Shinko QTC1-2 ユーザーマニュアル

制御モジュール

QTC1-2

取扱説明書

ii

iii

注意

はじめに

このたびは，制御モジュール [QTC1-2] (以下，本器または制御モジュール)をお買い上げ頂きましてまこ

とにありがとうございました。

この取扱説明書(以下，本書)は，本器の設置方法，機能，操作方法および取扱いについて説明したものです。

本書をよくお読み頂き，十分理解されてからご使用くださいますようお願い致します。

また，誤った取扱いなどによる事故防止の為，本書は最終的に本器をお使いになる方のお手元に，確実に

届けられるようお取り計らいください。

ご注意

・本器は，記載された仕様範囲内で使用してください。

仕様範囲外で使用した場合，火災または本器の故障の原因になります。

・本書に記載されている警告事項，注意事項を必ず守ってください。

これらの警告事項，注意事項を守らなかった場合，重大な傷害や事故につながる恐れがあります。

・本書の記載内容は，将来予告なしに変更することがあります。

・本書の内容に関しては万全を期していますが，万一ご不審な点や誤り等お気づきのことがありましたら，

お手数ですが裏表紙記載の弊社営業所または出張所までご連絡ください。

・本器は，屋内の制御盤内 DIN レールに取り付けて使用することを前提に製作しています。

使用者が電源端子等の高電圧部に近づかないような処置を最終製品側で行ってください。

・本書の記載内容の一部または全部を無断で転載，複製することは禁止されています。

・本器を運用した結果の影響による損害，弊社において予測不可能な本器の欠陥による損害，その他す

べての間接的損害について，いっさい責任を負いかねますのでご了承ください。

安全上のご注意(ご使用前に必ずお読みください。)

安全上のご注意では，安全注意事項のランクを“警告，注意”として区分しています。

なお，注意に記載した事項でも，状況によっては重大な結果に結びつく可能性がありますので，記載

している事柄は必ず守ってください。

取扱いを誤った場合，危険な状況が起こりえて，人命や重大な傷害にかかわる事

故の起こる可能性が想定される場合。

取扱いを誤った場合，危険な状況が起こりえて，中程度の傷害や軽傷を受ける可

能性が想定される場合および機器損傷の発生が想定される場合。

警告

・感電および火災防止の為，弊社のサービスマン以外は本器内部に触れないでください。

・感電，火災事故および機器故障防止の為，部品の交換は弊社のサービスマン以外は行わないでください。

安全に関するご注意

・正しく安全にお使いいただくため，ご使用の前には必ず本書をよくお読みください。

・本器は，産業機械・工作機械・計測機器に使用される事を意図しています。

代理店または弊社に使用目的をご提示の上，正しい使い方をご確認ください。(人命にかかわる医療

機器等には，ご使用にならないでください。)

・本器の故障や異常でシステムの重大な事故を引き起こす場合には，事故防止のため，外部に過昇温防

止装置などの適切な保護装置を設置してください。

また，定期的なメンテナンスを弊社に依頼(有償)してください。

・本書に記載のない条件・環境下では使用しないでください。

本書に記載のない条件・環境下で使用された場合，物的・人的損害が発生しても，弊社はその責任を

負いかねますのでご了承ください。

警告

iv

形名銘板上の警告表示の意味

注意

正しい取扱いをしなければ，火災，故障，誤動作または感電などの危険のために，時に軽傷・中程度

の障害をおったり，あるいは物的損害を受ける恐れがあります。お使いになる前に本書をお読みになり

十分にご理解ください。

輸出貿易管理令に関するご注意

大量破壊兵器(軍事用途・軍事設備等)で使用される事がないよう，最終用途や最終客先を調査してくだ

さい。

尚，再販売についても不正に輸出されないよう，十分に注意してください。

v

ご注意

1. 取り付け上の注意

注意

[本器は，次の環境仕様で使用されることを意図しています。(IEC61010-1)]

・汚染度2

[本器は，下記のような場所でご使用ください。]

・塵埃が少なく，腐蝕性ガスのないところ。

・可燃性，爆発性ガスのないところ。

・機械的振動や衝撃の少ないところ。

・直射日光があたらず，周囲温度が-10～50 で急激な温度変化および氷結の可能性がないところ。

・湿度が35～85 %RHで，結露の可能性がないところ。

・大容量の電磁開閉器や，大電流の流れている電線から離れているところ。

・水，油および薬品またはそれらの蒸気が直接あたる恐れのないところ。

・制御盤内に設置する場合，制御盤の周囲温度ではなく，本器の周囲温度が50 を超えないようにしてく

ださい。本器の電子部品(特に電解コンデンサ)の寿命を縮める恐れがあります。

※本器のケース材質は，難燃性樹脂を使用していますが，燃えやすいもののそばには設置しないでくださ

い。

また，燃えやすい物の上に直接置くことはしないでください。

2. 配線上の注意

注意

・配線作業を行う場合，電線屑を本器の通風窓へ落とし込まないでください。

火災，故障，誤動作の原因となります。

・本器の端子に配線作業を行う場合，M3ねじに適合する絶縁スリーブ付圧着端子を使用してください。

・本器の端子台は，左側から配線する構造になっています。

リード線は，必ず左側方向から本器の端子へ挿入し，端子ねじで締付けてください。

・端子ねじを締め付ける場合，適正締め付けトルク以内で締め付けてください。

適正締め付けトルク以上で締め付けると，端子ねじの破損およびケースの変形が生じる恐れがあります。

・配線作業時や配線後，端子部を基点としてリード線を引っ張ったり曲げたりしないでください。

動作不良などの原因となる可能性があります。

・本器は電源スイッチ，遮断器およびヒューズを内蔵していません。

必ず本器の近くに適切な電源スイッチ，遮断器およびヒューズを別途設けてください。

・電源(24 V DC)は，極性を間違わないようにしてください。

・入力端子に接続されるセンサに，商用電源が接触または印加されないようにしてください。

・熱電対，補償導線は，本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。

・測温抵抗体は，3導線式のもので本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。

・リレー接点出力形については，内蔵リレー接点保護のため外部に負荷の容量に合ったリレーのご使用

をおすすめします。

・入力線(熱電対，測温抵抗体等)と電源線，負荷線は離して配線してください。

vi

3. 運転，保守時の注意

注意

・オートチューニング(AT)の実行は，試運転時に行うことをおすすめします。

・感電防止および機器故障防止の為，通電中には端子に触れないでください。

・端子の増締めおよび清掃等の作業を行う時は，本器の電源を切った状態で行ってください。

電源を入れた状態で作業を行うと，感電の為，人命や重大な傷害にかかわる事故の起こる可能性がありま

す。

・本器の汚れは，柔らかい布類で乾拭きしてください。

(シンナ類を使用した場合，本器の変形，変色の恐れがあります)

・パネル部は傷つきやすいので，硬い物で擦ったり，叩いたり等はしないでください。

4. 安全規格対応について

注意

・アナログ入力に関して

電圧または電流を入力する場合，入力種別に合わせて入力タイプを設定してください。

計測カテゴリ，，に該当する回路の測定には使用しないでください。

30 Vrms または 60 V DC を超える電圧が印加された対象の測定には使用しないでください。

・製造者が指定しない方法で本器を使用すると，本器が備える保護を損なう場合があります。

・本器に接続する外部回路には，1次側電源より強化絶縁もしくは二重絶縁された機器を使用してく

ださい。

・本器を UL 認証品として使用する場合，接続する外部回路には Class 2 もしくは LIM に適合した電

源を使用してください。

本書の本文，図および表の中では，用語を以下のような略語で記述しています。

略語

用語

PV

現在値(PV)

SV

目標値(SV)

MV

出力操作量(MV)

AT

オートチューニング(AT)

CT

カレントトランス(CT) [ヒータ断線警報(オプション)用]

参照ページの記述について

「2-2 を参照してください。」の場合，(P. 2-2)のように記述しています。

vii 
目 次 
概 要 .......................................................................................... 1-1 
1 制御モジュール QTC1-2 の概要 ................................................................................... 1-1 
2 モジュールの説明 ......................................................................................................... 1-2 
3 システム構成 ................................................................................................................ 1-3 
3.1 制御モジュール単体で使用する場合 ................................................................................... 1-3 
3.2 ホストコンピュータと接続する場合 ................................................................................... 1-4 
3.3 PLC と接続する場合 ............................................................................................................ 1-6 
4 パラメータのやりとり ................................................................................................. 1-9 
4.1 制御モジュール  QTC1-2P(電源・通信オプション付き)を使用した場合 ........................... 1-9 
4.2 通信拡張モジュール QMC1 を使用した場合 ...................................................................... 1-9 
形 名 .......................................................................................... 2-1 
1 形名の説明 ................................................................................................................... 2-1 
2 形名銘板の表示方法 ..................................................................................................... 2-3 
各部の名称とはたらき ............................................................... 3-1 
1 制御モジュール QTC1-2 ............................................................................................... 3-1 
運転までの流れ .......................................................................... 4-1 
通信パラメータ設定 ................................................................... 5-1 
1 通信パラメータ設定 ..................................................................................................... 5-1 
1.1 通信仕様の選択 .................................................................................................................... 5-1 
1.2 モジュールアドレスの選択 .................................................................................................. 5-3 
取り付け ..................................................................................... 6-1 
1 場所の選定 ................................................................................................................... 6-2 
2 外形寸法図(単位: mm) .................................................................................................. 6-2 
2.1 制御モジュール QTC1-2 ...................................................................................................... 6-2 
2.2 CT(カレントトランス) ......................................................................................................... 6-3 
3 取り付け ....................................................................................................................... 6-4 
配 線 .......................................................................................... 7-1 
1 推奨端子 ....................................................................................................................... 7-1 
2 端子カバー使用時の注意 .............................................................................................. 7-2 
3 端子配列 ....................................................................................................................... 7-2 
3.1 入出力部の端子配列 ............................................................................................................. 7-2 
3.2 電源，シリアル通信部の端子配列 ....................................................................................... 7-3 
3.3 イベント入出力部のコネクタ配列 ....................................................................................... 7-3 
4 配 線 ............................................................................................................................ 7-4 
4.1 電源，シリアル通信の配線 .................................................................................................. 7-4 
4.2 入力，出力の配線 ................................................................................................................ 7-6 
4.3 CT の配線 ............................................................................................................................. 7-7 
4.4 イベント入力，イベント出力の配線 ................................................................................... 7-8 
5 ホストコンピュータと制御モジュール QTC1-2 の接続 ............................................... 7-9 
5.1 USB 通信ケーブル  CMC-001-1(別売品)を使用した場合の配線例 ..................................... 7-9 
5.2 通信変換器 IF-400(別売品)を使用した場合の配線例 ....................................................... 7-10 

viii 
仕様設定 ..................................................................................... 8-1 
1 準 備 ............................................................................................................................ 8-1 
1.1 USB 通信ケーブル，コンソールソフトの準備.................................................................... 8-1 
1.2 ホストコンピュータとの接続 .............................................................................................. 8-1 
2 仕様設定 ....................................................................................................................... 8-5 
2.1 モニタ値パラメータ設定 ..................................................................................................... 8-7 
2.2 運転パラメータ設定 ............................................................................................................. 8-9 
2.3 制御パラメータの設定 ....................................................................................................... 8-11 
2.4 警報パラメータの設定 ....................................................................................................... 8-16 
2.5 入力パラメータの設定 ....................................................................................................... 8-23 
2.6 出力パラメータの設定 ....................................................................................................... 8-26 
2.7 標準機能パラメータの設定 ................................................................................................ 8-29 
2.8 拡張機能パラメータの設定 ................................................................................................ 8-31 
2.9 オプション機能パラメータの設定 ..................................................................................... 8-34 
2.10 高機能詳細パラメータの設定 ............................................................................................ 8-37 
通信手順 ..................................................................................... 9-1 
MODBUS プロトコル ............................................................... 10-1 
1 伝送モード ................................................................................................................. 10-1 
2 データの通信間隔 ....................................................................................................... 10-1 
3 メッセージの構成 ....................................................................................................... 10-1 
4 メッセージ例 .............................................................................................................. 10-3 
通信コマンド一覧 ..................................................................... 11-1 
1 通信コマンド一覧 ....................................................................................................... 11-1 
2 データについて ........................................................................................................ 11-21 
2.1 書き込み，読み出しコマンドの注意事項 ........................................................................ 11-21 
2.2 書き込みコマンドについて .............................................................................................. 11-21 
2.3 読み出しコマンドについて .............................................................................................. 11-21 
3 否定応答について ..................................................................................................... 11-22 
3.1 異常コード 2(02H) ........................................................................................................... 11-22 
3.2 異常コード 3(03H) ........................................................................................................... 11-22 
3.3 異常コード 17(11H) ......................................................................................................... 11-22 
4 モニタソフト作成のワンポイント ............................................................................ 11-22 
4.1 スキャンタイムを速くする方法 ...................................................................................... 11-22 
4.2 AT または立ち上げ AT 終了後の PID パラメータを読み出す方法 .................................. 11-22 
4.3 全設定値を一括送信する場合の注意 ............................................................................... 11-22 
5 設定変更による初期化項目について ........................................................................ 11-23 
運 転 ........................................................................................ 12-1 
1 制御を許可する .......................................................................................................... 12-1 
2 PID 定数を設定する(AT を実行する) .......................................................................... 12-3 
2.1 通常 AT ............................................................................................................................... 12-4 
2.2 立ち上げ AT ....................................................................................................................... 12-5 
2.3 AT ゲイン設定 .................................................................................................................... 12-6 
2.4 AT を実行する .................................................................................................................... 12-6 
3 警報を設定する .......................................................................................................... 12-7 
4 PV を補正する ............................................................................................................ 12-9 

ix 
5 自動制御/手動制御を切り替える .............................................................................. 12-11 
SIF 機能を使った PLC との通信 .............................................. 13-1 
1 運転までの流れ .......................................................................................................... 13-2 
2 PLC の通信パラメータ設定 ........................................................................................ 13-3 
3 取り付け ..................................................................................................................... 13-6 
4 配 線 .......................................................................................................................... 13-8 
4.1 電源，シリアル通信の配線 ................................................................................................ 13-8 
4.2 入力，出力の配線 ............................................................................................................ 13-10 
4.3 CT の配線 ......................................................................................................................... 13-11 
4.4 イベント入力，イベント出力の配線 ............................................................................... 13-12 
5 PLC と制御モジュール QTC1-2P との接続 .............................................................. 13-13 
6 仕様設定 ................................................................................................................... 13-15 
6.1 USB 通信ケーブル，コンソールソフトの準備................................................................ 13-15 
6.2 ホストコンピュータとの接続 .......................................................................................... 13-15 
6.3 仕様設定 ........................................................................................................................... 13-18 
7 運 転 ........................................................................................................................ 13-25 
7.1 通信手順 ........................................................................................................................... 13-25 
7.2 制御モジュール QTC1-2P - PLC 間のハンドシェイク .................................................... 13-26 
7.3 PLC 通信データマップ .................................................................................................... 13-28 
7.4 制御モジュール QTC1-2P - PLC 間のデータのやりとり ................................................ 13-36 
7.5 データの設定 .................................................................................................................... 13-37 
動作説明 ................................................................................... 14-1 
1 制御動作説明 .............................................................................................................. 14-1 
1.1 2自由度 PID 制御 .............................................................................................................. 14-2 
1.2 Fast-PID 制御 ..................................................................................................................... 14-3 
1.3 Slow-PID 制御 .................................................................................................................... 14-3 
1.4 ON-OFF 制御 ..................................................................................................................... 14-3 
1.5 Gap-PID 制御 ..................................................................................................................... 14-3 
1.6 PID 制御パラメータについて ............................................................................................ 14-4 
2 標準機能の説明 .......................................................................................................... 14-6 
2.1 制御範囲 ............................................................................................................................. 14-6 
2.2 積分/微分小数点位置選択 .................................................................................................. 14-6 
2.3 MV バイアス機能 ............................................................................................................... 14-6 
2.4 出力最小 ON/OFF 時間設定 ............................................................................................... 14-7 
2.5 警報出力 ............................................................................................................................. 14-8 
2.6 ループ異常警報 .................................................................................................................. 14-8 
2.7 設定値ランプ機能 .............................................................................................................. 14-8 
2.8 電源投入時復帰動作選択 ................................................................................................... 14-8 
2.9 不揮発性 IC メモリーデータ保存選択 ............................................................................... 14-9 
2.10 自動/手動制御切り替え ...................................................................................................... 14-9 
2.11 センサ補正係数設定 ........................................................................................................... 14-9 
2.12 センサ補正設定 .................................................................................................................. 14-9 
2.13 出力変化率リミット ......................................................................................................... 14-10 
2.14 制御機能選択 .................................................................................................................... 14-11 
3 拡張機能の説明 ........................................................................................................ 14-16 
3.1 拡張機能選択 .................................................................................................................... 14-16 
3.2 出力ゲイン-バイアス機能 ................................................................................................ 14-23 

x 
3.3 入力演算機能 .................................................................................................................... 14-24 
3.4 入力差検知機能 ................................................................................................................ 14-24 
3.5 機能の組み合わせについて .............................................................................................. 14-25 
4 付属機能の説明 ........................................................................................................ 14-26 
4.1 停電対策 ........................................................................................................................... 14-26 
4.2 自己診断 ........................................................................................................................... 14-26 
4.3 自動冷接点温度補償 ......................................................................................................... 14-26 
4.4 PV フィルタ時定数設定 ................................................................................................... 14-26 
4.5 移動平均回数設定 ............................................................................................................ 14-27 
4.6 CH 有効/無効選択 ............................................................................................................ 14-27 
4.7 オーバスケール ................................................................................................................ 14-27 
4.8 アンダスケール ................................................................................................................ 14-27 
4.9 センサ異常 ....................................................................................................................... 14-28 
4.10 冷接点異常 ....................................................................................................................... 14-28 
4.11 ADC 異常 .......................................................................................................................... 14-28 
4.12 ウォームアップ表示 ......................................................................................................... 14-28 
4.13 接点開閉積算回数計測機能 .............................................................................................. 14-28 
4.14 積算通電時間計測機能 ..................................................................................................... 14-29 
4.15 ヒータ累積通電時間計測機能 .......................................................................................... 14-29 
4.16 異常履歴 ........................................................................................................................... 14-29 
5 動作図 ...................................................................................................................... 14-30 
5.1 制御出力動作図 ................................................................................................................ 14-30 
5.2 制御出力 ON/OFF 動作図 ................................................................................................ 14-31 
5.3 警報動作図 ....................................................................................................................... 14-32 
5.4 ヒータ断線警報動作図 ..................................................................................................... 14-34 
5.5 加熱冷却制御動作図 ......................................................................................................... 14-35 
5.6 加熱冷却制御動作図(デッドバンドを設定した場合) ....................................................... 14-36 
5.7 加熱冷却制御動作図(オーバラップを設定した場合) ....................................................... 14-37 
保守・点検 ............................................................................... 15-1 
1 保 守 .......................................................................................................................... 15-1 
2 点 検 .......................................................................................................................... 15-3 
仕 様 ........................................................................................ 16-1 
1 標準仕様 ..................................................................................................................... 16-1 
2 オプション仕様 ........................................................................................................ 16-23 
故障かな?と思ったら ............................................................... 17-1 
1 通信について .............................................................................................................. 17-1 
2 PV 読み取り値について ............................................................................................. 17-2 
3 状態フラグ 1の異常について ..................................................................................... 17-2 
4 状態フラグ 2の異常について ..................................................................................... 17-3 
5 制御について .............................................................................................................. 17-4 
6 ループ異常警報について ............................................................................................ 17-4 
7 ヒータ断線警報について ............................................................................................ 17-5 
 
 
 

1-1

1 概要

1.1 制御モジュール QTC1-2 の概要

本器は，2チャンネルの制御を行う制御モジュールです。

制御モジュール単体またはホストコンピュータもしくは PLC を介して，多点制御システムを構成でき

ます。

最大 16 台を BUS 接続することが可能で，最大 32 点の制御が行えます。

BUS 接続された一塊を「1ユニット」と称します。

また，通信拡張モジュール QMC1 を使用すると，最大 16 ユニットを接続することが可能で，最大

512 点の制御が行えます。

1-2

1.2 モジュールの説明

2チャンネル仕様の制御モジュールです。

端子台タイプで，入出力は 2チャンネル個別です。

以下のオプションを選択できます。

・電源・通信オプション

・ヒータ断線警報オプション

・イベント入出力オプション

オプションの有無により，パネルのデザインが異なります。

電源・通信オプション無しの場合，パネルの左上に三角マークが付いています。

QTC1-20T- -0

QTC1-20T- -2

, QTC1-20T- -A

オプション無しヒータ断線警報オプション付き

三角マーク

(図1.2-1) (図1.2-2)

QTC1-2PT- -0

QTC1-2PT- -2

, QTC1-2PT- -A

電源・通信オプション付き電源・通信およびヒータ断線警報オプション付き

(図1.2-3) (図1.2-4)

1-3

1.3 システム構成

1.3.1 制御モジュール単体で使用する場合

制御モジュール単体で使用する場合，電源ラインへの接続用として制御モジュール QTC1-2P(電

源・通信オプション付き)が1台必要です。

2台目以降の制御モジュールへの電源ラインは，コネクタにより BUS 接続を行います。

2台目以降は，制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)を使用してください。

最大 16 台接続できます。

(図1.3.1-1)

制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)

制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプション付き)

最大 16 台

1-4

1.3.2 ホストコンピュータと接続する場合

ホストコンピュータと接続する場合，上位通信用として制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプ

ション付き)が1台必要です。

2台目以降の制御モジュールへの電源・通信ラインは，コネクタにより BUS 接続を行います。

2台目以降は，制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)を使用してください。

最大 16 台接続できます。

(図1.3.2-1)

ホストコンピュータ

RS-485

制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)

制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプション付き)

最大 16 台

1-5

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

RS-485

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

最大

16 ユニット

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

ホストコンピュータ

通信拡張モジュール QMC1 どうしを接続することで，最大 16 ユニット接続できます。

詳細は，通信拡張モジュール QMC1 取扱説明書を参照してください。

(図1.3.2-2)

1-6

1.3.3 PLC と接続する場合

(1) 三菱電機株式会社 MELSEC Q, QnA シリーズと接続する場合

三菱電機株式会社 MELSEC Q, QnA シリーズと接続する場合，上位通信用として制御モジュー

ル QTC1-2P(電源・通信オプション付き)が1台必要です。

SIF 機能(Smart InterFace，プログラムレス通信機能)(P. 13-1)を使用します。

2台目以降の制御モジュールへの電源・通信ラインは，コネクタにより BUS 接続を行います。

2台目以降は，制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)を使用してください。

最大 16 台接続できます。

(図1.3.3-1)

PLC

制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)

RS-485

制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプション付き)

最大 16 台

1-7

(2) 三菱電機株式会社製 PLC，オムロン株式会社製 PLC，株式会社キーエンス製 PLC と接続する

場合

三菱電機株式会社製 PLC，オムロン株式会社製 PLC(*)，株式会社キーエンス製 PLC と接続する

場合，上位通信用として通信拡張モジュール QMC1 が1ユニットにつき 1台必要です。

制御モジュールへの電源・通信ラインは，コネクタにより BUS 接続を行います。

制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)を使用してください。

最大 16 台接続できます。

(*): 通信拡張モジュール QMC1 のSIF 機能でオムロン株式会社製 PLC と接続する場合，通信方

式RS-485 では接続できません。

通信方式 RS-422A のみ接続できます。

(図1.3.3-2)

PLC

制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)

RS-422A

RS-485

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

1-8

PLC

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

RS-485

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

最大

16 ユニット

制御モジュール

QTC1-20

(電源・通信オプション無し)

通信拡張モジュール QMC1

最大 16 台

通信拡張モジュール QMC1 どうしを接続することで，最大 16 ユニット接続できます。

詳細は，通信拡張モジュール QMC1 取扱説明書を参照してください。

(図1.3.3-3)

1-9

1.4 パラメータのやりとり

1.4.1 制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプション付き)を使用した場合

制御モジュール QTC1-2P(電源・通信オプション付き)を使用した場合，パラメータのやりとりは下

図のようになります。

(図1.4.1-1)

1.4.2 通信拡張モジュール QMC1 を使用した場合

通信拡張モジュール QMC1 を使用した場合，パラメータのやりとりは下図のようになります。

詳細は，通信拡張モジュール QMC1 取扱説明書を参照してください。

(図1.4.2-1)

ホストコンピュータ

(1) 制御モジュール

の設定，モニタ

を行います

QTC1-2P

(2) ホストコンピュ

ータからの送信

データを受信し

制御を行います

(3) ホストコンピュ

ータに応答デー

タを返します

ホストコンピュータ

(1) 制御モジュール

の設定，モニタ

を行います

QMC1

(2) ホストコンピュ

ータからの送信

データを受信し

ます

(3) ホストコンピュ

ータに応答デー

タを返します

(4) 制御モジュール

QTC1-20 の設

定，モニタを行

います

QTC1-20

(5) QMC1 からの送

信データを受信

し，制御を行い

ます

(6) QMC1 に応答デ

ータを返します

2-1

2 形名

2.1 形名の説明

QTC1-2

-

電源・通信

オプション

0

オプション無し

P

電源・上位通信機能有り

配線方式

T

端子台タイプ

CH1 制御出力

-

出力コード表参照

CH2 制御出力

CH1 入力

入力コード表参照(P.2-2)

CH2 入力

ヒータ断線警報オプション(*1)

-0

オプション無し

-2

CT 2 点 20 A(単相/三相)(*2)

-A

CT 2 点 100 A(単相/三相)(*2)

イベント入出力オプション

0

オプション無し

1

イベント入力(2 点)(*3)

2

イベント出力(2 点)(*3)

(*1): 直流電流出力形，直流電圧出力形およびトライアック出力形には付加できません。

(*2): CT およびコネクタハーネスは別売品です。

(*3): コネクタハーネスは別売品です。

出力コード表

出力コード

出力の種類

R

リレー接点出力

S

無接点電圧出力(SSR 駆動用)

A

直流電流出力 4～20 mA DC

0

直流電流出力 0～20 mA DC

V

直流電圧出力 0～1 V DC

1

直流電圧出力 0～5 V DC

2

直流電圧出力 1～5 V DC

3

直流電圧出力 0～10 V DC

C

オープンコレクタ出力

T

トライアック出力

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Shinko QTC1-2 ユーザーマニュアル

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