Fluke Calibration 5730A Getting Started

  • Fluke 5730A マルチファンクション校正器とその関連製品(5730A/03、5730A/05、5725A増幅器、52120A増幅器)のスタートマニュアルの内容を理解しています。DC/AC電圧・電流・抵抗の校正、RF電圧計の校正など、このデバイスの機能や仕様に関してご質問があれば、お気軽にお尋ねください。
  • 5730Aの保証期間は?
    5730Aで校正できる測定器の種類は?
    5725Aおよび52120A増幅器の機能は?
    保証サービスを受けるにはどうすればいいですか?
PN 4290571
August 2013 Rev. 1, 6/15 (Japanese)
© 2013-2015 Fluke Corporation. All rights reserved. Specifications are subject to change without notice.
All product names are trademarks of their respective companies.
5730A
Multifunction Calibrator
保証および責任
Fluke の製品はすべて、通常の使用及びサービスの下で、材料および製造上の欠陥がないことを保証しま
す。 保証期間は発送日から 1 年間です。 部品、製品の修理、またはサービスに関する保証期間は 90 日で
す。 この保証は、最初の購入者または Fluke 認定再販者のエンドユーザー・カスタマーにのみに限られま
す。 さらに、ヒューズ、使い捨て電池、または、使用上の間違いがあったり、変更されたり、無視された
り、汚染されたり、事故若しくは異常な動作や取り扱いによって損傷したと Fluke が認めた製品は保証の
対象になりません。 Fluke は、ソフトウエアは実質的にその機能仕様通りに動作すること、また、本ソフ
トウエアは欠陥のないメディアに記録されていることを 90 日間保証します。 しかし、Fluke は、本ソフト
ウエアに欠陥がないことまたは中断なく動作することは保証しておりません。
Fluke 認定再販者は、新規品且つ未使用の製品に対しエンドユーザー・カスタマーにのみに本保証を行いま
すが、より大きな保証または異なった保証を Fluke の代わりに行う権限は持っていません。 製品が Fluke
認定販売店で購入されるか、または購入者が適当な国際価格を支払った場合に保証のサポートが受けられま
す。 ある国で購入された製品が修理のため他の国へ送られた場合、Fluke は購入者に、修理パーツ/交換
パーツの輸入費用を請求する権利を保有します。
Fluke の保証義務は、Fluke の見解に従って、保証期間内に Fluke 認定サービス・センターへ返送された欠陥
製品に対する購入価格の払い戻し、無料の修理、または交換に限られます。
保証サービスを受けるには、最寄りの Fluke 認定サービス・センターへご連絡いただき、返送の許可情報を
入手してください。 その後、問題個所の説明と共に製品を、送料および保険料前払い (FOB 目的地) で、最
寄りの Fluke 認定サービス・センターへご返送ください。 Fluke は輸送中の損傷には責任を負いません。
証による修理の後、製品は購入者に送料前払い(FOB 到着地)で返送されます。 当故障が、使用上の誤り、
汚染、変更、事故、または操作や取り扱い上の異常な状況によって生じたと Fluke が判断した場合には、
Fluke は修理費の見積りを提出し、承認を受けた後に修理を開始します。 修理の後、製品は、輸送費前払
いで購入者に返送され、修理費および返送料 FOB 発送地) の請求書が購入者に送られます。
本保証は購入者の唯一の救済手段であり、ある特定の目的に対する商品性または適合性に関する黙示の保証
をすべて含むがそれのみに限定されない、明白なまたは黙示の他のすべての保証の代りになるものです。
データの紛失を含む、あらゆる原因に起因する、特殊な、間接的、偶然的または必然的損害または損失に関
して、それが保証の不履行、または、契約、不法行為、信用、若しくは他のいかなる理論に基づいて発生し
たものであっても、Fluke は一切の責任を負いません。
ある国また州では、黙示の保証の期間に関する制限、または、偶然的若しくは必然的損害の除外または制限
を認めていません。したがって、本保証の上記の制限および除外規定はある購入者には適用されない場合が
あります。 本保証の規定の一部が、管轄の裁判所またはその他の法的機関により無効または執行不能と見
なされた場合においても、それは他の部分の規定の有効性または執行性に影響を与えません。
Fluke Corporation
P.O. Box 9090
Everett, WA 98206-9090
U.S.A.
Fluke Europe B.V.
P.O. Box 1186
5602 BD Eindhoven
The Netherlands
11/99
オペレータ安全情
高電圧
が本機器の運転時に使用されます
致死電圧
が各端子に生じる可能性があるため、すべての安全注意事項を守ってください!
感電の危険を避けるため、オペレーターは、出力 HI またはセンス HI 端子、あるいはこ
れらの端子に接続されている回路に、電気的に接触しないでください。運転中には、こ
れらの端子は交流あるいは直流電圧が最高1100Vに達するため、大変危険です。
人体の重要な器官に電流が流れる危険性を軽減できるように、操作上可能な限り、片方の手は機器から離
してください。
i
目次
題目 ページ
はじめに ................................................................................................ 1
安全に関する情報 .................................................................................. 3
記号 ....................................................................................................... 4
Fluke Calibration の連絡先 .................................................................... 5
取扱説明書 ............................................................................................ 5
広帯域 AC 電圧モジュール (5730A/03 または 5730A/05 オプション) .. 5
補助増幅器 ............................................................................................ 6
5725A Amplifier ................................................................................. 6
52120A Amplifier ............................................................................... 7
サポート装置およびサービス ................................................................ 7
732B Direct Voltage Reference Standard ......................................... 7
732B-200 Direct Volt Maintenance Program (米国のみ) ................... 8
742A Series Resistance Standards ................................................... 8
広帯域 AC モジュール (5730A/03 または 5730A/05 オプション)
校正サポート .................................................................................... 8
本校正器のコンポーネン ................................................................... 8
5730A の校正 ........................................................................................ 9
アーティファクト校正プロセス ........................................................ 9
トレーサビリティの確立 ................................................................... 10
校正レポート ..................................................................................... 10
レンジ調整 ......................................................................................... 10
DC ゼロ ................................................................................................. 10
本校正器の開梱と点検 .......................................................................... 11
設置とラックへの取り付 ................................................................... 11
冷却について ......................................................................................... 12
ヒューズ交換 ......................................................................................... 12
エア・フィルターのクリーニング......................................................... 14
外部の清掃 ............................................................................................ 15
主電源の接続 ......................................................................................... 15
5725A Amplifier の接続 ......................................................................... 15
52120A Amplifier の接続 ....................................................................... 15
前面パネルの機能 .................................................................................. 15
背面パネルの機能 .................................................................................. 20
一般仕様 ................................................................................................ 22
電気的仕様 ............................................................................................ 24
AC 電圧仕様 ...................................................................................... 25
5730A
スタート・マニュアル
ii
抵抗の仕様 ......................................................................................... 31
DC 電流仕様 ...................................................................................... 35
AC 電流仕様 ...................................................................................... 37
広帯域 AC 電圧モジュール (5730A/03 または 5730A/05 オプション)
の仕様 (99 % 信頼水準) .................................................................... 40
52120A 仕様 (5730A と一緒に使う場合) .......................................... 41
52120A の電気性能制限 .................................................................... 42
5730A と閉ループ・モードで使用する場合 (すべての電流レンジ) .. 42
包含係数 k=2.58 (99 % 信頼水準) ................................................. 42
包含係数 k=2.00 (95 % 信頼水準) ................................................. 43
52120A/COIL 3KA 25 ターン・コイル .............................................. 44
52120A/COIL 6 kA 50 ターン・コイル ............................................. 44
iii
表目次
題目 ページ
1. 記号 ........................................................................................................... 4
2. 補助増幅器データ ...................................................................................... 6
3. 標準付属品 ................................................................................................ 11
4. ヒューズ交換 ............................................................................................. 13
5. 前面パネルの機能 ...................................................................................... 16
6. 背面パネルの機能 ...................................................................................... 20
5730A
スタート・マニュアル
iv
v
図目次
題目 ページ
1. ヒューズ・ホルダーへのアクセス ............................................................ 13
2. エア・フィルターの交換作業 .................................................................... 14
3. 前面パネルの機能 ...................................................................................... 16
4. 背面パネルの機能 ...................................................................................... 20
5730A
スタート・マニュアル
vi
1
はじめに
Fluke Calibration 5730A Calibrator (「本校正器」または「本製品」) はさまざま
な電気計測器を校正することができます。また、5730A Calibrator は幅広い環境
温度範囲で高い確度を維持できます。確度が高いことで、温度管理された標準室
のみに限らず、さまざまな環境で計測器を試験することができます。本校正器は
AC/DC 電圧、AC/DC 電流、および抵抗を測定する精密マルチメーターを校正す
ることができます。本校正器に広帯域 AC 電圧オプションを追加すれば RF 電圧
計の校正も行えるようになります。
このマニュアルの末尾に仕様が掲載されています。本製品は、以下のような信号
の、完全にプログラミング可能な高精度信号源です:
1100 V までの DC 電圧
1100 V までの AC 電圧 (10 Hz 1.2 MHz の出力が可)
2.2 A までの DC および AC 電流 (10 Hz 10 kHz の出力が可能)
1 Ω 100 MΩの抵抗、およびショート
300 μV ~ 3.5 V (50 Ω負荷、 -57 dBm +24 dBm)10 Hz 30 MHz
(5730A/03) または~ 50 MHz (5730A/05)の広帯域 AC 電圧 (オプション)
5730A Calibrator には次のような機能があります:
環境制御された内部基準。これによって本校正器は幅広い環境温度範囲で全
性能を維持できます。
簡単な出力調整ノブの操作で、メーター誤差を自動計算。
出力値を 10 倍または 10 分の 1 にするキー。フルスケールの分数で 10 の倍
数になる校正ポイントを持つメーターの校正作業を簡単にします。
本校正器に設定できるレベルを制限する、プログラム可能な入力制限。装置
や人体に悪影響を及ぼす可能性のあるレベルを出力できなくなります。
選択されている信号、校正間隔、および仕様の信頼水準における本校正器仕
様を画面上に表示。
5730A
スタート・マニュアル
2
補助電流端子。電流入力端子が独立しているメーターの校正が、ケーブルを
つなぎ替えることなく可能。
リアルタイム・クロックおよびカレンダー。レポートの日付スタンプや、必
要な間隔での DC ゼロ調整実行のリマインダー表示に利用。
オフセット・モードおよびスケーリング・モードが、マルチメーターの直線
性テストを簡素化。
可変位相基準信号出力および位相ロック入力。
Fluke Calibration 5725A Amplifier 用インターフェース。
Fluke Calibration 52120A Amplifier 用インターフェース。
ANSI/IEEE 規格 488.1-1987 および 488.2-1987 に準拠した、IEEE-488
(GPIB) 標準インターフェース。
EIA/TIA-574 規格の RS-232 シリアル・データ・インターフェースを使って
本校正器をリモート・コントロール。
ユニバーサル・シリアル・バス (USB) 2.0 高速インターフェース・デバイ
ス・ポートを使って本校正器をリモート・コントロール。
10/100/1000BASE-T イーサネット・ポートを使って、本校正器をネットワ
ーク接続してリモート・コントロール。
アナログおよびデジタル機能に関する詳細な内部セルフテストおよび診断機
能。
USB ホスト・ポートから USB メモリーに校正レポートを保存。
接続確認機能 (Visual Connection Management) 付きの出力端子。端子周囲
の点灯によって正しいケーブル接続位置を知らせます
ソフト電源 - 源電圧/周波数を自動選択します
タッチパネル式 LCD カラ VGA ディスプレイ。
すべてのモードおよびレンジに対するトレーサブルな校正手順。必要なのは
10 V1 Ω、および 10 kΩ の外部標準のみで、必要に応じて個別の検証を行
う必要があります。
自動校正チェック。この機能により再校正までの間の信頼性が強化されるだ
けでなく、その間の本校正器の性能の文書化、特性化のためのデータも提供
されます。
Multifunction Calibrator
安全に関する情報
3
安全に関する情報
警告」は使用者に危険を及ぼすような条件や手順であることを示します。
注意」は、本器や被測定器に損傷を与える可能性がある条件や手順であるこ
とを示します。
警告
感電、火災、人体への傷害を防ぐため、次の注意事項を遵守してく
ださい:
本製品を使用する前に、安全に関する情報をすべてお読みくだ
さい。
すべての説明を注意深くお読みください。
爆発性のガスまたは蒸気の周辺、結露のある環境、または湿気
の多い場所で本製品を使用しないでください。
本製品は室内でのみ使用してください。
主電源コードの抜き差しが妨げられるような場所に本製品を設
置しないでください。
使用する国、および製品定格に対応した電圧、およびプラグ形
状の主電源コードとコネクターのみを使用してください。
主電源コードの絶縁体が損傷していたり、絶縁体に摩耗の兆候
が見られる場合は、主電源コードを交換してください。
電源コードの接地端子を保護接地端子に確実に接続してくださ
い。保護接地端子に接続しないと、生命に関わる電圧が筐体に
生じる可能性があります。
延長コードや変換プラグを使用しないでください。
カバーを外した状態やケースが開いた状態で本製品を操作しな
いでください。危険な電圧がかかる可能性があります。
作動に異常が見られる場合は本製品を使用しないでください。
通電状態の出力端子には接続しないでください。本製品は感電
死に至る危険のある電圧を供給することができます。スタンバ
イ・モードでは感電を完全に防ぐことはできません。
端子間や、各端子とアース間に、定格を超える電圧を印加しな
いでください。
正しい電圧定格のケーブルのみを使用してください。
5730A
スタート・マニュアル
4
バナナ・プラグの金属が露出した部分には致死レベルの電圧が
存在する恐れがあるため、触れないでください。
30 V ac rms42 V ac ピーク、あるいは 60 V dc を超える電圧に
は触れないでください。
本器は指定された方法でのみ使用してください。指定外の方法
で使用した場合、安全性に問題が生じることがあります。
指定された交換用ヒューズのみを使用してください。
本器の修理は、フルーク サービスセンターに依頼してください。
記号
このマニュアルまたは本校正器では、表 1 に示された記号が使用されています。
1.記号
記号 定義 記号 定義
警告。危険。 警告。危険電圧。感電の危険性があり
ます。
本製品は WEEE 指令のマーキング要件
に適合しています。添付されたラベル
は、この電気/電子製品を一般家庭廃棄
物として廃棄できないことを示しま
す。製品カテゴリー:WEEE 指令の付
属書 I に示される機器タイプに準拠し
て、本製品はカテゴリー 9 「監視およ
び制御装置」の製品に分類されます。
この製品は、一般廃棄物として処分し
ないでください。
欧州共同体規格に準拠。
北米安全規格については、CSA グルー
プにより認証済み。 関連するオーストラリア EMC 規格に
準拠
韓国の関連 EMC 規格に準拠。
Multifunction Calibrator
Fluke Calibration の連絡先
5
Fluke Calibration
の連絡先
Fluke Calibration へお問い合わせいただくには、下記の番号へお電話ください:
テクニカル・サポート 米国:1-877-355-3225
校正/修理 米国:1-877-355-3225
カナダ:1-800-36-FLUKE (1-800-363-5853)
ヨーロッパ:+31-40-2675-200
日本:+81-3-6714-3114
シンガポール:+65-6799-5566
中国:+86-400-810-3435
ブラジル:+55-11-3759-7600
その他諸外国:+1-425-446-6110
製品情報の参照、マニュアル、そして最新のマニュアル追補のダウンロードには、
Fluke Calibration Web サイト (www.flukecal.com) にアクセスしてください。
製品を登録するには、http://flukecal.com/register-product をご利用ください。
取扱説明書
5730A Calibrator の出荷時には以下が付属しています:
5730A
スタート・マニュアル
5730A
オペレーター・マニュアル
(CD-ROM に収録。Fluke Calibration のサ
ービス部門を通して印刷版も購入可能)
注文する場合は、Fluke Calibration のカタログを参照するか、Fluke Calibration
の営業担当者にお問い合わせください。「Fluke Calibration の連絡先」を参照
てください。
広帯域
AC
電圧モジュール
(5730A/03
または
5730A/05
オプション
)
広帯域 AC 電圧モジュール (5730A/03 または 5730A/05 オプション) 5730A
Calibrator に搭載できます。このモジュールは高確度でノイズが少なく、極めて
平坦な AC 電圧源で、10 Hz 30 MHz (5730A/03) または 50 MHz (5730A/05)
の周波数の RF 電圧計を校正します。出力には 300 μV (-57 dBm) 3.5 V
(+24 dBm) までの 7 つのレンジがあり、タイプ N 同軸コネクターを通して 50 Ω
負荷に出力されます。出力レベルは正面パネルから、またはリモート・コントロ
ールで、ボルトまたは dBm で選択します。
この広帯域モジュールは広帯域なメーターの誤差を、出力のパーセントまたはデ
シベルで表示するため、本校正器の出力調整装置としても機能します。
広帯域モジュールに同梱されるのは、タイプ N 出力ケーブル、50 Ω ターミネー
タ、N(f) から BNC(m) へのアダプター、および BNC(f) からダブル・バナナ・プ
ラグへのアダプターです。広帯域モジュールは、標準付属の出力ケーブル端に対
して校正されます。
5730A
スタート・マニュアル
6
補助増幅器
Fluke Calibration の増幅器 5725A および 52120A は、5730A Calibrator の高電
圧性能および電流レンジを拡張する場合に使用します
本校正器の背面パネルにあるインターフェース・コネクターにケーブルを接続し
て、5725A 52120A を直接操作することができます。本校正器には複数の増
幅器を同時に接続できますが、一度に有効にできる出力は 1 つだけです。増幅
器を接続し、[装置のセットアップ] メニューで設定すると、本校正器から増幅
の制御が行えるようになります。
最大 3 台の 52120A を接続し、出力を並列に接続すると、最大 360 A rms AC
電流または 300 A DC 電流を供給できます
両増幅器の操作方法については、オペレーター・マニュアルの第 4 章を参照し
てください。このマニュアルの末尾にある一般仕様には、これらの増幅器と合わ
せて 5730A Calibrator を操作する場合の仕様が記載されています。その他の
幅器の仕様については、それらのマニュアルを参照してください。表 2 に、
5725A および 52120A により拡張される機能の概要を示します。続いて拡張機
能について簡単に説明します。
2.補助増幅器データ
型式 モード レンジ
5725A Amplifier
AC 電圧
20 V rms 1100 V rms (最大 70 mA)40 Hz
30 kHz (50 mA < 5 kHz)
220 V rms 750 V rms (最大 70 mA)30 kHz
100 kHz
DC 電流 0 A ±11 A
AC 電流 1 A rms 11 A rms40 Hz 10 kHz
52120A
Transconductance
Amplifier [1]
DC 電流 0 A ±100 A
AC 電流 0.2 A rms 120 A rms10 Hz 10 kHz
[1] 最大 3 台の 52120A を接続して、合計で最大 300 A DC または 360 A rms の電流を供給できます。
5725A Amplifier
Fluke Calibration 5725A Amplifier は本校正器からの制御によって作動する外付
けユニットです。AC 電圧のドライブ能力、および AC DC 両方の電流出力レ
ンジを拡張します。5730A とこの増幅器を組み合わせると、確度を低下させる
ことなく、1100 V AC レンジでこれらの機能を利用できます
高電圧における周波数制限が、750 V 100 kHz1100 V 30 kHz になり
ます。
負荷制限は、5 kHz を超える周波数 70 mA になります。
容量性のドライブは 1000 pF になります (最大出力電流の影響を受けます)
5725A 正面パネルの独立した出力端子からは、それぞれ拡張された AC および
DC 電流が出力されます。ほとんどのメーターは高電流レンジ用の入力端子が独
立しているため、校正中にケーブルをつなぎ替える必要はありません。5725A
は、すべての電流 (校正器が発生させる通常の電流、およ 5725A 自体の電流)
5725A の端子を通して出力するように構成できます。
Multifunction Calibrator
サポート装置およびサービス
7
52120A Amplifier
Fluke Calibration 52120A Transconductance Amplifier は、校正器の制御下で作
動して 5730A Calibrator AC および DC 電流出力レンジを拡張する外付けユ
ニットです。最大 3 台の 52120A を接続して、使用できる電流出力を 3 倍にす
ることができます。52120A 増幅器には以下の機能があります:
本校正器や信号発生器、電源からの 2 V または 200 mA のフルスケール入力
(直流または交流) に対応
周波数は最大 10 kHz で、2 A20 A、または 120 A ンジから入力に対し
て比例出力電流を供給
6105A Electrical Power Standard と閉ループ・モードで使用することによっ
140 ppm の高確度を実現
本製品をもう 1 台または 2 台の 52120A と並列に作動させて 240 A または
360 A を供給可能
電流出力のコンプライアンス電圧は、4.5 V rms または 6.4 V ピーク
1 mH までの誘導性負荷を駆動
オプションの電流コイルを駆動して 3000 A または 6000 A のテスト電流を
供給
サポート装置およびサービス
Fluke Calibration は精密かつ高品質の装置、幅広いサービスによって、校正の要
件をサポートしています。校正に関する要求、場所、および機能に応じて、
5730A Calibrator を個別にサポートすることも、Fluke Calibration サービスを利
用してサポート要求の一部またはすべてをサポートすることもできます。以降の
段落では、Fluke Calibration が本校正器のために提供しているサポート装置およ
びサービスについて説明します。ここに記載されたサポート装置およびその他の
Fluke Calibration 機器の仕様や注文方法については、Fluke Calibration のカタロ
グを参照するか、Fluke Calibration の営業担当者およびサービス・センターに
問い合わせください。「Fluke Calibration の連絡先」を参照してください。
732B Direct Voltage Reference Standard
Fluke Calibration 732B 安定して 10 V を出力することができる、堅牢性に優
れて持ち運びが容易な直流電圧標準器です。732B は長時間短絡しても、破損し
たり、安定度が低下することはありません。18 °C 28 °C の温度範囲で、安定
度の仕様を完全に維持できます。
5730A Calibrator Fluke Calibration 732B などの 10 V 参照標準を半自動の校
正手順で使用して、外部電圧のトレーサビリティを確立します。この手順につい
ては、オペレーター・マニュアルの第 7 章に記載されています。
5730A
スタート・マニュアル
8
732B-200 Direct Volt Maintenance Program (
米国のみ
)
Fluke Calibration 732B-200 Direct Volt Maintenance Program を導入すると、
NIST トレーサブルな 10 V での校正の不確かさを 0.6 ppm (parts per million)
で下げることができます
このプログラムでは、校正室にある 732B を保守します。実行するには以下の手
順に従ってください:
1. Fluke Calibration から、Fluke Calibration が所有する校正済みの 732B 標準
器と、必要なすべての接続ケーブル、およびお客様の 10 V 参照標準と比較
するための手順書を送付します。
2. お客様は一連の測定を 5 日間行い、結果を Fluke Calibration Standards
Laboratory に戻します。
3. Fluke Calibration Standards Laboratory はお客様の 10 V 標準に、NIST 法定
電圧を基準とする相対的な値を割り当てて、校正レポートを送付します。
742A Series Resistance Standards
5730A Calibrator 742A シリーズなどの 1 Ω および 10 kΩ 抵抗標準器を半自
動の校正手順で使用して、抵抗および電流の外部トレーサビリティを確立します。
この手順については、オペレーター・マニュアルの第 7 章に記載されています。
742A Resistance Standards Fluke Calibration の高精度巻線抵抗器を組み合わ
せて構成されていて、本校正器用のサポート標準器として最適です。抵抗トラン
スファー標準およびその温度係数が安定しているため、本校正器の作業環境まで
容易に運搬することができます。
広帯域
AC
モジュール
(5730A/03
または
5730A/05
オプション
)
校正サポート
広帯域 AC モジュール (5730A/03 または 5730A/05 オプション) には、ゲイン
平坦度という 2 種類の校正が必要です。ゲイン定数は、5730A Calibrator の通常
の半自動校正プロセスの一部としてチェックされ、再校正されます。
周波数の平坦度は、回路形状や誘電率などの安定したパラメーターによって決定
されるため、広帯域 AC ジュールの平坦度は長期にわたって優れた安定性を示
します。この安定度により、広帯域 AC モジュールの平坦度校正は 2 周期で
実行できます。平坦度校正が必要になる頻度は低く、本校正器を定期検査のため
に標準室に返却するときに合わせて実行することができます。オペレーター・マ
ニュアルの第 7 章に、広帯域ゲインおよび平坦度の校正手順が記載されていま
す。
本校正器のコンポーネント
5730A Calibrator の内部は、プロセス制御機能と一貫した手順を備えた自動校正
システムとして構成されています。内蔵マイクロプロセッサーが、モジュール間
に信号を送るためのスイッチング・マトリックスを使用してすべての機能を制御
し、性能を監視します。完全な自動内部診断 (アナログとデジタル) により、
動の完全性を維持します
基準増幅器は直流の確度と安定度を維持します。基準増幅器のノイズは非常に小
さく、優れた安定度を備えています。本校正器に搭載されている基準増幅器には、
仕様に適合する高い信頼性と性能を確保するための長期エージングなど、特別な
選別プロセスが実行されています。
Multifunction Calibrator
5730A の校正
9
本校正器は卓越した AC 圧確度を実現するために、特許取得済み Fluke
Calibration RMS センサーを使用して、リアルタイムに AC/DC 比較測定を行っ
ています。Fluke Calibration RMS センサーは従来の熱電圧コンバーターと原
は似ていますが、時定数が短く、反転エラーはほぼ発生しません。また、信号対
ノイズ比が大きく、周波数応答も向上しています。本校正器では 1 つの Fluke
Calibration RMS センサーが AC/DC または AC/AC トランスファー標準として
能し、校正中にゲインおよび平坦度の補正定数を作り出します。2 つ目の Fluke
Calibration RMS センサーは、作動中に出力電圧を継続的に監視して修正します。
特許取得済みの 26 ビット・デジタル・アナログ・コンバーター (DAC) を使用
して、本校正器の出力を正確に変更します。これはパルス幅変調 DAC であり、
代表的に「フルスケール 0.2 ppm」より優れた直線性があります。その他の内
部機能と同様に、DAC の直線性は校正およびアナログ診断中に自動的にチェ
クされます。
5730A
の校正
5730A Calibrator は内部のチェック標準および測定システムを利用します。した
がって、Fluke Calibration から入手できる、便利でポータブルな、環境的に許
される標準を少数使用して、仕様全体に対して完全に校正することができます。
この手順は軍用規格要件までトレーサブルです。
製造時、各製品は、周知の国際計測学会による国際単位系 (SI) にトレーサブル
なプロセス計測および校正標準を使用して校正され、完全に検証されます。ISO
17025 認定の校正証明書が添付されています。
校正検証手順は 2 年おきに実行するか、設定されたポリシーに従って必要に応
じて実行することをお勧めします。この手順に調整は含まれません。内部プロセ
スが管理され、調整または修正されることがない AC トランスファーなどの内部
機能に対して、並列の外部トレーサビリティ・パスが確立されます。
アーティファクト校正プロセス
校正に必要なのは、10 V1 Ω10 kΩ 3 つの外部標準、つまりアーティファ
クトのみです。環境によって制御される内部チェック標準により、一次参照ポイ
ントが設定されます。出力を制御するための追加参照ポイントは、格納された校
正定数テーブルで定義されています。指定したパフォーマンス・レベルまでのト
レーサブルな校正および調整は半自動プロセスで行われ、このテーブルが修正さ
れます。
アーティファクト校正が終了したにもかかわらず、新しい定数が保存されていな
い場合、5730A Calibrator はレンジおよび機能ごとに、仕様内のレンジに対する
ppm の増減および割合の変化で提案される調整を表します。変更内容のリス
は、次のリモート・コマンドを使って、シリアル・ポート、USB デバイス・
ート、イーサネット・ポート、IEEE-488 ポートからコンピューターに送ること
ができます。CAL_RPT?CHECK 校正完了時には、提案される大規模な変更点も
示されます。
校正の完了は、提案される調整の取得と印刷までは、校正保護パスコートを入力
しなくてもできます。変更内容を不揮発性メモリーに保存して、以降に行われる
本校正器からの出力を調整するには、正面パネルまたはリモート・コマンドを使
用してパスコードを入力する必要があります。パスコードの入力メニューは、必
要に応じてディスプレイに表示されます。
5730A
スタート・マニュアル
10
トレーサビリティの確立
国内標準に対するトレーサビリティは、次の手順で確立されます。
内部の AC/DC トランスファー標準を除き、内部チェック標準は本校正器を
校正するたびに、トレーサブルな外部標準によって直接校正されます。
内部 AC/DC トランスファー標準は調整されないため、トレーサビリティが
校正によって変動することはありません。不定期の検証は従来どおり、選択
した AC 電圧出力と外部 DC 電圧標準を外部 AC/DC ランスファー標準を
使用して比較することによって行われます。Fluke Calibration ではこの検証
2 年おきに実行するか、組織のポリシーに従って行うことをお勧めします。
周波数の平坦度のように、時間よりも回路の形状や誘電率によって詳細に判
別される安定したパラメーターに対しても、不定期の独立した検証が実行さ
れます。
校正レポート
5730A Calibrator では、校正定数が 2 セット保存されます。現在使用中のセット
と、以前の校正で使用した古いセットです。これにより、本校正器はいつでも現
在の設定と、前回の校正以前に有効だった設定の違いを示す校正レポートを生成
できます。このレポートには、さまざまな出力値が最新校正の前後でどのように
推移したかが、レンジおよび機能ごとに、レンジに対する ppm の増減や仕様制
限に対する割合で示されます。レポートは USB ドライブに保存したり、RS-
232USB デバイス・ポート、イーサネット・ポート、または IEEE-488 の各イ
ンターフェースを通してホスト・コンピューターから取得したりできます。
レンジ調整
校正が終わったら、レンジごとに微調整することができます。レンジの調整はオ
プションであり、不確かさの仕様全体を満たす必要はありません。ただし、本校
正器を社内標準に合わせて調整する場合には役立ちます。
レンジ校正を行う前に、まず本マニュアルの後半で説明するアーティファクト校
正を実行してください。これは、調整されないレンジを校正するためのものです。
また、レンジごとに初期調整を実行し、AC 能ごとに平坦度を修正します
DC
ゼロ
DC ゼロは、複数の出力レンジで時間経過とともに増大するオフセット・エラー
を修正する、簡単な自動プロセスです。5725A Amplifier が取り付けられている
場合は、11 A DC ンジもゼロ化されます。このプロセスには約 2 分半 (5725A
付きの場合はさらに 30 ) かかります。
DC ゼロを行うには、通常の操作画面から次の手順を実行します:
1. [設定メニュー] にタッチして、[設定メニュ] を表示します。オペレータ
ー・マニュアルの第 4 章「設定メニュー」を参照してください。
2. [校正] メニューにタッチします
3. [DC ゼロの実行] にタッチして、DC ゼロ・ルーチンを開始します。DC ゼロ
校正のステータスが、手順を実行した場合の本校正器の進行状況として表示
されます。完了すると、[校正完了] と表示されます。
注記
本校正器がウォームアップしない場合は、
DC
ゼロ機能を継続する
か、またはキャンセルするよう求められます。
4. [閉じる] にタッチして、校正器使用を続行します。
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