CKD MXGC2シリーズ ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル
取扱説明書
比例制御電動式ボールバルブ
MXGC2 シリーズ
SM-50783
製品をご使用になる前に、本取扱説明書を必ずお読みください。
特に安全に関する記述は、注意深くお読みください。
本取扱説明書は必要なときにすぐ取出して読めるように、大切に保管してください。
SM-50783 はじめに
i 2021-05-10
はじめに
このたびは、当社の比例制御電動式ボールバルブ「MXGC2 シリーズ」をお買求めいただきまして、誠にありが
とうございます。本取扱説明書は本製品の性能を十分に発揮させるために、取付、使用方法などの基本的な
事項を記載したものです。よくお読みいただき、正しくご使用ください。
なお、本取扱説明書は紛失しないように、大切に保管してください。
本取扱説明書に記載の仕様、外観は、将来予告なく変更することがあります。
本製品を使用するにあたって、材料や流体、配管、電気などについての基礎的な知識を持った人を対象
にしています。制御弁についての知識を持たない人や十分な訓練を受けていない人が選定、使用して
引起こした事故に関しては、当社は責任を負いません。
お客様によって使用される用途は多種多様にわたるため、当社ではそれらのすべてを把握することがで
きません。用途、用法によっては流体、配管、その他の条件により性能が発揮できない場合や事故につ
ながる場合があります。用途、用法にあわせてお客様の責任で、製品の仕様の確認、使用方法の決定
を行ってください。
SM-50783 安全にご使用いただくために
ii 2021-05-10
安全にご使用いただくために
本製品を使用した装置を設計、製作する場合は、安全な装置を製作する義務があります。そのためには、装置
の機械機構と、空気圧制御回路または水制御回路、これらを電気制御するシステムの安全性が確保できるこ
とを確認してください。
装置の設計、管理などに関する安全性については、団体規格、法規などを必ずお守りください。
ISO 4414JIS B 8370JFPS 2008(各規格の最新版)
高圧ガス保安法や労働安全衛生法、その他の安全規則、団体規格、法規など
当社製品を安全にご使用いただくためには、製品の選定、使用、取扱い、保全管理を適切に行うことが重要で
す。
装置の安全性確保のために、本取扱説明書に記載の警告、注意事項を必ずお守りください。
本製品にはさまざまな安全策を実施していますが、お客様の誤った取扱いによって事故につながる場合があり
ます。そのようなことがないためにも、
必ず本取扱説明書を熟読し、内容を十分に理解したうえでご使用ください。
注意事項は危害、損害の大きさと発生の可能性の程度を明示するために、「危険」「警告」「注意」の 3つに区
分されています。
危険 誤った取扱いをすると、人が死亡する、または重傷を負う危険が差迫って発生す
ることが想定されるもの。
警告 誤った取扱いをすると、人が死亡する、または重傷を負う可能性が想定されるも
の。
注意 誤った取扱いをすると、人が傷害を負う、または物的損害が発生する可能性が想
定されるもの。
なお、「注意」に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結び付く可能性があります。
いずれも重要な内容を記載しているため、必ずお守りください。
その他、一般的な注意事項や使用上のヒントを以下のアイコンで記載しています。
一般的な注意事項や使用上のヒントを表します。
SM-50783 安全にご使用いただくために
iii 2021-05-10
製品に関する注意事項
警告
取扱いは十分な知識と経験を持った人が行う。
本製品は、一般産業機械用装置・部品として設計、製造されたものです。
製品の仕様範囲内での使用を守る。
製品固有の仕様外での使用はできません。また、製品の改造や追加工は絶対に行わないでください。
本製品は一般産業機械用装置・部品での使用を適用範囲としているため、次に示すような条件・環境で
使用する場合には適用外とさせていただきます。
(ご採用に際し当社にご相談いただき、当社製品の仕様をご了解いただいた場合は適用になります。た
だし、その場合でも、万一の故障に備えて危険を回避する安全対策をとってください。)
原子力や鉄道、航空、船舶、車両、医療機械、飲料・食品などに直接触れる機器や用途での使用。
娯楽機器や緊急遮断回路、プレス機械、ブレーキ回路、安全対策用など、安全性が要求される用途
での使用。
人や財産への大きな影響が予想され、特に安全が要求される用途での使用。
安全を確認するまでは、本製品の取扱い、配管・機器の取外しを絶対に行わない。
機械、装置の点検や整備は、本製品が関わるすべてのシステムの安全が確保されていることを確認
してから行ってください。また、エネルギー源である供給空気や供給水、該当する設備の電源を OFF
にし、システム内の流体は排出し、水漏れ、漏電に注意してください。
運転停止時も、高温部や充電部が存在する可能性があるため、本製品の取扱い、配管・機器の取外
しは注意して行ってください。
空気圧機器を使用した機械、装置を起動または再起動する前に、飛出し防止処置などによりシステ
ムの安全性が確保されているか確認してください。
SM-50783 安全にご使用いただくために
iv 2021-05-10
設計、選定に関する注意事項
警告
緊急遮断弁などの安全確保用バルブとしては使用しない。
本製品は緊急遮断弁などの安全確保用バルブとして設計されていません。そのようなシステムの場合
は、確実に安全を確保できる手段をとったうえで、使用してください。
本製品の仕様、お客様のシステムとの適合性をお客様の責任で確認のうえ、機器選定し、取扱う。
誤った機器選定、取扱いは、本製品のトラブルのみならずお客様のシステムトラブルの発生原因になり
ます。
廃棄に関する注意事項
注意
製品を廃棄するときは、廃棄物の処理や清掃に関する法律に準拠し、専門廃棄物処理業者に依頼して
理する。
SM-50783 目次
v 2021-05-10
目次
はじめに ............................................................................................................................ i
安全にご使用いただくために ............................................................................................. ii
製品に関する注意事項 ................................................................................................. iii
設計、選定に関する注意事項 ........................................................................................ iv
廃棄に関する注意事項 ................................................................................................. iv
目次 ................................................................................................................................. v
1. 製品概要 ................................................................................................................... 1
1.1 形番表示 ............................................................................................................ 1
1.2 仕様 ................................................................................................................... 2
1.3 内部構造 ............................................................................................................ 3
1.4 動作説明 ............................................................................................................ 4
2. 取付 .......................................................................................................................... 5
2.1 設置環境 ............................................................................................................. 5
2.2 .................................................................................................................... 6
2.3 取付方法 ............................................................................................................. 7
2.4 配管方法 ............................................................................................................. 8
2.5 配線方法 ............................................................................................................. 9
3. 使用方法 ................................................................................................................. 11
3.1 検討事項 ........................................................................................................... 12
3.2 実際の使用について ......................................................................................... 16
4. 保守、点検 ............................................................................................................... 20
4.1 定期点検 .......................................................................................................... 20
5. トラブルシューティング .............................................................................................. 21
5.1 トラブルの原因と処置方法 ................................................................................. 21
6. 保証規定 ................................................................................................................. 22
6.1 保証条件 .......................................................................................................... 22
6.2 保証期間 ........................................................................................................... 22
SM-50783 1. 製品概要
1 2021-05-10
1. 製品概要
1.1 形番表示
SM-50783 1. 製品概要
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1.2 仕様
機種
項目 MXGC2
使用流体
使用圧力 MPa 0~1
MPa 2
流体温度 0~80(但し凍結なきこと)
周囲温度 -10~50
周囲湿度 95 以下
定格電圧 DC24V±5%(リップル P-P 3%以下)
消費電流 mA 750±100
入力信号 DC0(4)~20mA 内部インピーダンス 240Ω
分解能 1.3%以下
モータ負荷時間率 3 秒作動/5 秒停止
項目
機種形番 接続口径 オリフィス径
(mm) Cv 質量(kg)
MXGC2-15 Rc1/2 10 3 2.2
MXGC2-20 Rc3/4 14 6 2.3
MXGC2-25 Rc1 19 11 2.5
SM-50783 1. 製品概要
3 2021-05-10
1.3 内部構造
品番 部品名 数量 材質
アクチュエータ 1
O リング 1 NBR
(FKM)
O リング 1 FKM
シャフト 1 SUS303
(SUS304)
O リング 2 FKM
バルブボール 1 C3771 Cr めっき
(SUS304)
ボールシート 2 PTFE
キャップ 1 CAC408
(SCS13)
O リング ※2 1 FKM
スペーサ ※2 1 PTFE
ボディ 1 CAC408
(SCS13)
ばね座金組込み六角ボルト 2 SWCH
※1:( )内はボール弁のボディ材質がステンレス(E)の場合です。
※2:ボール弁のボディ材質が青銅(0)の時は、⑨O リングと⑩スペーサがありません。
SM-50783 1. 製品概要
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1.4 動作説明
比例制御電動式ボールバルブ(以下ボールバルブ)は開度を外部からの入力信号で
変化させることができるバルブです。
・必要構成部品(下記使用例参照)
実際の使用時は
比例制御電動式ボールバルブ
制御部(調節部)―――例)温調計、調節計、パソコン
検出部(センサー)―――例)測温抵抗体、熱電対、流量計
の3種類の部品が必要となります。
・実際の使用例・・・温水による菓子類の乾燥制御について
コンベアに流れてくる飴菓子の乾燥装置で、ファンコイルへ流れ込む温水の流量を調整することにより、
乾燥用コンベア内の温度を制御し飴菓子の乾燥を最も良い温度条件で行います。
食品に関しては、乾燥温度などは食感に影響しますので、ボールバルブは絶大な効果を
発揮します。
【使用例】
飴菓子の乾燥装置
ファンコイルユニット
乾燥用温風
乾燥用コンベア
比例制御電動式ボールバルブ
開度制御用電流入力信号
420A
温水配管
温節計
温度センサ
飴菓子
SM-50783 2. 取付
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2. 取付
2.1 設置環境
警告
指定仕様外または特殊な用途で使用する場合は、仕様について当社に相談する。
水、切削油が直接掛からないようにする。
水、切削油がボールバルブに掛かると作動不良の原因になります。
設置場所は保護構造が許せる範囲なら屋外の設置も可能ですが、直射日光を避け、雷害などを避
けるためにも樹脂配管等の処置を行ってください。
製品の取扱、取付は必ずボディをつかんで行ってください。
リード線を引張ったり、落下させたりしないでください。
爆発性ガス・腐食性ガス等の雰囲気中では使用しないでください。
凍結の恐れのある場合は、水抜きを行い保温する等の処置をしてください。
温度変化により結露が発生する場合があります。
注意
配管内のゴミやスケール等の異物を除去してください。
ボールバルブの前にはストレーナ(80~100 メッシュ程度)を取付けてください。
配管を締付けおよびやり直す時は製品を固定して行ってください。
ボディ側を配管する時はボディを、キャップ側を配管する時はキャップを固定してください。
配管の締め過ぎに注意してください。
寒冷地で使用する場合、適切な凍結対策を実施してください。
本製品は屋外では使用できません。カバーやパネル内に設置して保護してください。
ボールバルブに振動や慣性が加わる環境では使用しないでください。
SM-50783 2. 取付
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2.2
注意
配管実施寸前まで配管ポート保護を外したり、本製品をビニール袋から出さない
配管ポート保護を配管作業以前に外したり、本製品をビニール袋から出すと、配管ポートから内部に異
物が入り、故障や誤作動などの原因になります。
ご注文の製品形番と製品に表示されている形番が、同一であることを確認してください。
定格電圧が合致していることを確認してください。
製品外部に損傷が無いことを確認してください。
保管時は弁の内部に異物が入らないように個装箱のまま保管し、配管時に箱から取出してください。
SM-50783 2. 取付
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2.3 取付方法
注意
本取扱説明書を熟読し、内容を理解したうえで製品を取付ける。
製品の取扱い、取付けはボディをしっかり保持して行う。
取付後、配管漏れの有無を確認して、正しく取付けられていることを確認する。
取付姿勢はアクチュエータ部を上にして±90°の範囲に設置してください。
下図のように保守やトラブルシュート時の安全作業を考慮し、十分なスペースを確保してください。
〈水平配管の場合〉 〈垂直配管の場合〉
バルブの入口に適切なフィルタを設置してください。
流体:空気…5μフィルタ
80100
配管の重量・振動がバルブに
直接加わらないように、
配管の固定・支持行ってください。
バルブの取外しを容易にするためにバルブ
の 3 方にユニオン継手を取付けてください。
メンテ時の使用を考えバイパス
配管を設けてください。
手動操作が行えるように
300mm 以上あけてください。
アクチュエータの取外しのために
200mm 以上あけてください。
90°
SM-50783 2. 取付
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2.4 配管方法
注意
本製品に配管を接続する場合、加圧ポートは Cポート限定となります。
配管時にアクチュエータ部には力を加えないでください。
配管の締付け、配管接続をやり直すときは、製品を固定する。
配管の荷重、振動がバルブに直接加わらないように、配管を固定、支持する。
配管接続が完了して流体を供給するとき、急激に高い圧力が掛からないようにする。
配管接続が不十分な場合、配管が外れたり、流体が漏れる事故につながります。
配管の清掃
配管の前には、ゴミや金属粉、さび、シールテープなどの異物を除去するため、0.3MPa 以上のエアでフラッシ
ングを行ってください。
異物の除去
流体中のゴミ、異物などは、作動不良や漏れの原因になるため除去してください。
ボールバルブの前にはストレーナ(80~100 メッシュ程度)を取付けてください。
シール剤
シールテープまたはシール剤は、ねじ部分の先端から 2山以上内側の位置に付けます。配管のねじ部分より
先端に出ていると、ねじ込みによってシールテープの切れ端やシール剤の残材がバルブの内部に入り込み、
故障の原因になります。
シールテープを使用する場合は、ねじの方向と反対方向に巻付け、指先で押さえてねじに密着させてください。
液状シール剤を使用する場合は、樹脂部品に付着しないように注意してください。樹脂部品が破損し、故障や
誤作動などの原因になります。また、めねじ側にはシール剤を塗布しないでください。
■締付け
・バルブに配管するときは必ずキャップまたはボディをスパナまたはバイスなどで固定して、ねじ込んで
ください。
・配管時の締付トルクは、下表を参考にしてください。
配管の推奨締付トルク
配管の接続口径 推奨締付トルク(Nm)
Rc1/2 4143
Rc3/4 6265
Rc1 8386
SM-50783 2. 取付
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2.5 配線方法
警告
電気配線は本取扱説明書を熟読し、十分に理解したうえで行う。
製品の構造と作動原理を理解して安全性が確保できる知識が必要です。
注意
電源の電圧 DC24V であることを確認する。
他の制御機器からの漏れ電流による誤作動を避けるため、漏れ電流が許容値以下であることを確認する。
●電気配線については誤配線を行いますと短絡事故などの原因となりますので確実に配線してください
●誘導障害を防ぐため、入力信号配線はシールド線を使用しアース処理を確実に行ってください。
●配線は必ず電源を切った状態で行ってください。
作業前、作業中は人体・工具装置に帯電した静電気を放電させて作業を行ってください。
電源については以下の点に注意してください。
●電源を選定される場合は十分に余裕をもって選定してください(50Wクラス推奨)。また全波整流回路は
リップルや 0電圧等の影響がありますので使用を避け、安定化電源を使用してください。
●電源の変動は最終的にボールバルブの開度に影響しますので、DC24V±5%範囲としてください。
●消費する電流が大きいこと、ステッピングモータを使用していること等から突入電流や作動電流のノイズは
どうしても発生します。同じ電源線にパソコン等ノイズの影響を受けそうな機器がある場合は、ノイズフィルタ
の設置を行ってください。
●誤接続や機器破壊により、過電流が流れないよう電源線にはヒューズなどの過電流保護対策を設けてくだ
さい。
●配線用電線は目安として 0.5mm程度を使用してください。
●配線方法によっては周辺機器のノイズの影響を受けることもありますので、以下の点に注意して配線作業
を行ってください。
①電源線と信号線は分離する。極力離して配線してください。
②一つのダクト内に集中して配線しない。
③高周波機器の近くに設置および配線を通過させない。
<ノイズについて>
ノイズの影響は思わぬ不具合の原因になったりします。
誤作動、寿命の加速等、全体の制御系に影響することが考えられますので、本取扱説明書の各所に
書かれてありますノイズ対策の処置を必ず守ってください。
実際の配線例
SM-50783 2. 取付
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配線方法を簡単にまとめますと以下の表になります。
モータバルブの
キャブタイヤコード色
使用方法
電源のプラス側 24Vを接続してください
電源マイナス側 0V(GND)及び 制御信号の 0V(GND)もここへ
接続してください。
制御信号の 0(4)20mAのプラス側を接続してください。
また配線の際はリード線がひっぱられた状態にならないようにワイヤーバンド等で固定してください。
接続部については確実に接続、絶縁処理を行い、接触不良、絶縁不良等のないよう確実に作業を
行ってください。
電気設備の保全
電気設備の保全のために、制御回路側にはヒューズなどの遮断器をご使用ください。
リード線タイプの結線方法
配線用電線は、目安として公称断面積 0.5mm2以上のものを使用してください。
また、リード線には過度の力が加わらないようにしてください。
SM-50783 3. 使用方法
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3. 使用方法
警告
緊急遮断弁などの安全確保用バルブとしては使用しない。
本製品は緊急遮断弁などの安全確保用バルブとして設計されていません。そのようなシステムの場合
は、確実に安全を確保できる手段をとったうえで、使用してください。
本製品が故障したときに人や物などに悪影響を与えないよう、あらかじめ必要な措置を実施する。
仕様欄に記載の流体以外は使用しない。
カタログに記載されている制御流体チェックリストで、使用する流体との適合性を確認してください。
使用する流体が粉体やスラッジ、異物を含むなど質が悪い場合、ボールシートの耐久性が著しく低下し
ます。ボールシートのシール性能が無くなると、流体を制御することができなくなります。定期的なメンテ
ナンスまたは適切な対策を実施してください。
防爆雰囲気では使用しない。
防爆雰囲気で使用される場合は防爆用電磁弁シリーズの中からご選定ください。
流体温度
仕様にある流体温度範囲にて使用してください。
周囲環境について
腐食性ガス及び構成材料を侵すような雰囲気では使用しないでください。
発熱体の近くまたは輻射熱を受ける場所では使用しないでください。
使用周囲温度範囲内でご使用ください。
寒冷地使用の場合、適切な凍結防止対策を行ってください。
通電中は、電気配線の接続部(裸充電部)に手や体を触れない。
感電するおそれがあります。
注意
仕様圧力範囲内で使用する。
使用中はモータが発熱しますので、ボンネットに触らないでください。
またボンネットを分解しないでください。感電や火傷の恐れがあります。
手動操作については停電・故障等の緊急時以外は決して行わないでください。
また手動操作時は以下の手順にて行ってください。
①電源を必ず切ってください。
②中間ブッシュの開閉表示穴に十字ねじ回し(H2 ,2 )を差込み徐々に力を加えていき
SO,OS間を約 20 秒程度で回してください。
③回す時は急激に大きな力をかけないでください。ギヤの破損につながります。
SB-C 流路
開閉表示穴
OA-C 流路
SM-50783 3. 使用方法
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3.1 検討事項
警告
外観確認は、元栓を閉じ、バルブ内の流体を排出させてから行う。
電源、絶縁抵抗の確認は、電源を OFF にしてから行う。
感電に十分注意しながら、確認してください。
■電圧変動範囲外での使用は作動不良の原因になります。
■絶縁抵抗の確認
電磁弁に組付けられた非充電金属部と、リード線などの裸充電部との絶縁抵抗を測定してください。
DC500 V メガーで 100 MΩ 以上あることを確認してください。
■作動の確認
定格電圧、電流入力信号を印加して使用流体を加圧し、バルブが正常に開閉作動することを確認します。
■比例制御について
電流入力信号
開度制御のための電流入力信号は“420mA”と表現され、実際に 4mA付近でボールバルブが
開き始めますが製品間のばらつきにより正確な数値ではありませんので入力信号と開度の関係は
以下のように考えてください。
入力信号 開度
0mA B-C 流路位置
20mA A-C 流路位置
また内部インピーダンスは 240Ωですので 240×0.024.8V程度は制御電圧が必要となります。
■PID制御について
市販の調節計にはほとんど“PID”制御が行えるような“オートチューニング”機能を持っています。
これは制御するもの毎に合った専用の最良通電タイミングを持たせるための機能です。
ボールバルブがどんなに高頻度で動いても制御するもの(対象)によっては無駄な動きになって
しまいます。その無駄な制御量をみつけることがオートチューニングといわれこのことにより無駄な
通電がなくなり作動頻度をさげることができるようになります。
これは製品の寿命を長くするためにも必要な制御ですので必ずPID付の調節計を使用して
ください。
SM-50783 3. 使用方法
13 2021-05-10
■入力信号と流量の関係について
制御用入力信号とボールバルブの流量特性(Cv値)の関係は以下のグラフのようになります。
ただし、この特性も製品間によりばらつきを持つため、目安程度となります。またボールバルブの特
性上、B-C 流路付近と A-C 流路付近は 1ステップ(最小変化幅)での流量変化が大きいため実使
用に向きません。また最大Cv値の 1/2 程度の流量付近で制御が行えるよう口径を設定することに
より安定した制御が得られます。
A-C側ポート 流量 B-C側ポート 流量
全開状態
全閉状態
振り分け制御範囲
〈流量特性〉
B-C 側ポート 流量 A-C 側ポート 流量
SM-50783 3. 使用方法
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■分解能
①分解能は駆動部(回転軸)の分割数を表します。
本製品の場合は入力信号上昇時のみの(B-C から)A-C 流路位置までの分割数、もしくは信号下降
時の(A-C から)B-C 流路位置までの分割数を示します。
1.3%は B-C から A-C 流路範囲を 77 分割していることを表します。)
(駆動回転軸の分割数であるためボールバルブの開度(流量)の分割ではありません。)
②入力信号を上昇から下降へ切り替えた場合にはヒステリシスが 5°程度は発生します。
(入力信号下降から上昇へ切り替えても同様)
A-CB-C 端付近はヒステリシスが大きく精度が得られないため使用しないでください。
③分解能につきましては製品ごとにバラツキを持ちます。(作動回転方向によっても差を持ちます。)
高精度な再現性、製品ごとの高精度な互換性を必要とする場合は使用しないでください。
④安定した作動のために電源電圧は 24Vに安定した電源を使用してください。
電源電圧がDC24Vから変動したり不安定な場合、安定した分解能は得られなくなります。
分解能〉
■電気の基礎
・消費電流
本製品に置いて消費電流のほとんどがステッピングモータへ流れ込む電流です。
モータはコイルと同様インダクタンスをもっていますので電流は電圧に対し位相がずれます。
そのため消費電流は単純なオームの法則には従いませんのでピーク値と平均値という形で表して
います。平均値は 750±100mA としておりますが瞬間にはピークで 1.2A 程度流れますので、安定
化電源としては 50Wクラスの使用をおすすめします。
・電流入力信号
一般的には 4mAから 20mAで開度量を制御します。
電流制御のメリットは電圧ノイズに強い点や電送距離の影響を受け難い点などにあります。
但し、ボールバルブの場合、開き始めの位置と入力信号の整合性が取り難いため、B-C 流路
位置を 0mAという形にしております。
・入力インピーダンス
ボールバルブ側は、上記のように制御信号は電流で受けますが内部回路は電圧に変換して比較
演算処理を行います。その際の電圧変換に用いる抵抗値を入力(内部)インピーダンスと
いいます。
本製品の場合は 240Ωとなっておりますので、実際の内部回路では入力電流 420mA×(内部)
インピーダンス 240Ω=0.96V~4.8Vにて制御しています。
開度信号
拡大
流量特性(Cv値)
最小分割量 1.3 以下
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CKD MXGC2シリーズ ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル