Shinko PCA1 ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル
- 1 -
通信取扱説明書 PCA1(C, C5)
No. PCA1CJ4 2022.10
この通信取扱説明書(以下,本書)は,PCA1(以下,本器)の通信機能について説明したものです。
シリアル通信は,コンソール通信と同時に使用できません。
シリアル通信を行う場合,パソコンの USB ポートおよび本器のコンソール用コネクタから USB 通信ケーブル
(CMB-001)を外してください。
コンソール通信を行う場合,シリアル通信の配線を外す必要はありません。
ただし,マスター側より送信しないようにしてください。
1. システム構成
1.1 USB通信ケーブルCMC-001-1(別売り)を使用した場合のシステム構成例
1.1-1
1.2 RS-232C通信を使用した場合のシステム構成例
1.2-1
1.3 通信変換器IF-400(別売り)を使用した場合のシステム構成例
1.3-1
通信変換器
IF-400(
別売り
)
RS-232C RS-485
No. 0
No. 1
No. 30
PCA1
ホストコンピュータ
ホストコンピュータ
RS-232C
PCA1
通信ケーブル
別売り
No. 0
No. 1
No. 30
PCA1
ホストコンピュータ
- 2 -
2.
2.1 USB通信ケーブルCMC-001-1(別売り)を使用した場合の配線例
2.1-1
2.2 RS-232C通信を使用した場合の配線例
2.2-1
RXD
TXD
DCD
DTR
DSR
RTS
CTS
2
3
5
1
4
6
7
8
GND
RI
9
FG
シールド線
ホストコンピュータ
Dサブ 9ピンコネクタ
TX
RX
COM
RS-232C
PCA1
FG
FG
USB 通信ケーブル
CMC-001-1(
別売り
)
ホストコンピュータ
USB
ポート
YA(-)
YB(+)
SG
YA(-)
YB(+)
SG
YA(-)
YB(+)
SG
シールド線
シールド線
YA(-)
YB(+)
COM
PCA1
- 3 -
2.3 通信変換器IF-400(別売り)を使用した場合の配線例
2.3-1
シールド線について
シールド部に電流が流れないように,シールド線の片側のみFGに接続してください。
シールド部の両側をFGに接続すると,シールド線と大地の間で閉回路ができ,シールド線に電流が流れて,
ノイズの影響を受けやすくなります。
FGは,必ず接地処理を行ってください。
推奨ケーブル: オーナンバ株式会社 OTSC-VB 2PX0.5SQ または同等品(ツイストペアシールド線をご使用く
ださい)
終端抵抗(ターミネータ)について
通信変換器[IF-400(別売り)]は,終端抵抗を内蔵しています。
終端抵抗とは,ターミネータともいい,パソコンに周辺機器を数珠繋ぎにした時,配線の終端に取り付ける
抵抗のことで,終端での信号の反射を防ぎ,信号の乱れを防ぎます。
本器は,プルアップ抵抗およびプルダウン抵抗を内蔵していますので,通信ライン上に終端抵抗は必要あり
ません。
RXD
TXD
DCD
DTR
DSR
RTS
CTS
2
3
5
1
4
6
7
8
GND
RI
9
CDM
FG
FG
FG
YA(-)
YB(+)
SG
YA(-)
YB(+)
SG
シールド線
4
3
1
6
ホストコンピュータ
Dサブ 9ピンコネクタ
YA(-)
YB(+)
SG
シールド線
通信変換器
IF-400(
別売り
)
RS-232C RS-485
PCA1
シールド線
- 4 -
3. 通信パラメータの設定
通信パラメータの設定は,通信パラメータ設定グループで行います。
以下の手順で通信パラメータ設定グループに移行し、各通信パラメータを設定してください。
運転モード
パターン
設定グループ
エンジニア
設定グループ
入力パラメータ
設定グループ
通信パラメータ
設定グループ
通信プロトコル
選択
(4
)
(
数回)
各設定(選択)項目の設定(選択)は, キーまたは キーで行います。
各設定(選択)項目の登録は, キーで行います。
キャラクタ
工場出荷初期値
設定(選択)項目名称,説明,設定範囲(選択項目)
通信プロトコル選択
・通信プロトコルの選択を行います。
・選択項目
神港標準
MODBUS ASCII
MODBUS RTU
設定値デジタル伝送
機器番号設定
本器を複数台接続して通信を行う場合,各計器に個別の機器番号を設定します。
・設定範囲
0
95
通信速度選択
・ホストコンピュータ側の通信速度に合わせて,通信速度を選択します。
・選択項目
9600 bps
19200 bps
38400 bps
データビット/パリティ選択
・データビットおよびパリティの選択を行います。
・選択項目
8
ビット
/
無し
7
ビット
/
無し
8
ビット
/
偶数
7
ビット
/
偶数
8
ビット
/
奇数
7
ビット
/
奇数
ストップビット選択
・ストップビットの選択を行います。
・選択項目
ストップビット
1
ストップビット
2
応答時間遅延設定
・ホストからのコマンドを受信後,応答を返す遅延時間を設定します。
・設定範囲
0
1000 ms
キーで運転モードに戻ります。
以上で設定終了です。
- 5 -
4. 通信手順
ホストコンピュータ(マスター)のコマンド送出で始まり,本器(スレーブ)からの応答で終わります。
データを伴う応答
読み出しコマンドでは,そのコマンドに対応する設定値または
動作状態などのデータを応答として返します。
肯定応答
書き込みコマンドでは,その処理終了後,応答として肯定応答
を返します。
否定応答
存在しないコマンドまたは設定範囲を超える値などの時は,
答として否定応答を返します。
無応答
以下の場合,応答を返しません。
グローバルアドレス(神港標準プロトコル)設定時
ブロードキャストアドレス(MODBUS プロトコル)設定時
通信エラー(フレーミングエラー,パリティエラー)
チェックサムエラー(神港標準プロトコル)LRC
の不一致
(MODBUS ASCII モード)CRC-16 の不一致(
MODBUS
RTU モード)
RS-485 の通信タイミング
マスター側について(プログラム作成上の注意)
マスターは,RS-485 規格の通信回線に送信する際,受信側の同期を確実にするため,コマンドの送出前に
1キャラクタ伝送時間以上のアイドル状態(マーク状態)を設けてください。
コマンド送出後,スレーブからの応答の受信に備えて 1キャラクタ伝送時間以内にトランスミッタを通信
ラインから切り離してください。
マスターからの送信とスレーブからの送信が衝突するのを避けるため,マスターが確実に応答を受信した
ことを確認し,次のコマンドを送信してください。
通信エラーにより,コマンドに対する応答を得られない場合,コマンドを送り直すリトライ処理を組み込
んでください。(2回以上のリトライを推奨)
スレーブ側について
スレーブは,RS-485 規格の通信回線に送信する際,受信側の同期を確実にするため,応答データの送出前
1 ms 伝送時間以上(*)アイドル状態(マーク状態)を設けています。
応答データ送出後,1キャラクタ伝送時間以内にトランスミッタを通信ラインから切り離します。
(*):応答時間遅延設定( P. 4)で,01000 ms の設定ができます。
読み出しコマンド
応答データ
書き込みコマンド
肯定応答
設定範囲外のデータ
否定応答
グローバルアドレス,ブ
ロードキャストアドレ
ス,通信エラー,チェッ
クサムエラー,LRC の不
一致,CRC-16 の不一致
無応答
マスター スレーブ
4-1
- 6 -
5. 神港標準プロトコル
5.1 伝送モード
神港標準プロトコルはASCIIコードを使用します。コマンド中の8ビットバイナリデータを上位下位4ビット
に分けた16進数(09AF)をそれぞれASCII文字として送信します。
データ構成 スタートビット : 1ビット
データビット : 7ビット
パリティビット : 偶数パリティ
ストップビット : 1ビット
エラー検出 : チェックサム方式
5.2 コマンドの構成
コマンドは,すべて ASCII コードで構成します。
コマンド下の数字は,キャラクタ数を表しています。
データ(設定値)は,10 進数を 16 進数に変換します。負の数は,2の補数で表します。
(1) 書き込みコマンド
ヘッダ
(02H)
機器番号 サブアド
レス
(20H)
コマンド
種別
(50H)
データ
項目
データ チェック
サム
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
4
2
1
(2) 読み出しコマンド
ヘッダ
(02H)
機器番号 サブアド
レス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ
項目
チェック
サム
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
2
1
(3) データを伴う応答
ヘッダ
(06H)
機器番号 サブアド
レス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ
項目
データ チェック
サム
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
4
2
1
(4) 肯定応答
ヘッダ
(06H)
機器番号 チェック
サム
デリミタ
(03H)
1
1
2
1
(5) 否定応答
ヘッダ
(15H)
機器番号 エラー
コード
チェック
サム
デリミタ
(03H)
1
1
1
2
1
ヘッダ : コマンド,応答の始めを表す制御コードで,ASCIIコードを使用します。
書き込みコマンド,読み出しコマンドの場合,STX(02H)固定です。
データを伴う応答,肯定応答の場合,ACK(06H)固定です。
否定応答の場合,NAK(15H)固定です。
機器番号 : マスターが各々のスレーブを識別するための番号です。
機器番号094とグローバルアドレス95で,機器番号095(00H5FH)20Hを加算した
ASCIIコード(20H7FH)を使用します。
95 (7FH)をグローバルアドレスといい,接続されている全てのスレーブに同じコマンドを
送りたい時に使います。ただし,応答は返しません。
サブアドレス : 20H固定です。
- 7 -
コマンド種別 : 書き込み,読み出しを識別するためのコードです。
コマンド種別
20H
読み出し
データの読み出しを行います。
50H
書き込み
データの書き込みを行います。
データ項目 : コマンドの対象となるデータ分類です。
4桁の16進数をASCIIコードで表します。
7. 通信コマンド一覧( P. 2138)を参照してください。
データ : 書き込みコマンドにより,データ(設定値)の内容が異なります。
4桁の16進数をASCIIコードで表します。
7. 通信コマンド一覧( P. 2138)を参照してください。
チェックサム : 通信誤り検出のための,2文字のデータです。
5.3 チェックサムの計算方法( P. 8)を参照してください。
デリミタ : コマンドの終わりを表す制御コードで,ASCIIコードETX(03H)固定です。
エラーコード : エラーの種類を表し,以下の数値をASCIIコードで表します。
エラーコード
1(31H)
存在しないコマンドの場合
2(32H)
未使用
3(33H)
設定値の範囲を超えた場合
4(34H)
書き込みできない状態
(AT
実行中
)
の場合
5(35H)
キー操作による設定モード中の場合
- 8 -
5.3 チェックサムの計算方法
チェックサムは,コマンドまたはデータの受信誤りを検出するために用います。
マスター側にも,スレーブからの応答データのチェックサムを計算するプログラムを作成して,通信誤りが
ないことを確認するようにしてください。
チェックサムは,機器番号からチェックサムの前の文字までのASCIIコードを加算し,その合計値の2の補数
16進数で表現した下位2桁をASCIIコード化したものです。
1の補数は,2進数の”0””1”を反転させた数です。
2の補数は,1の補数に”1”を加えた数です。
[チェックサムの計算例]
パターン0,ステップ0,ステップSV(1000H)500 (01F4H)を書き込む場合の計算例を示します。
機器番号を1(21H)とします。
5.3-1
STX ETXP 1 0 0 0 0 1 F 4
02H21H20H50H31H30H30H30H30H31H46H34H03H
[上記をASCIIコードで表すと]
チェックサム
チェックサムの計算範囲
D
44H33H
3
!
21H
20H
50H
31H
30H
30H
30H
30H
31H
46H
34H
0010 0001
0010 0000
0101 0000
0011 0001
0011 0000
0011 0000
0011 0000
0011 0000
0011 0001
0100 0110
0011 0100
10 0010 1101
[16進数] [2進数]
1101 0010
1
1101 0011
D 3
44H33H
[1の補数]
[2の補数]
[16進数]
[ASCIIコード]
- 9 -
5.4 コマンド例
コマンド下の数字は,キャラクタ数を表しています。
(1) 機器番号 1PV(0080H)の読み出し
・マスター側からの読み出しコマンド
ヘッダ
(02H)
機器番号
(21H)
サブ
アドレス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ項目
[0080H]
(30H 30H 38H 30H)
チェック
サム
(44H 37H)
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
2
1
・正常時のスレーブ側の応答[PV=500 (01F4H)の場合]
ヘッダ
(06H)
機器番号
(21H)
サブ
アドレス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ項目
[0080H]
(30H 30H 38H 30H)
データ
[01F4H]
(30H 31H 46H 34H)
チェック
サム
(46H 43H)
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
4
2
1
(2) 機器番号 1,パターン 0,ステップ 0,ステップ SV(1000H)の書き込み
・マスター側からの書き込みコマンド[パターン 0,ステップ 0,ステップ SV 500 (01F4H)を書き込む
場合]
ヘッダ
(02H)
機器番号
(21H)
サブ
アドレス
(20H)
コマンド
種別
(50H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
データ
[01F4H]
(30H 31H 46H 34H)
チェック
サム
(44H 33H)
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
4
2
1
・正常時のスレーブ側の応答
ヘッダ
(06H)
機器番号
(21H)
チェック
サム
(44H 46H)
デリミタ
(03H)
1
1
2
1
(3) 機器番号 1,パターン 0,ステップ 0,ステップ SV(1000H)の読み出し
・マスター側からの読み出しコマンド
ヘッダ
(02H)
機器番号
(21H)
サブ
アドレス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
チェック
サム
(44H 45H)
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
2
1
・正常時のスレーブ側の応答[パターン 0,ステップ 0,ステップ SV=500 (01F4H)の場合]
ヘッダ
(06H)
機器番号
(21H)
サブ
アドレス
(20H)
コマンド
種別
(20H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
データ
[01F4H]
(30H 31H 46H 34H)
チェック
サム
(30H 33H)
デリミタ
(03H)
1
1
1
1
4
4
2
1
- 10 -
6. MODBUS プロトコル
6.1 伝送モード
MODBUSプロトコルは,2つの伝送モード(ASCIIモード,RTUモード)があり,構造は以下のとおりです。
6.1.1 ASCIIモード
コマンド中の8ビットバイナリデータを上位下位4ットに分け16進数(09AF)をそれぞれASCII
字として送信します。
データ構成 スタートビット : 1ビット
データビット : 7ビット(8ビット)選択可能
パリティビット : 偶数(無し,奇数)選択可能
ストップビット : 1ビット(2ビット)選択可能
エラー検出 : LRC(水平冗長検査)方式
6.1.2 RTUモード
コマンド中の8ビットバイナリデータをそのまま送信します。
データ構成 スタートビット : 1ビット
データビット : 8ビット
パリティビット : 無し(偶数,奇数)選択可能
ストップビット : 1ビット(2ビット)選択可能
エラー検出 : CRC-16(周期冗長検査)方式
6.2 データの通信間隔
6.2.1 ASCIIモード
文字間の通信間隔は制限無し
6.2.2 RTUモード
1.5 文字伝送時間以下(通信速度が,9600 bps, 19200 bps の場合,1.5 文字伝送時間,38400 bps の場合,
750 s)
1つのメッセージを構成するデータの通信間隔は,最大 1.5 文字伝送時間以上長くならないよう連続して
送信するようにしてください。
上記時間より長い場合,マスタ側からの送信が終了したものと判断し,通信エラーとなり応答を返しま
せん。
6.3 メッセージの構成
6.3.1 ASCIIモード
ASCII モードのメッセージは,ヘッダ[コロン(3AH)]で始まり,デリミタCR[キャリッジリターン(0DH)]
+LF[ラインフィード(0AH)]で終わるように構成されています。
ヘッダ
(:)
スレーブ
アドレス
機能
コード
データ エラーチェック
LRC
デリミタ
(CR)
デリミタ
(LF)
6.3.2 RTUモード
RTU モードのメッセージは,3.5 文字伝送時間以上のアイドル後に始まり,3.5 文字伝送時間以上のアイド
ル経過で終わるように構成されています。(通信速度が,9600 bps, 19200 bps の場合,3.5 文字伝送時間,
38400 bps の場合,1.75 ms)
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
機能
コード
データ エラーチェック
CRC-16
アイドル
3.5
文字
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(1) スレーブアドレス
スレーブアドレスは,スレーブ側個々の機器番号で095(00H5FH)の範囲で設定します。
マスター側は,要求メッセージのスレーブアドレスによってスレーブ側を指定します。
スレーブ側は,応答メッセージに自身のスレーブアドレスをセットして,マスター側にどのスレーブが
応答しているかを知らせます。
0(00H)をブロードキャストアドレスといい,接続されている全てのスレーブを指定できます。 ただし,
スレーブ側は応答を返しません。
(2) 機能コード
機能コードは,スレーブ側に対する動作の種類を指示するコードです。
機能コード
03(03H)
スレーブからの単一データまたは複数データ読み出し
(
データ数は最大
100
)
06(06H)
スレーブへの単一データ書き込み
16(10H)
スレーブへの複数データ書き込み
(
データ数は最大
100
)
機能コードは,スレーブ側がマスター側に応答メッセージを返す時,正常な応答(肯定応答)または何ら
かのエラー(否定応答)を示すのに用いられます。
肯定応答では,元の機能コードをセットして返します。
否定応答では,元の機能コードの最上位ビットに 1をセットして返します。
例えば,機能コードを誤って 13Hをセットしてスレーブ側へ要求メッセージを送信した場合,存在しな
い機能コードなので最上位ビットに 1をセットし,93Hとして返します。
否定応答では,マスター側にどの種のエラーが発生したかを知らせるため,応答メッセージのデータに
下記のような異常コードをセットして返します。
異常コード
1(01H)
Illegal function(
存在しない機能
)
2(02H)
Illegal data address(
存在しないデータアドレス
)
3(03H)
Illegal data value(
設定範囲外の値
)
17(11H) 神港標準プロトコルのエラーコード 4と同じです。
[
書き込みできない状態
(AT
実行中
)]
18(12H)
神港標準プロトコルのエラーコード
5
と同じです。
(
キー操作による設定モード中
)
(3) データ
データは,機能コードにより構成が異なります。
マスター側からの要求メッセージは,データ項目やデータ数,設定データで構成します。
スレーブ側からの応答メッセージは,要求に対するバイト数やデータ,否定応答時は異常コードなどで
構成します。
データの有効範囲は,-3276832767(8000H7FFFH)です。
7. 通信コマンド一覧( P. 2138)参照してください。
(4) エラーチェック
ASCIIモード
ASCII モードのエラーチェックは,スレーブアドレスからデータの最後までの LRC (水平冗長検査)
を計算し,算出した 8ビットデータを ASCII 文字 2文字に変換してデータの後にセットします。
[LRCの計算方法]
RTUモードでメッセージを作成します。
スレーブアドレスからデータの最後までを加算し,Xに代入します。
Xの補数(ビット反転)をとり,Xに代入します。
X1を足し,Xに代入します。
XLRCとして,データの後にセットします。
メッセージをASCII文字に変換します。
- 12 -
RTUモード
RTU モードのエラーチェックは,スレーブアドレスからデータの最後までの CRC-16(周期冗長検査)
を計算し,算出した 16 ビットデータを下位上位の順にデータの後にセットします。
[CRC-16の計算方法]
CRC-16方式は,送るべき情報を生成多項式で割り,その余りを情報の後ろに付加して送信します。
(生成多項式:X16+X15+X2+1)
CRC-16のデータ(Xとする)を初期化(FFFFH)します。
一つ目のデータとXの排他的論理和(XOR)を取り,Xに代入します。
Xを右に1ビットシフトし,Xに代入します。
シフト結果でキャリーが出れば,の結果Xと固定値(A001H)XORを取り,Xに代入します。
キャリーが出なければへ進みます。
8回シフトするまで,を繰り返します。
次のデータとXXORを取り,Xに代入します。
を繰り返します。
最後のデータまでを繰り返します。
XCRC-16として,メッセージに下位上位の順にデータの後にセットします。
- 13 -
6.4 メッセージ例
6.4.1 ASCIIモード
コマンド下の数字は,キャラクタ数を表しています。
(1) スレーブアドレス 1PV の読み出し
・マスター側からの要求メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
データ項目
(30H 30H 38H 30H)
データ数
(30H 30H 30H 31H)
エラーチェック
LRC
(37H 42H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ[PV=500 の場合]
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
応答バイト数
(30H 32H)
データ
(30H 31H 46H 34H)
エラーチェック
LRC
(30H 35H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
2
4
2
2
(2) スレーブアドレス 1,パターン 0,ステップ 0 ステップ SV の読み出し
・マスター側からの要求メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
データ項目
(31H 30H 30H 30H)
データ数
(30H 30H 30H 31H)
エラーチェック
LRC
(45H 42H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ[パターン 0,ステップ 0 ステップ SV=500 の場合]
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
応答バイト数
(30H 32H)
データ
(30H 31H 46H 34H)
エラーチェック
LRC
(30H 35H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
2
4
2
2
・異常時のスレーブ側の応答メッセージ(データ項目を間違えた場合)
異常時の応答メッセージは,機能コードの最上位ビットに 1をセットし,83H(ASCII38H 33H)を返し
ます。
エラーの内容として,異常コード 02H(ASCII30H 32H)(在しないデータアドレス)を返します。
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(38H 33H)
異常コード
(30H 32H)
エラーチェック
LRC
(37H 41H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
2
2
2
(3) スレーブアドレス 1,パターン 0,ステップ 0 ステップ SV=500 の書き込み
・マスター側からの要求メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 36H)
データ項目
(31H 30H 30H 30H)
データ
(30H 31H 46H 34H)
エラーチェック
LRC
(46H 34H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 36H)
データ項目
(31H 30H 30H 30H)
データ
(30H 31H 46H 34H)
エラーチェック
LRC
(46H 34H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
・異常時の応答メッセージ(設定範囲外の値を書き込みした場合)
異常時の応答メッセージは,機能コードの最上位ビットに 1をセットし,86H(ASCII38H 36H)を返し
ます。
エラーの内容として,異常コード 03H(ASCII30H 33H)(定範囲外の値)を返します。
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(38H 36H)
異常コード
(30H 33H)
エラーチェック
LRC
(37H 36H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
2
2
2
- 14 -
(4) プログラム・パターンデータの書き込みおよび読み出し
プログラム・パターン設定例
パターン番号
0
ステップ番号
0
1
2
3
4
ステップ
SV
500
500
1000
1000
0
ステップ時間
0:30
1:00
0:40
1:00
2:00
PID
ブロック番号
1
1
2
2
1
タイムシグナル
1
ブロック番号
0
1
0
1
0
タイムシグナル
2
ブロック番号
2
2
2
2
2
タイムシグナル
3
ブロック番号
1
2
1
2
0
タイムシグナル
4
ブロック番号
1
1
1
1
0
タイムシグナル
5
ブロック番号
0
0
0
0
1
タイムシグナル
6
ブロック番号
1
0
1
0
1
タイムシグナル
7
ブロック番号
2
0
2
0
2
タイムシグナル
8
ブロック番号
0
0
0
0
2
ウエイトブロック番号
1
0
1
0
0
警報ブロック番号
1
2
1
2
1
出力ブロック番号
0
1
0
1
0
6.4.1-1
上記プログラムパターンのステップ番号 0のデータを書き込む場合のメッセージのデータ部は,以下
のようになります。
データ数 : 14(000EH)
バイト数 : 28(1CH)
データ : 下表のデータを 16 進数に変換した値
データ項目 データ データ
(16
進数に変換した値
)
1000H パターン
0
,ステップ
0
ステップ
SV
設定
500 01F4H
1001H パターン
0
,ステップ
0
ステップ時間設定
0:30 001EH
1002H パターン
0
,ステップ
0
PID
ブロック番号選択
1 0001H
1003H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
1
ブロック番号選択
0 0000H
0
500
1000
- 15 -
データ項目 データ データ
(16
進数に変換した値
)
1004H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
2
ブロック番号選択
2 0002H
1005H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
3
ブロック番号選択
1 0001H
1006H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
4
ブロック番号選択
1 0001H
1007H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
5
ブロック番号選択
0 0000H
1008H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
6
ブロック番号選択
1 0001H
1009H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
7
ブロック番号選択
2 0002H
100AH パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
8
ブロック番号選択
0 0000H
100BH パターン
0
,ステップ
0
ウエイトブロック番号選択
1 0001H
100CH パターン
0
,ステップ
0
警報ブロック番号選択
1 0001H
100DH パターン
0
,ステップ
0
出力ブロック番号選択
0 0000H
(5) スレーブアドレス 1,プログラム・パターンデータの書き込み(複数データ書き込み)
・マスター側からの要求メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(31H 30H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
1
2
2
4
データ
[000E1C01F4001E000100000002000100010000000100020000000100010000H]
(30H 30H 30H 45H 31H 43H 30H 31H 46H・・・・・
31H 30H 30H 30H 31H 30H 30H 30H
30H)
62
エラーチェック
LRC
(39H 38H)
デリミタ
(0DH 0AH)
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(31H 30H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
データ
[000EH]
(30H 30H 30H 45H)
エラーチェック
LRC
(44H 31H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
- 16 -
(6) スレーブアドレス 1,プログラム・パターンデータの読み出し(複数データ読み出し)
・マスター側からの要求メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
データ項目
[1000H]
(31H 30H 30H 30H)
データ数
[000EH]
(30H 30H 30H 45H)
エラーチェック
LRC
(44H 45H)
デリミタ
(0DH 0AH)
1
2
2
4
4
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
ヘッダ
(3AH)
スレーブ
アドレス
(30H 31H)
機能コード
(30H 33H)
応答バイト数
[1CH]
(31H 43H)
1
2
2
2
データ
[01F4001E000100000002000100010000000100020000000100010000H]
(30H 31H 46H 34H 30H 30H 31H 45H 30H・・・・・
31H 30H 30H 30H 31H 30H 30H 30H
30H)
56
エラーチェック
LRC
(43H 33H)
デリミタ
(0DH 0AH)
2
2
- 17 -
6.4.2 RTUモード
コマンド下の数字は,キャラクタ数を表しています。
(1) スレーブアドレス 1PV の読み出し
・マスター側からの要求メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
データ項目
(0080H)
データ数
(0001H)
エラーチェック
CRC-16
(85E2H)
アイドル
3.5
文字
1
1
2
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ[PV=500 の場合]
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
応答バイト数
(02H)
データ
(01F4H)
エラーチェック
CRC-16
(B853H)
アイドル
3.5
文字
1
1
1
2
2
(2) スレーブアドレス 1,パターン 0,ステップ 0 ステップ SV の読み出し
・マスター側からの要求メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
データ項目
(1000H)
データ数
(0001H)
エラーチェック
CRC-16
(80CAH)
アイドル
3.5
文字
1
1
2
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ[PV=500 の場合]
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
応答バイト数
(02H)
データ
(01F4H)
エラーチェック
CRC-16
(B853H)
アイドル
3.5
文字
1
1
1
2
2
・異常時のスレーブ側の応答メッセージ(データ項目を間違えた場合)
異常時の応答メッセージは,機能コードの最上位ビットに 1をセットし,83H を返します。
エラーの内容として,異常コード 02H(存在しないデータアドレス)を返します。
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(83H)
異常コード
(02H)
エラーチェック
CRC-16
(C0F1H)
アイドル
3.5
文字
1
1
1
2
(3) スレーブアドレス 1,パターン 0,ステップ 0 ステップ SV=500 の書き込み
・マスター側からの要求メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(06H)
データ項目
(1000H)
データ数
(01F4H)
エラーチェック
CRC-16
(8D1DH)
アイドル
3.5
文字
1
1
2
2
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(06H)
データ項目
(1000H)
データ数
(01F4H)
エラーチェック
CRC-16
(8D1DH)
アイドル
3.5
文字
1
1
2
2
2
・異常時のスレーブ側の応答メッセージ(設定範囲外の値を書き込みした場合)
異常時の応答メッセージは,機能コードの最上位ビットに 1をセットし,86Hを返します。
エラーの内容として,異常コード 03H(設定範囲外の値)を返します。
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(86H)
異常コード
(03H)
エラーチェック
CRC-16
(0261H)
アイドル
3.5
文字
1
1
1
2
- 18 -
(4) プログラム・パターンデータの書き込みおよび読み出し
プログラム・パターン設定例
パターン番号
0
ステップ番号
0
1
2
3
4
ステップ
SV
500
500
1000
1000
0
ステップ時間
0:30
1:00
0:40
1:00
2:00
PID
ブロック番号
1
1
2
2
1
タイムシグナル
1
ブロック番号
0
1
0
1
0
タイムシグナル
2
ブロック番号
2
2
2
2
2
タイムシグナル
3
ブロック番号
1
2
1
2
0
タイムシグナル
4
ブロック番号
1
1
1
1
0
タイムシグナル
5
ブロック番号
0
0
0
0
1
タイムシグナル
6
ブロック番号
1
0
1
0
1
タイムシグナル
7
ブロック番号
2
0
2
0
2
タイムシグナル
8
ブロック番号
0
0
0
0
2
ウエイトブロック番号
1
0
1
0
0
警報ブロック番号
1
2
1
2
1
出力ブロック番号
0
1
0
1
0
6.4.2-1
上記プログラムパターンのステップ番号 0のデータを書き込む場合のメッセージのデータ部は,以下
のようになります。
データ数 : 14(000EH)
バイト数 : 28(1CH)
データ : 下表のデータを 16 進数に変換した値
データ項目 データ データ
(16
進数に変換した値
)
1000H パターン
0
,ステップ
0
ステップ
SV
設定
500 01F4H
1001H パターン
0
,ステップ
0
ステップ時間設定
0:30 001EH
1002H パターン
0
,ステップ
0
PID
ブロック番号選択
1 0001H
1003H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
1
ブロック番号選択
0 0000H
0
500
1000
- 19 -
データ項目 データ データ
(16
進数に変換した値
)
1004H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
2
ブロック番号選択
2 0002H
1005H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
3
ブロック番号選択
1 0001H
1006H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
4
ブロック番号選択
1 0001H
1007H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
5
ブロック番号選択
0 0000H
1008H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
6
ブロック番号選択
1 0001H
1009H パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
7
ブロック番号選択
2 0002H
100AH パターン
0
,ステップ
0
タイムシグナル
8
ブロック番号選択
0 0000H
100BH パターン
0
,ステップ
0
ウエイトブロック番号選択
1 0001H
100CH パターン
0
,ステップ
0
警報ブロック番号選択
1 0001H
100DH パターン
0
,ステップ
0
出力ブロック番号選択
0 0000H
(5) スレーブアドレス 1,プログラム・パターンデータの書き込み(複数データ書き込み)
・マスター側からの要求メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(10H)
データ項目
(1000H)
1
1
2
データ
(000E1C01F4001E000100000002000100010000000100020000000100010000H)
31
エラーチェック
CRC-16
(75B8H)
アイドル
3.5
文字
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(10H)
データ項目
(1000H)
データ
(000EH)
エラーチェック
CRC-16
(450DH)
アイドル
3.5
文字
2
2
4
4
2
- 20 -
(6) スレーブアドレス 1,プログラム・パターンデータの読み出し(複数データ読み出し)
・マスター側からの要求メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
データ項目
(1000H)
データ数
(000EH)
エラーチェック
CRC-16
(C0CEH)
アイドル
3.5
文字
2
2
4
4
2
・正常時のスレーブ側の応答メッセージ
アイドル
3.5
文字
スレーブ
アドレス
(01H)
機能コード
(03H)
応答バイト数
(1CH)
2
2
2
データ
(01F4001E000100000002000100010000000100020000000100010000H)
28
エラーチェック
CRC-16
(F73EH)
アイドル
3.5
文字
2
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