Fluke Calibration 5700A, 5720A 取扱説明書

  • こんにちは!Fluke Series II 5700A/5720A マルチファンクション校正器の操作ガイドの内容を理解しています。この校正器の機能、使用方法、エラー処理など、どんな質問にもお答えします。例えば、ウォーミングアップ時間、直流ゼロ調整方法、外部センサーの使用条件、交流電圧の印加方法、エラーモードの操作など、お気軽にご質問ください!
  • 校正器のウォーミングアップ時間は?
    直流ゼロ調整はどのくらいの頻度で行うべきですか?
    外部センサーを使用する必要があるケースは?
    交流電圧を印加するにはどうすればよいですか?
    エラーモードとは何ですか?
PN 3474006 (Japanese)
May 1996, Rev. 1, 5/09
© 2009 Fluke Corporation. All rights reserved. Printed in USA.
All product names are trademarks of their respective companies.
5700A/5720A
Series II Multi-Function Calibrator
操作ガイド
i
目次
題目 ページ
本書について ................................................................................................... 1
安全にご店用いただくために........................................................................ 1
Wヒューズと電源電圧................................................................................... 2
基本操作 ........................................................................................................... 2
簡単なキャリブレーションの練習................................................................ 2
キャリブレータのウォーミングアップ ................................................... 3
練習:キャリブレータの直流ゼロ調整........................................................ 3
メーターの接続 ........................................................................................... 3
直流電圧をかける ....................................................................................... 3
キャリブレータの不確実率の検査 ........................................................... 4
練習:エラー・モードの起動 ................................................................... 4
メーターの高低レンジの検査 ................................................................... 4
練習:交流電圧をかける ........................................................................... 4
正面パネルの機能 ........................................................................................... 5
出力表示部(左側) ................................................................................... 5
コントロール表示部(右側) ................................................................... 5
表示スクリーン・セーバ....................................................................... 5
正面パネルのキー ....................................................................................... 5
正面パネルのコネクタ ............................................................................... 10
背面パネルの機能 ........................................................................................... 11
背面パネルのコネクタ ............................................................................... 11
スイッチとヒューズ・ホルダ ................................................................... 12
適切なケーブル ............................................................................................... 13
被試験器への接続 ........................................................................................... 14
エラー・モードの操作 ................................................................................... 19
リモコン操作 ................................................................................................... 19
RS-232-Cインターフェース・パラメー夕 ................................................... 20
5700A/5720A
操作ガイド
ii
Series II Multifunction Calibrator
本書について
1
本書について
本書
は安全操作に関する留意点、初心者のためのメーターのキャリブレーション
の簡単な練習、およびOperatorManualの大要を記載しています。キャリブレー
の特徴、機能、操作手順についての詳しい説明はOperatorManualを参照してく
さい。
安全にご店用いただくために
WX警告
端子は高電圧のため大変危険です。本ガイドの安全操作手順を厳守
してください。
感電を防止するため、作業員は「OUTPUT HI」およぴ「SENSE Hl」端子と人体
との絶縁を徹底してください。運転中には、これらの端子は交流あるいは直流電
圧が最高1100Vに達するため、大変危険です。
感電を防止するため、片手を装置からできるだけ離すようにしてください。
装置上に記載された記号について
X 警告 感電の危険あり
J 接地 安全用(保護用)アース端子
W 注意本機能に関する説明をマニュアルで確認すること。後部パネルのアース端子およびヒューズホ
ルダのそばにこの記号の表示があります。
適切なヒューズの使用
火災の危険を防ぐため、電源電圧スイッチのラベルに記載されているヒューズを
必ず使用してください。
WXキャリブレータの接地
本キャリブレータは安全クラスに準拠しており、本体シャーシに接地を施してあ
ります。本体シャーシの接地は電源コードのアース・ピンで行います。感電を防
止するため、キャリブレータの端子を接続する前に、正しくアース接続されたコ
ンセントに3ピン・プラグ付き電源コードを差し込んでください。電源コードの
接地用導線による保護用接地は安全な操作のためには不可欠です。
WXカバーは外さないでください
負傷防止のため、キャリプレータのカバーは外さないでください。カバーを外し
たままの状態で運転しないでください。キャリブレータ内部には、ユーザーの保
守点検を必要とする部品はありません。従ってカバーを外す必要はありません。
5700A/5720A
操作ガイド
2
W
ヒューズと電源電圧
後部パネルには、電圧に応じたヒューズのタイプを示す下図の表示があります。
VOLTAGE
SELECTIONFUSE-F1
T 125A
250V
(SB)
100VS2 S3 S4
110V
115V
120V
VOLTAGE
SELECTIONFUSE-F1
T 125A
250V
(SB)
200VS2 S3 S4
220V
230V
240V
CAUTION
FOR FIRE PROTECTION REPLACE ONLY
WITH A 250V FUSE OF INDICATED RATING.
VOLTAGE
SELECTIONFUSE-F1
T 125A
250V
(SB)
100VS2 S3 S4
110V
115V
120V
VOLTAGE
SELECTIONFUSE-F1
T 125A
250V
(SB)
200VS2 S3 S4
220V
230V
240V
CAUTION
FOR FIRE PROTECTION REPLACE ONLY
WITH A 250V FUSE OF INDICATED RATING.
5720og01.eps
電源電圧とスイッチの位置
基本操作
出力の設定は、以下の順にキーを押して出力機能と振幅を設定してください。
[数][乗数][単位]EO
例えば、出力を直流10mV設定する場合は、
10#VEO
交流出力を設定するときは、以下のキーを続けて押します。
[数][乗数]HE
例えば、直流10mVを交流10mV18Hzに変更する場合は、
1 . 8 K H E
これを直流出力に戻す場合は:
0 H E
または
+ E
簡単なキャリブレーションの練習
初めてキャリブレータを操作する方のための、重要な正面パネルの操作について
簡単に練習しましょう。
Series II Multifunction Calibrator
練習:キャリブレータの直流ゼロ調整
3
キャリブレータのウォーミングアップ
キャリブレータの電源投入後、最低30分のウォーム・アップ(暖気運転)時間を
とってください。これはキャリブレータが仕様通りの能力を発揮するための準備
です。
練習:キャリブレータの直流ゼロ調整
直流ゼロは、オフセット・エラーをなくすための短い内部プロセスです。直流ゼ
ロ調整は、少なくとも約30日おきに行なうようにしてください。
直流ゼロを実行するには、ソフトキーで以下の順に押してください。
Setup MenusÆCalÆZero
いずれかのキーを押したP2回押すと、通常運転に戻ります
メーターの接続
一般的な携帯型およびベンチトッップ型メーターの配線を次ページに示します。
接続図では、Fluke Model 54407002 Low Thermal Cableを使用しています。本項
の練習には、別のケーブルを使用してもかまいません。メーターはタイプにかか
わらず以下の手順で接続します。
1. キャリブレータの電源投入と、スタンバイ・モード(STANBYインジケータ
点灯)を確認します。キャリブレータがスタンバイでない場合は、rを押
します。
2. 直流10Vを表示できる最低レンジにメーターを設定します。
3. シールド線がある場合はシールド線をキャリブレータ上のV Guardに接続し
ます。
4. Xxがどちらもオフになっていることを確認します。点灯していれ
ば、押して消してください。
5. キャリブレータの0UTPUT LOにメーターの入力LOを接続します。
6. キャリブレータのOUTPUT Hlメーターの入力HIを接続します。
HI HI
LO LO
HI
AUX
CURRENTGUARD GROUND
WIDEBAND
10A
300mA
VΩ
COM
DMM
NC
EX SNSEX GRD
HI HI
LO LO
HI
SENSE
VΩ
AUX
CURRENTGUARD GROUND
WIDEBAND
DMM
INPUT
NC
EX GRD
EX SNS
OUTPUT
VΩA
SENSE
VΩ
OUTPUT
VΩA
5720og10.eps
直流電圧をかける
以下の順序のキー操作で、メーターに直流10Vをかけます。
1 0 V E O
5700A/5720A
操作ガイド
4
キャリブレータの不確実率の検査
sを押すと、メーターに加え10Vの不確実率トータルがコントロール表示部
(正面パネル右の大きなドットマトリックス画面)に表示されます。この数値は
セットアップ・メニューのキャリブレーション・サイクルと仕様の信頼水準の設
定によって変化します。
Pを押して不確実率の表示画面をクリアします。
練習:エラー・モードの起動
メーターの表示は厳密に10Vではないはずです。メーターのエラーを検査するた
め、回転つまみで10Vに正確に調整し、コントロール表示部でエラー値を読み取
ります。
エラー・モードは回転つまみを動かすだけで起動します。つまみを動かすことに
より、最小桁がハイライト表示され、つまみの動きにつれてこの値が変化します
<を押せば上位の桁に移動するので、調整が早くできます。
コントロール表示部のエラー値は、オフセット、スケール、直線性エラーを総合
したものです。oS押すとエラーを個別表示できます。
メーターの高低レンジの検査
直流100Vにおけるメーターのエラー検査のため、まず100Vを表示する最低レン
ジがあればこれにメーターを設定します。YOを押します。これにより基準
値は先程の基準値直流10V10倍となります。(Oを押すのは、安全しきい値
22V以下から22V以上に移行した時点でキャリプレータがスタンバイ・モードに
切り替わるためです。)回転つまみを動力ルて再びエラー・モードを起動し、
100Vにおけるメーターのエラーを判定します。
次にZZを押して、1Vを表示できる最低レンジにメーターを(レンジ・スイ
ッチがあれば使用して)設定します。
エラー・モードを終了するときはEを押します。これにより基準値を再現
し、エラー・モードを終了します。
rを押してスタンバイの出力を直流OmVにします。
練習:交流電圧をかける
キャリブレータには交流モードのスイッチはありません。キーパッドから周波数
を入力してEを押すと、直流出力を交流に変更できます。
10V1kHzでメーターを検査するため、交流10Vを表示するようメーターを設定
し、10V、さらに1KHEOと押します。メーターが正確に
10Vを示すよう、回転つまみを調整します。
メーターの安定度を調べるためaを押します。これで0.1Hzの桁がハイライト
表示されます。次に<4回押して、キャリブレータの設定が10kHzになるまで
1kHzの桁をつまみで調整しますaを押し、さらにつまみを動かし10kHz
おけるメーターの正確度を検査します。周波数を変えるごとに、キャリブレータ
の出力が安定する(アナンシエータ「u」が消える)のを待ちます
これで正面パネル操作の練習は終了です。rを押して出力をゼロにし、スタン
バイに切り替えます。
Series II Multifunction Calibrator
正面パネルの機能
5
正面パネルの機能
キャリブレータの正面パネルの特徴を簡単に説明します。
出力表示部(左側)
出力振幅と周波数を示します。最上段は最高8桁までの出力値と極性を示し、最
下段は5桁で出力周波数を示します。振幅以下の出力表示部のアナンシエータ
は、以下の状況を示しています。
OPERATE 端子または補助アンプにおける出力があるときに点灯
STANDBY キャリブレータがスタンバイ状態のときに点灯
ADDR キャリブレータがIEEE488インターフェースを使用するときに点灯
ØLCK 後部パネルのPHASE LOCKコネクタのシグナルでキャリブレータ
力の位相がロックされているときに点灯
ØSHF 後部パネルのVARIABLE PHASE OUTコネクタのシグナルでキャリ
レータ出力があらかじめプログラムしてある位相差を持つときに点灯
u Unsettledの意)出力に変更があったときに点灯し、仕様に基づく安
定度に達するまで持続
コントロール表示部(右側)
入力データ、被試験器エラー調整、ソフトキーの名称、その他のプロンプトやメ
ッセージを表示します。各ソフトキー名称はそのすぐ下にあるソフトキーの機能
を示しています。同時に表示されるソフトキー名称は、総称してメニューとなり
ます。ソフトキーを使って機能にアクセスすると、新しいメニューが開かれ、ソ
フトキーの名称も新しくなります。
表示スクリーン・セーバー
出力表示部もコントロール表示部も、操作後30分経過すると自動的に表示が消え
ます。ただしキャリブレータがスクリーン・セーバーを無効にする作動状況もあ
ります。
スクリーン・セーバーが起動すると、Cを押すことによって表示を呼び戻すこ
とができます。その他のキーを押したり、つまみを動かすと、表示再現の後、そ
のキーまたはつまみの命令を実行します。
以下の場合はスクリーン・セーバーは起動しません。
セットアップ・メニューが表示されているとき
リモコン操作を行なっているとき
キャリブレーションや診断の実行中
エラー・メッセージが表示されているとき
正面パネルのキー
O
キャリブレータのモードを作動またはスタンバイに切り替えます。スタンバイ・
モードでは、OUTPUT子とキャリブレータが内部で切断されています。キャリ
ブレータはスタンバイ・モードで電源投入することになります。
5700A/5720A
操作ガイド
6
以下の状態になるとキャリブレータは自動的にスタンバイ・モードに切り替わり
ます。
rを押したとき。
22V以下の出力電圧から22V以上の電圧が選択されたとき。
出力機能に変更があったとき。例:直流から交流への変更
出力先に変更があったとき。
なお、22V未満の電圧(交流または直流)に設定が変更されたときには、キャリ
ブレータは変更前の電圧値に関わらず、また交流か直流に関わらず、スタンバイ
・モードに切り替わりません。
X
SENSEOUTPUT端子の内部接続を切り替えます。キャリブレータはこ2つの
端子を内部で接続(ただSENSE端子は閉路)して、Xインジケータが消えた
状態で電源投入されますXが点灯するよう切り替えると、内部でセンサー・
ラインがOUTPUT端子から切断されます。
以下の状況では、外部センサーを使用してください。
直流電圧機能において、被試験器が大量の電流を使用してケーブル間の電圧
が大きくなる場合
抵抗機能において、被試験器が4線入力でキャリブレータの設定が100kΩ以下
の場合
2線抵抗機能において被試験器端子に2線補償回路を実行する場合も外部セン
サーを使用することができます。
x
VGUARD(電圧ガード)とOUTPUT LOとの間の内部接続を開閉します。キャリ
ブレータの電源投入時はV GUARDが内部でOUTPUT LOに接続され、xイン
ジケータが消えた状態になっています。xが点灯するよう切り替えると、
VGUARDOUTPUT LOから切断されます。
V GUARD端子は、電圧内部ガードの外部接続端子となります。被試験器の入力
部が接地されていない場合は、V GUARDを内部でLOに接続(EXGRDキー消灯
)しておく必要があります。入力部が接地された被試験器では、V GUARDは被
試験器のアース付き入力部に外部接続(EXGRDキー点灯)してください。
w
-03広帯域交流オプションをオン/オフ切り替えし、キャリブレータをスタンバ
イ・モードにします。オンにすると、正面パネルのWIDEBANDコネクタで10Hz
30MHzの交流電圧出力が可能になります。wがオフの時や、別の機能(電流
など)が選択してあるときは、広帯域機能は使えません。
Series II Multifunction Calibrator
正面パネルの機能
7
B
アンプからの出力が自動的に選択されないときに、このキーで切り替えます。こ
の機能により出力先に変更があった場合はキャリブレータがスタンバイ・モード
になります。
通常、出力設定がキャリブレータの能力を超過し、これを受け入れる能力を持つ
アンプが選択できる場合は、自動的にこのアンプが選択されるようになっていま
す。Bは、キャリブレータまたはアンプのどちらかに対応する出力設定におい
てアンプを起動する場合にのみ必要となります。これにより、レンジを拡大する
以外のアンプの能力(より高いコンプライアンス電圧など)の利用が可能になり
ます。
電圧においても電流においても、セットアップ・メニューで特に別の機種を指定
しない限り、アンプは5725Aであると想定されています。
P
キャリブレータの現在の動作を取り消し、以前のメニューを再現します。メニュ
ーによっては「"DONE" setting up」などの表示となるものもあります。
ソフトキー u
名称のない5つのソフトキーの機能は、コントロール表示部の各メニューのソフ
トキーのすぐ上部に表示されます。これらの機能の多くは、さらに同じソフトキ
ーに新しい機能を対応させるメニューを呼び出して、一連のメニュー階層を網羅
した多くの能力や構成オプションヘのアクセスを可能にします。
POWERスイッチ
電源のオン/オフ切り替えです。
<a>
これらのキーは出力調整のコントロールです。このいずれかを押したり、つまみ
を回転させると、出力表示部の桁がハイライト表示されます。出力値の調整はつ
まみを回転させて行います。コントロール表示部にエラー表示が現われ、元の出
力(基準値)と新しい(調整後の)出力値の差を表示します。
<>キーでハイライトする桁を変更します。交流機能では、aキーで電
圧、電流、抵抗間の切り替え選択ができます。電圧と電流出力では被試験器が正
しい値を示すまで、つまみと矢印キーで出力を調整することになります。基準値
と被試験器の偏差がエラー表示されます。
r
ローカル操作でrを押すと、キャリブレータの現作業を取り消し、電源投入時
の初期設定状態に戻ります。(リモコン操作では、このキーは使用できませ
ん。)
5700A/5720A
操作ガイド
8
S
出力は変更せず、直線性を検査するための被試験器のフルスケール・エンドポイ
ントを発見します。回転つまみで出力を調節した後にキー入力した出力値は、換
算係数で乗算されます。この機能はSを再び押すか、別の機能を選択すると解
除されます。乗算機能は抵抗出力では使用できません
L
キャリプレータの作動停止限界値を指定するためのメニューを呼び出します。こ
れにより、装置や作業員を保護する限界の設定ができます。
Z
出力を基準値の10分の一に変更します。(現出力備に等しくなるとは限りませ
ん。)変更後の値が適正範囲外のときは変更しません
Y
出力を基準値の10倍に変更します。(規出力値に等しくなるとは限りません。)
変更後の値が適正範囲外のときは変更しません。これにより22V未満の値が22V
以上に変更すると、キャリブレータはスタンバイ・モードになります。
s
セットアップ・メニューで選択したキャリブレーション間隔と仕様信頼水準にお
ける、現出力設定の不確実率をキャリブレータに計算、表示させます。
o
出力は変更せず、被試験器のゼロスケール・エンドポイントを発見します。その
後キー入力した出力値にはオフセット値(oを押したときのキャリブレータの
出力値)が追加されます。オフセット・モードはoを再び押すか、別の機能を
選択すると解除されます。オフセットは直流出力でのみ使用できます。
C
コントロール表示部からの不完全キー入力をクリア、または確認待ちのエラー・
メッセージをクリアします。不完全キー入力をCでクリアしても出力には影響
ありません。
N
このキーはエラー・モードでのみ起動します。メーターのエラー算出のため、現
出力値を新しい基準値とします。
D
交流電圧または広帯域機能において、Dキー入力操作中以外の場合、はコント
ロール表示部にdBm相当値を示します。交流電圧機能におけるdBmは負荷600Ω
ので算出します。(220mV未満の交流出力では、出力を抵抗分圧するためキャリ
ブレータの出力インピーダンスは常に50Ωとなります。)広帯域機能では、dBm
値は長さ3フィートの50Ω成端抵抗で算出します。Ω coaxial cable.
Series II Multifunction Calibrator
正面パネルの機能
9
メモ
dBm
の算出公式:
dBm10 logmW単位の電力
例:
3.0V、負荷600Ωの場合
dBm10log15.000)=11.7609dBm
3.0V、負荷50Ωの場合
dBm10log180.000)=22.5527dBm
E
新規キー入力されたコントロール表示部の出力値をキャリブレータにロードしま
す。単位を指定せずにE押すと、前回使用した単位(Hz以外)が自動
的に使用されるため、値の変更毎に単位を入力する手間が省けます。ただし乗数
は保存できないため、1mVと入力した後10と入力すると10Vになります。
こうした機能に加えて、Eキーはエラー・モードでは現在プログラム中の
基準値を再現します。
D V A Q H
(出力機能キー)
以下のキーで出力機能を選択します。
D デシベル、1mW基準
V 電圧
A 電流
Q 抵抗
H 周波数
値の後にHを選択すると、キャリブレータは自動的に交流に切り替わります。
直流に戻すときは0H、または正負記号(+または-)付きの振幅を入力しま
す。
U#KM
(乗数キー)
以下のキーで乗数値を選択します。例えば、33mVENTERを押すと、出
値は33mVになります。
U ミクロ(10-6 /0.000001
# ミリ(10-3/0.001
K キロ(103/1000
M メガ(106/1,000,000
5700A/5720A
操作ガイド
10
0 - 9
(数値キーパッド)
出力振幅、周波数や、時間、日付などの数値データを入力します。値の入力順序
は、各桁の数値、乗数キー、出力機能キー、Eです。例えば、20mVの出
力は20#VEの順にキーを押します。小数点には.キーを使い
ます。
+
出力機能が直流電圧、電流、dBmで入力する交流電圧、あるいはdBmで入力す
広帯域出力のときは、+E押すと出力極性が変わります。出力機能が
交流電圧または電流の場合は、+Eを押すと直流出力に切り替わりま
す。
正面パネルのコネクタ
WIDEBANDコネクタ
-03広帯域交流オプションからの出力に接続するNタイプのコネクタです。広帯
域出力の仕様は、50Ωの純粋な抵抗負荷で終端する長3フィートの50Ω同軸ケ
ーブル末端の出力レベルで確認します。コネクタのカバー部はシャーシに接地し
ています。
GND端子
キャリブレータが回路のアース・ポイントである場合GND端子に別の装置を
接地接続してもかまいません。(シャーシは通常接地端子ではなく3ピン・プラ
グ付きコードで接地されています。)
V GUARD端子
内部電圧ガードヘの夕ほ封妾続ポイントです。被試験器の入力部が接地されてい
ない場合は、V GUARDを内部でLOに接続(xキー消灯)してください。入力
部が接地された被試験器では、GUARDは必ず被試験器のアース付き入力部に外
部接続(xキー点灯)してください。V GUARDコネクタとシャーシ接地との
最大許容値はピーク20Vです。
SENSE端子
抵抗と電圧機能において、外部センサーを選択した後xを押すかリモコン操
作で点灯して、被試験器における検査に使用します。
直流電圧機能において被試験器が大量の電流を使用するためケーブルの電圧を大
きく低下させる場合と、抵抗機能において被試験器の入力が4線抵抗でキャリブ
レータが100kΩ以下に設定してある場合は外部センサーを使用する必要がありま
す。2線抵抗機能において被試験器端子に2線補償回路を実行する場合にも外部
ンサーを使用することができます。接続例は回路図をご覧ください。
Series II Multifunction Calibrator
背面パネルの機能
11
OUTPUT端子
交流と直流の電流、電圧出力、および抵抗の接続端子です。各OUTPUT端子の役
割を以下に示します。
LO キャリブレータ増幅電圧出力を含む全出力機能用の一般的
端子。ただしオプション-03広帯域交流と補助アンプ出力に
は使えません。
HI 5725A増幅電圧出力を含む全出力機能用端子。ただしオプシ
ョン-03広帯域交流と補助アンプ出力には使えません。
AUX
CURRENT
OUTPUT
電流用のオプション端子。流入力端子を別に設けてある被
試験器のキャリブレーションに便利です。
背面パネルの機能
次に、キャリブレータの背面パネルにあるコネクタとスイッチの説明をします。
背面パネルのコネクタ
5725A AMPLIFIERコネクタ
Fluke 5725A Amplifier用のアナログおよびデジタル・インターフェースです。
5205A AMPLIFIERコネクタ
Fluke 5205Aまたは5215A Precision Power Amplifier用のアナログおよびコントロー
ル・インターフェースです。
5220A AMPLIFIERコネクタ
FIuke5220A Transconductance Amplifier用のアナログおよびコントロールインタ
フェースです。
VARIABLE PHASE OUT BNCコネクタ
可変位相の公称2.5Vrms正弦波シグナルに接続します。このシグナルの位相は矢
印キーと回転つまみ(またはリモコン操作)で調節でき、キャリブレータのメイ
ン出力シグナルを最高180°まで立ち上げたり立ち下げることができます。コネ
クタのカバー部は直接シャーシに接地せず、内部でOUTPUT LO子に接続して
います。コネクタのカバー部とシャーシ接地との最大許容値はピーク20Vです。
PHASE LOCK IN BNCコネクタ
キャリブレータが位相ロック(1V10Vrms、入力インピーダンス10kΩ)できる
外部シグナルの入力を可能にします。コネクタのカバー部は直接シャーシに接地
しないで、内部でOUTPUT LO子に接続しています。コネクタのカバー部とシ
ャーシ接地との最大許容値はピーク20Vです。
5700A/5720A
操作ガイド
12
IEE-488コネクタ
IEEE-488バスのTalkerまたはListenerとしてキャリブレータをリモコン操作するた
めの標準インターフェース・コネクタです。
RS232Cコネクタ
内部のキャリブレーション定数データをプリンタ、モニター、ホスト・コンピュ
ータなどに転送するためのオス型(DTE)シリアルポート・コネクタです。この
コネクタは、キャリブレーションのリモコンにも使用できます。
背面パネルのOUTPUTSENSEV GUARD端子は、被試験器に接続することも
できます。内部ケーブルによって、正面または背面端子のどちらかを可能にする
ことができます。正面パネル端子を取り外して背面パネル端子を接続するために
は、キャリブレータのカバーを外す必要があります。この作業は正規の認定を受
けた作業員のみが行なうことができます。
I GUARD端子は、内部電流ガードヘの外部接続ポイントを提供します。電流ガ
ードは、キャリブレータが低レベル交流電流を長いケーブルで供給する際のケー
ブル静電容量の漏れエラーを除去するためのものです
接続例は回路図をご覧ください。
AUX CURRENT OUTPUT
この出力には背面パネル端子を使用できません。
CHASSIS GROUND端子
端子は、シャーシに内部接地されています。キャリブレータがシステムの接地基
準値ポイントになる場合、この端子に別の装置を接地接続してもかまいません。
(シャーシは通常接地端子ではなく3ピン・プラグ付きコードで接地されていま
す。)
スイッチとヒューズ・ホルダ
CALIBRATION SWITCH
不揮発性メモリヘの書き込み可/不可を切り替えるスライド式スイッチです。こ
のスイッチでキャリブレーション定数、日付、パラメータ設定を記録、保存しま
す。このスイッチはENABLEメモリヘの書き込みを可能にするので、
NORMALにするとメモリ上のデータは上書きされないよう保護されます。この
スイッチは、測定士が上から検査証シールを貼れるように凹みにあります。
F1 ヒューズ・ホルダ
これは、電源ヒューズを格納します。ヒューズの名称と位置、および正しい定格
に関しては、本ガイド巻頭の「ヒューズと電源電圧」の項を参照してください。
電源電圧選択スイッチ
電源電圧を選択します。ヒューズの名称と位置、および正しい定格に関しては、
本ガイド巻頭の「ヒューズと電源電圧」の項を参照してください。
Series II Multifunction Calibrator
適切なケーブル
13
適切なケーブル
出力機能 適切なケーブル
直流電圧
交流電圧≦10kHz
交流電流≦2A,≦10kHz
直流電流≦2A
抵抗
低温対応のEMFテスター棒(5440A7002)またはツイストシール
ド・ペア
交流電圧>10kHz SENSE/GUARD3軸ケーブル、またはTwinaxAlpha 28292など
)出力:同軸
または、SENSE:同軸、OUTPUT:同軸、GUARDリード:別ワイヤ
交流電流、ガード付き 3軸ケーブル
広帯域交流 3フィート(1m50Ω同軸ケーブル、Nタイプのオス型コネクタはオ
プション。インピーダンス50Ω以上のメーター接続用として50Ωフィ
ードスルー・ターミネータあり。
電圧ブーストされた出力、
5205Aまたは5215A
アンプに同梱のケーブルを使用
電圧ブーストされた 出力、
5725A
低温対応のEMFテスター棒(5以上のメーター接続用として5040A-
7002)。(出力部はキャリブレータの正面パネル)
電流ブーストされた出力、
5725Aまたは5220A
16ケージ以上のツイストペア絶縁ワイヤ、長さは最小限にして抵抗と
インピーダンスを極力おさえる。(出力部はアンプ端子)
5700A/5720A
操作ガイド
14
被試験器への接続
UUT
HI
LO
A
HI
LO
GUARD
INPUT SENSE
Ω4-WIRE
HI HI
LO LO
HI
OUTPUT
V A
SENSE
V
AUX
CURRENT
GUARD GROUND
WIDEBAND
UUT
HI HI
LO LO
HI
OUTPUT
V A
SENSE
V
AUX
CURRENT
GUARD GROUND
WIDEBAND
UUT
HI HI
LO LO
HI
OUTPUT
V A
SENSE
V
AUX
CURRENT
GUARD GROUND
WIDEBAND
Ω
Ω
ΩΩ
Ω
Ω
DC
INPUT
AC
LOHI
C.
B.
A.
EX SNS
EX SNSEX GRD
EX SNSEX GRD
EX SNS
JP5720og02.eps
直流電圧、交流電圧≦10kHz
Series II Multifunction Calibrator
被試験器への接続
15
UUT
HI
LO
A
HI
LO
GUARD
INPUT SENSE
Ω 4-WIRE
HI HI
LO LO
HI
SENSE
VΩ
AUX
CURRENT
V-GUARD GROUND
WIDEBAND
UUT
HI
LO
A
HI
LO
GUARD
INPUT SENSE
Ω 4-WIRE
HI HI
LO LO
HI
SENSE
VΩ
AUX
CURRENT
V-GUARD GROUND
WIDEBAND
OUTPUT
VΩA
OUTPUT
VΩA
B.
A.
EX SNSEX GRD
EX SNSEX GRD
JP5720og03.eps
交流電圧>10kHz
5700A/5720A
操作ガイド
16
B.
UUT
HI
LO
A
HI
LO
GUARD
INPUT SENSE
Ω
4-WIRE
HI HI
LO LO
HI
OUTPUT
VΩA
SENSE
VΩ
AUX
CURRENT
GUARD GROUND
WIDEBAND
A.
UUT
HI
LO
A
HI
LO
GUARD
INPUT SENSE
Ω
4-WIRE
HI HI
LO LO
OUTPUT
VΩA
SENSE
VΩ
I-GUARD V-GUARD
EX SNSEX GRD
EX SNSEX GRD
NC
JP5720og04.eps
交流電流≦2A
/