Endres+Hauser iTHERM TrustSens TM372 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
Products Solutions Services
取扱説明書
iTHERM TrustSens TM372
自己校正機能付き一体型温度計(米国仕様)
HART 通信
BA02224T/33/JA/02.22-00
71610326
2022-10-31
バージョン
01.00(機器バージョン)
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 目次
Endress+Hauser 3
目次
1 本説明書について .................. 4
1.1 本文の目的 ........................... 4
1.2 シンボル ............................. 4
1.3 関連資料 ............................. 5
2 安全上の基本注意事項 .............. 7
2.1 要員の要件 ........................... 7
2.2 用途 ................................ 7
2.3 操作上の安全性 ....................... 7
2.4 製品の安全性 ......................... 7
2.5 IT セキュリティ ....................... 8
3 納品内容確認および製品識別表示 .... 9
3.1 納品内容確認 ......................... 9
3.2 製品識別表示 ......................... 9
3.3 保管および輸送 ...................... 10
4 取付け ............................ 11
4.1 取付要件 ............................ 11
4.2 機器の取付け ........................ 11
4.3 設置状況の確認 ...................... 13
5 電気接続 .......................... 14
5.1 接続要件 ............................ 14
5.2 機器の接続 .......................... 14
5.3 保護等級の保証 ...................... 14
5.4 配線状況の確認 ...................... 15
6 操作性 ............................ 15
6.1 操作オプションの概要 ................. 15
6.2 操作メニューの構成と機能 .............. 16
6.3 操作ツールによる操作メニューへのアク
セス ............................... 17
7 システム統合 ..................... 21
7.1 DD ファイルの概要 .................... 21
7.2 HART プロトコル経由の測定変数 ......... 21
7.3 サポートされる HART® コマンド ......... 22
8 設定 .............................. 24
8.1 機能チェック ........................ 24
8.2 機器の電源投入 ...................... 24
8.3 機器の設定 .......................... 24
8.4 校正レポートの作成 ................... 26
8.5 不正アクセスからの設定の保護 .......... 28
8.6 高度な設定 .......................... 29
9 診断およびトラブルシューティン
................................ 36
9.1 トラブルシューティング ............... 36
9.2 LED の診断情報 ...................... 36
9.3 診断情報 ............................ 37
9.4 診断イベントの概要 ................... 38
9.5 診断リスト .......................... 40
9.6 イベントログブック ................... 40
9.7 ファームウェアの履歴 ................. 40
10 メンテナンス ..................... 41
10.1 洗浄 ............................... 41
11 修理 .............................. 42
11.1 スペアパーツ ........................ 42
11.2 返却 ............................... 42
11.3 廃棄 ............................... 42
12 アクセサリ ........................ 43
12.1 機器固有のアクセサリ ................. 43
12.2 通信関連のアクセサリ ................. 45
12.3 サービス関連のアクセサリ .............. 46
12.4 システムコンポーネント ............... 47
13 技術データ ........................ 47
13.1 入力 ............................... 47
13.2 出力 ............................... 47
13.3 配線 ............................... 48
13.4 性能特性 ............................ 49
13.5 環境 ............................... 53
13.6 構造 ............................... 54
13.7 認証と認定 .......................... 64
14 操作メニューとパラメータの説明 .. 66
14.1 Setup(設定)メニュー ................ 70
14.2 Calibration(校正)メニュー ............ 71
14.3 Diagnostics(診断)メニュー ............ 75
14.4 Expert(エキスパート)メニュー ........ 85
本説明書について iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
4 Endress+Hauser
1 本説明書について
1.1 本文の目的
本取扱説明書には、機器のライフサイクルの各段階(製品識別表示、納品内容確認、
管、設置、接続、操作、設定からトラブルシューティング、メンテナンス、廃棄まで)
において必要とされるあらゆる情報が記載されています。
1.2 シンボル
1.2.1 安全シンボル
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、死亡、重傷、爆発などの重大事故が発生する可能性があります。
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、死亡、重傷、爆発などの重大事故が発生する可能性があります。
!"
このシンボルは危険な状況に対する警告を表します。この表示を無視して適切な対処
を怠った場合、軽傷または中程度の傷害事故が発生する可能性があります。
!"
人身傷害につながらない、手順やその他の事象に関する情報を示すシンボルです。
1.2.2 電気シンボル
シンボル 意味
直流
交流
直流および交流
接地接続
オペレータを保護するために、接地システムを使用して接地された接地端子
電位平衡接続(PE:保護接地)
その他の接続を行う前に接地端子の接地接続が必要です。
接地端子は機器の内側と外側にあります。
• 内側の接地端子:電位平衡を電源ネットワークに接続します。
• 外側の接地端子:機器とプラントの接地システムを接続します。
1.2.3 特定情報に関するシンボル
シンボル 意味
許可
許可された手順、プロセス、動作
推奨
推奨の手順、プロセス、動作
禁止
禁止された手順、プロセス、動作
ヒント
追加情報を示します。
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 本説明書について
Endress+Hauser 5
シンボル 意味
資料参照
A
ページ参照
図参照
注意すべき注記または個々のステップ
1.
,
2.
,
3.
… 一連のステップ
操作・設定の結果
問題が発生した場合のヘルプ
目視確認
1.2.4 工具シンボル
シンボル 意味
A0011222
スパナ
1.3 関連資料
関連する技術資料の概要については、以下を参照してください。
• デバイスビューワー(www.endress.com/deviceviewer:銘板のシリアル番号を
入力します。
Endress+Hauser Operations アプリ:銘板のシリアル番号を入力するか、銘板の
マトリクスコードをスキャンしてください。
1.3.1 資料の機能
ご注文のバージョンに応じて、以下の資料が提供されます。
資料の種類 資料の目的および内容
技術仕様書(TI) 機器の計画支援
本資料には、機器に関するすべての技術データが記載されており、本
機器用に注文可能なアクセサリやその他の製品の概要が示されていま
す。
簡易取扱説明書(KA) 初回の測定を迅速に開始するための手引き
簡易取扱説明書には、納品内容確認から初回の設定までに必要なすべ
ての情報が記載されています。
取扱説明書(BA) 参考資料
取扱説明書には、機器ライフサイクルの各種段階(製品の識別、納品
内容確認、保管、取付け、接続、操作、設定からトラブルシューティ
ング、メンテナンス、廃棄まで)において必要とされるあらゆる情報
が記載されています。
機能説明書(GP) 使用するパラメータの参考資料
本資料には、個々のパラメータの詳しい説明が記載されています。本
説明書は、全ライフサイクルにわたって本機器を使用し、特定の設定
を行う人のために用意されたものです。
本説明書について iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
6 Endress+Hauser
資料の種類 資料の目的および内容
安全上の注意事項(XA) 各種認定に応じて、危険場所での電気機器の安全上の注意事項も機器
に付属します。安全上の注意事項は取扱説明書の付随資料です。
機器に関する安全上の注意事項(XA)の情報が銘板に明記されて
います。
機器固有の補足資料(SD/FY) 関連する補足資料に記載される指示を常に厳守してください。補足資
料は、機器資料に付随するものです。
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 安全上の基本注意事項
Endress+Hauser 7
2 安全上の基本注意事項
2.1 要員の要件
設置、設定、診断、およびメンテナンスを実施する要員は、以下の要件を満たさなけれ
ばなりません。
訓練を受けて、当該任務および作業に関する資格を取得した専門作業員であること。
施設責任者の許可を得ていること。
各地域/各国の法規を熟知していること。
作業を開始する前に、取扱説明書、補足資料、ならびに証明書(用途に応じて異な
ります)の説明を読み、内容を理解しておくこと。
指示に従い、基本条件を遵守すること。
オペレータ要員は、以下の要件を満たさなければなりません。
施設責任者からその作業に必要な訓練および許可を得ていること。
本資料の説明に従うこと。
2.2 用途
• 本機器は、サニタリ仕様の一体型温度計であり、自動的に実行される自己校正機能を
備えます。工業用温度測定における温度入力信号の取得/変換に使用します。
• 不適切な、あるいは指定用途以外での使用に起因する損傷については、製造者は責任
を負いません。
2.3 操作上の安全性
注記
操作上の安全性
本機器は、適切な技術条件およびフェールセーフ条件下でのみ操作してください。
事業責任者には、機器を支障なく操作できるようにする責任があります。
機器の改造
機器に対して無断で変更を加えることは、予期せぬ危険な状況を生む可能性があるため
禁止されています。
変更が必要な場合は、弊社営業所もしくは販売代理店にお問い合わせください。
修理
設計上の理由により、本機器は修理できません。
ただし、調査のために機器を返送することは可能です。
持続的な操作上の安全性と信頼性を確保するため、Endress+Hauser 純正スペアパー
ツおよびアクセサリのみを使用してください。
2.4 製品の安全性
本機器は、最新の安全要件に適合するように GEP(Good Engineering Practice)に従っ
て設計され、テストされて安全に操作できる状態で工場から出荷されます。
本機器は一般的な安全基準および法的要件を満たします。また、機器固有の EU 適合宣
言に明記された EU 指令にも準拠します。Endress+Hauser は機器に CE マークを添付
することにより、機器の適合性を保証します。
安全上の基本注意事項 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
8 Endress+Hauser
2.5 IT セキュリティ
取扱説明書の指示に従って製品を設置および使用した場合にのみ、当社の保証は有効で
す。本製品には、設定が不注意で変更されないよう、保護するためのセキュリティ機構
が備えられています。
製品および関連するデータ伝送の追加的な保護を提供する IT セキュリティ対策を、事
業者自身が自社の安全基準に従って講じる必要があります。
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 納品内容確認および製品識別表示
Endress+Hauser 9
3 納品内容確認および製品識別表示
3.1 納品内容確認
機器の受領後、すみやかに以下の手順に従ってご確認ください。
1. 梱包と機器に損傷がないか確認してください。
2. 損傷が見つかった場合:
すぐに製造者にすべての損傷を報告してください。
3. 損傷した部品や機器を設置しないでください。設置した場合、製造者は材質の耐
性や本来の安全要件の遵守を保証できず、それにより生じるいかなる結果に対し
ても責任を負わないものとします。
4. 納入範囲を発注内容と照合してください。
5. 輸送用のすべての梱包材を取り外してください。
6. 銘板のデータと発送書類に記載された注文情報が一致していますか?
7. 技術仕様書やその他の必要な関連資料(証明書など)がすべて添付されています
か?
1 つでも条件が満たされていない場合は、弊社営業所もしくは販売代理店にお問い
合わせください。
3.2 製品識別表示
機器を識別するには、以下の方法があります。
• 銘板の仕様
• 銘板に記載されたシリアル番号をデバイスビューワー
www.endress.com/deviceviewer)に入力します。機器に関係するすべてのデータお
よび機器に添付される技術資料の一覧が表示されます。
3.2.1 銘板
正しい機器ですか?
機器の銘板に記載されたデータと測定点の要件を比較して確認します。
1
6
2
3
4
5
Made in Germany 2022
D-87484 Nesselwang
A0033853
 1 一体型温度計の銘板(例)
1 オーダーコード、シリアル番号
2 電源電圧および消費電流
3 デバイスリビジョンおよびファームウ
ェアバージョン
4 周囲温度
5 認定(シンボル付き)
6 機器タグ番号
3.2.2 製造者名および所在地
製造者名: Endress+Hauser Wetzer GmbH + Co. KG
製造者の住所: Obere Wank 1, D-87484 Nesselwang または www.endress.com
納品内容確認および製品識別表示 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
10 Endress+Hauser
3.2.3 認証と認定
本機器に有効な認証と認定:銘板のデータを参照してください。
認証関連のデータおよびドキュメントwww.endress.com/deviceviewer(シリア
ル番号を入力)
サニタリ基準
EHEDG 認証、タイプ EL - CLASS I。EHEDG 認証/試験済みプロセス接続 →  59
3-A 認定番号 1144、3-A サニタリ規格 74-07。プロセス接続のリスト →  59
ASME BPE、適合証明をご注文可能(該当オプションが提示された場合)
FDA 準拠
• 接液部表面には動物由来成分が一切使用されておらず(ADI/TSE)、牛/動物由来の原
料は含まれていません。
食品/製品に接触する材質(FCM)
食品/製品に接触する温度計の材質(FCM)は、以下の欧州規定に準拠しています。
(EC)No. 1935/2004、Article 3、paragraph 1、Articles 5 および 17(素材および製
品が食品と接触する場合の規定)
(EC)No. 2023/2006(素材および製品が食品と接触する場合の製造適正規範(GMP)
に関する規定)
(EU)No. 10/2011(プラスチックの素材および製品が食品と接触する場合の規定)
3.3 保管および輸送
保管温度:–40~+85 °C (–40~+185 °F)
機器を保管および輸送する場合、機器が衝撃や外部の影響から確実に保護されるよ
うに梱包してください。納入時の梱包材を使用すると、最適な保護効果が得られま
す。
保管および輸送中は、以下に示す環境の影響を回避してください。
• 直射日光
• 振動
• 腐食性の測定物
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 取付け
Endress+Hauser 11
4 取付け
4.1 取付要件
定められた使用法を守るために取付位置に必要となる条件(周囲温度、保護等級、
気候クラス、機器寸法など)については、「技術データ」セクション(→  47)
を参照してください。
温度計の挿入長は精度に影響する場合があります。挿入長が短すぎると、プロセス接続
部からの熱伝導による測定誤差が生じます。配管内に設置する場合、挿入長は配管直径
の半分の長さにすることをお勧めします。→  11
• 取付け可能な場所:配管、タンク、他のプラント部品
• 取付方向制約はありません。ただし、プロセスの自己排出処理を確保する必要があ
ります。プロセス接続で漏れを検出するための開口部がある場合、この開口部は可能
な限り低い位置に配置する必要があります。
4.2 機器の取付け
既存の保護管内の取付けに必要な工具:スパナまたはソケットレンチ SW/AF 32
SW/AF 32
12
3
A0048874
 2 一体型温度計の取付け手順
1 iTHERM QuickNeck 接続を iTHERM QuickNeck 接続部付の既存の保護管に取付け(工具不要)
2 M24、G3/8" ネジ用の既存の保護管に取り付けるための六角ヘッド SW/AF 32
3 保護管
取付け iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
12 Endress+Hauser
A0031007
 3 可能なプロセス取付位置
1, 2 流れ方向に垂直に取付け:自然に排水されるように、最小 3°の勾配で取付ける
3 エルボ部分への取付け
4 呼び口径の小さい配管への斜めの取付け
U 挿入長
EHEDG および 3-A サニタリ規格の要件に準拠する必要があります。
設置方法 EHEDG/洗浄性:Lt ≤  (Dt-dt)
設置方法 3-A/洗浄性:Lt ≤ 2(Dt-dt)
呼び口径が小さい配管の場合、温度計先端がプロセス内に十分届き、配管中心軸を越え
るようにしてください。角度付きの設置(4)も方法の 1 つです。挿入長または取付深
さを決定する場合は、温度計の全パラメータおよび対象の測定物を考慮してください
(流速、プロセス圧力など)
機器と保護管を接続する場合は、六角スパナをハウジング下部と水平に回してくだ
さい。
1
A0048432
 4 呼び口径の小さい配管での温度計取付け用のプロセス接続
1 DIN 11865 / ASME BPE 2012 準拠の溶接用エルボサーモウェル
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 取付け
Endress+Hauser 13
ABC
9
1
4
2
5
3
8
6
7
A0046716
 5 サニタリ準拠の詳細な設置方法(ご注文のバージョンに応じて異なる)
A VARINLINE ハウジング用のバリベントプロセス接続
1 バリベント接続付きセンサ
2 対応接続
3 O リング
B ISO 2852 準拠クランプ
4 成形シール
5 対応接続
C プロセス接続 Liquiphant-M G1"、水平設置
6 溶接アダプタ
7 タンク壁
8 O リング
9 スラストカラー
注記
シーリングリング(O リング)またはシール表面の破損時には、以下の対処を行ってく
ださい。
温度計を取り外します。
ネジと O リングの接続部/シール表面を洗浄します。
シーリングリングまたはシールを交換します。
取付け後に CIP を実施する必要があります。
プロセス接続、シールまたはシーリングリングに対応する部品は本製品には含まれませ
ん。関連するシールキット付きの Liquiphant M 溶接アダプタは、アクセサリとして別
途購入可能です。→  43
溶接接続の場合、プロセスへの溶接を行うときに以下の点に注意してください。
1. 適切な溶接材料を使用する。
2. フラッシュ溶接または溶接半径 ≥ 3.2 mm (0.13 in) で溶接する。
3. 割れ目、折り目、隙間などがない。
4. 表面を研磨する(Ra ≤ 0.76 µm (30 µin))
1. 温度計は洗浄能力に影響しないように設置してください(3-A サニタリ標準の要
件を遵守すること)
2. バリベント® と Liquiphant-M 溶接アダプタおよびインゴールド(+ 溶接アダプタ)
接続では、フラッシュマウント型の設置が可能です。
4.3 設置状況の確認
 機器は損傷していないか?(外観検査)
 機器が適切に固定されているか?
機器が周囲温度などの測定点仕様に準拠しているか?→  47
電気接続 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
14 Endress+Hauser
5 電気接続
5.1 接続要件
3-A サニタリ規格および EHEDG に従い、電気接続ケーブルは洗浄が容易な滑らか
で耐腐食性のものを使用する必要があります。
5.2 機器の接続
注記
機器損傷の防止
機器電子部のあらゆる損傷を防ぐため、ピン 2 と 4 は未接続のままにしてください。
このピンは設定ケーブルを接続するために確保されています。
機器の損傷を防ぐため、M12 プラグを締め付けすぎないでください。
M12x1
1
12...30 VDC
(4...20 mA)
3
0 V
(4...20 mA)
4
2
AB
1 (BN) +
2 (WH) nc
3 (BU) -
4 (BK) nc
1.
2.
A0028623
 6 ケーブルプラグ M12x1 および機器の接続ソケットのピン配列
電源電圧が正しく接続され、機器が操作可能になると LED が緑色で点灯します。
5.3 保護等級の保証
M12x1 ケーブルプラグを締め付けた場合に、指定された保護等級が保証されます。
IP69 保護等級を達成するために、ストレートプラグまたはエルボプラグ付きの適切な
ケーブルセットがアクセサリとして用意されています。
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 操作性
Endress+Hauser 15
5.4 配線状況の確認
 機器またはケーブルは損傷していないか?(外観検査)
 ケーブルに適切なストレインリリーフがあるか?
 供給電圧が銘板の仕様と一致しているか?
6 操作性
6.1 操作オプションの概要
2 3
14 5
A0031089
 7 機器の操作オプション
1 iTHERM 一体型温度計(HART 通信プロトコル対応)
2 RIA15 ループ電源式プロセス表示器 - 電流ループに組み込み、測定信号または HART プロセス変数をデ
ジタル形式で表示します。プロセス表示器には外部電源は不要です。電源は電流ループから直接供給
されます。
3 アクティブバリア RN42 – アクティブバリアは、4~20 mA/HART 信号の伝送/電気的絶縁および伝送器
へのループ電源供給のために使用します。汎用電源は入力電圧 DC/AC 19.20~253 V、50/60 Hz で動作
するため、各国のあらゆる配電網で使用できます。
4 Commubox FXA195 - FieldCare を使用して USB インターフェース経由で本質安全 HART 通信を行いま
す。
5 FieldCare - Endress+Hauser が提供する FDT ベースのプラントアセットマネジメントツールです。詳細
については、「アクセサリ」セクションを参照してください。取得した自己校正データは機器(1)に保
存され、FieldCare を使用してこのデータを読み取ることができます。また、監査用の校正証明書を作成
して印刷することもできます。
操作性 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
16 Endress+Hauser
6.2 操作メニューの構成と機能
6.2.1 操作メニューの構成
...
Expert
System
Communication
Operating menu for experts
Setup Device tag
Diagnostics
Operating menu for operators and maintenances
Maintenance
Expert
Output
Unit
4 mA value
20 mA value
Actual diagnostics
Operating time
Diagnostic list
Actual diagnostics count
Enter access code
Unit
4 mA value
HART configuration
HART info
HART output
Device type
Assigncurrentoutput(PV)
Event logbook
Device information
Simulation
Previous diagnostics 1
Device tag
Min/max values
Sensor value
Measured values
Sensor min v.
Device tag
Define software write protection code
Administration
Operation
Previous diagnostics 1
Loop check configuration Loop check config.
Failure mode
Calibration
Number of self calibrations
Deviation
Limits
Interval monitoring
Self calibration monitoring
Stored self calibration points
Adjustment
Calibration report
...
Diagnostic simulation
Diagnostic settings
Access status tooling
Locking status
Lower warning value
Diagnostic behavior
Heartbeat
Heartbeat verification
General
Additional
functions
Compare Datasets
Save/Restore
About
A0048654
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 操作性
Endress+Hauser 17
サブメニューおよびユーザーの役割
メニューの特定の要素は、特定のユーザー職務に割り当てられています。各ユーザー職
務は、機器ライフサイクル内の標準的な作業に対応します。
ユーザーの役
代表的なタスク メニュー 内容/意味
メンテナンス
オペレータ
設定:
• 測定の設定
• データ処理の設定(測定範囲など)
測定値の読み取り
校正:
• 警告およびアラームリミット値、間隔監視の設定
• 校正レポートの設定および作成(ウィザード)
「Setup」(設定)
「Calibration」(校
正)
設定および校正に関するすべてのパラメータが含ま
れます。
設定パラメータ
これらのパラメータを設定した場合、通常は測定の
設定を完了させる必要があります。
校正パラメータ
校正レポートの作成ウィザードを含め、自己校正に
関するすべての情報およびパラメータが含まれま
す。このウィザードは、オンラインパラメータ設定
で使用できます。
エラー解除:
• 診断およびプロセスエラーの解除
• 機器エラーメッセージの解釈および関連するエラ
ーの修正
「Diagnostics」(診
断)
エラーの検出および分析に関するすべてのパラメー
タが含まれます。
Diagnostic list(診断リスト)
現在未処理の診断メッセージが最大 3 件含まれま
す。
Event logbook(イベントログブック)
(未処理ではなくなった)直前の診断メッセージが
5 件含まれます。
「Device information」(機器情報)サブメニュー
機器識別用の情報が含まれます。
「Measured values」(測定値)サブメニュー
現在のすべての測定値が含まれます。
「Simulation」(シミュレーション)サブメニュー
測定値または出力値のシミュレーションに使用
Diagnostic settings(診断設定)
NE107 に準拠した診断時の動作およびステータス
信号の設定
Heartbeat:
Heartbeat レポート(ウィザード)
「Heartbeat」 校正レポート作成用のウィザードが含まれます。こ
のウィザードは、オンラインパラメータ設定で使用で
きます。
エキスパート 機器の機能に関してより詳細な知識が要求される作
業:
• 難しい条件下における測定の設定
• 難しい条件に対する測定の最適な適合
• 通信インターフェースの詳細設定
• 難しいケースにおけるエラー診断
「Expert」(エキス
パート)
機器のすべてのパラメータが含まれます(上記メニュ
ーのいずれかに、すでに含まれているパラメータを含
む)。メニュー構造は機器の機能ブロックに基づいて
います。
「System」(システム)サブメニュー
測定または測定値の通信に関係しない、高次の機器
パラメータがすべて含まれます。
「Output」(出力)サブメニュー
アナログ電流出力およびループチェックの設定用
パラメータがすべて含まれます。
「Communication」(通信)サブメニュー
デジタル通信インターフェースの設定用パラメー
タがすべて含まれます。
6.3 操作ツールによる操作メニューへのアクセス
6.3.1 FieldCare
機能範囲
Endress+Hauser の FDT/DTM ベースのプラントアセットマネジメントツールです。シ
ステム内のすべてのスマートフィールド機器を設定できるため、管理作業に役立ちま
す。ステータス情報を使用することにより、各機器のステータスと状態を容易かつ効果
的にチェックできます。アクセスには、HART プロトコルまたは CDI(= Endress+Hauser
Common Data Interface)が使用されます。
操作性 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
18 Endress+Hauser
標準機能:
• 機器のパラメータ設定
• 機器データの読み込み/保存(アップロード/ダウンロード)
• 測定点のドキュメント作成
iTHERM TrustSens 温度計では、自動的に作成される自己校正レポートに FieldCare
から簡単にアクセスすることができます。
詳細については、取扱説明書(BA00027S および BA00065S)を参照してくださ
い。これらは www.endress.com のダウンロードエリアから入手できます。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
接続の確立
例:HART モデム Commubox FXA191(RS232)または FXA195(USB)経由
1. 接続機器の DTM ライブラリをすべて更新します(例FXA19x、iTHERM TrustSens
TM371)
2. FieldCare を起動してプロジェクトを作成します。
3. View(表示)--> Network(ネットワーク)に移動し、Host PC(ホスト PC)を右
クリックして Add Device...(機器の追加...)を選択します。
Add New Device(新しい機器の追加)ウィンドウが開きます。
4. リストから HART Communication(HART 通信)オプションを選択し、OK をクリ
ックして確定します。
5. HART Communication(HART 通信)DTM インスタンスをダブルクリックします。
 適切なモデムのシリアルインターフェースを確認し、OK をクリックして確定
します。
6. HART Communication(HART 通信)を右クリックして、コンテキストメニューか
Add Device...(機器の追加...)オプションを選択します。
7. リストから目的の機器を選択し、OK を押して確定します。
 機器がネットワークリストに表示されます。
8. この機器を右クリックしてコンテキストメニューから Connect(接続)オプショ
ンを選択します。
CommDTM が緑色で表示されます。
9. ネットワークリスト内の機器をダブルクリックして、機器とのオンライン接続を
確立します。
 オンラインパラメータ設定が可能になります。
iTHERM TrustSens TM372 HART 通信 操作性
Endress+Hauser 19
ユーザーインターフェース
13
2
6
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A0048541
 8 機器情報のユーザーインターフェース(HART® 通信経由)
1 機器のタグおよび機器名称
2 ステータス信号のステータスエリア
3 全般的な機器情報に関する測定値:PV、出力電流、範囲率
4 ヘルプエリア/追加情報
5 表示/入力エリア
6 ナビゲーションエリアと操作メニュー構成
6.3.2 DeviceCare
機能範囲
DeviceCare は Endress+Hauser 機器に対応した無償の設定ツールです。適切な機器ド
ライバ(DTM)をインストールし、対応するプロトコル(HART、PROFIBUS、Foundation
フィールドバス、Ethernet/IP、Modbus、CDI、ISS、IPC、PCP)を使用する場合、その
機器をサポートします。ツールの対象ユーザーは、プラントおよびワークショップでデ
ジタルネットワークを利用しないお客様および Endress+Hauser サービス担当技術者
です。機器は、モデム経由で直接接続するか(ポイントツーポイント接続)、またはバ
スシステム経由で接続できます。DeviceCare は高速で操作性に優れ、直感的に使用する
ことができます。Windows OS を搭載した PC、ノートパソコン、タブレットで使用で
きます。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
6.3.3 Field Xpert
機能範囲
Field Xpert はタッチスクリーン搭載の工業用 PDA(Personal Digital Assistant)であり、
危険場所および非危険場所でのフィールド機器の設定とメンテナンスに使用できます。
Foundation フィールドバス、HART、および WirelessHART 機器を効率的に設定できま
す。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
操作性 iTHERM TrustSens TM372 HART 通信
20 Endress+Hauser
6.3.4 AMS Device Manager
機能範囲
HART プロトコルを介した機器の操作および設定用のエマソンプロセスマネジメン
ト社製プログラムです。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
6.3.5 SIMATIC PDM
機能範囲
SIMATIC PDM は、シーメンス社製の標準化されたメーカー非依存型プログラムであり、
HART プロトコルを介してインテリジェントフィールド機器の操作、設定、メンテナン
ス、診断を行うことができます。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
6.3.6 Field Communicator 375/475
機能範囲
エマソンプロセスマネジメント社製の工業用ハンドヘルドターミナルであり、HART
プロトコルを使用してリモート設定および測定値表示を行うことができます。
デバイス記述ファイルの入手先
データを参照 →  21
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Endres+Hauser iTHERM TrustSens TM372 取扱説明書

タイプ
取扱説明書