タンパク質の洗浄
1. 95%エタノールに 0.3M グアニジン塩酸を溶かした Wash
溶液を調整します。
2. 使用した TRIzol® LS 試薬 1mL に対して 2ml のWash
溶液を使用してタンパク質ペレットを洗浄します。
3. 室温で 20 分インキュベーションします。Note: タンパク
質サンプルは Wash 溶液中で保存でき、4℃で少なくとも
1カ月、-20℃で少なくとも 1年間は安定です。
4. 4℃で 5分間、 7,500g で遠心し、上清を捨てます。
5. 2-4 のステップを 2回かそれ以上の回数繰り返します。
6. 2mL の100%エタノールをタンパク質ペレットへ添加。
7. 室温で 20 分間インキュベーションします。
8. 4℃で 5分間、7,500g で遠心し、上清のエタノールを除
去します。
9. タンパク質ペレットを 5分から 10 分間、風乾させます。
ペレットを完全に乾燥させないようにしてください。
10. タンパク質 の溶解のステップに進みます。
タンパク質の溶解
1. 200 μL の1% SDS 溶液をタンパク質ペレットに加えて、
溶解するまでピペッティングします。
Note: ペレットを完全に溶解するため、50℃の恒温槽ま
たはヒートブロックで温めることも必要があればお勧
めします。
2. 4℃で10 分間、10,000g で遠心し、不溶解物質を取り除
きます。
3. タンパク質が含まれる上清を新しいチューブに移し、ダ
ウンストリームのアプリケーションにご使用ください。
または-20℃で保存することもできます。
タンパク質の透析法
1. フェノール-エタノール上清を透析膜に入れます。
Note: 透析膜の種類によってはフェノール-エタノール
に溶解してしまうものもあります(例:Cellulose Ester)。
使用する前に透析膜がフェノール-エタノール溶液に使
用できるかお試しください。
2. 4℃で、0.1%SDS 溶液中で 3回バッファー交換を行い、
サンプルを透析します。16 時間後に初めのバッファー交
換を行い、更に 4時間後(初めより 20 時間後)にまた
バッファー交換を行います。更に 2時間後(初めより 22
時間後)に最後のバッファー交換を行います。
Note: 0.1% SDS はタンパク質ペレットの溶解に使用さ
れます。低い濃度の SDS では不十分です。必要であれば
溶解後に SDS を希釈します。
3. 4℃で10 分間、10,000g で透析液を遠心します。タンパ
ク質は透明な上清となります。
4. 上清を新しいチューブに移し、ダウンストリームのアプ
リケーションに進むか、-20℃に保存してください。
5. (Option) ペレットを 100 μLの 1% SDS 溶液または 100
μLの 8M urea 溶液に必要があれば溶解して下さい。
タンパク質の収量の測定
タンパク質の濃度は Bradford アッセイで測定下さい(SDS
の濃度は<0.1%である必要があります)
トラブルシューティング
References:
Chomczynski, P. (1993) A reagent for the single-step simultaneous isolation of RNA, DNA and proteins from cell and tissue samples. BioTechniques 15, 532-537
Chomczynski, P., and Sacchi, N. (1987) Single Step Method of RNA Isolation by Acid Guanidinium Thiocyanate-Phenol-Chloroform Extraction. Anal. Biochem. 162, 156-159
Hummon, A. B., Lim S. R., Difilippantonio, M. J., Ried, T. (2007) Isolation and solubilization of proteins after TRIzol® extraction of RNA and DNA from patient material following prolonged storage. BioTechniques 42, 467-472
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TRIzol® is a registered trademark of Molecular Research Center, Inc.
問題 原因 対処
RNA、DNA、タンパク
質の収量が低い
• サンプルの溶解及びホモジナイズが不十分
• RNA、DNA、タンパク質の最終ペレットの溶解が不
十分。
• 出発材料の量を減らしてください。組織を更小さく刻
みTRIzol® LS 試薬に完全に浸っていることをご確認
ください。
• 溶解を促進する為、サンプルのピペッティングを繰り
返し行い、50-60℃でサンプルを温めてください。
RNA、DNA、タンパク
質が分解している
• サンプル採取後、すぐにサンプルを処理していない、
または凍結していない。
• RNA、DNA、タンパク質を適切な温度に保存してい
ない。
• サンプルは採取後、必ずすぐに処理または凍結させて
ください。
• RNA サンプルは-60℃から-70℃に保存してください。
DNA、タンパク質の場合には-20℃に保存して下さい。
RNA、DNA のコンタミ
ネーションがある
• 中間相、フェノール-クロロホルム相を水相をといっ
しょにピペットで吸い込んでしまっている
• 水相の除去が不十分である
• 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶液での DNA
ペレットの洗浄が不十分
• 2 相分離後の水相の回収時に中間相、フェノール-クロ
ロホルム相をピペットで吸い込まないよう、水相に余
裕を残して回収を行ってください。
• DNA 沈殿前に水相の除去を行ってください。
• 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶液でペレット
を洗浄していることを確認してください。
RNA の A260/280 値
が低い
• サンプルのホモジナイズに使用した TRIzol® LS 試
薬の量が不十分である。
• フェノール-クロロホルム相の除去が不十分。
• サンプルに合った適切な量の TRIzol® LS 試薬を加え
て下さい。詳しくはサンプルのホモジナイズの項をご
参考ください。
•2 相分離後の水相の回収時に中間相、フェノール-クロ
ロホルム相をピペットで吸い込まないよう、水相に余
裕を残して回収を行ってください。
DNA の A260/280 値
が低い
DNA の調整時のフェノールの除去が十分でない。 DNA ペレットを 0.1M クエン酸ナトリウム/エタノール溶
液での洗浄時の洗浄回数を増やしてください。