CKD KSLシリーズ 追加機能 ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル
取扱説明書
製品をご使用になる前に、本取扱説明書を必ずお読みください。
特に安全に関する記述は、注意深くお読みください。
本取扱説明書は必要なときにすぐ取出して読めるように、大切に保管してください。
SM-A20058
スカラロボット
KSLシリー
(追加機能)
追加機能編
i
SM-A20058
はじめに
このたびは、当社のスカラロボット「KHEKHL シリーズ」をお買求めいただきまして、誠にありがとうございます。
本取扱説明書は本製品の性能を十分に発揮させるために、取付、使用方法などの基本的な事項を記載した
ものです。よくお読みいただき、正しくご使用ください。
なお、本取扱説明書は紛失しないように、大切に保管してください。
本取扱説明書に記載の仕様、外観は、将来予告なく変更することがあります。
注意:
・この取扱説明書は産業用ロボットを実際にご使用になられる方のお手元に必ず届くよう
お取りはからいください。
・産業用ロボットをご使用前にこの取扱説明書を必ずご覧くださいますようお願いいたします
・お読みになった後は必ず保管してくださいますようお願いいたします。
追加機能編
ii
SM-A20058
本書では、産業用ロボットコントローラKSL3000
1
NCBOY して
2
機能について説明しています。
3
機能について説明しています。
4
押 付 力 [N] 機能について説明しています。
5
機能について説明しています
6
加速度自動調整機能について説明しています。
7
ビジョンキャリブレーション機能について説明しています。
なお、本書の内容は、予告なく変更される場合がありますので、予めご了承ください。
安全編、操作編、ロボット言語編、インターフェース編、据付・輸送編、保守編通信編、
ユーザーパラメータ編、アラーム編の各種取扱説明書が用意されていますので、必要によ
そちらの取扱説明書と併用してご利用くださいますようお願いいたします。
追加機能編
iii
SM-A20058
はじめに ........................................................................................................... i
1 NCBOY 付加軸機能 .................................................................................. 5
2 パルス出力機 ........................................................................................ 6
3 エリア出力機 ........................................................................................ 7
3.1 エリア出力機能の概要 ....................................................................... 7
3.2 パラメータ ..................................................................................... 7
3.3 使用例 ......................................................................................... 10
3.3.1 数テーブルで同一のDOUT番号を設定した場 .......................... 12
3.4 応用例 ......................................................................................... 14
3.4.1 リア出力機能を使用した 2台のロボットの干渉回避....................... 14
3.4.2 定方法 .............................................................................. 15
4 押付力[N]単位指定機能 ........................................................................... 18
4.1 押付力[N]単位指定機能の概要............................................................ 18
4.2 言語仕様 ...................................................................................... 18
FORCE3LIM ................................................................................. 19
4.3 ティーチングペンダントのトルク表示の変更 .......................................... 20
5 軌跡精度向上機能(開発中 ..................................................................... 21
5.1 軌跡精度向上機能の概要 ................................................................... 21
5.2 言語仕様 ...................................................................................... 21
LOCUS ........................................................................................ 22
6 加速度自動調整機能 ................................................................................ 23
6.1 加速度自動調整機能の概要 ................................................................ 23
6.2 言語仕様 ...................................................................................... 23
SPURT ........................................................................................ 24
6.3 使用上の注意事項 ........................................................................... 25
7 ビジョンキャリブレーション機能 ................................................................ 26
7.1 ビジョンキャリブレーション機能の概要 ................................................ 26
7.2 キャリブレーションシート ................................................................ 27
7.3 パラメータ ................................................................................... 29
7.4 言語仕様 ...................................................................................... 35
追加機能編
iv
SM-A20058
VSCALBIN ................................................................................... 36
VSCALBOUT ................................................................................ 37
7.5 サンプルプログラ ........................................................................ 38
追加機能編
v
SM-A20058
1
NCBOY付加軸機能
本機能は現在、垂直多関節ロボットシステムで
使
(スカラロボットシステムは今後拡張予定です)
追加機能編
6
SM-A20058
2
パ ル ス 出 力 機能
KSL3000コントローラでは使用できません
追加機能編
7
SM-A20058
3
エリア出力機能
本章では、エリア出力機能について説明します
3.1 エリア出力機能の概要
エリア出力機能とは、ロボットが指定された領域に侵入したときに、指定したDOUT信号をO
NまたはOFFする機能です。指定する領域とDOUT信号の組み合わせを64通り設定すること
本機能のコントローラシステムの対応バージョンは以下になります。
メ イ ン部 : X8GCAS-13E以上(ス カ ラ )
3.2 パラメータ
エリア出力機能用の設定パラメータはパラメータファイルAREA.PAR」に 。パ
タのフォーマットは以下の通りです。
}②直方体領域 P1,P2
追加機能編
8
SM-A20058
エリア出力機能有効無効設定
エリア出力機能を有効にするか無効にするかを設定
0:機能無効
1:機能有効
0ま た は 1
0
直方体領域P1P2
信号を出力する領域を設定します。設定した直方体領域内にロボットが侵入した場合に指定
たDOUT信号をONまたはOFFします。
(+ 位 置 )( )の値を入れ替えても動作に支障はありません。
設定 :=(+位置x座標),(+位置y座標),( z座標),(予備),(予備),(予備),
(予備),(予備)
(- 位 置 x座標),(-位置y座標),( z座標),(予備),(予備),(予備),
(予備),(予備)
mm
-9999.99999.9
1.0
+位置
-位置
X
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SM-A20058
出力DOUT番号及び出力論理
信号を出力するDOUT番号を指定します。
DOUT番号を+に設定した場合、設定領域に侵入したとき指定DOUTがONになります。
また、DOUT番号を-に設定した場合、設定領域に侵入したとき指定DOUTがOFFになり
164-1-64101164-101-164301364-301-364401464
-401-464
1
注意
・複数テーブルで同一のDOUT番号を指定した場合、出力信号は各テーブルのDOUT出力の
3.3.1 複数テーブルで同一のDOUT番号を設定した場合で説明し
・本機能にて割り当てたDOUTは、SCOL言語やティーチングペンダントを用いた操作で信
号のON/OFFはできませんので注意してください。
・本機能はロボットプログラムの実行の有無にかかわらず、有効となります。ロボットプログラ
ムが停止していてもロボットが指定された領域に入っていれば、指定のDOUT信号をONまた
りますと、出力信号も切れますので注意してください
追加機能編
10
SM-A20058
3.3 使用例
例 と しAREA.PARを以下のように設定した場合について説明します。
Table No.1で設定した領域は下図のようになります。
ロボット現在位置が設定した領域内にあるとき、DOUT(1)がON、領域外にあるときは
1)がOFFになります。
[A00] AREA OUTPUT SETTING PARAMETER
{Area output flag (0:Disable 1:Enable)}
{P1:+Direction position coordinate [mm]}
{P2:-Direction position coordinate [mm]}
{Dout number}
{Table No.1}
= 1
= 700.0 100.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 400.0 -200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 1
{Table No.2}
= 1
= 650.0 250.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 350.0 -50.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= -2
設定領域内
DOUT() ON
設定領域外
DOUT() OFF
追加機能編
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SM-A20058
次 に 、 Table No.2を設定した場合について示します。
ロボット現在位置が設定した領域内にあるとき、DOU(2)がOFF、領域外にあるときは
DOUT(2)がONになります。
設定領域内
DOUT() OFF
設定領域外
DOUT() ON
[A00] AREA OUTPUT SETTING PARAMETER
{Area output flag (0:Disable 1:Enable)}
{P1:+Direction position coordinate [mm]}
{P2:-Direction position coordinate [mm]}
{Dout number}
{Table No.1}
= 0
= 700.0 100.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 400.0 -200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 1
{Table No.2}
= 1
= 650.0 250.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 350.0 -50.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= -2
追加機能編
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SM-A20058
3.3.1 複数テーブルで同一のDOUT番号を設定した場合
本エリア出力機能において、複数のテーブルで同一のDOUT番号を指定した場合、出力信号
各テーブルのDOUT出力の論理和になりますすなわち、出力ON命令とOFF命令が重なった
場合、ON命令が優先されます。
例 と しAREA.PARを以下のように設定した場合について説明します。
設 定 し領域は下図のようになります。
[A00] AREA OUTPUT SETTING PARAMETER
{Area output flag (0:Disable 1:Enable)}
{P1:+Direction position coordinate [mm]}
{P2:-Direction position coordinate [mm]}
{Dout number}
{Table No.1}
= 1
= 700.0 100.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 400.0 -200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 1
{Table No.2}
= 1
= 650.0 250.0 200.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= 350.0 -50.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
= -1
領域①
領域②
領域③
領域④
追加機能編
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SM-A20058
また、各テーブルの設定値の組み合わせによって、以下の4つの領域に分けられます。
各領域におけるDOUT(1)のON/OFFは以下のようになります。
Table No.2
ON
Table No.1
ON
ON
ON
ON
領域①
領域②
領域③
領域④
Table No.1
設定範囲
Table No.2
設定範囲
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SM-A20058
3.4 応用例
3.4.1 エリア出力機能を使用した 2台のロボットの干渉回避
本節では、エリア出力機能の応用例として、外部信号によるFEEDHOLD機能と組み合わせた2台のロボ
ットの干渉回避について説明します。
エリア出力機能と外部信号によるFEEDHOLD機能の両方に対応しているコントローラシステムのバー
ジョンは以下になります。
メ イ ン部 : X8GCAS-13E以上(ス カ ラ )
本節では、以下のような2台のロボット(ロ ボ ッ ト A、ロ ボッ ト B)の干渉回避方法(下 図 参)
動作空間の一部( )を共有するロボットA,Bが別々の動作を行っている
ロ ボ ッAの先端が干渉領域内に移動した際にもうロボットBは動作を停止する
ロ ボ ッAが領域内での作業を終了し、干渉領域外に移動したら、ロボットBは動作を再開する
ロボット A
ロボット B
干渉領域
①ロボット A
干渉領域内に移
②ロボット B
動作を停止
③ロボット A
干渉領域外に移
④ロボット B
動作を再開
追加機能編
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SM-A20058
3.4.2 設定方
本節で説明する2台のロボットの干渉回避を行うためには以下の設定を行う必要があります。
・エリア出力機能の設定
ロ ボ ッAら見た干渉領域の座標をロボットAAREA.PARに、
ロ ボ ッBら見た干渉領域の座標をロボットBAREA.PARにそれぞれ設定してください
今回の例ではどちらのロボットも干渉領域に入ったら、DOUT(1)OFFするように設定した場合につい
て説明します。
※ロボットごとにエリア出力機能で指定する領域の原点が異なりますので注意してください。
・「外部信号によるFEEDHOLD
2台のロボットそれぞれのUSER.PAR[U50]を以下のように設定し、外部信号によるFEED HOLD
有効にしてください。USER.PARの変更方法については、取扱説明“ユーザーパラメータ編”を参照
。なUSER.PARの変更を反映させるにはコントローラの電源OFF/ONする必要があり
[U50]SIGNAL FEED HOLD FUNCTION
{0:Disabled 1:Enabled}
= 1
本機能を有効にした場合、コントローラに内蔵した簡易PLCの リ レ ー "G12C" がOFFするとロボッ
トは一時停止し、ONすると動作を再開します。
※ ロ ボッ ト は "G12C" OFFしてから減速して停止するため、実際に停止するまである程度の距離
を移動します。
追加機能編
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SM-A20058
・2台のロボットコントローラの配線
2台のロボットそれぞれの入出力信号配線に以下の変更を加えて下さい。
配線のイメージ図を以下に示します。
ロボット A
外部配線
ロボット B
シーケンス
プログラム
シーケンス
プログラム
FEED HOLD
G12C
DIN1 に対応する
入力信号線
(X000)
DIN1 に対応する
入力信号線
(X000)
FEED HOLD
G12C
Out Of Area
H000
DOUT1 に対応する
出力信号線
(Y000)
DOUT1 に対応する
出力信号線
(Y000)
Out Of Area
H000
ロボットA側のDOUT1に対応する出力信号線をロボットB側のDIN1に対応する入力信号
線に、ロボットB側のDOUT1に対応する出力信号線をロボットA側のDIN1に対応する入力
信号線に接続してください。DIN1、DOUT1にそれぞれ対応する入力信号線、出力信号線の
ピン番号はコントローラの型式によって異なりますので、お使いのコントローラに合った取扱説明
書“SM-A20054 インターフェース編”を参照してください。
追加機能編
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SM-A20058
・シーケンスプログラム
ロボットA,Bそれぞれのシーケンスプログラムにおいて、
干渉領域に入った時にOFFするDOUT(1)信号(H000)OUTPUT-25pin (Y100) に、
INPUT-23pin (X000)を自ロボットのFEEDHOLD指令(G12C)に接続してください。
シーケンスプログラムの例を以下に示します。
シーケンスプログラムの変更方法については取扱説明書“SM-A20055 簡易PLC機能編”を参照してく
標準シーケンスプログラム
変更後のシーケンスプログラ
動作確認の際には、安全のため2台のロボットが物理的に接触しない状態でロボットの動作を確認
してください。また、ロボットの動作速度は低速から徐々に上げるようにしてください。
本節で示した設定を行った状態で、2台のロボットが同時に干渉領域に入った場合、2
は共に停止します。ィーチングペンダントでの手動誘導等により、復帰は可能ですが、片方の
ボットが干渉領域外に出たタイミングで、もう片方のロボットが動作を再開し、わぬ動作をする
ことがありますそのため、復帰操作の際には片方のロボットの非常停止スイッを押すなど、
全に十分注意して復帰操作を行ってください。
この行を追加
追加機能編
18
SM-A20058
4
押 付 力 [N]単 位 指 定 機
本 章 では 、 押 付[N]単位指定機能について説明します。
4.1 押付力[N]単位指定機能の概要
押 付 力 [N]単位指定機能とは、スカラロボットでZ軸方向に押付ける作業をする際、通常[%]単位
で押付力を指定するところを[N]単位で指定することができる機能になります。
本機能の対応機種とコントローラシステムの対応バージョンは以下になります。
機種:KHE-400 / KSL3000
KHL-600 / KSL3000
メ イ ン部 : X8GCAS-14B以上
4.2 言語仕様
押 付 力 [N] 機能で は 、 FORCE3LIMいう命令語を使用します。
言語の詳細は以下になります
追加機能編
19
SM-A20058
FORCE3LIM
機能 第3軸のトルク制限値をNmで指定します。
FORCE3LIM=<式>
文例 FORCE3LIM=50
M OV E A1 FORCE3LIM=70
スカラロボットにおける第3軸のトルク制限値をNmで指定します。
<式>には、定数、変数、及び演算式を使用する事ができます
トルクの制限値として、0以下を指定すると0と見なします。
トルクの制限値が低すぎると、ロボットが動作できずにエーになる事があります
出力可能なトルク値より大きな値を指定すると、出力可能な最大値が設定されます。
たとえば、第3軸の出力トルクが50%=75Nmの時
TORQUE={300,300,50,300,300}と
FORCE3LIM=75は同じ効果となります。
内部では、FORCE3LIMとTORQUE命令の第3軸の設定箇所は同一のものです。
よってFORCE3LIM=75トルクを制限した後、
TORQUE={300,300300,300,300として制限値をTORQE
命令で変化させることも可能です。
サ ン プ PROGRAM TORQUESMPL
MOVE A1 A2への動作時にZ軸(この場合第3軸)
FORCE3LIM=75 のトルクを、定格トルクの75Nmに
MOVE A2
OPEN1
DELAY 0.5
MOVE A1
FORCE3LIM=999 トルク制限を最大値にします。
READY (トルク制限無効)
END
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CKD KSLシリーズ 追加機能 ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル