Tsubaki ECO Series servo type ユーザーマニュアル

  • 椿本チエインのパワーシリンダ エコシリーズ サーボタイプ(LPES150、LPES300、LPES1500)の取扱説明書の内容を理解しています。安全な使用方法、設置方法、保守点検方法、トラブルシューティングなど、このマニュアルに記載されているあらゆる質問にお答えできます。 高速・大推力など、製品の特徴や仕様についてもご質問ください。
  • パワーシリンダの搬送時の注意点は何ですか?
    配線を行う際の注意点は?
    日常点検・保守において注意すべきことは?
    過負荷保護機能はありますか?
    使用できる周囲温度は?
LES03.02TS
2019.04.01 発行
つばき
パワーシリンダ
<エコシリ-ズ サーボタイプ
70 / 105 フレーム
取扱説明書
株式会社 椿本チエイン
おねがい
この取扱説明書は、実際にご使用いただくお客様のお手元に
確実に届くよう、ご配慮ください。
LPES150
LPES300
LPES1500
ご注意
特殊仕様の場合は、一部本書と異なる場合があります。
★印の項目については添付の納入図面をご参照ください。
※標準仕様は納入図を添付しておりませんので必要に応じてカタログ又はホームページでご確認下さい。
つばき
パワーシリンダ エコシリーズ サーボタイ 70/105 フレーム
安全上のご注
ご使用(据付、運転、保守、点検等)の前に、必ずこの取扱説明書とその他の付属書類をすべて熟読し
正しくご使用ください。機器の知識、安全の情報そして注意事項のすべてについて熟読してからご使用く
さい。お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られるところに必ず保管してください。この取
説明書では、安全注意事項のランクを「危険」「注意」として区別してあります。
取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡又は重傷を受ける可
能性が想定される場合
取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の傷害や軽症を受
ける可能性が想定される場合及び物的傷害だけの発生が想定される場合。
尚、 と記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。
いずれも重要な内容を記載していますので必ず守ってください
危険
活線状態で作業しないでください。必ず電源を切って作業してください。尚、電源 OFF 15 分以上経過
し、サーボアンプのチャージランプが消灯した後、テスタなどで電圧を確認してから行ってください感電
のおそれがあります。
運搬、設置、配管配線、運転操作、保守・点検の作業は、専門知識と技能を持った人が実施してくださ
い。爆発、引火、火災、感電、けが、装置破損のおそれがあります。
人員輸送用装置に使用される場合には、装置側に安全のための保護装置を設けてください。装置暴走による
人身事故や、装置破損のおそれがあります
昇降装置に使用される場合には、装置側に落下防止のための安全装置を設けてください.昇降体落下による
人身事故や、装置破損のおそれがあります
ブレーキに水、油脂類が付着しないようにしてください。レーキトルクの低下による落下、暴走事故のお
それがあります。
爆発性雰囲気中では使用しないでください。爆発、引火、火災、感電、けが、装置破損のおそれがあります。
クランプボルトの締め付けは、必ずトルクレンチを用い、規定の締付トルクにて確実に締め付けてください。
ボルトの締め付け具合によっては破損、動力伝達不良など非常に危険な状態になります。
運搬のために吊上げた際に、製品の下方へ立ち入ることは、絶対にしないでください。落下による人身事故
のおそれがあります。
サーボモータメーカの取扱説明書を参照の上、確実に行ってください。感電や火災のおそれがあります
電源ケーブルやモータリード線を無理に曲げたり、引っ張ったり、はさみ込んだりしないでください感電
のおそれがあります。
サーボアンプ・サーボモータは、確実に接地工事を行ってください。感電のおそれがあります。
危険
注意
注意
サーボモータに商用電源を直接接続しないでください。故障の原因になります。
運転中、内筒へは絶対に接近又は触れないでください。巻き込まれ、けがのおそれがあります。
停電したときは必ず電源スイッチを切ってください。知らぬ間に電気が復旧し、けが、装置破損のおそれが
あります。
日常点検・保守
運転中の保守点検においては、内筒へは、絶対に触れないでください。巻き込まれ、人身事故のおそれが
あります。
停止時に装置の内部に立ち入って点検する場合には、駆動機、被動機の回転止めや作動止を確実に行い
かつ装置内部が充分に冷却された後、常に内部の換気を行いながら、施工してください。さらに点検作業
中には、外部に安全確認の要員を配置し、作業者との安全確認を常に行うようにしてください。又、装置
内部は潤滑油で滑りやすい状態であることを充分認識し、確実な安全策を講じてください。人身事故のお
それがあります。
点検時に取り外した装置の安全カバー等を外したままで運転しないでください。巻き込まれ、けがのおそれ
があります。
 ! 注意
パワーシリンダの銘板または製作仕様書の仕様範囲外で使用しないでください。感電けが、装置破損等
のおそれがあります。
パワーシリンダの開口部に指や物を入れないでください。感電、けが、火災等のおそれがあります。
損傷したパワーシリンダを継続使用しないでください。けが、火災等のおそれがあります。
銘板を取り外さないでください。
お客様による製品の改造は、当社の保証範囲外ですので、責任を負うことができません。
必ず、ストローク範囲内で使用ください。ストローク範囲をこえて使用になりますと故障の原因となります。
荷受時の点検
天地を確認の上、開梱してください。けがのおそれがあります
現品が、ご注文通りのものかどうか確認してください間違った製品を設置した場合、けが、装置破損等
おそれがあります。
運搬時は、下、転倒すると危険ですので十分ご注意ください。吊り金具があるパワーシリンダは必ず吊
り金具を使用してください。ただし機械に据え付けた後、吊り金具で機械全体を吊り上げることは避けてく
ださい。吊り上げる前に梱包箱、外形図、カタログ等により、ワーシリンダの質量を確認し、吊り具の
格荷重以上のパワーシリンダは吊らないでください。ボルトの破損や落下、転倒によるけが、装置破損のお
それがあります。
パワーシリンダの周囲には可燃物を絶対に置かないでください。火災のおそれがあります。
パワーシリンダの周囲には通風を妨げるような障害物を置かないでください。冷却が疎外され、異常過熱に
よるやけど、火災のおそれがあります。
パワーシリンダには絶対に乗らない、ぶら下がらないようにしてください。けがのおそれがあります。
食品機械等特に油気を嫌う装置では、故障・寿命等での万一の油洩れに備えて、油受け等の損害防止装置を
取付けてください。油洩れで製品等が不良になるおそれがあります。
通電前に、必ず配線が正しいことを確認ください。けが、装置破損などのおそれがあります。
配線は、電気設備技術基準や内線規程にしたがって施工してください。焼損や火災のおそれがあります
保護装置は、モータに付属していません。過負荷保護装置は電気設備技術基準により取付が義務づけられて
います。過負荷保護装置以外の保護装置(漏電遮断器等)設置することを推奨します。損傷や火災のおそ
れがあります。
相手機械との連結前にロッド進行方向を確認してください。進行方向の違いによって、けが、装置破損のお
それがあります。
本シリンダはメガテスト厳禁です。サーボモータに内蔵している電子部品を破損するおそれがあります
逆転をさせるときは必ず一旦停止させた後に逆転始動をしてください。一旦停止させずに正転運転を行うと
装置破損のおそれがあります。
運転中、パワーシリンダは機種により高温となります。手や体を触れないようにご注意ください。けどの
おそれがあります。
異常が発生した場合は直ちに運転を停止してください。感電、けが、火災のおそれがあります。
定格負荷以上での使用をしないでください。けが、装置、パワーシリンダの破損のおそれがあります。
日常点検・保守
パワーシリンダの表面は高温になるので、素手でさわらないでください。やけどのおそれがあります。
異常が発生した場合の診断は、取扱説明書に基づいて実施してください。異常の原因を究明し対策処置を施
すまでは絶対に運転しないでください。
分解・組立
万が一シリンダに不具合が発生した場合は分解、組立てを行わないで製品を当社にご返却ください再組
立てをしてもシリンダが正常に動作しない、または感電、けが、火災等のおそれがあります。
パワーシリンダに使用している部品は RoHS 指令に対応した部品で構成されています。シリンダを廃棄す
る場合は、一般産業廃棄物として処理してください。
1
このたびは、ばき パワーシリンダ エコシリーズ サーボタイプをお買い上げいただき、まことにありが
とうございます。本シリンダは、高性能ボールネジを使用し、高速・大推力のニーズを追求したサーボモータ対
応の直線作動機です。
パワーシリンダ エコシリ-ズ サーボタイプは、今まで一般的によく使われている空圧、油圧シリンダや、
その他の直線作動機に比べ多くのすぐれた特長を有しており、機械的・電気的にも高品質な製品です。しかしな
がら、この性能を最大限に引き出していただくためには、取扱・据付から保守・点検までにおいて的確な処置を
していただく必要があります。
この取扱説明書は、据付から保守にいたるまでを述べていますので、ご熟読の上、パワーシリンダ エコシリ
-ズ サーボタイプを最大限有効にお使いいただけるよう、ご活用ください。
尚、この取扱説明書で、不明な点がありましたらご購入いただいた販売店もしくは当社営業所までお問い合わ
せください。また、お問い合わせに際しては、本体銘板の記載内容をご連絡ください。
また、ご使用のサーボモータメーカのカタログ及び取扱説明書もご熟読の上、ご使用ください。
-目次-
1. 開梱時のチェック・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 3
2. 据付・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 3
3. 電線のつなぎ方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 7
4. 運転前の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 8
5. 使用頻度と負荷時間率 ・・・・・・・・・・・・・・P 8
6. 基本諸元・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 8
7. 一般注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 9
8. 保守・点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P 10
9. トラブルシュ-ティング ・・・・・・・・・・・・・・P12
10. 証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P13
2
当社製品の取扱い上のご注意
1. 取扱説明書につい
取扱説明書は最終的にご使用いただくお客様のお手元まで届くようにしてください。また、ご使用前
に必ずお読みいただき正しくご使用されるようご指導願います
・万一、取扱説明書がお手元にない場合は、ご購入いただいた販売店もしくは当社お客様サービスセ
ンタ-(CSセンタ-)に商品名、機種、形番等をお申し付けの上、ご請求ください。
2. 安全にご使用いただくために
・当社製品が作動することにより危険が予測される場合は、事前に危険を避ける処置をおとりくださ
い。
・当社製品が万一正常に作動しなくなった場合においても、危険な状態に至らないよう装置側で十分
な配慮をお願いします
3. 保守、点検作業の際に
・作業に適した服装、適切な保護具(安全装置、手袋、安全靴等)を着用してください。
・二次災害を引き起こさないように、周辺を整理し安全な状態で行ってください
・必ず電源を切り機械が完全に停止した状態で行ってください
また不慮に電源が入らないようにしてください
・労働安全衛生規則第二編第一章第一節一般基準を順守してください。
4.使用、保管の際に
・パワーシリンダは屋内形構造になっております。錆の発生などの問題がありますので屋内の環境の
良い場所に保管してください。湿気には十分ご注意ください。急激な温度変化のある場所に設置し
ますと結露が生じ、故障や錆の原因になりますのでご注意ください。
・本製品の中に水などの液体や金属類が入った状態で使用すると危険です。機械の中に異物が入らな
いようにご注意ください。
・腐食性雰囲気の中での保管や使用はしないでください。ま
火性雰囲気での使用は出来ません。
・本製品を解体した状態で保管、使用することは、械の故障や感電などの事故の原因になりますの
で避けてください。
・密閉した容器内など放熱が期待できない場所での使用は故障の原因となりますので使用しない
でください。
・本製品は、非常に大きな推力を出すことが出来ますパワーリンダを含め装置等の可動部分には手
足や身体を近づけないようにしてください巻き込み事故や挟み込み事故を起こすおそれがありま
す。
・本製品を使用中に故障や異常(異臭、異常発熱、異音、異常振動等)に気づかれた時は、直ちに
電源を切り安全な処置を施した後、ご購入いただいた販売店もしくは当社営業所にご連絡く
ださい。
3
1. 開梱時のチェック
パワーシリンダがお手元に届きましたら、まず下記の点をお調べください。
1 銘板に記してある推力、速度、ストローク等がご要求のものと一致しているかどうか。また付属
(オプションのトラニオン金具、ジャバラは本体に同時梱包しています。どがご要求通りつい
ているかどうか。
2 輸送中の事故などにより破損していないか
3 ボルトやナットがゆるんでいないか。
もし、不具合がありましたら、ご購入いただいた販売店もしくは当社お客様サ-ビスセンタ-(CSセ
ンタ-)までご連絡ください。その際、本体銘板の記載内容をご確認のうえ、お伝えください。
2.据付
適切な据付けは、パワーシリンダを能率よく長期間ご使用頂くために最も大切なことです。下記の点に
注意のうえ据付けください。
2-1.据付場所
パワ-シリンダは屋内形となっております。雨風・水や蒸気などのかかるような悪環境な場所では使用
しないでください。また、使用可能周囲温度については、040℃以内でご使用ください
引火性雰囲気では、絶対使用しないでください。爆発・火災発生のおそれがあります。
また、1G を超える振動や衝撃がかかる場所でのご使用はお避けください。
※特殊仕様の場合、使用環境や使用周囲温度などの使用条件が異なる場合がありますので、納入図でご
認下さい。
2-2.据付方向
トラニオンマウントの場合は、据付方向制限はありませんが、外形図上に記載のある場合には、その
指示に従ってください。ただし、フランジマウントの場合(LPES040LPES150 のみ)は鉛直方向
のみとなりますのでご注意ください。
※特殊仕様で納入図上に記載のある場合は、ご注意ください。
2-3.据付方法
1) トラニオンマウント
パワーシリンダのフレ-ムは、絶対に外部から締付けないでください。
トラニオンピン及びトラニオン穴部にグリースを塗ってください。また、形・U形先端金具の連結
ピンにもグリ-スを塗ってください。
トラニオン金具取付ボルトは強度区分 10.9 又は 12.9 のものをご使用ください。
パワ-シリンダが作動することにより本体が大きく揺動する場合は、連結部に滑り軸受や転がり軸受
を使うようにご配慮ください。
お客様装置強度、架台強度はパワーシリンダの定格推力の 3倍以上を確保してください。
長ストロークで且つ水平でご使用の場合、下図の様、別途フレーム先端下部を支持してください。
その際、フレームと支持ベースは固定しないでください。
2) フランジマウント(LPES150 のみ)
フランジマウントは推1.5kN153kgf}以下のシリンダにてご使用ください。
シリンダの先端フランジ取付けの場合は鉛直方向に取付けてください。この場合、シリンダは揺動さ
せないでください。またシリンダ本体に横荷重は絶対に加えないでくださいフランジ取付けネジ部
フレーム先端支持
(固定不可)
トラニオンマウント
4
M6 12mm以上のネジ込みを行ってください。そのときのボルト締め付けトルクは 12N・mとし
てくだい。フランジの水平方向取付けは行わないでください。
3) ジャバラの組み付け
LPES150 のジャバラは本体梱包箱に同梱しています下図の部品が揃っていることを確認してくだ
さい。尚、LPES300LPES1500 は本体取付出荷しています。
3-1)ジャバラ付属品
LPES150
3-2)組み付け手順
LPES150
①シリンダ本体の先端ハウジングφ50 部に「ジャバラパッキン」を挿入する。
②「ジャバラ本体」及び「ジャバラバンド大」をジャバラパッキンの外周に合わせて先端ハウ
ジング端面まで挿入する。
③プラスドライバでジャバラバンドの締付ビスを確実に締め込む。(締付トルク 5Nm
④ジャバラ本体を縮め、反対側開口部を先端金具根元 10mm の位置(先端金具部)に取り
け、「ジャバラバンド小」と共に締付ビスを確実に締め込む。(締付トル5Nm
ジャバラ本体
先端ハウジング
φ50
ジャバラパッキン
ジャバラバンド大
ジャバラバンド小
10
先端金具部に
取り付け
フランジマウント
5
) サーボモータ取付
お客様にてサーボモータを取付ける場合、下記を参照し取付けを行ってください
-1)モータ直結(減速機なし)の場合(LPES150FLPES300FLPES1500F
①サーボモータ軸の錆や埃、さび止めの油などはきれ
いに拭き取ってください。
尚、サーボモータの出力軸キー付の場合はキーを取
外してください。また、キー溝の位置は、右図の通
り、カップリングのスリット位置より 180 度反対
側の位置になる様に予めサーボモータ出力軸のキー
溝の位相を合わせておいてください。
②カップリングケースのプラグを外し、カップリング
を回して、クランプボルトとクランプ用穴の位置を
合わせてください。
③カップリングのクランプボルトを緩めてください。
④Mフランジとサーボモータの間にシール剤を塗布し、
モータをカップリングに挿入して下さい。その際、
モータ軸を傾けて挿入しない様に十分に注意してく
ださい。モータをインロー部まで完全に挿入後、モ
ータ取付ボルトにてサーボモータを取付けてくださ
い。
⑤トルクレンチを用いて、カップリングのクランプボ
ルトを指定の締付トルクで締め付けください。締付
トルクについては表1を参照ください。
⑥取外しておいたプラグをカップリングケースに取付
けてください。
表1クランプボルト締付トルク
形番 クランプボルトサイズ 締付トルク Nm レンチ長さ mm
LPES150F
M4 3.8
60
LPES300F 70
LPES1500F M6
M8*
12
30* 90
*マウントコード L2SL3SN1S のみ
モータ取付ボルト
シール剤塗布
Mフランジ
クランプボルトの締め付けは、必ず
トルクレンチを用い、規定の締付ト
ルクにて確実に締め付けてください。
ボルトの締め付け具合によっては
破損、動力伝達不良など非常に危険
な状態になります。
危険
クランプ用穴
クランプボルト
キー溝
スリット
キー溝付の場合の位置関係
プラグ
トルクレンチ
L
6
4-2)精密遊星減速機付きの場合(LPES150RLPES300RLPES1500R
4-2-1)モータ軸が丸軸の場合
①モータ取付面が上部になるよう減速機を設置ください。
②モータ軸の錆、埃、錆び止め油などはきれいにふきとってください。
③アダプター部のプラグを外し入力軸を回してボルトの頭をプラグ穴位置に合わせます。
④六角棒スパナなどによりクランプボルトが緩んでいることを確認してください
モータ軸を入力軸穴にスムーズに挿入してください。この時モータ軸を傾けて挿入されますと軸穴
とのカジリなどが生じ正しい取り付けが出来なくなるので十分注意してください
インロー部が完全に挿入された後、適切な締付トルクでモータをアダプターに完全に固定してくだ
さい。
⑦入力軸のクランプボルトをトルクレンチなどにより表の締付けトルクで締め付けてください。こ
の時、規定の締付けトルク以下で締付けられた場合、クランプボルトの緩みによるモータ軸のスリ
ップなど不具合につながりますので十分ご注意ください。
クランプボルトにはロックタイトなどの緩み止めを塗布しないでください。適正な締結トルクが得
られず締結不足になる場合があります。
⑧プラグを取り付けてください。以上でモータのセットは完了です。
表2クランプボルト締付トルク
クランプボルトサイズ 締付トルク
M3 1.9 Nm
M4 4.3 Nm
M5 8.7 Nm
M6 15 Nm
M8 36 Nm
M10 71 Nm
4-2-2)モータ軸がキー付きの場合、Dカット軸の場合
①キー付きのモータ軸はキーを取り外せば丸軸と同様にクランプでご使用いただけます。
②モータ軸キー溝(Dット)、各スリット、クランプボルトは図に示す位置にセットしてください。
③その他は丸軸の場合と同様の手順で減速機に取り付けてください。
7
2-4.ロッドの回転防止
ロッド回り止め(オプション)以外は、ロッドには推力に伴って回転力が生じますので必ず相手装置側
で回転止めを行ってください。
許容推力時のロッドの発生回転トルクは、下表の通りです。
※ロッド回転防止仕様等の特殊仕様の場合は下表と異なる場合がありますので納入図にてご確認ください。
LPES150 LPES300 LPES1500
ロッド回転力
Nmkgfm
1.60
0.16
3.19
0.33
26.6
2.72
2-5.据付注意事
全ストロークにおいて相手装置との取付けに無理がないことを確認してください。
・据付後、トラニオン金具とシリンダ本体が干渉なくスムーズに揺動することを確認してください。
シリンダに横荷重が作用する場合は、ガイド等を設けて直接シリンダに横荷重が作用しない様にご配
慮ください。
3.電線のつなぎ方
3-1.配線
ご使用のサーボモータメーカの推奨するケーブル径のものをご使用ください。
3-2.接地
パワーシリンダの据付後、サーボモータはサーボアンプを通して確実に接地してください。
3-3.結線
ご使用のサーボモータメーカの取扱説明書をご参照の上、ーボモータとサーボアンプの結線を行っ
ください。
3-4.磁気センサーの配線
パワ-シリンダのオプションの磁気センサーは次のことに注意して配線してください。
磁気センサーの破損につながります。
1)電源電圧の+・GND を逆に配線しないでください。(逆接保護回路は内蔵していません
2)過電圧・過電流を加えないで下さい
標準磁気センサー(LED ランプ無し)
MAXDC24V 以下,MAX15mA 以下
ランプ(LED)付磁気センサー(カタログ掲載品)
MAXDC24V 以下,MAX12mA 以下
3)動力線とセンサー配線を1つにまとめて配線しないでください。
4)リレーのようなサージを発生するコイル負荷の場合には、負荷の近くにダイオード(*1)を
入れてください
ダイオードは繰り返しピーク逆電圧 400V 以上平均整流電流 1A 以上をご使用ください。
(5)磁気センサーのケーブル長さより長い配線が必要な場合には、磁気センサー近くに
ツェナーダイオード(2)を入れてください。
ダイオードはツェナ―電圧 33V 許容損失 500mW 以上をご使用ください
※ランプ(LED付磁気センサーの場合回路図に*3 が追加となりま
※磁気センサーが特殊仕様の場合は、納入図にて仕様・回路図をご確認ください
8
4.運転前の注意
4-1.配線、電源の確認
配線に誤りはないかどうか、特にモータの結線(回転方向)が正常であるかどうかをご確認ください。
又、サーボアンプの各パラメータの確認を行ってください。その後、ッドをストロークの中央付近に
して、低速運転にて動作方向を確認してください。
4-2.相手機械との連結状態の確
シリンダロッドに横荷重(連結ピンの軸方向にかかる力)がかかっていないかどうか、特にシリンダが
全ストローク中で揺動する場合など先端金具やその他の部分でせったり、干渉したりするところがない
かをご確認ください。シリンダロッドに横荷重が加わりますと破損や寿命の低下・異音発生の原因にな
ります。
5.使用頻度と負荷時間率
起動回数 15 /
負荷時間率 50ED
エコシリーズ サーボタイプの許容起動回数はモータの発熱及びボールネジベアリング部の発
により決まります。使用ストロ-ク、使用推力により異なりますので、記値は目安値としてく
さい。又、シリンダの寿命を考慮した値ではありません。
尚、上記負荷時間率は 30 分当たりの運転時間の割合です。
6.基本諸元
基本形番 許容推力 高速度
最大入力回転速度
アルミフレーム
サイズ 使用ボールネシ
LPES150 1.50k
{153kgf}
300mm/s
3000r/min 70 外径 φ20
リード 6mm
LPES300 3.00k
{306kgf}
300mm/s
3000r/min 70 外径 φ20
リード 6mm
LPES1500 15.0kN
{1530kgf}
333mm/s
2000r/min 105 外径 φ30
リード 10mm
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7.一般注意
7-1.負荷につい
以下のような負荷は、パワーシリンダの効率を低下させたり、モータやネジの寿命に悪影響を及ぼした
り、内筒(ロッド)、フレームなどを損傷する原因となりますので避けてください。
横荷重
ロッドを曲げるような力(横荷重)がかからないようにしてください。
衝撃荷重
過負荷
大きな慣性負荷
7-2.速度につい
「6.基本諸元」に示しております以上の速度もしくはモータ回転速度での運転は行わないでください
ボールネジの共振による騒音・振動が発生し、製品寿命が短くなる可能性があります。
7-3.異常時の対
運転中に少しでも異常を感じられたら、直ちに運転を中止し落下等の事故防止を施した上で点検くだ
さい。また、サーボアンプのアラームが発生した際は、モータ出力が出ないため負荷を支えられず落下
事故につながるおそれがありますので、必ず保持用ブレーキが作動する様に外部シーケンスを構成して
ください。
7-4.過負荷保護について
本シリンダは、本体に過負荷保護機能が内蔵されておりません。従いまして、各枠番の許容推力を超え
る場合等はサーボモータのトルク制限機能にて過負荷保護対策を行ってください
7-5.サーボモータのブレーキについて
停止時及び製品故障時(アラーム発生など)に危険な状態が想定される場合には保持用として電磁ブ
ーキ付きサーボモータを使用してください。尚、電磁ブレーキは保持用ですので、制動用として使用し
ないでください。
7-6.手動操作について
本シリンダは構造上手動軸を設けておりません。シリンダ位置の調整についてはサーボアンプ操作にて
運転(微速)してください。
10
8.保守・点検
保守・点検の際には、必ず電源を切り機械が完全に停止した状態で行ってください。また不慮に電源が
入らないようにしてください。本体の分解を行いますと、パワーシリンダは負荷を保持出来なくなり、
落下事故の原因につながります。作業前に必ず負荷を取り除いてください。
8-1.ボールネジへの給脂
ボールネジシャフト、ロッドはあらかじめグリースを塗布しておりますのでそのままご使用ください。
グリースの補給は下表を目安にしてください。
ボールネジの給脂は、フレーム部の給脂栓を外しロッドをフルストローク前進させ、グリースガンでネ
ジ外周に塗布してください。グリース塗布量はストローク 100mm たり 1015g 程度です。
又、使用グリースは、下表をご参照ください。
使用頻度 給脂サイクル
100~1000往復/日 3ヶ月~6ヶ月毎
100~500往復/日 6ヶ月~1年毎
10~100往復/日 1年~1.5年毎
上記値はより長くご使用いただくための値であり
寿命を保証する値ではありません。
○推奨グリース
会社名
グリース名称
出光興産 ダフニーエポネックス SR No.2
ロッドの外周面へ油膜が切れないようにグリースを塗布してください。
※特型仕様の場合は出荷時の封入グリースが異なる場合がありますので、納入図でご確認下さい。
8-2.テーパベアリング部への給脂
テーパベアリング部はあらかじめグリースを塗布しておりますので、そのままご使用ください。グリー
スの補給は、1に一度を目安に実施してください。テーパベアリングの給脂は、ベアハウジング部の
給脂プラグ及び排脂プラグを外し、給脂口よりグリースガンにて給脂を行い、排脂口より新しいグリー
スが出てくるまで給脂してください。グリースは、ネジと同一のものをご使用ください。
※特型仕様の場合は出荷時の封入グリースが異なる場合がありますので、納入図でご確認下さい。
給脂栓
グリースガン
ボールネジ
ボールナット
フレーム
内筒(ロッド)
ベアハウジング
排脂口
給脂口
グリースガン
カップリングケー
11
8-3.構造図
推力により若干構造が異なります。
LPES150 構造図>
品番 品名 個数 品番 品名 個数
1サーボモータ 187 ストッパープレート 1
11 カップリングケース 190 摺動ナット 1
12 Mフランジ 191 ネジ軸先端ガイド 1
13 オイレスフランジブッシュ 292 先端ガイドスペーサ 1
14 フレーム 193 6角穴付ボルト 1
16 内筒カラー 194 バネ座金 1
18 ベアハウジング 195 平座金 1
19 ベアリングカラー 296 給脂口ボルト 3
23 先端ハウジング 197 シールワッシャ 3
50 NESカップリング 198 止めビス 1
53 6角穴付ボルト 4101 アンギュラ玉軸受 2
61 マグネット 2102 オイルシール 1
62 センサー取付金具 3103 ニロスリング 1
67 磁気スイッチ 3104 スクレーパ 1
68 4角ナット 3105 オイレスドライメット 1
69 +ナベコネジ 3106 6角穴付ボルト 4
70 平座金 3107 6角穴付ボルト 4
71 バネ座金 3108 バネ座金 4
81 ボールネジ・ナット 1109 6角穴付ボルト 4
83 内筒 1112 両丸キー 1
84 I形先端金具 1113 6角穴付プラグ 2
86 止めナット 1114 6角穴付トメネジ 1
注記
・品番 91929394 はストローク 300600 に使用
・品番 626768697071 は磁気センサー付(オプション)の場合に使用。
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9.トラブルシューティング
故障が発生した場合は、下記表を参照ください。
また、サーボアンプのアラームが発生した場合は、ご使用のサーボモータ・アンプの取扱説明書をご参照の
上、適切な処置を行ってください。
障の状態 故障を起こす原因 処置
起動ボタンを押し
ても作動しない
1. サーボモータ、アンプの結線ミス
2. サーボアンプアラーム発生
3. サーボモータ・サーボアンプ故障
4. 過負荷、慣性負荷が大きい
5. サーボアンプの入力信号によるもの
6. パラメータ設定によるもの
配線の点検
アラーム内容確認、処
修理及び取替え
装置設計見直し
入力信号の確認
パラメータ設定値の確
モータ音はするが
動かない
1. 電磁ブレーキの破損
2. 電磁ブレーキ電源不良
3.カップリングスリップ
4.サーボアンプの入力信号によるもの
5.パラメータ設定によるもの
交換
ブレーキ電源の確認
クランプボルトの締付確認
入力信号の確認
パラメータ設定値の確
暴走する 1. サーボモータ、アンプの結線ミス
2. エンコーダケーブルの断線、配線ミス
配線の点検
配線の点検
ハンチングする 1. サーボモータ、アンプの結線ミス
2. パラメータゲインの設定によるもの
配線の点検
パラメータ設定値の確
定格の推力がでない
1.カップリングスリップ
2.相手装置の連結部不良
3. 電磁ブレーキの破損
4. 電磁ブレーキ電源不良
クランプボルトの締付
修理
交換
ブレーキ電源の確認
モータが加熱
1.負荷の過大
2.使用頻度が過大
3.電磁ブレーキの破
4.電磁ブレーキ電源不良
負荷軽減、容量検討
容量検討
交換
ブレーキ電源の確認
機体の損傷 1.衝撃荷重の作用
2.横荷重の作用
修理
修理
磁気センサーが
出力しない
1.誤配線
2.過電圧
配線のやり直し・センサー交換
適正電源に修正・センサー交換
*部の詳細はご使用のサーボモータ・アンプの取扱説明書をご参照ください。
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10.保証
1
無償保証期間
工場出荷後18ヶ月間または使用開始後(お客様の装置への当社製品の組込み完了時から起算しま
す)12 ヶ月間のいずれか短い方をもって、当社の無償による保証期間と致します。
2
保証範囲
無償保証期間中に、お客様側にて取扱説明書に準拠する正しい据付・使用方法・保守管理が行われ
ていた場合において、当社製品に生じました故障は、当社製品を当社に返却いただくことにより、
その故障部分の交換または修理を無償で行います。
但し、無償保証の対象は、あくまでお客様にお納めした当社製品単体についてのみであり、以下の
費用は保証範囲外とさせて頂きます。
(1) お客様の装置から当社製品を交換又は修理のために、取り外したり取り付けたりするために
要する費用及びこれらに付帯する工事費用
(2) お客様の装置をお客様の修理工場などへ輸送するために要する費用。
(3) 故障や修理に伴うお客様の逸失利益ならびにその他の拡大損害額。
3.有償保証
無償保証期間にもかかわらず、以下の項目が原因で当社製品に故障が発生しました
場合は、有償にて調査・修理を承ります。
1)お客様が、取扱説明書通りに当社製品を正しく据付られなかった場合。
2)お客様の保守管理が不充分であり、正しい取扱が行われていない場合。
3)当社製品と他の装置との連結に不具合があり故障した場合。
4)お客様側で改造を加えるなど、当社製品の構造を変更された場合。
5)当社または当社指定工場以外で修理された場合。
6)取扱説明書による正しい運転環境以外で当社製品をご使用になった場合。
7)災害などの不可抗力や第三者の不法行為によって故障した場合。
8)お客様の装置の不具合が原因で、当社製品に二次的に故障が発生した場合
9)お客様から支給を受けて組み込んだ部品や、お客様のご指定により使用し
部品などが原因で故障した場合。
10)お客様側での配線不具合やパラメータの設定間違いにより故障した場合。
11)正常な製品寿命に達したもの。
12)その他当社の責任以外で損害が発生した場合。
4.当社技術者の派遣
当社製品の調査、調整、試運転時等の技術者派遣などのサービス費用は別途申し受けます。
この取扱説明書に関するお問い合わせは、お客様問合せ窓口をご利用ください。
お客様問合せ窓
TEL (0120)251-602 FAX ( 0120)251-603
長岡京工場 : 617-0833 京都府長岡京市神足暮角1-1
株式会社 椿本チエイン
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