4 INCA-LINアドオンの使用方法 | 13
4 INCA-LINアドオンの使用方法
本章では、INCAにおけるINCA-LINの使用例をご紹介します。ここでは、LINモニタリングを行
うための一般的な操作方法について説明します。
INCAでLINバスのモニタリングを行うには、INCAにおいて所定の準備作業が必要です。
INCA-LINの準備作業は以下のような手順で行います。
データベースマネージャでワークスペースをセットアップする
ハードウェアコンフィギュレーションエディタでLINハードウェアを設定する
実験環境において実験をセットアップし、モニタリングを開始する
一連の手順は、通常の測定・適合作業を準備して実行する場合と同じです。ただし、LINモニ
タリングでは、LDFファイルかAUTOSARファイルが必要になります。これらはA2Lプロジェクト、
CANdb、FIBEXファイルと同様の方法で扱われます。
以下に、INCAでLINを扱う際の基本的な操作を説明します。一部の操作についてはいくつかの
方法で行うことができるものがあり、たとえばFIBEXファイルの追加は、データベースマネージャと
ハードウェアコンフィギュレーションエディタのいずれかで行うことができます。以下の説明は、一般
的な操作例を示すものです。
4.1 ワークスペースのセットアップ
LINモニタリングを行うための最初のステップとして、新しいデータベースとワークスペースを作成し、
データベースにLDFファイルを追加します。
LDFファイルは車両メーカーから供給されます。これには、測定ハードウェア構成と、LINバス経由
で利用できるシグナルについての情報が記述されています。
以下の例では、INCA-LINアドオンとともにインストールされるLIN Network SpaceCar V2.ldf
というデモファイルを使用します。
ワークスペースをセットアップする
1. 新しいデータベースを作成します。データベース >新規作成 を選択してください。
2. "新しいデータベース" ダイアログボックスで、LIN_Demo と入力します。
3. OK をクリックします。
4. 次にデータベース内にトップフォルダを作成します。編集 >追加 >トップフォルダの追加
を選択してください。
5. フォルダ名を Demo に変更して <ENTER>を押します。
6. 次に、新しいワークスペースを作成するためのトップフォルダが選択されているのを確認しま
す。ここでは、Demo フォルダを選択してください。
7. 編集 >追加 >ワークスペース を選択します。
8. ワークスペース名をLINNetworkに変更して <ENTER>を押します。
9. 次に、LDFファイルをデータベースに読み込みます。トップフォルダDemoを選択してくださ
い。
10. 編集 >追加 >FIBEX またはAUTOSARを選択します。
使用するバスディスクリプションファイルを選択するダイアログボックスが開きます。
11. LDFまたはAUTOSARファイルを選択し、開くをクリックします。
INCA-LIN V7.4 | ユーザーガイド