Rauch MDS 8.2 / 14.2 / 18.2 / 20.2 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
取扱説明書
本機を使用する前に本
書をよくお読みくださ
い!
今後の使用のため大切に
保管してください!
この取扱説明書は機械の一部ととらえてくだ
さい。機械の新品や中古品の提供者は、取
扱説明書が機械に添付されていることを書
面で表示する義務を負います。
5902961-b-ja-1122
インストラクション原文
はじめに
お客様各位、
のたびは当社の肥料散布機 MDS シリーズをお選びいただき、誠にありがとうございます。当社ではお
客様にご満足いただけるよう最善を尽くしております。お求めいただいた肥料散布機はパワフルで信頼
きる機械です。
万が一、お困りのことがございましたらお気軽にカスタマーサービスまでご連絡ください。
肥料散布機をお使いになる前に、この取扱説明書を注意深くお読みになり、指示には全て従ってくださ
い。
扱説明書には肥料散布機の操作方法の詳細のほか、組立・メンテナンス・手入れに関するあらゆる情
報が含まれています。
また、この説明書にはお手持ちの肥料散布機本体には含まれていない設備の説明が記載されていること
があります。
間違った操作や不適切な使用により生じる損傷は、補償請求の対象外となりますので、ご了承ください。
お使いの肥料散布機のタイプ、シリアルナンバーと製造年をここに記録してください。
この情報は銘板またはフレームに記載されています。
スペアパーツや付属品のご注文の際、または苦情・ご意見をお寄せいただく際はこの
情報を必ず書き添えてください。
モデル: シリアルナンバー: 製造年:
技術的改良
社は絶えず製品の改良に努めております。このため、機械に必要と思われる場合はいかなる改良や変
更も通知なしに行うことができるものとします。ただ、当社には既に販売された機械へこのような改良や変
更を行う義務はありません。
その他疑問点がございましたらご遠慮なくお問い合わせください。
敬具
RAUCH Landmaschinenfabrik GmbH
目次
1規定に従った使用 7
2取扱説明 8
2.1 本取扱説明書について 8
2.2 取扱説明書の構成 8
2.3 本書でのテキスト表示について 9
2.3.1 説明と手順 9
2.3.2 一覧表 9
2.3.3 参照 9
3安全性 10
3.1 一般注意事項 10
3.2 警告の意味 10
3.3 機械の安全性に関する一般的な情報 11
3.4 オペレーターへの説明 11
3.4.1 作業者の適性 11
3.4.2 説明 12
3.4.3 事故防止 12
3.5 安全な操作のため12
3.5.1 作業機の駐車 12
3.5.2 肥料散布機の充填 12
3.5.3 操作前の確認事項 12
3.5.4 危険ゾーン 13
3.5.5 操作中 14
3.6 肥料の使用 14
3.7 油圧システム 14
3.8 保守および修理 15
3.8.1 メンテナンス実施者の適性 15
3.8.2 磨耗パーツ 15
3.8.3 メンテナンスと修理作業 15
3.9 道路上での安全 16
3.9.1 運転前の点検 16
3.9.2 肥料散布機の移動 16
3.10 安全装置、警告および指示 17
3.10.1 保護装置および警告や指示ステッカーの位置 17
3.10.2 保護装置の機能 19
3.11警告および指示ステッカー 19
3.11.1 警告ステッカー 20
3.11.2 指示ステッカー 20
3.12 銘板およびに機械識別ラベル 22
3.13 反射器 22
4機械詳細 24
4.1 メーカー 24
4.2 機械の説明 24
目次
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 3
4.2.1 コンポーネント概要 25
4.2.2 アジテーター 28
4.3 技術データ 29
4.3.1 タイプ 29
4.3.2 基本装備のテクニカルデータ 30
4.3.3 アタッチメントのテクニカルデータ 32
4.4 オプション装備 33
4.4.1 アタッチメント 33
4.4.2 ホッパーカバー 33
4.4.3 列散布装置 34
4.4.4 列散布装置 34
4.4.5 TELIMAT 境界散布装置 34
4.4.6 境界散布システム 35
4.4.7 境界散布システムのリモートコントローラー 35
4.4.8 ツーウェイユニット 35
4.4.9 テレスペースユニバーサルドライブシャフト 35
4.4.10 補助ライト 35
4.4.11 RWK 6K アジテーター 36
4.4.12 RWK 7K アジテーター 36
4.4.13 RWK 15 アジテーター 37
4.4.14 実地テストキッ37
4.4.15 肥料識別システム 37
5クスル荷重の計算 38
6ラクターなしでの移動 41
6.1 安全性に関する一般注意事項 41
6.2 荷積み・荷下ろし 41
7機械の操作前に 42
7.1 機械の受領 42
7.2 トラクターの要求基準 42
7.3 機械へのユニバーサルドライブシャフトの取付け 43
7.3.1 標準ユニバーサルドライブシャフトを取り付けます 43
7.3.2 ピンタイプセーフティークラッチ付きユニバーサルドライブシャフトの取付け 46
7.4 機械のトラクターへの取付け 49
7.4.1 必要条件 49
7.4.2 取り付け 49
7.5 ホッパー高さを事前設定する 53
7.5.1 安全性 53
7.5.2 ホッパーの最大許容高さ 53
7.5.3 肥料チャートに基づいてホッパーの高さを設定します 54
7.6 スライドアクチュエーターの接続 57
7.6.1 油圧スライドアクチュエーターの接続 57
7.6.2 電動スライドアクチュエーターの接続 60
7.6.3 電子式スライドアクチュエーターの接続 60
7.7 肥料散布機の充填 61
8キャリブレーションテスト 63
目次
45902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
8.1 放出量の算出 63
8.2 キャリブレーションテストの実施 66
9肥料散布 71
9.1 安全性 71
9.2 肥料散布の手順 71
9.3 散布量 設定 73
9.4 作業幅の設定 75
9.5 散布チャートの利用 80
9.5.1 散布チャートに関する注意事項 80
9.6 部分幅スイッチを使った散布 84
9.7 圃場の狭い部分の散布 85
9.8 片側散布 85
9.9 チャートに載っていない肥料種類用の設定 86
9.9.1 必要条件とコンディション 87
9.9.2 散布テストの実施(1回) 87
9.9.3 散布テストの実施 3回) 89
9.9.4 結果の評価 90
9.9.5 設定を修正します 91
9.10 適量境界散布と環境に優しい境界散布 92
9.10.1 最初のトラックからの適量境界散布 92
9.10.2 境界散布システム GSE を設定する 93
9.10.3 境界・縁部散布システム TELIMAT の設定 94
9.11特別仕様 TELIMAT T1 での枕地散布 97
9.12 ホップ、果樹栽培向け RV 2M1 列散布システム 99
9.12.1 本機での事前設定 99
9.12.2 列間隔と散布幅の設定 100
9.12.3 散布量の設定 100
9.13 残余物の放出 101
9.14 機械の停車と連結解除 101
10 障害および考えられる原因 103
11保守および修理 107
11.1 安全性 107
11.2 磨耗パーツとネジ部品 108
11.2.1 摩耗している部品の点検 108
11.2.2 ネジ部品の点検 109
11.2.3 ロードセルのネジ部品を点検 109
11.3 ホッパー内安全スクリーンを開く 110
11.4 機械の清掃 112
11.5 計測スライド設定の後調整 112
11.5.1 調整 114
11.6 アジテーターの磨耗点検 119
11.7 散布ディスクハブの点検 119
11.8 散布ディスクの脱着 120
11.8.1 散布ディスクの取外し 120
11.8.2 散布ディスクの取付け 121
11.9 散布ディスクの板バネの確認 121
目次
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11.10 アジテーターを点検します 122
11.11 散布ブレードの交換 123
11.11.1 エクステンションブレードの交換 123
11.11.2 メインブレードおよび散布ブレード一式を交換します 126
11.11.3 W 散布ブレードの交換 130
11.12 油圧システム 131
11.12.1 油圧ホースの点検 132
11.12.2 油圧ホースの交換 133
11.13 ギアオイル 134
11.13.1 量とタイプ 134
11.13.2 オイルレベルの点検 134
11.14 注油 135
11.14.1 ジョイントシャフトの潤滑 135
11.14.2 その他の部品の潤滑 135
12 廃棄処分 136
12.1 安全性 136
12.2 機械を廃棄処分する 136
13 越冬と保存 137
13.1 安全性 137
13.2 機械を洗浄します 137
13.3 機械を保存します 138
14 付録 140
14.1 トルク値 140
15 保証 144
目次
65902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
1規定に従った使用
肥料散布機 MDS シリーズは、必ず本取扱説明書に記載された説明に従って使用してください。
肥料散布機 MDS シリーズは、その使用目的に応じて構築されています。
乾燥した粒状および結晶質肥料、種子、カタツムリ駆除剤の散布のみに使用することができます。
この機械は、トラクターの後部 3点ヒッチ用であり、1 人で操作することを目的としています。
肥料散布機は本書で「機械」とのみ表記されることがあります。
これらの指定外で使用すると使用目的に反したとみなされます。指定されていない使用によって生じた損傷に
対し、メーカーは一切責任を負わないものとします。このため、それによるリスクはユーザーのみが負うことに
なります。
指定された使用法にはメーカーが指示した点検、メンテナンス、修理の条件に従うことも含まれます。スペア
パーツには必ず RAUCH メーカーオリジナルのものを使用してください。
肥料散布機の特性を熟知し、危険性について訓練を受けた従業員のみ、機械を使用、メンテナンスおよび修
理することができます。
肥料散布機の使用時には本取扱説明書に記載されている操作、点検・修理サービス、機械の取扱いについ
ての注意事項およびメーカーによって肥料散布機に取り付けられている警告や警告マークに従ってください。
また、該当する事故防止規則とその他の一般に認められている安全技術、医療処置と交通規則を理解し適
用してください。
独自の判断に基づく機械の改造は認められていません。機械に変更が加えられた結果生じた損傷に対してメ
ーカーは責任を負わないものとします。
n
予見可能な誤使用
機械に取り付けられた警告と警告マークにより、メーカーは予見可能な誤使用に対して注意を促しています。
これらの警告と警告マークには必ず従ってください。これらに従うことで、取扱説明書に記載されていない用途
での機械の使用を防ぐことができます。
1. 規定に従った使用
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 7
2取扱説明
2.1 本取扱説明書について
この取扱説明書は機械の一部です。
扱説明書には、機械を安全で適切、かつ経済的に使用し、 メンテナンスを行うための重要な説明が含まれ
ています。これらに注意することで 危険を防いだり、修理費用やダウンタイムを減らすことができ、制御する機
械の信頼性と耐用年数を向上することができます。
取扱説明書とその他の付属文書すべてからなる文書一式は、肥料散布機を操作する場所(トラクターの中な
ど)で簡単に手に取れるよう保管してください。
機械販売時にもまた、 取扱説明書を付属してください。
取扱説明書は肥料散布機の所持者、操作者、メンテナンスを行う人物を対象に作成されています。機械にお
いて以下の作業を担当する各作業員は、これを熟読して理解し、利用する必要があります。
操作
メンテナンスと洗浄
故障修理
特に注意することは:
「安全」の章
各章の文中に記載されている警告
取扱説明書は機械コントローラーの所有者、オペレーターの自己責任に代わるものではありません。
2.2 取扱説明書の構成
本書は 6つの主要な分野に分割されています
取扱説明
安全説明
機械詳細
肥料散布機の操作方法
故障の発見と修正方法の説明
メンテナンスと修理の説明
2. 取扱説明
85902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
2.3 本書でのテキスト表示について
2.3.1 説明と手順
オペレーターが行う作業手順は以下に示されています。
u作業手順 1 の指示
u作業手順 2 の指示
2.3.2 一覧表
特定の順序のない列挙に関しては、黒丸付きの一覧表で示されています:
特性 A
特性 B
2.3.3 参照
文書内のその他のセクションの参照箇所には章の番号、見出し語またはページ番号が記載されています:
例:次もご注意ください 3
安全性
情報や指示としてその他の文書を参照文献に挙げる場合、正確な章やページ数は表示されませ ん:
例:カルダンシャフトメーカーの取扱説明書の指示に従ってください。
2. 取扱説明
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 9
3安全性
3.1 一般注意事項
安全章には、取り付けられた機械を取り扱うための基本的な警告、作業規則および交通安全規則が含ま
れています。
肥料散布機を安全に操作し作業するため、この章の指示はすべて守ってください。
また、本書のその他の章にも追加の警告がありますので、こちらもよく読み守ってください。警告は作業の詳
細の前に記載されています。
サプライヤー部品についての警告は対応のサプライヤー文書を確認してください。サプライヤー部品の警告も
同様に守ってください。
3.2 警告の意味
取扱説明書では、警告は危険度の高さと発生の確率により分類されています。
危険マークは肥料散布機の取扱いにおける、設計上避けて通ることのできない残留リスクに注意を向けるも
のです。本書で使用される警告は以下のように表示されます:
アイコン + シグナルワード
説明
警告の危険度レベル
危険度レベルはシグナルワードによって区別され、表記は以下のようになります:
危険!
危険のタイプと発生源
この警告は健康と生命を脅かす切迫した危険を意味します
この警告を無視すると、重傷を負ったり死に至ったりする危険があります。
uこの危険を防ぐため、記載された措置を必ず順守してください。
警告!
危険のタイプと発生源
この警告は健康と生命を脅かすおそれのある危険な状況を指します。
この警告を無視すると、重傷を負う可能性があります。
uこの危険を防ぐため、記載された措置を必ず順守してください。
3. 安全性
10 5902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
注意!
危険のタイプと発生源
この警告は健康と生命を脅かすおそれのある危険な状況を指します。
この警告を無視すると怪我を招きます。
uこの危険を防ぐため、記載された措置を必ず順守してください。
通知!
危険のタイプと発生源
この警告は、物的損害および環境損害から警告します。
この警告を無視すると、機械および環境の損害を招きます。
uこの危険を防ぐため、記載された措置を必ず順守してください。
こちらは注記です:
使用のヒントや便利な情報を含む一般的な指示です。危険の警告は含まれません。
3.3 機械の安全性に関する一般的な情報
本肥料散布機は最先端の技術で設計された製品で、一般的に認められた工学技術規格に従っています。し
しながら、機械の操作とメンテナンス時にはユーザーやその他の人の手足切断、および生命を脅かすおそ
れがあります。また、機械やその他の物体に悪影響が及ぶことがあります。
このため、肥料散布機は以下の条件を満たす時のみ操作してください:
状態がよく道路での操縦も安全である
安全性と危険を認識している
さらに、これら以前にまず本書の内容にしっかり目を通して理解した上で、該当する事故防止規則と一般に認
められている安全技術、医療処置と交通規則を理解し応用してください。
3.4 オペレーターへの説明
オペレーターは肥料散布機を指定された用途で使用する責任があります。
3.4.1 作業者の適性
肥料散布機の操作、メンテナンスまたは修理に責任を持つ人物は本書をよく読み理解していなければなりま
せん。
肥料散布機の操作を行うことができるのは、指導を受け、オペレーターの許可を得た作業者のみです。
初心者やトレーニング中、教育中の方は熟練者の監視の下でのみ機械の操作を行って下さい。
資格をもつメンテナンス担当者以外によるメンテナンス・修理の実施は認められていません。
3. 安全性
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 11
3.4.2 説明
販売代理店、工場、または当メーカーの従業員が肥料散布機の操作とメンテナンスの方法をオペレーターに
指導致します。
オペレーターは新たに操作とメンテナンスを任された人物が機械の操作と修理方法をしっかり理解できるよ
う、この説明書を使用して指導を受けたときと同様の方法で指導を行ってください。
3.4.3 事故防止
安全確保と事故防止規則はそれぞれの国で法的に定められています。本機のオペレーターはその国の規則
を守る義務があります。
また、下記の指示にも必ず従ってください:
動作中の肥料散布機のそばを絶対に離れないでください。
作業中または移動中には、絶対に本機に乗らないでください(乗車禁止)。
肥料散布器の後部に足を掛けて機体にのぼらないでください
できるだけ体に密着した服装で操作を行ってください。ベルトやゆるい紐などが巻き込まれるおそれのあ
る作業着は着用を避けてください。
薬品を使用して作業する際は、各メーカーの指示に従ってください。個人用防護具(PPE)の着用が必要
になることもあります。
3.5 安全な操作のために
安全な動作状態の場合にのみ機械を使用してください。この場合、危険な状況を回避してください。
3.5.1 作業機の駐車
ホッパーが空になった肥料散布機を水平で固い地面に停車してください。
肥料散布機を単独(トラクターなし)で停車する場合は、計測スライドを完全に開けてください。単動スライ
ドアクチュエーターの伸縮バネがゆるみます。
3.5.2 肥料散布機の充填
機械がトラクターに取り付けられているか、連結されている (機械によって異なります) 場合にのみ、機械
に充填してください。
絶対にトラクターのエンジンをかけたまま肥料散布機の充填を行わないでください。トラクターのイグニッ
ションキーを抜き、誤ってエンジンがかからないようにしてください。
充填側に十分な空きスペースを確保してください。
充填には専用の設備を使用してください(フロントエンドローダー、オーガーなど)。
充填するときは最高部までにしてください。充填レベルを点検してください。
充填は必ず安全スクリーンを閉じた状態で行ってください。スクリーンを閉じることにより、肥料の固着や
その他の異物による散布時の障害を防ぐことができます。
3.5.3 操作前の確認事項
初め作業を開するき、また毎回の作前には事に肥散布機を検し、安に操作でるか
かめてください。
3. 安全性
12 5902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
肥料散布機の安全設備はすべて揃っており、正しく機能するか?
締め具と耐荷重連結部はすべてしっかり固定されており、良い状態になっていますか?
散布ディスクと締め具の状態は良いか?
ホッパー内の安全スクリーンが閉じられ、しっかりロックされているか?
安全スクリーンのロックがしっかりロックされているか?
肥料散布機の危険ゾーンに人がいませんか
ドライブシャフトガードの状態は良いか?
3.5.4 危険ゾーン
勢いよく飛び散った散布物質が目などに入ったりすると大変危険です。
トラクターと機械の間に立つと、トラクターが転がったり、機械が動いたりするのでたいへん危険です。最悪の
場合、死亡するおそれがあります。
次の図は、機械の危険ゾーンを示しています。
1:
機器が取り付けられている場合の危険ゾーン
A肥料散布時の危険ゾーン B機械の連結/連結解除時の危険ゾーン
機械の散布範囲 [A] に人がいないか必ず確認してください。
機械の危険ゾーンに人がいる場合は、すぐに機械とトラクターを停止させてください。
機械をトラクターに連結/連結解除するとき、または散布機を取付け/取外しするときは、全員を危険ゾー
ンから退避させてください [B]
3. 安全性
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 13
3.5.5 操作中
料散布機に異常が見られた場合は、機械を直ちに停止させロックします。有資格スタッフに依頼し、直
ちに故障の修理を行ってください。
動作中は絶対に機械の上に乗らないでください。
肥料散布機の操作は必ずホッパーの安全スクリーンを閉じた状態で行ってください。操作中に安全スクリ
ーンを開いたり、取り外してはいけません
機械の回転部分は大変危険です。体の一部や衣服が触れ、大ケガをすることがないよう注意してくださ
い。
ネジやナットなどの部品は絶対にホッパーに入れないでください。
勢いよく飛び散った散布物質が目などに入ったりすると大変危険です。機械の散布範囲に人がいないか
必ず確認してください。
風速が非常に速い場合は散布を中止してください。こうした状況下では特定の散布範囲を確保できませ
ん。
電源供給を受けている肥料散布機やトラクターには絶対に登らないでください。
3.6 肥料の使用
誤った肥料の選択、使用は大ケガや環境汚染につながります。
肥料を選択するときは人体や環境、機体への影響をよく調べてください。
肥料メーカーの指示に正確に従ってください。
3.7 油圧システム
油圧システムは高圧状態になっています。
高圧下で流れ出た液体は人体や環境に重大なダメージを与えます。危険を避けるため、下記の指示に従って
ください:
最高許容操作圧は決して超えないでください。
メンテナンス作業を行う前に、必ず油圧システムを無圧にしてください。トラクターエンジンを停め、再度電
源が入らないように固定ます。
漏れがないか探すときは必ず安全メガネ安全手袋を着用してください。
油圧オイルによりケガを負った場合は、深刻な感染が起こることがあるため直ちに医師の診断を受けてく
ださい。
トラクター油圧に油圧ホースを接続するときは、トラクターと肥料散布機の油圧システムが無圧であること
を確認してください。
トラクターと肥料散布機の油圧系の油圧ホースを特定のカップリングに接続してください。
油圧回路の汚染がないようにしてください。常に使用するブラケットにカップリングを取付けてください。ま
た、ダストカップを使用してください。つなげる前に連結部をきれいにしてください。
油圧部分と油圧パイプに切断や磨耗、圧迫箇所、折れ目、亀裂、穴の開いた部分など整備不良がない
か定期的に点検してください。
ホースとホース連結部は、正しく格納されていて、認可された積載量に従っていても、自然老化しやすい
部分です。このため、保管年数と耐用年数が制限されます。
油圧ホースは耐用年数最長 6 年、うち保管は最長 2 年間として作られています。
油圧ホースの製造年月はホース接続金具に印されています。
3. 安全性
14 5902961 MDS 8.2/14.2/18.2/20.2
油圧パイプが損傷し、指定された使用期間が過ぎた場合は、油圧パイプを交換してください。
交換用油圧パイプには、必ずメーカーの技術的要件を満たすものを使用してください。最大圧力規格を
満たしているか、必ず確認してください。
3.8 保守および修理
メンテナンスと修理の作業中は、機械の操作中には発生しないさらなる危険が伴います。
メンテナンスや修理を行う際は特に注意を払ってください。危険を意識し、慎重に作業を進めてください。
3.8.1 メンテナンス実施者の適性
溶接や電気的作業、油圧システムでの作業は資格を得た技術者のみが行ってください。
3.8.2 磨耗パーツ
取扱説明書で指定されたメンテナンス・修理間隔を正確に守ってください。
メーカー部品についてもメンテナンス・修理の間隔を指示どおり守ってください。適切な間隔についてはメ
ーカーの説明書を参照してください。
肥料散布機、特に固定部分や安全性にかかわるプラスチック部分、油圧システム、計測機器やブレード
部分は作業シーズンが終わるごとにディーラーによる定期点検を受けることをおすすめします。
スペアパーツには、少なくともメーカー指定の技術規格を満たすものを選んでください。オリジナルのスペ
アパーツはこれらの規格を満たすように製造されています。
セルフロックナットは使い切り(一度きりの使用)タイプとなっています。部品を固定する際には、常に新し
いセルフロックナットを使用して下さい(ブレードを交換するときなど)。
3.8.3 メンテナンスと修理作業
洗浄やメンテナンス、修理作業、故障検査の前には必ずトラクターエンジン停止してくださいまた、回
転部分が停止するまで待ってください
絶対に許可のない人物が肥料散布機を作動できないことを確認し、トラクターのイグニションキーを外し
てください。
メンテナンスと修理作業の前、または電気系統の作業を行う前には、トラクターと機械の間の電源を切っ
てください。
肥料散布機を接続したトラクターが正しく停車されているかチェックしてください。空のホッパー付きの肥
料散布機を平らで固い地面に停車し、動かないように固定します。
さらに、上昇した機械の下で、メンテナンスや修理作業、または検査を実施する必要がある場合は、上昇
した機械が落下しないように追加で固定します (ジャッキスタンドなどで)
メンテナンスや修理作業の前には油圧システムの圧力を必ずゆるめてください。
ホッパー内の安全スクリーンは、機械が稼働していない場合にのみ開きます。
回転する PTO シャフトで作業を行う必要があるときは PTO シャフトまたはユニバーサルドライブシャフト
付近に誰も近づけないでください。
散布機ホッパーの詰りを解消するときは絶対に手や足で行わず、適切な道具を使用してください。
肥料散布機を水や蒸気、その他の洗剤で洗浄する前には、濡らしてはいけない部分を覆ってください(ベ
アリング、電気接続など)。
ナットとネジの締まり具合を定期的にチェックし、ゆるんでいる場合は締め直してください。
3. 安全性
MDS 8.2/14.2/18.2/20.2 5902961 15
3.9 道路上での安全
トラクターと肥料散布機は公道や農道を移動する際、国が定めた交通規則に従わなければなりません。所有
者と運転者にはこれらの規則を順守する責任があります。
3.9.1 運転前の点検
運転前の点検は重要な交通安全を守るために欠かせません。移動の前には毎回作動状況、交通安全、機械
使用国の規定に対応しているかチェックしてください
許容総重量は守られていますか?許容軸重、許容制動荷重、許容タイヤ積載量に注意してください。
参照: 5
アクスル荷重の計算
肥料散布機は正しく取付けられていますか?
肥料が移動中に減っていませんか?
ホッパーの肥料充填レベルをチェックしてください。
計測スライドは閉じてください。
単動油圧シリンダーのロックも閉じてください。
電子コントローラーの電源を切ってください。
タイヤ圧とトラクターのブレーキシステムの機能をチェックしてください。
肥料散布機のライトと輸送サインは国が定めた公道での運転規則に対応していますか?警告サイン、反
射器と補助ライトが正しく設置されているか確認してください。
3.9.2 肥料散布機の移動
トラクターの路上での性能、ステアリングやブレーキ機能は取付けられる肥料散布機によって変化します。こ
のため、許容積載量が多いとトラクターのフロントアクスルにかかる負担が減り、ステアリングに影響したりし
ます。
走行特性の変化に注意して、運転方法を変えてください。
運転時は十分な視界を確保してください。視界が狭い場合は(後退時など)、運転手以外に案内人が付く
ようにしてください。
最高速度制限を超えないでください。
上り坂や下り坂、またはスロープを横切って運転するときは急な旋回を避けてください。バランスが変わ
ると転倒の危険性が高くなります。平らでない、柔らかい地面(圃場の入り口、道路の端を越えるなど)を
運転するときは、十分に注意してください。
リアリフトのロアリンクを横からしっかり調整して、機械が揺れないようにします。
移動中と操作中は肥料散布機に乗ってはいけません。
3. 安全性
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3.10 安全装置、警告および指示
3.10.1 保護装置および警告や指示ステッカーの位置
2:
保護装置、警告と指示表示、反射器
(
前方
)
の位置
[1] 安全スクリーンのロック
[2] [指示]安全スクリーンのロック
[3] [警告]トラクターと肥料散布機の間での挟み込
みの危険
[4] [警告]取扱説明書を読む
[5] [指示]最大許容積載量
[6] [説明]PTO 速度
[7] 銘板
[8] クレーンアイ
[9] 容器内安全スクリーン
3. 安全性
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3:
保護装置、警告と指示ステッカー、反射器
(
前方
)
の位置
[1] デフレクターおよび保護装置
[2] 後面反射器(赤色)
[3] [説明]トルク
[4] 側面反射器(黄色)
[5] [警告]可動部品による危険
[6] [説明]トレーラー連結車
[7] [警告]イグニッションキーを抜いて下さい
[8] [警告]物質散布による危険
[9] クレーンアイ
[10] [説明]安全スクリーンを使用してください
n
ジョイントシャフト
[1] ジョイントシャフトガード
3. 安全性
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3.10.2 保護装置の機能
保護装置はご自身の健康と命を守るために設けられています。
肥料散布機で作業を開始する前には、安全装置が正しく機能することを確認してください。
肥料散布機の保護装置が正しく機能する場合のみ、操作を行ってください。
名称 機能
容器内安全スクリーン 体の一部分が回転するアジテーターに巻き込まれるのを防ぎます。
計測スライドによる身体部分の切断を防止します。
肥料の固着や大きい石、その他の物質による散布時の障害を防止します(ろ
過効果)。
安全スクリーンのロック ホッパー内の安全スクリーンが意図せず開くのを防ぎます。
安全スクリーンを正しく閉じると自動的にロックされ、
ツールを使わないと開けることはできません。
デフレクターおよび保護装置 デフレクターおよび保護装置は、前方(トラクター/ワークステーション方向)
への肥料の散布を防ぎます。
デフレクターおよび保護装置は、回転するディスクに、前方から巻き込まれる
のを防ぎ、側面および後方から巻き込まれるリスクを軽減します。
ジョイントシャフトガード 体の一部や衣服が回転するドライブシャフトへの引き込みを防止します。
3.11 警告および指示ステッカー
肥料散布機シリーズには様々な警告・指示表示が取り付けられています(機械への取り付けは 3.10.1
保護
装置および警告や指示ステッカーの位置
を参照してください)。
警告や指示ステッカーは機械の一部です。はがしたり手を加えたりしないでください。
u告ステッカーや指示ステッカーがない、または判読できない場合は、すぐに新しいものを用意してくださ
い。
修理で新しい部品を取り付けた場合、元の部品についていた警告・指示ステッカーを同様に交換した部品に
も取り付けてください。
正しい警告ステッカーまたは指示ステッカーはスペアパーツサービスで入手できます。
3. 安全性
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3.11.1 警告ステッカー
ピクトグラム 説明
取扱説明書と警告事項をよくお読みください。
機械の操作前に取扱説明書と警告事項をよくお読みください。取扱説明書に
は肥料散布機の操作方法の詳細のほか、操作・メンテナンス・お手入れに関
するあらゆる情報が含まれています。
イグニッションキーを抜いてください。
メンテナンス・修理作業を行う前には、エンジンを止めイグニッションキーを抜
いてください。また、電源を切ってください。
物質の散布による危険
物質の飛散によって全身にケガをする危険
作業開始前に肥料散布機(散布範囲)の危険ゾーンから人を遠ざけてくださ
い。
可動部分による危険
手指などを切断する危険
回転部分の危険ゾーンに手を伸ばすことは禁止されています。
メンテナンス・修理・調整作業を行う前には、エンジンを止めイグニッションキ
ーを抜いてください。
トラクターと肥料散布機の間での危険
トラクター接近時や油圧システム作動時にトラクターと肥料散布機の間に人
がいると、死亡事故につながる危険性があります。
注意不足や誤操作によりトラクターブレーキが効くのが遅すぎたり、全く効か
ないことがあります。
トラクターと肥料散布機間の危険エリア内に誰も人がいないようにしてくださ
い。
3.11.2 指示ステッカー
肥料散布機での作業開始前に、安全スクリーンを取り付け、閉じてください。
3. 安全性
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Rauch MDS 8.2 / 14.2 / 18.2 / 20.2 取扱説明書

タイプ
取扱説明書