2.3.1 コントローラーの設定
選択したラウドスピーカーのセットアップに 応じて、
CUT、HFA、CPL、HFC の各機能を音響調整に使用できま
す。
CUT モード
CUT 設定では、カットオフ周波数 95 Hz のハイパスフィル
ターがコントローラーの信号経路に挿入されます。これ
により ALi60/ALi90 は、アクティブ 駆動の d&b Vi-SUB また
は Vi-GSUB サブウーファーと 組み合わせて使えるように
設定されます。
HFA モード(PS セットアップのみ)
HFA (高域減衰:High Frequency Attenuation)モードではシ
ステムの 高周波数特性は、ロールオフします。HFA 回路に
より、キャビネットが 聴衆に近接したニアフィールドに 設
置される場合や、ディレイ 用途の際に、周波数特性が自然
で安定したものとなります。
高域の減衰は 1 kHz から徐々に始まり、10 kHz でおよそ
3 dB 減衰します。このなだらかな減衰は、残響が多い空
間や客席でシステムから 離れて音を聴くときに体感する
周波数特性の変化とよく似ています。
CPL 機能
CPL(カップリング: Coupling)機能は、キャビネットと
密接する境界面の間のカップリングによる影響を補正し
ます。CPL はおよそ 1 kHz から徐々に減衰が始まり、
400 Hz 以下で最大の減衰がかかります。バランスのとれ
た周波数特性を提供するため、CPL 機能を 0 と–9 の間の
dB 単位の減衰値に設定することができます。
CPL 値をプラス数値(0 ~ +5 dB)にすると、およそ 65 Hz
の低域を盛り上げることができます。この数値は、システ
ムをサブウーファーを 使用しないフルレンジモードで使
用する際に設定できます。
HFC 機能
HFC(高域補正:High Frequency Compensation)機能は、遠
距離にある客席をカバーするためにラウドスピーカーを
使用する際に、大気中で吸収される高域エネルギーの損失
を補います。
HFC 機能には、キャビネットがカバーしなければならない
距離に応じて、2 つの設定(HF1、HF2 )があります。HF1
は 15 m(49 ft)以上、 HF2 は 25 m(82 ft)以上の距離を
カバーする各キャビネットに 使用するので、それぞれの設
定を選択してください 。
この補正は、標準的な相対湿度 40 %に合わせて調整され
ています。これより低い湿度では空気による吸収が増加
するため、それぞれの HFC 設定の補正距離は、上記の距
離より短くなります。
HFC 機能を使用すると、近距離および遠距離の聴衆に正し
い音響バランスを提供すると同時に、アレイを駆動するす
べてのアンプに同じ信号を送ることが可能になります。
-5
0
5
10
-10
-15
-20
-25
-30
20
100 1k 10k
20k
HFA モードの補正周波数特性*
*概要図
CPL 機能の補正周波数特性
*概要図
HFC 機能の補正周波数特性*
*概要図
d&b ALi60/ALi90 マニュアル 1.3 ja 9