Tsubaki T series ユーザーマニュアル

  • こんにちは!椿本チエインのパワーシリンダTシリーズの取扱説明書を読みました。この説明書には、安全な使用、設置、配線、運転方法、保守点検方法などが詳しく記載されています。パワーシリンダの様々な機能や、安全に関する重要な情報についてご質問があれば、お気軽にお尋ねください。
  • パワーシリンダの設置方向に制限はありますか?
    ロッドの回転を防止するにはどうすればよいですか?
    ストローク調整はどのように行いますか?
    インバータを使用する場合の注意事項は?
    異常が発生した場合はどうすれば良いですか?
STB01.10TS
2020.07.01 発行
つばき
パワーシリンダ
〈Tシリーズ 16ton 以下
取扱説明書
株式会社 椿本チエイン
おねがい
この取扱説明書は、実際にご使用いただくお客様のお手元に
確実に届くよう、ご配慮ください。
この取扱説明書はSI{重力}単位で記載しています。
}内の数値は参考値です
ご注意
特殊仕様の場合は、一部本書と異なる場合があります。
★印の項目については添付の納入図面をご参照ください。
※標準仕様は納入図を添付しておりませんので必要に応じて
カタログ又はホームページでご確認下さい。
つばき
パワーシリンダ Tシリーズ
安全上のご注意
・ご使用(据付、運転、保守、点検等)の前に、必ずこの取扱説明書とその他の付属書類をすべて熟読し、正
しくご使用ください。機器の知識、安全の情報そして注意事項のすべてについて熟読してからご使用くださ
い。お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られるところに必ず保管してください。
・この取扱説明書では、安全注意事項のランクを「危険」「注意」として区別してあります。
取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡又は重傷を受ける
可能性が想定される場合。
取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の傷害や軽症を
受ける可能性が想定される場合及び物的傷害だけの発生が想定される場合。
と記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります
いずれも重要な内容を記載しておりますので必ず守ってください。
  
活線状態で作業しないでください。必ず電源を切って作業してください。感電のおそれがあります。
運搬、設置、配管・配線、運転・操作、保守・点検の作業は、専門知識と技能を持った人が実施して
ください。爆発、引火、火災、感電、けが、装置破損のおそれがあります。
人員輸送用装置に使用される場合には、装置側に落下防止のための安全装置を設けてください。昇降
体落下による人身事故や、装置破損のおそれがあります
ブレーキに水、油脂類が付着しないようにしてください。ブレーキトルクの低下による落下、暴走事
故のおそれがあります。
爆発性雰囲気中では使用しないでください。防爆対応形パワーシリンダを使用してください。爆発、
引火、火災、感電、けが、装置破損のおそれがあります
運搬のために吊り上げた際に、製品の下方へ立ち入ることは、絶対にしないでください。落下による
人身事故のおそれがあります。
 ! 
 ! 注
電源ケーブルとの結線は、端子箱内の結線図又は取扱説明書によって実施してください。感電や火災
のおそれがあります(端子箱の無いタイプは接続部の絶縁を確実に行ってください。
電源ケーブルやモータリード線を無理に曲げたり引っ張ったり、はさみ込んだりしないでください。
感電のおそれがあります。
・アース用端子を確実に接地してください。感電のおそれがあります
電源はモータ銘板に記載してあるものを必ずご使用ください。ータの焼損災のおそれがあります
端子箱のカバーを取り外した状態で運転しないでください。作業後は、端子箱のカバーをもとの位置
に取り付けてください。感電のおそれがあります
運転中、回転体(手動軸等)ロッドへは絶対に接近又は接触しないでください。巻き込まれ、がの
おそれがあります。
停電したときは必ず電源スイッチを切ってください。知らぬ間に電気が復旧し、けが、装置破損のお
それがあります
日常点検・保守
運転中の保守、検においては回転体(手動軸等)ロッドへは、絶対に接触しないでください。
込まれ、人身事故のおそれがあります。
運転中に内部点検用カバーは取り外さないでください。高温の潤滑油が飛散し、やけどのおそれがあ
ります。
停止時の歯面及びネジ部状況の点検の場合は、駆動機,被動機の回転止めや作動止めを確実に行って
ださい。車噛合部やネジ溝への巻き込まれ、搬送物の落下暴走等、人身事故のおそれがあります。
停止時に装置の内部に立ち入って点検する場合には、駆動機、被動機の回転止めや作動止めを確実に
行い、かつ装置内部が充分に冷却されてから、に内部の換気を行いながら、施工せねばなりません。
さらに点検作業中には、外部に安全確認の要員を配置し、作業者との安全確認を常に行うようにして
ください。又、装置内部は潤滑油で滑りやすい状態であることを充分認識し、確実な安全策を講じて
ください。人身事故のおそれがあります。
点検時に取り外した安全カバー等を外したままで運転しないでください。巻き込まれ、けがのおそれ
があります。
ブレーキ部の保守・点検
手動ゆるめボルトでブレーキを解放したまま運転しないでください。落下、走事故の原因になります
本運転する前に被動機の回転止めや作動止めを確実に行った後、電源を入、切してブレーキの動作確
認をしてください。落下、暴走事故のおそれがあります
ギャップの点検、調整後、カバーを外したままモータを運転しないでください。巻き込まれ、けがの
原因になります。又、落下、暴走により、けが、装置破損のおそれがあります。
本体に負荷が作用している時に、ブレーキの解放を絶対に行わないでください。負荷が作用している
状態でブレーキを解放すると吊り下げ物が落下したり、可動部が不意に動き出すことがあり、けが、
装置破損のおそれがあります。
  
・パワーシリンダの銘板、または製作仕様書の仕様範囲外で使用しないでください。感電、けが、装置
破損等のおそれがあります
・パワーシリンダの開口部に指や物を入れないでください。感電、けが、火災等のおそれがあります。
・損傷したパワーシリンダを継続使用しないでください。けが、火災等のおそれがあります
・銘板を取り外さないでください。
・お客様による製品の改造は、当社の保証範囲外ですので、責任を負いません。
必ず、ストローク範囲内で使用くださいトローク範囲をこえて使用になりますと故障の原因とな
ます
荷受時の点検
・天地を確認の上、開梱してください。けがのおそれがあります。
・現品がご注文通りのものかどうか確認してください。間違った製品を設置した場合、けが、装置破損
等のおそれがあります。
・運搬時は、落下、転倒すると危険ですので、十分ご注意ください。吊り金具があるパワーシリンダは
必ず吊り金具を使用してください。ただし機械に据え付けた後、吊り金具で機械全体を吊り上げるこ
とは避けてください。吊り上げる前に梱包箱、外形図、カタログ等により、パワーシリンダの質量を
確認し、吊り具の定格荷重以上のパワーシリンダは吊らないでください。ボルトの破損や落下、転倒
によるけが、装置破損のおそれがあります。
・パワーシリンダの周囲には可燃物を絶対に置かないでください。火災のおそれがあります
・パワーシリンダの周囲には通風を妨げるような障害物を置かないでください。冷却が疎外され、異常
過熱によるやけど、火災のおそれがあります
パワーシリンダには絶対に乗らない、ぶら下がらないようにしてください。けがのおそれがあります。
・手動軸からの手動操作をする場合は、負荷が作用していない状態で操作してください。けが、装置
破損のおそれがあります。
・食品機械等特に油気を嫌う装置では、故障、寿命等での万一の油洩れに備えて、油受け等の損害防止
装置を取付けてください。油洩れで製品等が不良になるおそれがあります。
・通電前に、必ずリミットスイッチの配線とストローク調整位置が正しいことを確認ください。けが、
装置破損などのおそれがあります。
・絶縁抵抗測定の際は、端子に触れないでください。感電のおそれがあります。
配線は電気設備技術基準や内線規程にしたがって施工してください。損や火災のおそれがあります
・保護装置は、モータに付属していません。過負荷保護装置は電気設備技術基準により取付が義務付け
られています。過負荷保護装置以外の保護装置(漏電遮断器等)も設置することを推奨します。
損傷や火災のおそれがあります。
・相手機械との連結前にロッド進行方向を確認してください。進行方向の違いによって、けが、装置
破損のおそれがあります。
・スターデルタ始動を行う場合、一次側に電磁開閉器付のもの(3コンタクタ方式)を選定してくだ
さい。火災のおそれがあります。
・400V級インバータでモータを駆動する場合、インバータ側へ抑制フィルタやリアクトルを設置
するか、モータ側で絶縁を強化したものをご使用ください。絶縁破壊による破損、火災のおそれが
あります。
・始動用コンデンサと運転用コンデンサを間違えて使用しないでください。始動用コンデンサを運転用
に使用するとコンデンサが破損します。
・始動用コンデンサのビニル被覆は傷つけないようにしてください。感電のおそれがあります
・配線における電圧降下は2%以下に収めてください。配線距離が長い時は電圧降下が大きくなり
パワーシリンダが始動できなくなることがあります。
・逆転をさせるときは必ず一旦停止させた後に逆転始動をしてください。一旦停止させずに正逆運転を
行うと装置破損のおそれがあります。
・ブレーキ付パワーシリンダの場合はモータ停止時におけるブレーキコイルへの連続通電を行わないで
ください。コイルの損傷、火災の事故原因になります。
運転中、パワーシリンダは機種により高温となります。手や体を触れないようにご注意ください。や
けどのおそれがあります。
異常が発生した場合は直ちに運転を停止してください。感電、けが、火災のおそれがあります。
定格負荷以上での使用をしないでください。けが、装置、パワーシリンダの破損のおそれがあります。
運転中に給脂栓をゆるめないでください。潤滑油が噴き出してやけどのおそれがあります
単相モータの始動用コンデンサの通電部分には、完全に放電されるまで触れないでください。感電の
おそれがあります。
レバーシブルモータ以外の単相モータを逆転させる場合、必ず一旦停止させた後に逆転起動をしてく
ださい。回転方向が変わらず暴走するおそれがあります
昇降用にご使用の場合は、負荷を吊り上げ状態でブレーキの解放操作をしないでください。落下事故
の原因になります。
日常点検・保守
絶縁抵抗測定の際は、端子に触れないでください。感電のおそれがあります。
潤滑油の交換は取扱説明書によって施工してください。潤滑油は製造者が推奨しているものを必ず使
用してください。装置破損のおそれがあります。
パワーシリンダの表面は高温になるので、素手でさわらないでください。やけどのおそれがあります
運転中及び、停止直後に潤滑油の交換を行わないでください。やけどのおそれがあります
防爆形モータの場合、絶縁抵抗測定の際は、周囲にガス又は蒸気の爆発性雰囲気がないことを確認し
てください。爆発、引火のおそれがあります。
異常が発生した場合の診断は、取扱説明書に基づいて実施してください。異常の原因を究明し対策処
置を施すまでは絶対に運転しないでください。
ブレーキギャップが許容値以上になると吸引不良によるコイルの焼損又は衝撃力の増加による制動板
の破損等の原因となりますので確実な保守・点検を行ってください。
分解・組立
修理、分解、組立は、必ず専門家が行ってください。感電、けが、火災等のおそれがあります。
パワーシリンダ、潤滑油を廃棄する場合は、一般産業廃棄物として処理してください。
毎度お引立ていただき厚くお礼申し上げます。
つばきパワーシリンダ T シリーズは、今まで一般的によく使われている空圧、油圧シリンダや、
その他の直線作動機に比べ多くのすぐれた特長を有しており、機械的、電気的にもきわめて優秀かつ頑丈
に出来ておりますが、なお一層能率よくご使用いただくためには、普段のご留意が肝要です。
この取扱説明書は、据付から保守にいたるまでを述べたものです。ご熟読のうえ検査、取扱い、保守な
どに十分ご注意ください。
-目次-
1. 開梱時のチェック P3
2. 据付 P4
3. 電線のつなぎ方 P7
4. 運転前の注 P11
5. 一般注意 P11
6. 保守(構造図) P14
7. 位置検出ユニット(オプション P22
8. 参考回路図 P26
9. ブレーキモータ取扱 P27
10. 保証 P37
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当社製品の取扱い上のご注意
1. 取扱説明書について
・本書は最終的にご使用いただくお客様のお手元まで届くようにしてください
また、ご使用前に必ずお読みいただき正しくご使用されるようご指導願います。
・万一、乱丁や落丁がある場合は、ご購入いただいた販売店もしくは当社営業
に商品名、機種、形番等をお申し付けの上、ご請求ください
2. 安全にご使用いただくために
・当社製品が作動することにより危険が予測される場合は、事前に危険を避ける処置をおとりく
ださい。
・当社製品が万一正常に作動しなくなった場合についても、危険な状態に至らないよう装置側
十分な配慮をお願いします。
3. 保守、点検作業の際に
・作業に適した服装、適切な保護具(安全装置、手袋、安全靴等)を着用してください。
・二次災害を引き起こさないように、周辺を整理し安全な状態で行ってください
・必ず電源を切り機械が完全に停止した状態で行ってください。
また不慮に電源が入らないようにしてください
・労働安全衛生規則第二編第一章第一節一般基準を遵守してください
4.使用、保管の際に
・パワーシリンダは全閉構造になっていますが、錆の発生などの問題がありますので屋内の環境
の良い場所に保管してください。特に、屋外で相手機械に据付け後仮配線のままで放置する場
などは、シート等で保護し、雨水、湿気には十分ご注意ください。急激な温度変化のある場所
設置しますと結露が生じ、故障や錆の原因になりますのでご注意ください。
本製品の中に水などの液体や金属類が入った状態で使用すると危険です機械の中に異物が入ら
ないようにご注意ください。
・腐食性雰囲気の中での保管や使用はしないでください火性雰囲気でも使用出来ません。
・本製品を解体した状態で保管、使用することは、機械の故障や感電などの事故の原因になります
ので避けてください。
・密閉した容器内など放熱が期待できない場所での使用は故障の原因となりますので使用しな
でください
・パワーシリンダを含め装置等の可動部分には手足や身体を近づけないようにしてください。
巻き込み事故や挟み込み事故を起こすことになります。
・本製品を使用中に故障や異常(異臭、異常発生、異音、異常振動等)に気づかれた時は、直ちに
電源を切り安全な処置をほどこした後、購入いただいた販売店もしくは当社営業所にご連絡く
ださい。
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1.開梱時のチェック
パワーシリンダがお手元に届きましたら、まず下記の点をお調べください。
(1)銘板に記してある推力、速度、ストローク等がご要求のものと一致しているかどうか。また付属
品などがご要求どおり付属されているかどうか。
(2)輸送中の事故などにより破損していないか。
(3)ボルトやナットがゆるんでいないか
万が一、不具合がありましたら、ご購入頂いた販売店もしくは当社営業所までご連絡ください。
その際、下記本体銘板の記載内容をご確認のうえ、お伝えください。
お問い合わせ頂く場合は本体銘板の【TYPE【MFG No.(又は TEST No.)【DRAWING No】を確認
して頂くと当社対応がスムーズに行えます。
また、現品返却頂く場合におきましてもご購入頂いた販売店に【TYPE】【MFG No.(又は TEST No.)
【DRAWING No】をご連絡頂きます様お願い申し上げます
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2.据付
★2-1.据付場所
通常の屋外で使用できる全閉構造となっておりますが常時水や蒸気などのかかるような悪環境や雪
が積もるような場合は、屋外形といえども適当なカバーが必要です。潮風、塩分のかかるところでは
塗装仕様、リミットスイッチの構造など一部仕様変更が必要です。周囲温度はご使用条件にもより
すが、通常-15゚C~+40゚Cの範囲内でご使用になれます。(但し、低温状況下においてシリン
ダの速度特性が低下するおそれがあります。)この範囲外の温度でご使用になる場合は、必ず断熱
バーなどで保護してください。
※特殊仕様の場合使用環境や使用周囲温度などの使用条件が異なる場合がありますので、納入図面を
確認下さい。
★2-2.据付方向
据付け方向は、特に制限ありません
※特殊仕様で納入図上に記載のある場合は、ご注意ください。
★2-3.据付方法
トラニオンマウント、クレビスマウントでご使用ください。(図1参照)
いずれの取付においても、パワーシリンダの外筒は、絶対に外部から締付けないでください
(図2参照)
トラニオン金具及び先端金具部には、パワーシリンダのトラニオン穴及びピンにグリースを塗布
組立てください。(特殊仕様でブッシュ等が入っている場合にはこの限りではありません。
トラニオンピン又はクレビスと先端連結ピンは平行方向に据付ください。
図1
トラニオンマウント クレビスマウン
図2
固定不可
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★2-4. 内筒(ロッド)の回転防止
ロッドには推力に伴って回転力が発生しますので、必ず相手機械側で回転止めを行なってください。
定格推力時のロッド発生回転トルクは、表1のようになります。
※ロッド回転防止仕様等の特殊仕様の場合は下表と異なる場合がありますので納入図にてご確認くだ
さい。
表1
ストローク ロッド回転 N・m{k・m}
LPTB250
LPTC250 200~600 2.65{0.27
LPTB500
LPTC500 200~800 5.29{0.54
LPTB100
LPTC100
200~800 14.7{1.50
1000 11.8{1.20}
LPTB200
LPTC200
200~800 35.3{3.60
1000 28.5{2.90}
1200 22.6{2.30}
LPTB400
LPTC400
200~120 83.3{8.50}
1500 71.6{7.30}
LPTB600
LPTC600 500~150 124{12.7}
LPTB800
LPTC800 500~150 222{22.7}
LPTB12000
LPTC12000 500~200 333{34.0}
LPTB16000
LPTC16000 500~200 666{68.0}
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2-5.ストロークの設定
ストロークの設定は、リミットスイッチ(LS)にて行ってください。モータだけの仮配線などで絶対
に作動させないでください。ストローク調整用LS付きの機種(オプション装備)は相手機械にリミッ
トスイッチを設ける必要はありませんが、調整LSのついていない機種には、必ず相手機械の適当な場
所にストローク規制用のLSを取り付けてください。
ストロークを確認する場合には、結線が正しく行われているかどうかを確認ください。(ロッド前進で前
進限LSを働かせて停止し、ロッド後退で後退限LSを働かせて停止することをストローク中央付近で
お確かめください。 また、ミットスイッチが作動してからシリンダが停止するまで、速度に応じて
惰行があります。リミットスイッチの位置調整は、この惰行を見込んで手前で設定してください。
また、惰行によりオーバーランする場合は回路上に自己保持を取って下さい。
リミットスイッチ未配線によりシリンダを作動させた場合、シリンダや装置を破損させ
る事があります。また、リミットスイッチ取付台の固定用ねじの締め方によってストラ
イカが正常にリミットスイッチを作動させないことがあります。
2-6.推力検知機構(TCタイプ
A.推力検知を安全装置として使用する場合
推力検知用リミットスイッチへの結線を行ってください。ストロークの設定用として別途前進
後退用のリミットスイッチが必要です
B・押付停止を行う場合
推力検知用リミットスイッチへの結線を行い、リミットスイッチ作動後すぐに停止する回路に
制御ください。押付停止のみを行う場合には推力検知用LSへの結線のみで運転可能ですが、
置確認の必要な場合には別途位置検知用としてストローク調整リミットスイッチの併用をおす
すめいたします。ブレーキは別切にてご使用ください。
押付停止をパワーシリンダ側で行う場合(内部停止)は、呼称ストロークに対して、機械的ス
ローク余裕が両側共に約10mm ありますのでご注意ください
推力検知用リミットスイッチ未配線によりシリンダを作動させた場合、シリンダや装置
を破損させる事があります。
仕様合はミッ
ッチ式がる場
りまで、図面
ご確認ください
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3.電線のつなぎ方
★3-1.動力配線
(1)電気設備技術基準、及び電力会社の規定に従ってください。ことに配線距離が長いと電圧降下
大きくなりますのでご注意ください通常電線は、2%以上の電圧降下を起こさないような太さ、
および長さのものをご使用ください電圧降下によりブレーキが解放されない場合があります
でご注意ください。
(2)ご使用されるケーブルは必ず下表の適用ケーブル外径範囲のものをご使用ください。これより
いケーブルを使われた場合、防水性が保てません
(3)配線後、端子箱カバーの取付ビス及びコネクタに緩みがないかご確認ください。
表2(モータ端子箱部)
モータ容量 コネクタ形状 適用ケーブル外径
コネクタ取付部 接地端子サイズ
0.1~0.4kW SK-14L φ11~φ13 G1/2 M4
0.75~1.5kW
A20c φ14~φ15 G3/4 M4
2.2~3.7kW A25c φ19~φ20 G1 M4
5.5kW
2-M32×1.
1-M16×1.
(※1)
M5
7.5kW
2-M32×1.
2-M16×1.
(※2)
M8
※1 モータにGネジ変換アダプタ(G1用、G1/2 用)それぞれ1個付属されています。
※2 モータにGネジ変換アダプタ(G112用、G1/2 用)それぞれ1個付属されています。
※特殊仕様でモータ端子箱の口出し口サイズやサーボモータ等でコネクタ接続になる場合があります。
モータ特殊の場合は納入図面を確認下さい。
3-2.接地
パワーシリンダの据付け後、モータは接地工事を行なってください。(第3種接地以上)
★3-3.ブレーキ、モータの結線
開閉器およびヒューズも電力会社の規定に従ってください。
仕様合はミッ
ッチ式がる場
りまで、図面
ご確認ください
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表3 ロッド作動方
シリンダ形番 LPT6000 以下
LPT8000 S、L、M、
LPT8000 H
LPT12000
LPT16000 M、H
ロッド作動方向 ロッド前進 ロッド後退
★3-4.インバータ使用時の結線方法
(1)インバータにてモータを運転される場合はブレーキを別切りにする必要がありますので、前項に
示すようにショートピースを外し、ブレーキ電源モジュールにはインバータ出力でない通常の電
源電圧をかけてください。
(2)0.4kW以下でモータ電圧が400V級の場合は、モータ中間タップからの配線を外して絶縁
処理していただいた上、ブレーキ電源モジュールには別途200V~220V電源をご用意いた
だき印加してください。200V~220V電源がない場合はトランスにより200V~220
Vに電圧を降下させてください。尚、トランス容量は90VA以上とし、電圧降下がないことを
確認してください。
(3)200V級のブレーキ用電磁接触器には、定格負荷AC250V、7A以上のものをご使用くださ
い。尚、400V級の場合は、接点電圧AC400~440V、誘導負荷 1A以上のもの(例えば、
AC モータ 2.2kW 用電磁接触器)をご使用ください。電源モジュールにはサージ吸収保護素子
が入っています。各部接点用保護素子を必要に応じて追加ください。
(4)ブレーキを【直流(DC)別切り】される場合は、ご相談ください。
※特殊仕様の場合、結線が異なる場合がありますので、納入図面を確認下さい。
※パワーシリンダのロッド作動方向は、シリンダ形番
により異なりますのでご注意ください。
本頁線()にるロ動方
参照ください。
※納入図面にブレーキ別切りと明記している仕様に
ついては別切り配線を施工ください。
※特殊仕様でモータリード線ラグ式、交流ブレーキ
ブレーキ DC モジュール別置き等で結線が異なる
場合がありますので、納入図面でご確認ください
また特殊モータの場合は、順結線によりロッドの
伸縮方向も異なる場合がありますので、納入図面で
ご確認ください。
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★3-5.端子箱部の構造
出力
構造
0.1kW
0.4kW
1.端子ネジサイズ:M3.5
締付トルク:0.8 N・m {8.2 kgf・cm}
2.アース端子サイズ:M4
締付トルク:1.2 N・m {12.2 kgf・cm}
※本図は 200V 級の端子箱になります。
0.75kW
3.7kW
1.端子ネジサイズ:M4
締付トルク:1.2 N・m {12.2 kgf・cm}
2.アース端子サイズ:M4
締付トルク:1.2 N・m {12.2 kgf・cm}
5.5kW
1.端子ネジサイズ:M5
締付トルク:2.0 N・m{20.4 kgf・cm}
2.ブレーキ端子サイズ:M3.5
締付トルク:0.8 N・m {8.2 kgf・cm}
3.アース端子サイズ:M5
締付トルク:6.0 N・m{61.2 kgf・cm}
7.5kW
1.端子ネジサイズ:M5
締付トルク 2.0 N・m{20.4 kgf・cm}
2.ブレーキ端子サイズ:M3.5
締付トルク:0.8 N・m {8.2 kgf・cm}
3.アース端子サイズ:M8
締付トルク:6.0 N・m{61.2 kgf・cm}
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4.運転前の注意
運転前には、次の点を確認してください
4-1.配線、電源の確認
配線に誤りがないかどうか、特にモータの電源相(回転方向)とストローク調整チとの
関係が正常であるかどうかを確認してください。
以上の確認をするには、ロッドをストロークの中央付近にします。電源を投入し寸動運転を行い、
進ボタンを押せば前進し、前進側リミットスイッチが作動すれば止まることを確認してください。
退側も同様に確認してください。
4-2.相手機械との連結
シリンダロッドに横荷重がかかっていないかどうかを確認ください
特にシリンダが全ストローク中で揺動する場合など先端金具や、その他の部分でせったり、干渉し
りするところはないかを確認してください
5.一般注意
★5-1.手動操作
手動操作でロッドを動かす場合は、必ずモータの電源が切れていることとロッドに負荷が
かっていない状態にしたあと、ブレーキを解放し手動軸を回してください。手動ハンドルは
向かって時計方向でロッドは後退し、反時計方向に回すと前進します。(負荷が加わったま
まですと手動軸が負荷により回され非常に危険です。
手動ハンドル一回転に対するロッド移動量は、表3に示します
※特殊仕様の場合は、ロッド移動量が下表と異なる場合がありますので納入図面を確認下さい。
また、手動操作ができない仕様やハンドルの回転方向によるロッド伸縮方向が上記と異なる場合が
あります。
表3
※特殊仕様で手動インターロックが取付いている場合、インターロック用のリミットスイッチの仕様に
ついては、外形図又は内蔵機器仕様を参照下さい
手動インターロックには下図の2種類があります。
速度記号 S L M H S L M H S L M H S L M H
手動軸一回転当たりの
ロッド移動量(mm)
速度記号 S L M H S L M H S L M H L M H L M H
手動軸一回転当たりの
ロッド移動量(mm)
LPTB500
LPTC500
LPTB1000
LPTC1000
LPTB2000
LPTC2000
1.0 2.0 3.02.0 1.0 2.0
LPTB4000
LPTC4000
2.0 1.0 2.0 4.0 2.0 1.0
LPTB8000
LPTC6000 LPTC8000
4.03.9 2.0
2.4
標準形番
標準形番 LPTB6000
1.4 1.0 1.4
2.0
LPTB250
LPTC250
1.71.0 0.7 1.0 1.7 1.2 0.8 1.2 2.9 3.2 3.71.2 2.2 1.2
LPTB12000
LPTC12000
LPTB16000
LPTC16000
12
A.カバータイ B.ハンドルタイプ
★5-2.湿式スリップクラッチ(TBタイプ
この装置は皿バネと2枚の摩擦板によってギヤを摩擦力で保持する構造をしており、一定以上の
トルクが加わるとギヤが滑ることにより過負荷を防止する役割を果たします
調整は出荷時に行っておりますので、調整不要です。
電気式過負荷保護装置『 』との併用をおすすめいたします。
湿式スリップクラッチを長時間滑らせますと、摩擦板が摩耗し設定トルクが低下し、定格推
力が発生しない場合があります。
★5-3.推力検知機構(TCタイプ)
この機構は皿バネを内蔵し、一定以上の負荷が作用するとストライカが軸方向に移動し
を作動させる機構になっています。
リミットスイッチによる調整は出荷時に行っていますので、調整不要です
LSやストライカを動かすと推力LSが動作せずシリンダや装置を破損させることがあり
ます。(推力LSは、工場出荷時に設定済みですので分解、調整を行う必要はありません。
やむを得ずメンテや再設定を要する場合は当社工場に返却頂きます様お願いいたします。
力検知ケーブルは当社で配線済みですので、リード線<線色は P7参照>を配線下さい。
※サーボモータ付き等の特殊仕様の場合は、“TAタイプ”として保護装置を装備していない場合
ありますので、納入図面でご確認ください。
カバーを本体から外しますと、この時
点で装置内のリミットスイッチが動作
する様になっております
ハンドルを手動軸に挿入しますと、この
時点で装置内のリミットスイッチが動
作する様になっております。
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★5-4.電圧及び周波数の変動
モータにかかる電圧及び周波数が規定の値でない時は、特性が変化しますのでご注意ください。
モータは電圧が定格電圧の上下約10%以内、周波数は上下約5%以内変化しても実用上さしつか
ないようになっています。
一般に電圧は規定の値よりも若干低下している場合が多く、その低下の程度が著しいと以下のよう
不具合現象が起こりますので、電線の太さ長さ、電源容量不足等を確認頂き電圧が規定の値より
下がらないようにご配慮ください。
ブレーキが解放されないため、モータが起動できない。
起動トルク(起動時の推力)が減少し、起動し難くなる。
過負荷に耐え難くなる。
熱くなる。
※サーボモータや特殊モータにつきましては異なる場合があります。
★5-5.使用頻度
パワーシリンダの起動回数は、モータの発熱により表4以下でご使用ください。但し、高頻度でご使
用の場合はシリンダの寿命もご配慮くださ詳しくは、カタログの選定の項を参照ください。
使により定た数ンダ寿命を
2.サーボモータや特殊モータにつきましては異なる場合があります
5-6.負荷
以下のような負荷は、パワーシリンダの能率を悪くしたり、モータやボールネジの寿命に悪影響
を及ぼしたり、減速部やロッド、外筒部などを損傷する原因となります。
拘束負荷(作動方向に対して)
品物が停止している状態で、押し続けるき続ける、いったような動は避けてください。
ロッドを曲げるような力(横荷重)がかからないようにしてください。
衝撃荷重
当て止め(TBタイプ)
1サイクルの運転時間
負荷時間率(%ED)————————————————×100%
1サイクルの運転時間+休止時
LP TB LPT B LP TB LPT B LP TB LPT B LPT B LPT B LPT B
LP TC LPT C LP TC LPT C LP TC L PT C LP TC LPT C L PT C
2 5 0 H 50 0 H 10 0 0 H 2 0 0 0 H 4 00 0 H
2 5 0 S 2 5 0 M 5 0 0 M 10 0 0 M 2 0 00 M 40 0 0 M 6 00 0 H 800 0 H
250 L 5 0 0 L 1 0 0 0 L 2 00 0 L 4 0 0 0 L 60 0 0 M 8 0 0 0 M 1 20 0 0 H 1 6 0 0 0 H
5 0 0 S 1 0 0 0 S 20 00 S 40 0 0 S 6 0 0 0 L 8 00 0 L 1 20 0 0 M 1 6 0 00 M
60 0 0 S 8 0 00 S 120 0 0 L 1 6 00 0 L
(回 / min) 5 5 5 4 4 4 4 3 3
負 荷 時 間 率 (% ED ) 2 5 % ED
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6.保守
★6-1.直線作動部の給脂
ネジシャフト、ベアリング及びロッドはグリースをあらかじめ塗布してお納めしていますので
そのまま使用してくださいグリースの補給は下表を目安にしてください。ネジの給脂は、外筒部の
給脂栓を外しロッドをネジシャフトが見える位置までストローク前進させ、必ずモータ電源を切っ
下さい。シリンダが確実に停止保持されていることを確認の上、グリースガンでネジ外周に下図の
うに直接塗布してください。
給脂口穴には絶対に指等を入れないでください。
指を入れた状態でシリンダが作動しますと指を負傷する恐れがあります。
総塗布量はストローク100mm 当たり10~15g 程度(T250~T4000)、30~50
程度(T6000~T16000)です。又、使用グリースは、下表をご参照ください。
塗布量が多すぎると油漏れなどの原因となりますのでご注意ください
表5 給脂サイクル
使用頻度 給脂サイクル
501~1000往復/日 3ヶ月~6ヶ月
101~500往復/ 6ヶ月~1年毎
~100往復/日 1年~1.5年毎
表6 推奨グリース
使用区分 会社名 グリース名称
ネジ
(株)椿本チエイン JWGS100
出光興産(株) ※1 ダフニーエポネックス SR No.2
日本グリース(株) ニグループ EP-2K
エクソンモービル(有 モービラックス EP No.2
コスモ石油ルブリカンツ(株) コスモグリースダイナマックス EP No.2
シェルルブリカンツジャパン(株)
シェルアルバニ EPグリース2
注)・※1は出荷時の封入グリースです。
・ロッドの外周面には、油膜が切れないように表5給脂サイクルに合わせグリースを塗布してください
グリースはネジと同一のものをご使用ください。
・特型仕様の場合は出荷時の封入グリースが異なる場合がありますので、納入図面でご確認下さい。
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