Thermo Fisher Scientific Applied Biosystems 7900HT Fast Real-Time PCR System SDS Software リファレンスガイド

タイプ
リファレンスガイド
Applied Biosystems
7900HT Fast Real Time PCR System
納品説明補足資料・簡易操作ガイド
Rev.B
SDS software version 2.3
2
本ガイドはApplied Biosystems 7900HT Fast Real Time PCR System操作を行う際に必要となる部分のみを
記載している簡易操作ガイドです。
詳細は装置付属の英文ユーザーガイド をご確認下さい。また本ガイドには知的財産に関するいかなる情報も含
んでおりません。知的財産に関するする情報は英文ユーザーガイドに記載されておりますのでご参照ください。
研究用にのみ使用できます。診断目的およびそ手続き上での使用は出来ません。
The PCR process and 5' nuclease process are covered by patents owned by Roche
Molecular Systems, Inc. and F. Hoffmann-La Roche Ltd.
Applied Biosystems, ABI PRISM, GeneAmp, MicroAmp and VIC are registered trademarks
and AB (Design), Applera, FAM, JOE, NED, Primer Express, ROX,TAMRA and TET are
trademarks of Applera Corporation or its subsidiaries in the US and/or certain other
countries.
TaqMan and AmpErase are registered trademark of Roche Molecular Systems, Inc.
SYBR is a registered trademark of Molecular Probes, Inc.
本誌に記載の社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。
記述内容は改良のため予告なく変更される場合がありますので、ご了承下さい。
製品の仕様・外観は改良のため予告なしに変更される場合があります。
©2006 Applied Biosystems Japan Ltd,. All rights reserved.
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目次
Real - Time 定量 PCR   -------------------------------
ケミスト   ------------------------------------
・蛍光5エキソヌクレアーゼアッセイケミストリTaqMan®ッセイケミストリ)   ---------
SYBR®Green Dye アッセイケミストリ   -------------------------
7900HT Fast ステムの特徴   ---------------------------
・ハードウェア   -----------------------------------
・ソフトウェア   -------------------------------------
SDS システムソフトウェア簡易操作ガイド (Ⅰ)
Absolute Quantification 使用フロー   -------------------------
・新規プレートドキュメントの作成 (Wizardを使用する場合)   -----------------
・新規プレートドキュメントの作成 (Wizardを使用しない場合)   ----------------
・サーマルサイクリング条件の指定とランの開始 (96 ウェル / 384 ウェル)   -----------
・サーマルサイクリング条件の指定とランの開始 (Fast 96 ウェル)   --------------
・サンプルのシール方法   -------------------------------
・プレートのセットとランの開始   ----------------------------
・データ解析   -----------------------------------
・解析結果のエクスポート   -----------------------------
・ガイドラインに基づいた反応条件   ----------------------------
SDS システムソフトウェア簡易操作ガイド (Ⅱ)
Relative Quantification RQソフトウェアによる検量線を用いない相対定量~   ---- 
Absolute Quantification ~検量線を用いた定量法~   ---------------
・比較CT法(DD CT)とは   ------------------------------
DD Ct RQドキュメントを用いた定量実験のワークフロー   -----------------
RQ Plate ドキュメントの新規作成 (Wizardを使用する合)   ----------------
・サーマルサイクリング条件の指定とランの開始   ----------------------
RQ Manager 1.2 ソフトウェアを用いたRelative Quantification Study   ------------
・解析データの確認   --------------------------------
・解析結果のエクスポート   -----------------------------
SDS システムソフトウェア簡易操作ガイド (Ⅲ)
Allelic Discrimination ~対立遺伝子識別アッセイ   ---------------
Allelic Discrimination アッセイ使用フロー   -----------------------
・Ⅰ: Allelic Discrimination ドキュメントの作成とPre-Readの実行(Wizardを使用する場合) ----
・Ⅱ: Absolute Quantification ドキュメントでのラン (Wizardを使用する場合)  -----------
・Ⅲ: Allelic Discrimination ドキュメントでのPost-Readの実行   ----------------
・Ⅳ: Allelic Discrimination ドキュメントでの解析   ---------------------
SDS システムソフトウェア簡易操作ガイド (Ⅳ)   
装置のメンテナンス   ------------------------------
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PCR応理論式
[DNA]n= [DNA]0 (1+e)n
[DNA]n: nサイクル目のPCRプロダクト量
[DNA]0 : ーゲットテンプレートの初期量
e : 平均PCR効率
n : サイクル
PCR効率を100%と考えると、上の式 e = 1 となるので
[DNA]n= [DNA]0 ×2n
となり、PCRプロダクトは 1クルごと2の乗数倍で増える。
サイクル数
Log表示)
C
CT
T (Threshold Cycle) 値
指数関数的
増幅領域
21 22 23 24 25 26
20
補助線(Threshold Lineと増幅曲線の交点であるサイクル数(CT値)をみると100%PCR効率が得られ
場合、 2倍の初期濃度の差1イクルの差となる
広い濃度範囲のサンプルを指数関数的領域で比較できるので、より正確な定量結果を得ることができる
PCR (
プラトー
Threshold Line
- Real-Time量PCR -
5
- Real-Time量PCR -
PCR増幅曲線
サイクル初
サイクル中
サイクル後
PCRプロダクトの対数
 サイクル数 
出番は
まだ~?
PCRポリメラーゼ連鎖反応)DNA鎖を複する循環的な酵素反応で、前のサイクルで複製されたプロ
トが連続するサイクルでのテンプートとして用いられす。それゆえにPCR目的とする標的配列分子を指
数関数的に増幅させることができます。その増幅効率が100%、すなわち標的配列分子が毎サイクルで2
に増幅される場合20サイクル後には標的分子が100倍に増幅されることになります。しかし、実際PCR
効率は100%とはならな場合がほとどです。
サイクル初
サイクル初期ー中期ー後期PCR
6
- Real-Time量PCR -
サイクル中
効果き起よう
ものがありす。
dNTPとプライーの加水分解
DNAポリメラーゼの熱による失
・一本鎖PCRラグメントの再会合による
 プライマーアニーリング効率の低下
PCR蓄積によるDNA メラー
ゼの有効濃度の低下
・非特異的PCRプロダクトによる競合阻害
PCR阻害 
DNAポリメラーゼの5‘-3’エキソ ヌクレア
ゼ活性によるPCRプロダクト の加水分解
また、プラトーに達するサイクル数は増幅される対象
となDNA配列によって大きく異なります。増幅され
列における長(アンプリコン)GC、二次
構造はずべてプラトー効果に寄与する重要な要因と
なりま。標的DNA初期量または初期濃度も同様
です。結局、プラトーに達するサイクル数は各標的配
列毎実験的決定しけれなりません。このよ
PCR定量
は初PCR量との間に式のよ
関係が成立する指数関数的増幅領域での測定が前
提条件となります(競PCRは例外です)。
まだかな?
じゃまだヨ~
切っちあゃうぞ
どいて!
手がまわら
ないヨ~
ボクも
お願いネ!!
サイクル後期(プラトー)
ライマーダイマーを含めた非特異的PCRプロダクトの生成を抑制し、標的分子の特異的PCR
ダクトを率よく増幅せることは反応条件の最適化で可能です。一方、あるサイクル数を過ぎ
ると(一般的にPCRプロダク
トが10-8M度に達した時)PCR効率はサイクル数
の増加に伴って低下し、指数関数的な増幅か
直線関数的な増加に変化します。
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注意:最も一般的な「例」を示しています。機種より励起波長のフィルタリング等が異なります
蛍光5´ヌクレアーゼケミストリ(TaqMan®アッセイケミストリ)
TaqMan®プローブの構造は以下の通りになりま
Reporter Quencher
5‘ 3‘
R Q
TaqMan®プローは両端を異なる蛍光でラベルした2030塩基のオリゴヌクレオチドで、ター
ゲット領域に特異的にハイブリダイズするように設計されています。尚、TaqMan®プローブの3‘
端はリン酸化され、プローブからの伸長反応が起きないうになっています。
5‘端にはFluoresceine 系の蛍光色素(R:リポーター)、3’末端にはRhodamine 系の蛍光色素
Q:クエンチャー)をラベルします。
TaqMan®プローブが単体で存在しているとき、リポーターの励起光を照射するとリポーターの蛍光
波長がクエンチャーの励起波長に近似しているため、リポターの蛍光エネルギはクエンチャー
の励起エネルギーとして使用され、クエンチャーが蛍光を発します。のためTaqMan®プローブが
単体で存在しているときにはリポターの蛍光が抑制されます。
リポーター蛍光=クエチャー励起
     530-560nm 前後)
リポーター励起光 
   (488nm
クエンチャー蛍光
580-620nm 前後)
R Q
8
NFQ MGB
R
NFQ
MGB
R: Reporter Dye (FAM or VIC)
: Non-Fluorescent Quencher 
: Minor Groove Binder
★ MGBの付加によりTmの値が上がり、短く設計できる
★ SNPsタイピングの場合1塩基ミスマッチ率が上がる
★ Quencherの蛍光色が出ないため、バックグラウンド
 ノイズが低くなる
特徴
TaqMan®MGB Probe
TaqMan®プローブについて
TaqMan®
プローブの種類
プローブの特徴
アプライドバイオシステムではTaqMan®アッセのためのプローブとして
記の2種類をご提供しています
◆  TaqMan®プロー
◆  TaqMan®MGB プローブ
2種類のプローブのそれぞれの特徴は下記の通りになります。   
TaqMan®
MGB
TaqMan®
TaqMan®
プローブ
Nonfluorescent
quencher Minor groove binder
TAMRATM なし
6-FAMTM
VIC®, or
TETTM
6-FAMTM
VIC®, or
TETTM
5’ ラベル 3’ ラベル 特徴
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1. Polymerization
TaqMan®プローブの両端には、リポータ蛍光色素(R)とクエンチャー蛍
  色素(Q)がそれぞれ5´末端と3´末端に結合している
2. Strand displacement
反応前のTaqMan®プローブは、リポーターから蛍光がクエンチ(消光)されている
3. Cleavage
  各伸長サイル中に、DNAポリメラーゼの5´-3´エキソヌクレアーゼ活性により
   TaqMan®プローブが分解されリポーター蛍光色素が5´末端から遊離する
4. Polymerization completed
   リポーター蛍光色素は、クエンチャー蛍光色素と距離が離れて蛍光を発す
R
R
5´ 5´
R
5´ 5´
RQ
FORWARD
PRIMER
REVERSE
PRIMER
PROBE
蛍光5´ヌクレアーゼケミストリ(TaqMan®ケミストリ)
Q
Q
Q
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1. Reaction setup
SYBR®Green I Dyeは、2本鎖DNAに結合することで強い蛍光を発する
2. Denaturation
DNAが1本鎖変性する時、SYBR®Green I DyeはDNAから遊離し、蛍光は急激に減少する
4. Polymerization completed
  伸長反応に伴い、 SYBR®Green I Dyeは2本鎖DNAに結合し再び蛍光を発す
   増加した蛍光を7900システムが検出する
SYBR®Green I Dye アッセイケミストリ
3. Polymerization
  伸長反応中、プライマーがアニーリングしPCR産物が産生され
FORWARD
PRIMER
REVERSE
PRIMER
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SYBR®Green I Dye アッセイケミストリ
蛍光強度
-解離曲線によるPCRプロダクトの検証-
温度 ℃ 温度 ℃
蛍光量の1次微分(変化量)
温度 ℃
ターゲットのピーク
ターゲット以外のピ
ターゲットのみのピ
蛍光量の1次微分(変化量)
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7900システム ハードウェア
システム体 解析用PC
Zymark®Twister®
プレートハンド
(付属モデルのみ)
蛍光デタ回収システ
スキャンヘッドが移動しながらウェル毎に
励起光をあて、蛍光データを回収します。
7~10秒毎に96ウェルまたは384ウェルの
データを回収します。
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光源:Arレーザー 励起波長:488nm
7900システム ハードウェア
各ウェルの500-660nmの間の蛍光波長を5nm間隔でデータ回収します
96ウェルまたは384ウェルのデータを7~10秒毎に回収します
キャリブレーション用のデータのうち
・Backgroundデータはウェル単位で回収・作成されま
・Pure Dyeデータは行毎に回収・作成されます
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Multicomponent
時間
Raw Data
7900システム ソフトウェ
蛍光波長
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増幅曲線
検量線
(増幅効率 e = 10(-1/検量線の傾き)-1)
CT
濃度
サイクル数
Delta
Rn
7900システム ソフトウェ
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解離曲線
温度(℃)
Report
SYBR®アッセイのときのDerivative Data)
7900システム ソフトウェ
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SDSシステムソフトウェア簡易イド(I)
Absolute Quantification
~検量線を用いた定量法
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PC を起動
7900システムを起動
ソフトウェアの起動ならびにプレートドキュメントの作成 (p.19~)
PC(コンピュータ)と7900システム本体との正常なコミュニケーションをはかるために、
以下の手順でのご使用をお願い致します
Absolute Quantification 使用フロー
ドキュメントの保存
ランの開始~終了 (p.38~)
データ解析 (p.39~)
・Windows の Desktop 画面になるのを確認
・ステータスライトが緑色の POWER 表示
・Detector と Task の設定
・Thermal Cycler プロトコールの確認(変更)
・サンプルが分注されたプレートをセット
・Start ボタンをクリックしてランを開始
 ステータスライトが黄色のIN USE点滅表示
・ランの終了 / The run completed successfully 表示
・データ解析、データの Export (タブ区切りファイル)
シャットダウン
・ソフトウェア→7900システム→PC の順
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新規プレートドキュメントの作成 (Wizardを使用する場合)
1. デスクトップ上のショートカットをダブルクリックしSDS Software を起動します
2. File メニューよりNew Plate Wizard を選択します
3. Create Plate Document Wizard が表示されます。
5
4. Quantification の中かStandard Curve (AQ) を選択します。
5.  Next をクリックします。
SDSソフトウェア v2.3では、Create Plate Wizard を使用して新規プレートドキュメントを作成することができ
ます。この場合、既存のプレートドキュメントのサンプル情報を利用して設定することも可能です。また
v2.2.2 以前のバージョンと同じ手順で作成することも可能です。その場合はp.25からの手順をご参照くだ
さい。
20
6. 使用するプレートに応じて Plate Type を選択します。プレートと選択は下記の表の通りです
7. Blank Document を選択します。
8.  Next をクリックします
Plate Type反応するプレートタイプ
384 Wells TaqMan®Low Density ArrayLow Density Array
96 Wells Clear PlateFast 96ウェル
96 Wells Clear Plate96ウェル
384 Wells Clear Plate384ウェル
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タイプ
リファレンスガイド