JIR-301-M

Shinko JIR-301-M ユーザーマニュアル

  • Shinko Technosのデジタル指示計JIR-301-Mの取扱説明書について、ご質問にお答えします。このマニュアルには、JIR-301-Mの機能、設置方法、配線方法、安全上の注意事項、トラブルシューティングなどが記載されています。マルチレンジ入力や様々な警報設定など、JIR-301-Mの特長を理解するのに役立ちます。
  • JIR-301-Mの電源電圧は何ですか?
    警報出力は何系統ありますか?
    設置環境について注意点がありますか?
    部品交換は自分でできますか?
デジタル指示計
JIR-301-M
取扱説明
2
はじめに
このたびは,デジタル指示計 JIR-301-M(以下,本器)をお買い上げ頂きまして,まことにありがとうござ
いました。
本書は,本器の設置方法,機能,操作方法および取扱いについて説明したものです。
本書をよくお読み頂き,十分理解されてからご使用くださいますようお願い致します。
また,誤った取扱いなどによる事故防止の為,本書は最終的に本器をお使いになる方のお手元に,確実に
届けられるようお取り計らいください。
ご注
・本器は,記載された仕様範囲内で使用してください。
仕様範囲外で使用した場合,火災または本器の故障の原因になります。
・本書に記載されている警告事項,注意事項を必ず守ってください。
これらの警告事項,注意事項を守らなかった場合,重大な傷害や事故につながる恐れがあります。
・本書の記載内容は,将来予告なしに変更することがあります。
・本書の内容に関しては万全を期していますが,万一ご不審な点や誤り等お気づきのことがありまし
たら,お手数ですが P.44 に記載の弊社営業所または出張所までご連絡ください。
・本器は,屋内のパネル面に設置して使用することを前提に製作しています。
使用者が電源端子等の高電圧部に近づかないような処置を最終製品側で行ってください。
・本書の記載内容の一部または全部を無断で転載,複製することは禁止されています。
・本器を運用した結果の影響による損害,弊社において予測不可能な本器の欠陥による損害,その他
すべての間接的損害について,いっさい責任を負いかねますのでご了承ください。
安全上のご注意(ご使用前に必ずお読みください。)
安全上のご注意では,安全注意事項のランクを“警告,注意”として区分しています。
なお, 意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつく可能性がありますので,記
載している事柄は必ず守ってください。
取扱いを誤った場合,危険な状況が起こりえて,人命や重大な傷害にかかわる事
故の起こる可能性が想定される場合。
取扱いを誤った場合,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や軽傷を受ける可
能性が想定される場合,および機器損傷の発生が想定される場合。
・感電および火災防止の為,弊社のサービスマン以外は本器内部に触れないでください。
・感電,火災事故および機器故障防止の為,部品の交換は弊社のサービスマン以外は行わないでく
ださい。
安全に関するご注意
・正しく安全にお使いいただくため,ご使用の前には必ず本書をよくお読みください。
・本器は,産業機械・工作機械・計測機器に使用される事を意図しています。
代理店または弊社に使用目的をご提示の上,正しい使い方をご確認ください。(人命にかかわる医
療機器等には,ご使用にならないでください。)
・本器の故障や異常でシステムの重大な事故を引き起こす場合には,事故防止のため,外部に過昇温
防止装置などの適切な保護装置を設置してください。
また,定期的なメンテナンスを弊社に依頼(有償)してください。
・本書に記載のない条件・環境下では使用しないでください。
本書に記載のない条件・環境下で使用された場合,物的・人的損害が発生しても,弊社はその責任
を負いかねますのでご了承ください。
3
形名銘板上の警告表示の意味
正しい取扱いをしなければ,火災,故障,誤動作または感電などの危険のために,時に軽傷・中程度
の障害をおったり,あるいは物的障害を受ける恐れがあります。お使いになる前に本書をお読みにな
り,十分にご理解ください。
輸出貿易管理令に関するご注意
大量破壊兵器(軍事用途・軍事設備等)で使用される事がないよう,最終用途や最終客先を調査してく
ださい。
尚,再販売についても不正に輸出されないよう,十分に注意してください。
ご注意
1. 取付け上の注意
[本器は,次の環境仕様で使用されることを意図しています。(IEC61010-1)]
過電圧カテゴリ ,汚染度2
[本器の使用は,下記のような場所でご使用ください。]
塵埃が少なく,腐蝕性ガスのないところ。
可燃性ガス,爆発性ガスのないところ。
機械的振動や衝撃の少ないところ。
直射日光があたらず,周囲温度が050 (32122 )で急激な温度変化および氷結の可能性がな
いところ。
湿度が3585 %RHで,結露の可能性がないところ。
大容量の電磁開閉器や,大電流の流れている電線から離れているところ。
水,油および薬品またはそれらの蒸気が直接あたる恐れのないところ。
制御盤に設置する場合,制御盤の周囲温度ではなく,本器の周囲温度が50 を超えないようにし
てください。
本器のケース材質は,難燃性樹脂を使用していますが,燃えやすいもののそばには設置しないでく
ださい。また,燃えやすい物の上に直接置くことはしないでください。
2. 配線上の注意
・配線作業を行う場合,本器の通風窓へ電線屑を落とし込まないでください。
火災,故障,誤動作の原因となります。
・本器の端子台は,上側から配線する構造になっています。
リード線は,必ず上側方向から端子へ挿入し,端子ねじで締め付けてください。
・端子ねじを締め付ける場合,適正締め付けトルク以下で締め付けてください。
適正締め付けトルク以上で締め付けると,端子ねじの破損およびケースの変形を生じる恐れがあり
ます。
・配線作業時や配線後,端子部を基点としてリード線を引っ張ったり曲げたりしないでください。
動作不良などの原因となる可能性があります。
・熱電対,補償導線は本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。
・測温抵抗体は 3導線式のもので,本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。
・本器は電源スイッチ,遮断器およびヒューズを内蔵していません。
必ず本器の近くに電源スイッチ,遮断器およびヒューズを別途設けてください。
(推奨ヒューズ: 定格電圧250 V AC,定格電流: 2 Aのタイムラグヒューズ)
・電源が24 V AC/DCDCの場合,極性を間違わないようにしてください。
・内蔵リレー接点保護のため外部に負荷の容量に合ったリレーのご使用をおすすめします。
・入力線(熱電対,測温抵抗体等)と電源線,負荷線は離して配線してください。
・入力端子に接続されるセンサに,商用電源が接触または印加されないようにしてください。
4
3. 運転,保守時の注意
感電防止および機器故障防止の為,通電中には端子に触れないでください。
端子の増締めおよび清掃等の作業を行う時は,本器の電源を切った状態で行ってください。
電源を入れた状態で作業を行うと,感電の為,人命や重大な傷害にかかわる事故の起こる可能性
があります。
本器の汚れは,柔らかい布類で乾拭きしてください。
(シンナ類を使用した場合,本器の変形,変色の恐れがあります)
表示部は傷つきやすいので,硬い物で擦ったり,叩いたり等はしないでください。
4. 安全規格対応について
・取扱説明書記載の推奨ヒューズを必ず外部に取り付けて使用してください。
・製造者が指定しない方法で機器を使用すると,機器が備える保護を損なう場合があります。
・本器に接続する外部回路には,1次側電源より強化絶縁もしくは二重絶縁された機器を使用してく
ださい。
・本器を UL 認証品として使用する場合,接続する外部回路には Class 2 もしくは LIM に適合した電
源を使用してください。
本書および本器に使用している数字,アルファベットのキャラクタ対応表を以下に示します。
キャラクタ対応表
表示
数字,単位
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
表示
アルファベット
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
表示
アルファベット
N
O
P
Q
R
S
T
U
V
W
X
Y
Z
5
1. ................................................................................................................................................. 6
1.1 形名の説明 .............................................................................................................................. 6
1.2 形名銘板の表示方法 ................................................................................................................ 7
2. 各部の名称とはたらき ...................................................................................................................... 8
3. 制御盤への取り付け .......................................................................................................................... 9
3.1 場所の選定 .............................................................................................................................. 9
3.2 外形寸法図 .............................................................................................................................. 9
3.3 パネルカット図 ....................................................................................................................... 9
3.4 取り付け .................................................................................................................................. 10
4. ................................................................................................................................................. 11
4.1 端子配列 .................................................................................................................................. 11
4.2 リード線圧着端子について ..................................................................................................... 12
4.3 ディストリビュータとして使用する場合の配線例 .................................................................. 12
5. ................................................................................................................................................. 13
5.1 設定値(数値)または選択項目の登録について .......................................................................... 13
5.2 警報設定モード ....................................................................................................................... 14
5.3 補助機能設定モード 1 ............................................................................................................. 15
5.4 補助機能設定モード 2 ............................................................................................................. 18
5.5 メンテナンスモード ................................................................................................................ 25
6. ................................................................................................................................................. 26
6.1 ....................................................................................................................................... 26
6.2 SV 表示を切り替えるには ....................................................................................................... 26
6.3 警報出力を使うには ................................................................................................................ 26
6.4 イベント入力機能を使うには .................................................................................................. 26
7. 警報動作図 ........................................................................................................................................ 27
7.1 上限警報動作図,下限警報動作図 ........................................................................................... 27
7.2 A3 上下限範囲警報動作図 ....................................................................................................... 28
7.3 A4 上下限範囲警報動作図 ....................................................................................................... 28
8. ................................................................................................................................................. 29
8.1 標準仕様 .................................................................................................................................. 29
8.2 オプション仕様 ....................................................................................................................... 33
9. 故障かな?と思ったら ........................................................................................................................ 35
10. キャラクタ一覧表 ............................................................................................................................. 37
10.1 警報設定モード ....................................................................................................................... 37
10.2 補助機能設定モード 1 ............................................................................................................. 38
10.3 補助機能設定モード 2 ............................................................................................................. 39
10.4 メンテナンスモード ................................................................................................................ 42
11. キー操作フローチャート................................................................................................................... 43
6
1.
1.1 形名の説明
JIR-301-M , □□□
シリーズ名: JIR-301-M(W96×H48×D100 mm)
M
マルチレンジ(*1)
電源電圧
100240 V AC
1
24 V AC/DC(*2)
オプション
A4
警報出力 4(*3)
C5
シリアル通信(RS-485)(*4)
P24
絶縁電源出力 24 V 3 V DC(*5), (*6)
P5
絶縁電源出力 5 V 0.5 V DC(*5), (*6)
DSB
2線式伝送器用電源(ディストリビュータ)(*6), (*7)
TA2(4-20)
伝送出力 2(*3)
直流電流出力
420 mA DC
TA2(0-20)
020 mA DC
TV2(0-1)
直流電圧出力
01 V DC
TV2(0-5)
05 V DC
TV2(1-5)
15 V DC
TV2(0-10)
010 V DC
TA(0-20)
指定伝送出力(*8)
直流電流出力
020 mA DC
TV(0-1)
直流電圧出力
01 V DC
TV(0-5)
05 V DC
TV(1-5)
15 V DC
TV(0-10)
010 V DC
BK
外観色
TC
端子カバー
本器は,警報の A1 出力,A2 出力,A3 出力が標準仕様になっていて,警報動作(A1A2 4種類,A3
5種類と動作無し)と励磁/非励磁の選択をキー操作で選択することができます。
(*1): 熱電対(10 種類)測温抵抗体(2 種類)直流電流(2 種類)直流電圧(4 種類)の入力をキー操作で選
択することができます。
(*2): 電源電圧は 100240 V AC が標準です。
24 V AC/DC をご注文の場合のみ,入力記号の次に[1]を記入します。
(*3): 警報出力 4(オプション: A4)と伝送出力 2(オプション: T2)は同時に付加できません。
(*4): シリアル通信(RS-485)(オプション: C5)を付加した場合,イベント入力機能は使用できません。
(*5): 絶縁電源出力(オプション: P24)と絶縁電源出力(オプション: P5)は同時に付加できません。
絶縁電源出力(オプション: P24)または絶縁電源出力(オプション: P5)を付加した場合,A2 出力は
使用できません。
(*6): 絶縁電源出力(オプション: P24)または絶縁電源出力(オプション: P5)2線式伝送器用電源(オプ
ション: DSB)は同時に付加できません。
(*7): 2 線式伝送器用電源(オプション: DSB)を付加した場合,入力は 420 mA DC[受信抵抗器(50 )
内蔵]のみとなります。
(*8): TA(420 mA DC)は標準です。
7
1.2 形名銘板の表示方法
形名銘板は,ケース上面と内器に貼ってあります。
ケース上面
(1.2-1)
表示例
端子配列図
JIR-301-M C5, TA(0to20), TA2(0to20)の端子配列図
JIR-301-M C5, TA(0to20), TA2(0to20)
MULTI-RANGE(マルチレンジ入力)
A1, A2, A3, A4, P24, P5 出力
A1, A3: 3 A 250 V AC
A2: 3 A 250 V AC
電源電圧,消費電力
PWR: 100to240 V AC 50/60 Hz 10 VA
計器番号
No.165F05000
生産工場 ID
SF(福岡工場)
認定規格マーク表示
UL, CSA
RoHS 指令対策品表示
RoHS
使用環境温度表示
AMB. TEMP. : 0to50
社名表示
SHINKO TECHNOS CO., LTD.
内器下部
(1.2-2)
表示例
JIR-301-M
計器番号
No. 165F05000
8
2. 各部の名称とはたらき
(2-1)
表示器,表示灯
PV 表示器
現在値(PV)および設定モード時,設定キャラクタを赤色表示器に表示します。
SV 表示器
A1/A2/A3/A4 動作点設定値および設定モード時,設定値を緑色表示器に表示
します。
HOLD 表示灯
ホールド(ホールド,ピークホールド,ボトムホールド)時,黄色表示灯が点
灯します。
TX/RX 表示灯
シリアル通信(オプション: C5)TX 出力時,黄色表示灯が点灯します。
A1 動作点設定値表示灯
SV 表示器が A1 動作点設定値表示の時,緑色表示灯が点灯します。
A2 動作点設定値表示灯
SV 表示器が A2 動作点設定値表示の時,緑色表示灯が点灯します。
A3 動作点設定値表示灯
SV 表示器が A3 動作点設定値表示の時,緑色表示灯が点灯します。
A4 動作点設定値表示灯
SV 表示器が A4 動作点設定値表示の時,緑色表示灯が点灯します。(オプシ
ョン: A4)
A1 動作表示灯
A1出力が ONの時赤色表示灯が点灯,A1出力保持中赤色表示灯が点滅します。
A2 動作表示灯
A2出力が ONの時赤色表示灯が点灯,A2出力保持中赤色表示灯が点滅します。
A3 動作表示灯
A3出力が ONの時赤色表示灯が点灯,A3出力保持中赤色表示灯が点滅します。
A4 動作表示灯
A4出力が ONの時赤色表示灯が点灯,A4出力保持中赤色表示灯が点滅します。
(オプション: A4)
キー
アップキー
設定値の数値を増加させます。
A4 動作選択で上下限範囲警報を選択し,SV 表示器が A4 動作点設定値表示
の時,アップキーを押している間,SV 表示器に A4 上限動作点設定値を表示
します。
ファストキー
アップキーまたはダウンキーと一緒にファストキーを押すと,設定値の数値
の増減速度が速くなります。
ダウンキー
設定値の数値を減少させます。
モードキー
設定モードの切替え,設定値の登録を行います。
本器の仕様・機能を設定する場合は,[3. 制御盤への取り付け][4. ]より前に端子②,③へのみ電
源を配線して[5. ]をご覧になりながら設定を行ってください。
ファストキー
アップキー
モードキー
ダウンキー
SV 表示器
PV 表示器
A1A4 動作点
設定値表示灯
HOLD 表示灯
TX/RX 表示灯
A1A4動作表示灯
9
3. 制御盤への取り付け
3.1 場所の選定(次のような場所でご使用ください。)
[本器は,次の環境仕様で使用されることを意図しています。(IEC61010-1)]
・過電圧カテゴリ ,汚染度 2
[本器の使用は,下記のような場所でご使用ください。]
・塵埃が少なく,腐蝕性ガスのないところ。
・可燃性ガス,爆発性ガスのないところ。
・機械的振動や衝撃の少ないところ。
・直射日光があたらず,周囲温度が 050 (32122 )で急激な温度変化および氷結の可能性がない
ところ。
・湿度は 3585 %RH で,結露の可能性がないところ。
・大容量の電磁開閉器や大電流の流れている電線から離れているところ。
・水,油および薬品またはそれらの蒸気が直接あたる恐れのないところ。
・制御盤に設置する場合,制御盤の周囲温度ではなく,本器の周囲温度が 50 を超えないようにして
ください。本器の電子部品(特に電解コンデンサ)の寿命を縮める恐れがあります。
3.2 外形寸法図(単位: mm)
(3.2-1)
3.3 パネルカット図(単位: mm)
縦方向密接取付,n: 取付台数
: 縦方向密接取付の場合,防塵防滴
IP66 仕様を満たしません。
(3.3-1)
ガスケット
端子カバー
48
44.5
2(*)
11.5
98.5
104.5(*)
96
106.2
(*): 端子カバー取り付け時
130
92+0.8
0
48-3
0.5
0
92+0.8
0
45+0.5
0
10
3.4 取り付け
防塵防滴 IP66 仕様を満たすため,本器は鉛直に取り付けてください。
取り付け可能なパネルの厚さ: 18 mm
本器を制御盤前面から挿入してください。
ケース左右の穴にねじ式取付金具をひっかけ,ねじを締めて固定してください。
(3.4-1)
ケースは樹脂製ですので,取付金具のねじを必要以上に締め過ぎると,取付金具やケースが変形する
おそれがあります。締め付けトルクは,0.12 Nmを指定してください。
11
4.
配線作業を行う時は,本器への供給電源を切った状態で行ってください。
電源を入れた状態で作業を行うと,感電のため人命や重大な傷害にかかわる事故の起こる可能性があります。
・配線作業を行う場合,本器の通風窓へ電線屑を落とし込まないでください。
火災,故障,誤動作の原因となります。
・本器の端子台は,上側から配線する構造になっています。
リード線は,必ず上側方向から端子へ挿入し,端子ねじで締め付けてください。
・端子ねじを締め付ける場合,適正締め付けトルク以下で締め付けてください。
適正締め付けトルク以上で締め付けると,端子ねじの破損およびケースの変形を生じる恐れがあります。
・配線作業時や配線後,端子部を基点としてリード線を引っ張ったり曲げたりしないでください。
動作不良などの原因となる可能性があります。
・熱電対,補償導線は本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。
・測温抵抗体は 3導線式のもので,本器のセンサ入力仕様に合ったものをご使用ください。
・本器は電源スイッチ,遮断器およびヒューズを内蔵していません。
必ず本器の近くに電源スイッチ,遮断器およびヒューズを別途設けてください。
(推奨ヒューズ: 定格電圧 250 V AC,定格電流 2 A のタイムラグヒューズ)
・電源が 24 V AC/DC で,DC の場合,極性を間違わないようにしてください。
・内蔵リレー接点保護のため外部に負荷の容量に合ったリレーのご使用をおすすめします。
・入力線(熱電対,測温抵抗体等)と電源線,負荷線は離して配線してください。
・入力端子に接続されるセンサに,商用電源が接触または印加されないようにしてください。
4.1 端子配列
(4.1-1)
12
端子名称
GND
接地端子
PWR
電源
TRANSMIT OUTPUT1
伝送出力 1
A1
A1 出力
A2
A2 出力
A3
A3 出力
EVENT INPUT
イベント入力
TC
熱電対入力
RTD
測温抵抗体入力
DC
直流電流入力,直流電圧入力
直流電流入力(外部受信抵抗)の場合,入力端子間に受信抵抗器(50 )を接
続してください。
P24
絶縁電源出力 24 V(オプション: P24)
P5
絶縁電源出力 5 V(オプション: P5)
RS-485
シリアル通信(RS-485)(オプション: C5)
TRANSMIT OUTPUT2
伝送出力 2(オプション: T2)
A4
A4 出力(オプション: A4)
A
直流電流入力(オプション: DSB)
24V
2線式伝送器用電源(オプション: DSB)
4.2 リード線圧着端子について
下記のような,M3 のねじに適合する絶縁スリーブ付圧着端子を使用してください。
締め付けトルクは,0.63 Nmを指定してください。
圧着端子
メーカ
Y
ニチフ端子
TMEX1.25Y-3
日本圧着端子
VD1.25-B3A
丸形
ニチフ端子
TMEX1.25-3
日本圧着端子
V1.25-3
(4.2-1)
4.3 ディストリビュータとして使用する場合の配線例
ディストリビュータとして使用する場合の配線例を下記に示します。
(4.3-1)
24 V
電源回路
20
19
18
+ -
2線式伝送器
+
-
+
50 Ω
5.8mm
3.2mm
5.8mm
3.2mmφ
13
5.
電源投入後,3秒間は PV 表示器に入力レンジのキャラクタと温度単位を表示し,SV 表示器に入力レン
ジの上限値(熱電対,測温抵抗体入力の場合)またはスケーリング上限値(直流電流,直流電圧入力の場合)
表示します。(5-1)
この間すべての出力,LED 表示灯は OFF 状態です。
その後,PV 表示器に現在値,SV 表示器に A1, A2, A3 または A4 動作点設定値を表示して運転を開始しま
す。
(5-1)
センサ入力
PV 表示器( )
SV 表示器
PV 表示器( )
SV 表示器
K
J
R
S
B
E
T
N
PL-
C(W/Re5-26)
Pt100
JPt100
Pt100
JPt100
420 mA DC(*1)(*2)
020 mA DC(*1)(*2)
01 V DC(*1)
05 V DC(*1)
15 V DC(*1)
010 V DC(*1)
420 mA DC(*1)(*3)
020 mA DC(*1)(*3)
スケーリング
上限設定値
(*1): 入力レンジおよび小数点の位置選択ができます。
(*2): 別売りの受信抵抗器(50 )を,入力端子間に接続する必要があります。
(*3): 受信抵抗器(50 )を内蔵しています。
2 線式伝送器用電源(オプション: DSB)を付加した場合,入力は 420 mA DC[受信抵抗器(50 )内蔵]
のみとなります。
5.1 設定値(数値)または選択項目の登録について
・設定値(数値)の増減は,アップキーまたはダウンキーを押します。
アップキーまたはダウンキーと同時にファストキーを押すと,設定値(数値)の増減速度が速くなりま
す。
また,選択項目の切り替え時にも,アップキーまたはダウンキーを使用します。
・設定値(数値)または選択項目の登録は,モードキーを使用します。
14
5.2 警報設定モード
PV/SV 表示モードでモードキーを押すと,警報設定モードに移行します。
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
A1 動作点設定
A1 出力の動作点を設定します。
A1 動作選択で動作無し以外を選択した場合,表示します。
(5.2-1)参照
A2 動作点設定
A2 出力の動作点を設定します。
A2 動作選択で動作無し以外を選択した場合および絶縁電源出力(オプション:
P24 またはオプション: P5)を付加していない場合,表示します。
(5.2-1)参照
A3 動作点設定
A3 出力の動作点を設定します。
A3 動作選択で動作無しまたは上下限範囲警報以外を選択した場合,表示します。
(5.2-1)参照
A4 動作点設定
A4 出力の動作点を設定します。
警報出力 4(オプション: A4)を付加している場合および A4 動作選択で動作無し以
外を選択した場合,表示します。
A4 動作選択で上下限範囲警報を選択した場合,A4 下限動作点設定になります。
(5.2-1)参照
A4 上限動作点設定
A4 出力の上限動作点を設定します。
警報出力 4(オプション: A4)を付加している場合および A4 動作選択で上下限範囲
警報を選択した場合,表示します。
(5.2-1)参照
(5.2-1)
警報動作の種類
設定範囲
上限警報
入力レンジ下限値~入力レンジ上限値(*1)
下限警報
入力レンジ下限値~入力レンジ上限値(*1)
待機付上限警報
入力レンジ下限値~入力レンジ上限値(*1)
待機付下限警報
入力レンジ下限値~入力レンジ上限値(*1)
上下限範囲警報(A4)
A4 下限動作点設定: 入力レンジ下限値(*2)A4 上限動作点設定値
A4 上限動作点設定: A4 下限動作点設定値~入力レンジ上限値(*3)
・小数点の位置は,入力レンジまたは小数点位置選択に従う。
(*1): 直流電流,直流電圧入力の場合,設定範囲はスケーリ限値~スケーリン上限値になります
(*2): 直流電流,直流電圧入力の場合,スケーリング下限値になります。
(*3): 直流電流,直流電圧入力の場合,スケーリング上限値になります。
15
5.3 補助機能設定モード 1
PV/SV 表示モードでダウンキーとモードキーを同時に約 3秒間押し続けると,補助機能設定モード 1
に移行します。
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
設定値ロック選択
設定値をロックし,誤設定を防止する機能で,選択状態によりロックされる設定
項目が異なります。
(ロック解除) : 全設定値の変更ができます。
(ロック 1) : 全設定値の変更ができません。
(ロック 2) : 警報設定モード(P.14)のみ変更ができます。
(ロック 3) : 入力種類選択(P.18)を除く全設定値の変更ができますが,
変更したデータは,不揮発性メモリ IC に書き込みを行い
ませんので計器電源を切ると前の値に戻ります。
補助機能設定モード 2(P.1824)の各設定項目は,変更す
ると警報(A1A4)の動作点設定に影響を及ぼしますので
変更しないでください。
センサ補正係数設定
・センサの補正係数を設定します。
センサの入力値の傾きを設定します。
センサ補正後の PV は,下記の式で表されます。
センサ補正後の PV=現在の PV×センサ補正係数設定値+(センサ補正設定値)
入力値の補正について(P.17)を参照してください。
-10.00010.000
センサ補正設定
・センサの補正値を設定します。
測定したい箇所にセンサを設置できない時,センサが測定した温度と測定箇所の
温度が異なることがあります。
また,複数の指示計を用いて測定する場合,センサの精度あるいは設置箇所によ
り測定温度(現在値)が一致しないことがあります。
このような時にセンサの入力値を補正して,測定箇所の温度を希望する温度に合
わせることができます。
ただし,センサ補正値にかかわらず,入力定格のレンジ内で有効です。
センサ補正後の PV は,下記の式で表されます。
センサ補正後の PV=現在の PV×センサ補正係数設定値+ (センサ補正設定値)
入力値の補正について(P.17)を参照してください。
-1000.01000.0 ( )
直流電流,直流電圧入力の場合,-1000010000(*)
通信プロトコル選択
・通信プロトコルの選択を行います。
シリアル通信(オプション: C5)を付加している場合,表示します。
: 神港標準
: Modbus ASCII モード
: Modbus RTU モード
: 神港標準(ブロックリード対応)
: Modbus ASCII モード(ブロックリード対応)
: Modbus RTU モード(ブロックリード対応)
(*): 小数点の位置は,小数点位置選択に従う。
16
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
機器番号設定
・シリアル通信において,本器を複数台接続して通信を行う場合,各計器に個別
の機器番号を設定します。
シリアル通信(オプション: C5)を付加している場合,表示します。
095
通信速度選択
・ホストコンピュータ側の通信速度に合わせて,通信速度を選択します。
シリアル通信(オプション: C5)を付加している場合,表示します。
: 2400 bps
: 4800 bps
: 9600 bps
: 19200 bps
: 38400 bps
パリティ選択
・パリティの選択を行います。
シリアル通信(オプション: C5)を付加している場合または通信プロトコル選択で
Modbus ASCIIモードもしくは Modbus RTUモードを選択した場合,表示します。
: 無し
: 偶数
: 奇数
ストップビット選択
・ストップビットの選択を行います。
シリアル通信(オプション: C5)を付加している場合または通信プロトコル選択で
Modbus ASCIIモードもしくは Modbus RTUモードを選択した場合,表示します。
: 1ビット
: 2 ビット
17
入力値の補正について
入力値の補正は,補助機能設定モード 1のセンサ補正係数設定とセンサ補正設定で行います。
センサ補正係数は傾きを,センサ補正は補正後と補正前の差を設定します。
入力補正後の PV は,以下の式で表されます。
入力補正後の PV=現在の PV×センサ補正係数設定値+(センサ補正設定値)
センサ補正係数とセンサ補正値を組み合わせた入力値の補正例を,下記に示します。
補正前の傾き
補正後の傾き
(5.3-1)
(1) 補正したい 2点抽出し,補正後の PV を決めてください。
補正前の PV: 300 補正後の PV: 340
補正前の PV: 750 補正後の PV: 700
(2) (1)より,センサ補正係数設定値を求めてください。
(Y' - X') / (Y - X) = (700 - 340) / (750 - 300) = 0.8
(3) mV 発生器やダイヤル抵抗器などを使用して,PV 300 になるよう入力してください。
(4) (2)で求めた値を,センサ補正係数に設定してください。
(5) PV を読み取ってください。
240 と表示します。
(6) センサ補正設定値を求めてください。
入力補正後の PV (5)で読み取った PV の差を求めます。
340 - 240 = 100
(7) (6)で求めた値を,センサ補正に設定してください。
(8) mV 発生器やダイヤル抵抗器などを使用して,750 相当の起電力または抵抗値を入力してくだ
さい。
(9) PV を読み取り,700 と表示することを確認してください。
300
300
340
750
750
700
補正後
補正前
X'
X
300 340 に補正
Y
Y'
750 700 に補正
18
5.4 補助機能設定モード 2
PV/SV 表示モードでアップキー,ダウンキーとモードキーを同時に約 3秒間押し続けると,補助機能設
定モード 2に移行します。
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
入力種類選択
・熱電対(10 種類),測温抵抗体(2 種類),直流電流(2 種類),直流電圧(4 種類)の中
から入力, /を選択ができます。
2線式伝送器用電源(オプション: DSB)を付加していない場合,表示します。
直流電圧入力から各入力に変更する場合,本器に接続されているセンサを外して
から各入力への変更を行ってください。
センサを接続したまま各入力への変更を行うと,入力回路が故障します。
(5.4-1)
キャラクタ
入力レンジ
キャラクタ
入力レンジ
K -2001370
K -3202500
K -200.0400.0
K -200.0750.0
J -2001000
J -3201800
R 01760
R 03200
S 01760
S 03200
B 01820
B 03300
E -200800
E -3201500
T -200.0400.0
T -200.0750.0
N -2001300
N -3202300
PL- 01390
PL- 02500
C(W/Re5-26) 02315
C(W/Re5-26) 04200
Pt100 -200.0850.0
Pt100 -200.01000.0
JPt100 -200.0500.0
JPt100 -200.0900.0
Pt100 -200850
Pt100 -3001500
JPt100 -200500
JPt100 -300900
420 mA DC -200010000(外付け受信抵抗器 50 )
020 mA DC -200010000(外付け受信抵抗器 50 )
01 V DC -200010000
05V DC -200010000
15V DC -200010000
010V DC -200010000
420 mA DC -200010000(内蔵受信抵抗器 50 )
020 mA DC -200010000(内蔵受信抵抗器 50 )
スケーリング上限設定
・スケールの上限値を設定します。
入力種類選択で直流電流,直流電圧入力を選択した場合,表示します。
・スケーリング下限値~入力レンジ上限値(*)
スケーリング下限設定
・スケールの下限値を設定します。
入力種類選択で直流電流,直流電圧入力を選択した場合,表示します。
・入力レンジ下限値~スケーリング上限値(*)
(*): 小数点の位置は,入力レンジまたは小数点位置選択に従う。
19
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
小数点位置選択
・小数点の位置を選択します。
入力種類選択で直流電流,直流電圧入力を選択した場合,表示します。
: 小数点無し
: 小数点以下 1
: 小数点以下 2
: 小数点以下 3
PV フィルタ時定数設定
PV フィルタ時定数を設定します。
設定値が大きすぎると,応答の遅れにより警報動作に悪い影響を与えることがあ
ります。
0.010.0
A1 動作選択
A1 の動作を選択します。[7.1 上限警報動作図,下限警報動作図参照(P.27)]
A1 動作を変更した場合,A1 動作点設定値は 0(0.0)に戻ります。
: 動作無し
: 上限警報
: 下限警報
: 待機付上限警報
: 待機付下限警報
A2 動作選択
A2 の動作を選択します。[7.1 上限警報動作図,下限警報動作図参照(P.27)]
絶縁電源出力(オプション: P24 またはオプション: P5)を付加していない場合,
表示します。
A2 動作を変更した場合,A2 動作点設定値は 0(0.0)に戻ります。
: 動作無し
: 上限警報
: 下限警報
: 待機付上限警報
: 待機付下限警報
A3 動作選択
A3 の動作を選択します。[7.1 上限警報動作図,下限警報動作図参照(P.27)]
A3 動作を変更した場合,A3 動作点設定値は 0(0.0)に戻ります。
: 動作無し
: 上限警報
: 下限警報
: 待機付上限警報
: 待機付下限警報
: 上下限範囲警報[7.2 A3 上下限範囲警報動作図参照(P.28)]
20
キャラクタ
工場出荷初期値
称,機能説明,設定範囲
A4 動作選択
A4 の動作を選択します。[7.1 上限警報動作図,下限警報動作図参照(P.27)]
警報出力 4(オプション: A4)を付加している場合,表示します。
A4 動作を変更した場合,A4 動作点設定値は 0(0.0)に戻ります。
: 動作無し
: 上限警報
: 下限警報
: 待機付上限警報
: 待機付下限警報
: 上下限範囲警報[7.3 A4 上下限範囲警報動作図参照(P.28)]
A1 動作励磁/非励磁選択
A1 の励磁または非励磁の選択を行います。
A1 動作選択で動作無し以外を選択した場合,表示します。
A1 動作を励磁に選択した場合,A1 動作表示灯が点灯時,A1 出力端子()
は導通状態(ON)になり,A1 動作表示灯が消灯時,A1 出力は非導通状態(OFF)
なります。
A1 動作を非励磁に選択した場合,A1 動作表示灯が点灯時,A1 出力端子(
)は非導通状態(OFF)になり,
A1 動作表示灯が消灯時,
A1 出力は導通状態(ON)
になります。
[A2 動作,A3 動作,A4 動作は,それぞれ A2 動作表示灯,A3 動作表示灯,A4
動作表示灯,A2 出力端子()A3 出力端子()A4 出力端子(
)に置き換えてお読みください。]
上限警報(励磁)の時 上限警報(非励磁)の時
(5.4-1) (5.4-2)
: 励磁
: 非励磁
A2 動作励磁/非励磁選択
A2 の励磁または非励磁の選択を行います。
A2 動作選択で動作無し以外を選択した場合および絶縁電源出力(オプション:
P24 またはオプション: P5)を付加していない場合,表示します。
: 励磁
: 非励磁
A3 動作励磁/非励磁選択
A3 の励磁または非励磁の選択を行います。
A3 動作選択で動作無しまたは上下限範囲警報以外を選択した場合,表示します。
: 励磁
: 非励磁
OFF
ON
A1動作点
A1動作すきま
OFF
ON
A1動作点
A1動作すきま
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