照ください。フェノール-クロロホルム相
の安定性については、4°C で一晩安定です。
RNA の抽出方法
RNA の調整、取り扱いの際には、RNase が混入しないよう
な措置を行ってください。
RNA の沈殿
1. (Option)少量のサンプル<106 細胞または <10 mg
織)から RNA を抽出する場合は、回収した水相に 5μg
から 10 μgRNase-free のグリコーゲンをキャリアと
して加えます。
Note: グリコーゲンは RNA と共沈します。グリコーゲ
ンは最高 4mg/ml の濃度まで加えても、1本鎖 cDNA
成や PCR 反応を阻害することはありません。
2. 回収した水相にイソプロパノールを加えます。使用した
TRIzol® LS 試薬 0.75mL につき 0.5mL 100%イソプ
ロパノール加えます。
3. 室温で 10 分間インキュベーションを行います。
4. 12000g10 分間、4℃で遠心を行います。
Note: 遠心前には RNA は眼には見えないことが良くあ
りますが、チューブの側面や底部にゲル状のペレットと
して確認できます。
5. RNA の洗浄と溶解に進みます。
RNA の洗浄と溶解
1. 上清をチューブから取り除きます。
2. 使用した TRIzol® LS 試薬 0.75mL につき 1mL 75%
タノールで RNA のペレットを洗浄します。
3. ボルテックス処理をして、45分間、 7500 g で軽
く遠心をして、上清を捨てます。
4. RNA ペレットを 5分から 10 分間 風乾または真空乾燥
してください。真空乾燥時は遠心しないでください。
Note: RNA のペレットは、完全に乾燥させると溶解度が
極端に低下するため、完全に乾燥する前に溶解してくだ
さい。A260/280 <1.6 の場合は、RNA 完全に溶解し
ていない可能性が考えられます
5. RNA RNase free の水または 0.5% SDS 溶液(20μl
から 50 μL)を加え、何度かピペッティングを行い混合し
ます。
Note: 回収した RNA を、の後の実験で酵素反応に使用
する場合は、0.5%SDS 溶液を用いないでください。
6. 恒温槽かヒートブロックで 55℃から 60℃で 10 分から
15 分間インキュベーションします。
7. 次の実験へ進むか、-70℃に保存します。
DNA の抽出方法
RNA の抽出方法に記載されているように水相の除去後、中
間相およびフェノール-クロロホルム相より DNA を抽出す
ることができます。
DNA の沈殿
1. 中間相の上に残っている水相を除去します。水相を注意
深く除去することが、DNA の精製度に重要です。
2. 使用した TRIzol® LS 試薬 0.75ml につき 100%エタノー
0.3ml を加えます。
3. チューブに蓋をして転倒混和にてサンプルを混合してく
ださい。
4. 室温で 2-3 分インキュベーションします。
5. 4℃で 5分間、2000g で遠心し、DNA をペレットにしま
す。
6. もしタンパク質の抽出も行う場合には、フェノール-エタ
ノールの上清を取り除き新しいチューブに移して保存し
ておきます。上清は-70で数カ月間は安定です。
7. DNA の洗浄と溶解に進みます。
DNA の洗浄と溶解
1. クエン酸ナトリウム/エタノール溶液(0.1M クエン酸ナ
トリム. pH8.5 10%エタノールに加える)DNA ペレ
ットを洗浄します。使用した TRIzol® LS 試薬 0.75ml
あたり 1ml の溶液で洗浄します。
2. 室温で 30 分間、インキュベーションします。インキュ
ベーション中は時々チューブを撹拌してください。
Note: DNA はクエン酸ナトリウム/エタノール溶液内で
少なくとも 2時間は保存できます。
3. 4℃で 5分間、2000g で遠心を行い、上清を捨てます。
4. 上記の操作(ステップ 1-3)をもう 1回繰り返します。
Note: DNA のペレットが大きい場合(>200 μg)には上記
の操作を 2回繰り返します。
5. 使用した TRIzol® LS 試薬 0.75mL につき 1.5ml から
2mL 75%エタノールを加えます。
Note: DNA サンプルは 75%エタノール中で保存でき、
4℃で数カ月安定です。
6. 10 分から 20 分インキュベーションします。インキュベ
ーション中は時々チューブを撹拌してください。
7. 4℃で 5分間、2000g で遠心を行い、上清を捨てます。
8. DNA ペレットを 5分から 10 分間、風乾または真空乾燥
してください。真空乾燥時は遠心しないでください。
9. DNA 濃度が 0.2 から 0.3μg/μlになるように、8mM
NaOH 溶液に溶解してください。107個の細胞、または
5070mg の組織から抽出した DNA 300 から 600μl
8mM NaOH 溶液を加えます。
Note: 抽出された DNA は、水あるいは Tris バッファー
では再懸濁が難しいため、弱アルカリ性のバッファーで
再懸濁することを推奨します。
10. 4℃、12000g 10 分間遠心し、不溶性物質を除去して
ください。
11. 新しいチューブに DNA を含む上清を移してください。
ダウンストリームのアプリケーションによっては
HEPES で溶液の pH を調整する必要があります。DNA
4℃で一晩安定です。長期間保存する際には、HEPES
にて溶液の pH 7-8 程度に調整して 1mM EDTA を加
えたのち、4℃または-20℃で保存してください。
RNA 及び DNA の収量の測定
RNADNA の濃度を測定するには 260nm280nm の吸光
度の測定にて RNADNA の濃度が測定できます。
予想される収量
下記の Table には様々な出発材料から抽出される RNA
(A260/280 の値が 1.8 以上) 及び DNA (A260/280 の値
1.6–1.8)の一般的な収量を示しています。
出発材料 RNA DNA
ヒト血液 250ul
1ml
2.6-4.0ug
15-20ug
上皮細胞 1×106 cells 8-15 μg
タバコ葉 — 73ug
ヒト白血球 7×107cells
7×108 cells
60-70ug
1109ug
1.3mg
培養細胞(哺乳類) 1×106 5–7 μg
骨格筋、脳
胎盤
1 mg
1 mg
1–1.5 μg
1–4 μg
2–3 μg
2–3 μg
肝臓
腎臓 1 mg 6–10 μg
3–4 μg
3–4 μg
3–4 μg
タンパク質の抽出方法
タンパク質は DNA の沈殿後のフェノール-エタノールの上
清からタンパク質を抽出します。タンパク質の沈殿または
タンパク質の透析によりタンパク質を抽出できます。
タンパク質の沈殿
1. 使用した TRIzol® LS 試薬 1mL につ1.5mL のイソプ
ロパノールをフェノール-エタノール上清に加えます。
2. サンプルを室温で 10 分間、インキュベーションします。
3. タンパク質をペレットにするため 410 分間、
12,000g で遠心し、上清を捨てます。
4. タンパク質の洗浄ステップに進みます。
タンパク質の洗浄
1. 95%エタノールに 0.3M グアニジン塩酸を溶かした Wash
溶液を調整します。
2. 使用した TRIzol® LS 試薬 1mL に対して 2ml Wash
溶液を使用してタンパク質ペレットを洗浄します。
3. 室温で 20 分インキュベーションします。Note: タンパク
質サンプルは Wash 溶液中で保存でき、4で少なくとも
1カ月、-20で少なくとも 1年間は安定です。
4. 4℃で 5分間、 7,500g で遠心し、上清を捨てます。
5. 2-4 のステップを 2回かそれ以上の回数繰り返します。
6. 2mL 100%エタノールをタンパク質ペレットへ添加。
7. 室温で 20 分間インキュベーションします。
8. 4℃で 5分間、7,500g で遠心し、上清のエタノールを除
去します。
9. タンパク質ペレットを 5分から 10 分間、風乾させます。
ペレットを完全に乾燥させないようにしてください。
10. タンパク質 の溶解のステップに進みます。
タンパク質の溶解
1. 200 μL 1% SDS 溶液をタンパク質ペレットに加えて、
溶解するまでピペッティングします。
Note: ペレットを完全に溶解するため、50の恒温槽ま
たはヒートブロックで温めることも必要があればお勧
めします。
2. 410 分間、10,000g で遠心し、不溶解物質を取り除
きます。
3. タンパク質が含まれる上清を新しいチューブに移し、ダ
ウンストリームのアプリケーションにご使用ください。
または-20で保存することもできます。
タンパク質の透析法
1. フェノール-エタノール上清を透析膜に入れます。
Note: 透析膜の種類によってはフェノール-エタノール
に溶解してしまうものもあります(例Cellulose Ester
使用する前に透析膜がフェノール-エタノール溶液に使
用できるかお試しください。
2. 4で、0.1%SDS 溶液中で 3回バッファー交換を行い、
サンプルを透析します。16 時間後に初めのバッファー交
換を行い、更に 4時間後(初めより 20 時間後)にまた
バッファー交換を行います。更に 2時間後(初めより 22
時間後)に最後のバッファー交換を行います。
Note: 0.1% SDS はタンパク質ペレットの溶解に使用さ
れます。低い濃度の SDS では不十分です。必要であれば
溶解後に SDS を希釈します。
3. 410 分間、10,000g で透析液を遠心します。タンパ
ク質は透明な上清となります。
4. 上清を新しいチューブに移し、ダウンストリームのアプ
リケーションに進むか、-20に保存してください。
5. (Option) ペレットを 100 μL 1% SDS 溶液または 100
μL 8M urea 溶液に必要があれば溶解して下さい。
タンパク質の収量の測定
タンパク質の濃度は Bradford アッセイで測定下さい(SDS
の濃度は<0.1%である必要があります)
トラブルシューティング
References:
Chomczynski, P. (1993) A reagent for the single-step simultaneous isolation of RNA, DNA and proteins from cell and tissue samples. BioTechniques 15, 532-537
Chomczynski, P., and Sacchi, N. (1987) Single Step Method of RNA Isolation by Acid Guanidinium Thiocyanate-Phenol-Chloroform Extraction. Anal. Biochem. 162, 156-159
Hummon, A. B., Lim S. R., Difilippantonio, M. J., Ried, T. (2007) Isolation and solubilization of proteins after TRIzol® extraction of RNA and DNA from patient material following prolonged storage. BioTechniques 42, 467-472
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TRIzol® is a registered trademark of Molecular Research Center, Inc.
問題 原因 対処
RNADNA、タンパク
質の収量が低い
サンプルの溶解及びホモジナイズが不十分
• RNADNA、タンパク質の最終ペレットの溶解が不
十分。
出発材料の量を減らしてください。組織を更小さく刻
TRIzol® LS 試薬に完全に浸っていることをご確認
ください。
溶解を促進する為、サンプルのピペッティングを繰り
返し行い、50-60でサンプルを温めてください。
RNADNA、タンパク
質が分解している
サンプル採取後、すぐにサンプルを処理していない、
または凍結していない。
• RNADNA、タンパク質を適切な温度に保存してい
ない。
サンプルは採取後、必ずすぐに処理または凍結させて
ください。
• RNA サンプルは-60から-70に保存してください。
DNAンパク質の場合には-20に保存して下さい。
RNADNA のコンタミ
ネーションがある
中間相、フェノール-クロロホルム相を水相をといっ
しょにピペットで吸い込んでしまっている
水相の除去が不十分である
• 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶液での DNA
ペレットの洗浄が不十分
• 2 相分離後の水相の回収時に中間相、フェノール-クロ
ロホルム相をピペットで吸い込まないよう、水相に余
裕を残して回収を行ってください
• DNA 沈殿前に水相の除去を行ってください。
• 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶液でペレット
を洗浄していることを確認してください。
RNA A260/280
が低い
サンプルのホモジナイズに使用した TRIzol® LS
薬の量が不十分である。
フェノール-クロロホルム相の除去が不十分。
サンプルに合った適切な量の TRIzol® LS 試薬を加え
て下さい。詳しくはサンプルのホモジナイズの項をご
参考ください。
•2 相分離後の水相の回収時に中間相、フェノール-クロ
ロホルム相をピペットで吸い込まないよう、水相に余
裕を残して回収を行ってください
DNA A260/280
が低い
DNA の調整時のフェノールの除去が十分でない。 DNA レットを 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶
液での洗浄時の洗浄回数を増やしてください。
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