Endres+Hauser BA iTHERM TMS21 MultiSens Slim 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
Products Solutions Services
取扱説明書
iTHERM TMS21
MultiSens Slim
石油化学化学アプリケーション向けの侵襲性を最小限
に抑えた柔軟な TC マルチポイント温度計
BA01705T/33/JA/04.23-00
71643423
2023-09-28
目次 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
2 Endress+Hauser
目次
1 本説明書について .................. 3
1.1 本文の目的 ........................... 3
1.2 シンボル ............................. 3
2 安全上の基本注意事項 .............. 5
2.1 要員の要件 ........................... 5
2.2 指定用途 ............................. 5
2.3 労働安全 ............................. 6
2.4 操作上の安全性 ....................... 6
2.5 製品の安全性 ......................... 6
3 製品説明 ........................... 7
3.1 製品構成 ............................. 7
4 受入検査および製品識別表示 ........ 9
4.1 受入検査 ............................. 9
4.2 製品識別表示 ........................ 10
4.3 保管および輸送 ...................... 10
4.4 合格証と認証 ........................ 11
5 取付け手順 ........................ 11
5.1 設置条件 ............................ 11
5.2 機器の取付け ........................ 11
5.3 設置状況の確認 ...................... 14
6 配線 .............................. 15
6.1 クイック配線ガイド ................... 15
6.2 センサケーブルの接続 ................. 16
6.3 電源および信号ケーブルの接続 .......... 17
6.4 シールドおよび接地 ................... 18
6.5 保護等級の保証 ...................... 18
6.6 配線状況の確認 ...................... 19
7 設定 .............................. 19
7.1 前書き ............................. 19
7.2 機能チェック ........................ 20
7.3 電源投入 ............................ 21
8 診断およびトラブルシューティン
................................ 21
8.1 一般トラブルシューティング ............ 21
9 修理 .............................. 22
9.1 一般情報 ............................ 22
9.2 スペアパーツ ........................ 22
9.3 当社サービス ........................ 22
9.4 返却 ............................... 22
9.5 廃棄 ............................... 22
10 アクセサリ ........................ 23
10.1 機器固有のアクセサリ ................. 23
10.2 通信関連のアクセサリ ................. 25
10.3 サービス関連のアクセサリ .............. 25
11 技術データ ........................ 26
11.1 入力 ............................... 26
11.2 出力 ............................... 26
11.3 電源 ............................... 27
11.4 性能特性 ............................ 28
11.5 取付け手順 .......................... 29
11.6 環境 ............................... 31
11.7 構造 ............................... 31
11.8 操作 ............................... 35
11.9 合格証と認証 ........................ 35
11.10 関連資料 ............................ 36
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 本説明書について
Endress+Hauser 3
1 本説明書について
1.1 本文の目的
本取扱説明書には、機器のライフサイクルの各段階(製品識別表示、納品内容確認、
管、設置、接続、操作、設定からトラブルシューティング、メンテナンス、廃棄まで)
において必要とされるあらゆる情報が記載されています。
1.2 シンボル
1.2.1 安全シンボル
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、死亡、重傷、爆発などの重大事故が発生する可能性があります。
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、死亡、重傷、爆発などの重大事故が発生する可能性があります。
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、軽傷または中程度の傷害事故が発生する可能性があります。
!"
人身傷害につながらない、手順やその他の事象に関する情報を示すシンボルです。
1.2.2 電気シンボル
シンボル 意味
直流電流
交流電流
直流/交流電流
接地端子
オペレータを保護するために、接地システムを使用して接地された接地端子
保護接地(PE)
その他の接続を行う前に接地端子の接地接続が必要です。
接地端子は機器の内側と外側にあります。
• 内側の接地端子:保護接地と電源を接続します。
• 外側の接地端子:機器とプラントの接地システムを接続します。
1.2.3 図中のシンボル
シンボル 意味 シンボル 意味
1, 2, 3,... 項目番号
1.
,
2.
,
3.
… 一連のステップ
A, B, C, ... A-A, B-B, C-C, ... 断面図
-
危険場所
.
安全場所(非危険場所)
本説明書について iTHERM TMS21 MultiSens Slim
4 Endress+Hauser
1.2.4 特定情報に関するシンボル
シンボル 意味
許可
許可された手順、プロセス、動作
推奨
推奨の手順、プロセス、動作
禁止
禁止された手順、プロセス、動作
ヒント
追加情報を示します。
資料参照
A
ページ参照
図参照
注意すべき注記または個々のステップ
1.
,
2.
,
3.
… 一連のステップ
操作・設定の結果
問題が発生した場合のヘルプ
目視確認
1.2.5 関連資料
関連する技術資料の概要については、以下を参照してください。
• デバイスビューワー(www.endress.com/deviceviewer:銘板のシリアル番号を
入力します。
Endress+Hauser Operations アプリ:銘板のシリアル番号を入力するか、銘板の
マトリクスコードをスキャンしてください。
資料の機能
ご注文のバージョンに応じて、以下の資料が提供されます。
資料の種類 資料の目的および内容
技術仕様書(TI) 機器の計画支援
本資料には、機器に関するすべての技術データが記載されており、本
機器用に注文可能なアクセサリやその他の製品の概要が示されていま
す。
簡易取扱説明書(KA) 初回の測定を迅速に開始するための手引き
簡易取扱説明書には、納品内容確認から初回の設定までに必要なすべ
ての情報が記載されています。
取扱説明書(BA) 参考資料
取扱説明書には、機器ライフサイクルの各種段階(製品の識別、納品
内容確認、保管、取付け、接続、操作、設定からトラブルシューティ
ング、メンテナンス、廃棄まで)において必要とされるあらゆる情報
が記載されています。
機能説明書(GP) 使用するパラメータの参考資料
本資料には、個々のパラメータの詳しい説明が記載されています。本
説明書は、全ライフサイクルにわたって本機器を使用し、特定の設定
を行う人のために用意されたものです。
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 安全上の基本注意事項
Endress+Hauser 5
資料の種類 資料の目的および内容
安全上の注意事項(XA) 各種認定に応じて、危険場所での電気機器の安全上の注意事項も機器
に付属します。安全上の注意事項は取扱説明書の付随資料です。
機器に関する安全上の注意事項(XA)の情報が銘板に明記されて
います。
機器固有の補足資料(SD/FY) 関連する補足資料に記載される指示を常に厳守してください。補足資
料は、機器資料に付随するものです。
1.2.6 登録商標
FOUNDATION™ Fieldbus
FieldComm Group, Austin, Texas, USA の登録申請中の商標です。
HART®
FieldComm Group, Austin, Texas, USA の登録商標です。
PROFIBUS®
PROFIBUS および関連する商標(協会商標、技術商標、認証商標および PI 商標による認
定)は PROFIBUS User Organization e.V.(PROFIBUS ユーザー組織), Karlsruhe -
Germany の登録商標です。
2 安全上の基本注意事項
操作を行う作業員の安全を確保するために、十分な予防措置を講じた上で取扱説明書に
記載される指示や手順を実施してください。安全を脅かす可能性のある問題に関する
情報が図やシンボルで示されています。図やシンボルが提示されている操作を実行す
る場合、事前に安全上の注意事項を参照してください。ここに記載される情報について
は正確を期していますが、望ましい結果を保証するものではありません。特に、この情
報は明示的/黙示的に関わらず性能を保証するものではありません。当社は製品の設計
および仕様について予告なく変更および改良する権利を有します。
2.1 要員の要件
設置、設定、診断、およびメンテナンスを実施する要員は、以下の要件を満たさなけれ
ばなりません。
訓練を受けて、当該任務および作業に関する資格を取得した専門作業員であること。
施設責任者の許可を得ていること。
各地域/各国の法規を熟知していること。
作業を開始する前に、取扱説明書、補足資料、ならびに証明書(用途に応じて異な
ります)の説明を読み、内容を理解しておくこと。
指示に従い、基本条件を遵守すること。
オペレータ要員は、以下の要件を満たさなければなりません。
施設責任者からその作業に必要な訓練および許可を得ていること。
本資料の説明に従うこと。
2.2 指定用途
本製品の使用目的は、熱電対の技術を使用してリアクタ、容器、配管内部の温度プロフ
ァイルを測定することです。
不適切な使用や指定用途以外での使用に起因する損傷については、製造者は責任を負い
ません。
安全上の基本注意事項 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
6 Endress+Hauser
本製品は以下の条件に基づいて設計されています。
条件 説明
内圧 ジョイント、ネジ込み接続、シーリングはリアクタ内部の最大作動圧力に応
じて設計されています。
動作温度 使用材質は、最低および最高動作温度/設計温度に基づいて選択されていま
す。固有応力を防止して機器とプラントの適切な統合を実現するために、
変位が考慮されています。プラント内部に機器のサーモウェルを固定する
場合、細心の注意が必要です。
測定物 適切な寸法と材質を選択することで、以下に示すような摩耗の兆候を最小限
に抑えることができます。
• 不均一腐食
• 浸食および摩耗
• 制御できない予測不能な化学反応による腐食現象
機器の稼働寿命を最大限に延ばすには、特定のプロセス流体分析を実施して
適切な材質を選択する必要があります。
疲労 動作時の周期的負荷については考慮されていません。
振動 プロセス接続の配置上の制約から挿入長が大きくなるため、センサ素子は振
動の影響を受けます。この振動は、プラントに入るサーモウェルの経路を適
切に選択し、クリップや終端チップなどのアクセサリで固定することで最小
化することができます。伸長ネックは振動負荷に対する耐性を備えるため、
周期的負荷から中継端子箱を保護し、ネジ込み部品の緩みを防止できます。
機械的応力 プラントのすべての作業条件において、安全係数で乗算された機器の最大応
力は常に材質の降伏応力を下回ることが保証されています。
周囲条件 中継端子箱(ヘッド組込型伝送器あり/なし)配線、ケーブルグランドやそ
の他の器具は、外部温度の許容範囲内での使用に基づいて選択されていま
す。
2.3 労働安全
機器で作業する場合:
各国の規制に従って、必要な個人用保護具を着用してください。
2.4 操作上の安全性
機器が損傷する可能性があります。
本機器は、適切な技術条件およびフェールセーフ条件下でのみ操作してください。
施設作業者には、機器を支障なく操作できるようにする責任があります。
機器の改造
機器を無断で改造することは、予測不可能な危険を引き起こす可能性があるため、禁止
されています。
変更が必要な場合は、弊社営業所もしくは販売代理店にお問い合わせください。
修理
操作上の安全性と信頼性を保証するために、以下の点にご注意ください。
機器の修理は、明確に許可された場合にのみ実施してください。
電気機器の修理に関する各地域/各国の規定を遵守してください。
純正のスペアパーツおよびアクセサリのみを使用してください。
2.5 製品の安全性
本機器は、最新の安全要件に適合するように GEP(Good Engineering Practice)に従っ
て設計され、テストされて安全に操作できる状態で工場から出荷されます。
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 製品説明
Endress+Hauser 7
本機器は一般的な安全基準および法的要件を満たします。また、機器固有の EU 適合宣
言に明記された EU 指令にも準拠します。Endress+Hauser は機器に CE マークを添付
することにより、機器の適合性を保証します。
3 製品説明
3.1 製品構成
新しい iTHERM MultiSens Slim では、さまざまな材質、呼び口径、測定点数を柔軟に選
択できるため、革新的な構成が可能です。さらに、アダプタやコンジットなどのさまざ
まなアクセサリ(非プロセス接触)を個別に管理できるため、メンテナンスやスペアパ
ーツの注文を容易に行うことができます。
5 つの主要な構成部品を以下に示します。
拡大管シールが施された電気接続用のネジブッシングで構成され、延長ケーブルを
収める可撓コンジットのアダプタに適合します。
メインブッシングおよび強化スリーブ電気接合部をシールによって保護し、挿入長
を調整します。
プロセス接続:コンプレッションフィッティングが該当します。必要に応じて、ASME
または EN フランジを使用できます。
ご要望に応じて、その他の規格や接続タイプも使用できます。フランジにはコンプレ
ッションフィッティングが溶接されるため、プロセスの気密性が確保されます。
サーモウェル:強化スリーブ付き。
測定インサート:金属被覆センサ素子(熱電対)、延長ケーブル、トランジッション
継手で構成されます。センサ素子は小径のサーモウェル内部に取り付けられます。
サーモウェルの一部はフレキシブルホースであるため、プローブの湾曲性が保証さ
れ、プロセス内にプローブが適切に配置されます(特に、設置ノズルと測定点の配置
に位置合わせ不良が生じた場合に有効)
追加アクセサリ中継端子箱や伝送器など、選択した製品構成とは別に注文可能なコ
ンポーネントであり、設置済みのすべてのユーザー機器に適合させることができま
す。
一般に、システムでは複数のセンサを使用して、プロセス環境内の温度プロファイルを
測定します。これらは適切なプロセス接続を使用して接続されるため、プロセスの気密
性が保証されます。外側から延長ケーブル(コンジットにより保護されます)が中継端
子箱に配線されます。中継端子箱は一体型または分離型(オプション)の取付けが可能
です。
本書に記載される一部のオプションについては、お客様の国で使用できない可能性
があります。お近くの当社営業所もしくは販売代理店にお問い合わせください。
製品説明 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
8 Endress+Hauser
機器タイプ 説明
1
2a
3
4
5
2
6
7
A0030865
A0033069
1:拡大管 環境汚染物質および環境現象(摩耗、湿気、塩分など)から延
長ケーブルを保護するための可撓コンジット。
材質:
• ポリアミド
金属(Atex バージョン)
• その他の材質(要問合せ)
選択したアダプタにより、保護等級 IP68 が保証されます。
2メインブッ
シング
電気接合部をシールによって保護し、挿入長を調整するために
使用します。
2a:強化スリ
ーブ
3プロセス接
プロセスと外部環境間の気密性を確保する高圧対応コンプレッ
ションフィッティング。さまざまな測定物に使用でき、高温・
高圧など、要件の厳しい場合にも適応します。
フランジの場合、プロセス接続はフランジに溶接されます(標
準)。ご要望に応じて、他のバージョンも使用できます。
4サーモウェ
センサ素子の保護シースとして使用され、プロセスに挿入され
る焼鈍されたチューブ。
4a:サーモウ
ェル可撓部
上方の可撓部には焼鈍されたチューブが使用され、設置環境へ
のさまざまな経路に対応できます。
5測定インサ
ート
交換できない接地型/非接地型の熱電対インサートであり、高精
度の測定性能、長期安定性、優れた信頼性を備えます。
6延長ケーブ
測定インサートと中継端子箱間の電気接続用。
PVC シールド
FEP シールドあり/なし
7:接地端子 電気センサの接地用
モジュール式マルチポイント温度計の主要な構成を以下に示します。
• リニア構成
• フレキシブル構成
3.1.1 測定インサートの数
サーモウェルと測定インサートの直径のすべての組合せに対する測定インサートの最
大数
サーモウェル OD(mm(in)
3.2 (0.13) 6 (0.24) 6.35 (0.25) 8 (0.31) 9.5 (0.37)
測定インサート直径(mm(in) 0.5 (0.02) 8 28 22 46 1) 59 1)
0.8 (0.03) 3 15 12 24 30
1 (0.04) 2 10 8 18 22
1.5 (0.06) - 6 4 8 12
1) この構成では、メインブッシングを特別に設計する必要があります
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 受入検査および製品識別表示
Endress+Hauser 9
1
2
A0033848
 1 主要な構成
1 リジット構成の垂直設置
2 フレキシブル構成の設置
4 受入検査および製品識別表示
4.1 受入検査
機器の受領後、すみやかに以下の手順に従ってご確認ください。
1. 梱包と機器に損傷がないか確認してください。
2. 損傷が見つかった場合:
すぐに製造者にすべての損傷を報告してください。
3. 損傷した部品や機器を設置しないでください。設置した場合、製造者は材質の耐
性や本来の安全要件の遵守を保証できず、それにより生じるいかなる結果に対し
ても責任を負わないものとします。
4. 納入範囲を発注内容と照合してください。
5. 輸送用のすべての梱包材を取り外してください。
6. 銘板のデータと発送書類に記載された注文情報が一致していますか?
受入検査および製品識別表示 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
10 Endress+Hauser
7. 技術仕様書やその他の必要な関連資料(証明書など)がすべて添付されています
か?
1 つでも条件が満たされていない場合は、弊社営業所もしくは販売代理店にお問い
合わせください。
4.2 製品識別表示
機器を識別するには、以下の方法があります。
• 銘板
• 銘板に記載されたシリアル番号をデバイスビューワー
www.endress.com/deviceviewer)に入力します。機器に関するすべての情報および
機器に添付される技術仕様書の一覧が表示されます。
銘板のシリアル番号を Endress+Hauser Operations アプリに入力するか、Endress
+Hauser Operations アプリで銘板の 2-D マトリクスコード(QR コード)をスキャン
すると、機器に関するすべての情報および機器に付属する技術仕様書が表示されま
す。
4.2.1 銘板
注文した機器が納入されていますか?
銘板には機器に関する以下の情報が記載されています。
• 製造者識別、機器名称
• オーダーコード
• 拡張オーダーコード
• シリアル番号
• タグ名(TAG)
• 技術データ:電源電圧、消費電流、周囲温度、通信関連データ(オプション)
• 保護等級
• 認定(シンボル付き)
銘板の情報とご注文内容を照合してください。
4.2.2 製造者名および所在地
製造者名: Endress+Hauser Wetzer GmbH + Co. KG
製造者の住所: Obere Wank 1, D-87484 Nesselwang または www.endress.com
4.3 保管および輸送
保管温度:–40~+85 °C (–40~+185 °F)
最大相対湿度:< 95 %(IEC 60068-2-30 に準拠)
機器を保管および輸送する場合、機器が衝撃や外部の影響から確実に保護されるよ
うに梱包してください。納入時の梱包材を使用すると、最適な保護効果が得られま
す。
保管中は、以下に示す環境の影響を回避してください。
• 直射日光
• 高温物体の近接
• 機械的振動
• 腐食性の測定物
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 取付け手順
Endress+Hauser 11
4.4 合格証と認証
本製品に対する最新の認証と認定は、www.endress.com の関連する製品ページから入
手できます。
1. フィルタおよび検索フィールドを使用して製品を選択します。
2. 製品ページを開きます。
3. 「ダウンロード」を選択します。
5 取付け手順
5.1 設置条件
L警告
これらの設置ガイドラインを遵守しなかった場合、作業員の重傷/致命傷につながる事
故が発生する可能性があります
適切な資格を持つ作業員以外は設置作業を実施しないでください。
L警告
爆発により作業員の重傷/致命傷につながる事故が発生する可能性があります
中継端子箱を使用する場合、回路の通電中に爆発性雰囲気において中継端子箱のカ
バーを取り外さないでください。
爆発性雰囲気内でその他の電気/電子機器を接続する場合、事前にループ内の機器が
本質安全またはノンインセンディブフィールド配線方式に準拠して設置されている
ことを確認してください。
伝送器の動作環境が適切な危険場所証明に適合していることを確認してください。
すべてのカバーおよびネジ込み部品が防爆要件に完全に適合している必要がありま
す。
L警告
プロセスの漏れにより作業員の重傷/致命傷につながる事故が発生する可能性がありま
動作中にネジ部品を緩めないでください。圧力を印加する前にフィッティングを設
置して締め付けてください。
注記
他のプラントコンポーネントから追加の負荷や振動が発生すると、センサ素子の動作に
影響を及ぼす可能性があります。
設置計画では想定されていない他のシステムとの接続により、システムに追加の負
荷や外部モーメントをかけることは禁止されています。
本システムを振動が発生する場所に設置することはできません。発生した負荷によ
り接続のシーリングが弱まり、センサ素子の動作に悪影響を及ぼす可能性がありま
す。
許容リミットの超過を防止するために、適切な機器の設置を検証するのは最終的な
ユーザーの責任です。
環境条件については、技術データを参照してください。→  31
5.2 機器の取付け
機器を適切に設置するため、以下の説明に従ってください。
取付け手順 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
12 Endress+Hauser
1.
A0033274
フランジノズルとコンプレッションフィッティングと一緒に提供された機器のフ
ランジ間にガスケットを配置します(フランジのガスケット座が清潔であること
を確認してから実施してください)。プロセス接続にフランジが含まれない場合、
対象の接続にコンプレッションフィッティングを設置し、締め付けるか溶接して
ください。
2.
A0033275
フランジの各穴にボルトを挿入してナットで締め付けていきますが、まだ完全に
は締め付けないでください。
3.
A0033276
フランジの穴に最後のボルトを挿入したら、適切な工具を使用して対角線方式で
ボルトを締め付けます(張力制御)
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 取付け手順
Endress+Hauser 13
4.
A0033277
コンプレッションフィッティングに、必要なすべてのシーリング用金属ガスケッ
トが提供されているか確認します。
5. ノズルに機器を配置して、コンプレッションフィッティングにプローブを通しま
す。サーモウェルおよび強化ブッシングが変形しないように注意してください。
6.
A0033278
計測システムを強化スリーブに沿ってスライドさせ、プローブの挿入長を調整し
ます。
7.
1
A0033279
1
A0033280
計測システムが動かないよう保持しながらコンプレッションフィッティングを締
め付けます。強化ブッシング上でシールを確実に形成します。ゲージ(1)が隙間
に入らないようであれば、フィッティングの締付けは十分です。ゲージが隙間に
入る場合、さらに締め付ける必要があります。
8. 既設サーモウェルに設置する場合、機器全体の挿入作業を開始する前に、サーモ
ウェルの内部検査を行い、内部に障害物が存在するかどうかを確認することをお
勧めします。計測システムの設置時には摩擦の発生を防止し、特に火花が発生し
ないように注意してください。スペーサーや中心決め部品などのアクセサリが提
供されている場合、歪みが発生しないように注意し、本来のジオメトリや位置が
維持されることを確認します。
取付け手順 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
14 Endress+Hauser
9. 設置機器がプロセスと直接接触する場合、外部負荷が加わることによりプローブ
やシーリングの溶接部に変形や歪みが発生しないようにしてください。
10. 中継端子箱のケーブルグランドに延長(または補助)ケーブルを通してください
(提供されている場合)
11. 延長コンジットの敷設経路がすべて決定したら、コンジットをメインブッシング
および中継端子箱に完全に固定し、軸方向に動かないようにしてください。注意
コンジットを曲げる場合、最小半径は外径の 1.5 倍までとします。
12. ケーブルグランドを中継端子箱に締め付けます。
13. 補助ケーブルを中継端子箱の端子または伝送器に接続します。配線指示に従って
ください。ケーブルと接続先のコネクタのタグ番号が正しく対応していることを
確認してください。注意:電気接続は、正しい補助ケーブルで行う必要がありま
す。
注記
取付後、設置した温度計測システムについて簡単に確認してください。
ネジ込み接続の締まり具合を確認します。緩んでいる部品がある場合、適切なトル
クで締め付けます。
配線が正しいことを確認し、熱電対の導通試験を行い(可能な場合、熱電対の測定
点の温度を上げます)、短絡が発生しないことを確認します。
5.3 設置状況の確認
計測システムを設定する前に、以下の最終確認をすべて完了してください。
機器の状態と仕様
機器は損傷していないか?(外観検査) 
周囲条件が機器仕様に適合しているか?
例:
• 周囲温度範囲
• 適正条件
ネジ込み部品に変形がないか? 
ガスケットおよびシーリングコンポーネントに修復不能な変形がないか? 
設置
装置とノズル軸の配置が揃っているか? 
フランジのガスケット座が清潔であるか?(該当する場合) 
フランジとカウンタフランジが結合されているか?(該当する場合) 
プローブはまっすぐであり、ジオメトリが維持されているか? 
フレキシブルコンジットに破損やねじれはないか? 
ボルトが完全にフランジに挿入されているか?(該当する場合、フランジが完全にノズルに取
り付けられていることを確認します)
コンプレッションフィッティングに、すべてのシーリングコンポーネントが揃っているか? 
コンプレッションフィッティングは、強化スリーブに適切に締め付けられているか? 
ケーブルグランドが延長ケーブルで締め付けられているか?(該当する場合) 
延長ケーブルが中継端子箱の端子または伝送器に接続されているか?(該当する場合) 
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 配線
Endress+Hauser 15
6 配線
L注意
これに従わない場合、電子部品を破損する可能性があります。
電源のスイッチを切ってから機器を設置または接続してください。
防爆認定機器を危険場所に設置する場合、本取扱説明書に付加される各防爆資料の
指示と接続図に特に注意してください。不明な点がございましたら、お近くの当社
営業所もしくは販売代理店までお問い合わせください。
伝送器を配線する場合、同梱された伝送器の簡易取扱説明書の配線指示も遵守して
ください。
機器を配線するには、以下の手順を実行します。
1. 中継端子箱のハウジングカバーを開きます。
2. 中継端子箱の側面にあるケーブルグランドを開きます。→  11
3. ケーブルグランドの開口部にケーブルを通します。
4. 図 →  15 に従ってケーブルを接続します。
5. 配線が完了したら、ネジ端子をしっかりと締め付けます。再びケーブルグランド
をしっかりと締め付けます。その場合、特に →  18 に注意してください。ハウ
ジングカバーを再度閉じます。
6. 接続エラーを防止するために、配線状況の確認に記載されるヒントに注意してく
ださい。→  19
6.1 クイック配線ガイド
端子割当て
注記
静電気放電により電子部品が破損または故障する可能性があります。
端子を静電気放電から保護するための対策を講じてください。
不正確な測定値の取得を防止するには、熱電対および測温抵抗体センサの直接配線
用の延長または補助ケーブルを使用する必要があります。各端子台の極性および
配線図に従う必要があります。
フィールドバス接続ケーブルの計画および取付けについては、機器の製造者は責任
を負いません。したがって、製造者はアプリケーションに適さない材質の選択や不
適切な設置に起因する損害については、一切責任を負わないものとします。
配線 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
16 Endress+Hauser
-
+
+
1
-
2
7
6
5
1
2
7
6
5
4
3
2 1 3
4
A0033075
 2 2 センサ入力のヘッド組込型伝送器(TMT8x)の配線図
1 センサ入力 1
2 センサ入力 2
3 バス接続および供給電圧
4 ディスプレイ接続
-
+
+
-
1+
2-
6
5
4
3
1
2
3
A0045353
 3 1 センサ入力のヘッド組込型伝送器(TMT7x)の配線図
1 センサ入力
2 バス接続および供給電圧
3 ディスプレイ接続と CDI インタフェース
熱電対のケーブルカラー
IEC 60584 に準拠 ASTM E230 に準拠
タイプ E:薄紫(+)、白(-)
タイプ J:黒(+)、白(-)
タイプ K:緑(+)、白(-)
タイプ N:ピンク(+)、白(-)
タイプ E:紫(+)、赤(-)
タイプ J:白(+)、赤(-)
タイプ K:黄(+)、赤(-)
タイプ N:オレンジ(+)、赤(-)
6.2 センサケーブルの接続
各センサには個別のタグ番号が付加されています。既定の設定では、設置される伝
送器または端子にすべてのケーブルが接続されます(該当する場合)
配線は番号順に実行されます。つまり、番号 1 の伝送器の入力チャンネルは、測定イ
ンサートの番号 1 の配線から順番に接続されます。番号 1 の伝送器のすべてのチャン
ネルが接続されるまで、番号 2 の伝送器は使用されません。各測定インサートの配線
には 1 から連番が付加されています。ダブルセンサを使用する場合、2 台のセンサを識
別するための接尾文字が内部のマークに付加されます。たとえば、ダブルセンサの場
合、同じ測定インサートや測定点(1 番)に対して、1A と 1B などのマークが付加され
ます。
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 配線
Endress+Hauser 17
+
+
-
-
+
+
-
-
+
+
-
-
+
+
-
-
1B
1B
1A
1A
A0033288
 4 端子台での直接配線。内部センサの配線例:2 x TC センサ、測定インサート番号 1
+
1
-
2
7
6
5
4
3
+
1
-
2
7
6
5
4
3
+
1
-
2
7
6
5
4
3
+
1
-
2
7
6
5
4
3
1B
1A
1A
1B
A0033289
 5 取付けおよび配線済みのヘッド組込型伝送器。内部センサの配線例:2 x TC
センサタイプ 伝送器タイプ 配線ルール
1 x TC 1 センサ入力(1 チャンネル)
2 センサ入力(2 チャンネル)
測定インサート 1 つに対して 1 x ヘッド組込型伝送器
測定インサート 2 つに対して 1 x ヘッド組込型伝送器
2 x TC 1 センサ入力(1 チャンネル)
2 センサ入力(2 チャンネル)
• なし
測定インサート 1 つに対して 1 x ヘッド組込型伝送器
6.3 電源および信号ケーブルの接続
ケーブル仕様
• フィールドバス通信には、シールドケーブルの使用をお勧めします。プラントの接地
コンセプトを考慮する必要があります。
信号ケーブル接続用の端子(1+ および 2-)は、逆接に対して保護されています。
• 導体断面積:
最大 2.5 mm2 (14 AWG):ネジ端子
最大 1.5 mm2 (16 AWG):スプリング端子
必ず一般的な手順 →  15 に従ってください。
配線 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
18 Endress+Hauser
+
1
-
2
7
6
5
4
3
+
1
-
2
7
6
5
4
3
1
2
3
4
A0033290
 6 設置済み伝送器への信号ケーブルと電源の接続
1 外部の接地端子
2 信号ケーブルおよび電源用端子
3 内部の接地端子
4 シールド信号ケーブル(フィールドバス通信の場合に推奨)
6.4 シールドおよび接地
伝送器の配線に関する特定の静電シールドおよび接地については、設置した伝送器
の取扱説明書を参照してください。
危険場所のアプリケーションのシールドおよび接地については、ATEX の安全上の
注意事項(XA01647T)を参照してください。
設置においては、該当する各国の設置法規およびガイドラインを遵守してください。各
接地点の電位差が大きい場合は、シールドの 1 点のみを基準接地点に接続してくださ
い。電位平衡のないシステムの場合は、フィールドバスシステムのケーブルシールドを
電源ユニットまたは安全バリアなどに一端だけを接地してください。
注記
電位平衡のないシステムにおいてケーブルシールドが複数個所で接地されていると、
源周波数に応じた均等化電流が生じ、信号ケーブルの損傷または信号伝送に重大な影響
を及ぼすことがあります。
このような場合は、信号ケーブルシールドを一端だけ接地し、ハウジング(センサ
ヘッド、フィールドハウジング)の接地端子には接続しないでください。接続され
ていないシールドは絶縁する必要があります!
6.5 保護等級の保証
保護等級の要件を満たすには、以下の点を考慮する必要があります。→  7,  19
• ハウジングシールを交換する前に、シールが清潔で破損がないことを確認する必要が
あります。乾燥がひどい場合は、洗浄または交換してください。
• ハウジングのネジとカバーをすべて締め付ける必要があります。
• 接続に使用するケーブルおよびコンジットについては、適正な規定の外径を選択する
必要があります(例:M20 x 1.5、ケーブル径:0.315~0.47 in(8~12 mm)
• ケーブルグランドを締め付けてください。
• 提供されたクリップでアダプタを固定してください。
• ケーブルまたはコンジットを接続口に挿入する前に、下方向にたるませてください
「ウォーターサック」。これにより、発生する可能性のある水分がグランドに入らな
いようになります。ケーブルまたはコンジットの接続口が上を向かないように機器
を設置してください。
• 未使用の接続口は付属のブランキングプレートを使用して封鎖する必要があります。
iTHERM TMS21 MultiSens Slim 設定
Endress+Hauser 19
A0011260
 7 保護等級を維持するための接続に関するヒント
6.6 配線状況の確認
機器は損傷していないか?(内部装置の検査)? 
電気接続
供給電圧が銘板の仕様と一致しているか? 
ケーブルの取付けには余裕があるか(必要以上の張力が加えられていないか)? 
電源ケーブルおよび信号ケーブルが正確に接続されているか?→  15
すべてのネジ端子がしっかりと締め付けられており、スプリング端子の接続が確認されている
か?
すべてのケーブルグランドが取り付けられ、しっかりと固定され、密閉されているか? 
すべてのハウジングカバーが取り付けられ、しっかりと締められているか? 
端子とケーブルのマークが対応しているか? 
熱電対の導通が検証されているか? 
7 設定
7.1 前書き
機器の機能を保証するための Endress+Hauser 製機器の標準/拡張/上級設定ガイドライ
ンは、以下に基づきます。
Endress+Hauser 製の取扱説明書
• ユーザーの設定仕様
• アプリケーション条件(プロセス条件下で該当する場合)
事業者とプロセス担当者はともに設定作業の実施通知を受けた上で、以下の作業を実施
する必要があります。
• プロセスに接続されているセンサを取り外す場合、事前に測定対象である化学製品ま
たは流体を特定します(安全データシートに従います)(該当する場合)
• 温度および圧力条件を把握します。
• 安全性が確認できるまで、プロセスフィッティングを開いたり、フランジボルトを緩
めたりしないでください。
• 入力/出力の接続解除時または信号のシミュレーション時にはプロセスに乱れが生じ
ないようにしてください。
• 工具、装置、ユーザープロセスが二次汚染から確実に保護されていることを確認しま
す。必要な洗浄工程を検討して計画します。
• 設定作業に化学製品(例:標準動作用の試薬、洗浄剤)が必要な場合は、必ず安全規
則を順守してください。
設定 iTHERM TMS21 MultiSens Slim
20 Endress+Hauser
7.1.1 参照資料
Endress+Hauser の安全衛生に関する標準操作手順書(資料番号:BP01039H)
• 設定作業用の関連ツールおよび装置の操作マニュアル。
関連する Endress+Hauser のサービス資料(操作マニュアル、作業指示書、サービス
情報、サービスマニュアルなど)
• 品質に関連する装置の校正証明書(取得可能な場合)
• 安全データシート(該当する場合)
• ユーザー固有の資料(安全上の注意事項、設定点など)
7.1.2 ツールおよび装置
上記の作業リストから必要に応じてマルチメータおよび機器に関する設定ツールを使
用します。
7.2 機能チェック
機器の設定前に最終確認をすべて完了してください。
「設置状況の確認」チェックリスト →  14
「配線状況の確認」チェックリスト →  19
設定区分(標準、拡張、上級)に応じて設定を行う必要があります。
7.2.1 標準設定
機器の目視点検
1. 機器の輸送/出荷時または取付/配線時に発生した可能性のある損傷の有無を確認
する
2. 取扱説明書に従って設置が完了していることを確認する
3. 取扱説明書および現地の法規に従って配線(接地など)が完了していることを確
認する
4. 機器の防塵性/防水性を確認する
5. 安全対策( 放射線測定など)を確認する
6. 機器の電源を投入する
7. アラームリストを確認する(該当する場合)
環境条件
1. 環境条件が機器に適していることを確認する:周囲温度、湿度(保護等級 IPxx)
振動、危険場所(防爆、粉塵防爆)、RFI/EMC、日除けなど
2. 利用およびメンテナンス時の機器へのアクセスを確認する
設定パラメータ
取扱説明書に従って、ユーザー指定パラメータまたは構成仕様パラメータを機器に
設定する
出力信号値の確認
現場表示器および機器の出力信号がユーザーの表示器と一致していることを確認す
7.2.2 拡張設定
標準設定の手順に加え、以下を完了する必要があります。
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Endres+Hauser BA iTHERM TMS21 MultiSens Slim 取扱説明書

タイプ
取扱説明書