取扱説明書
• 製品をご使用になる前に、本取扱説明書を必ずお読みください。
• 特に安全に関する記述は、注意深くお読みください。
• 本取扱説明書は必要なときにすぐ取出して読めるように、大切に保管してください。
ウエア形ダイアフラムバルブ
SWD シリーズ
SM-50769/3
SM-50769/3 はじめに
i 2021-11-22
はじめに
このたびは、当社のウエア形ダイアフラムバルブエアオペレイトタイプ「SWD シリーズ」をお買求めいただきま
して、誠にありがとうございます。本取扱説明書は本製品の性能を十分に発揮させるために、取付、使用方法
などの基本的な事項を記載したものです。よくお読みいただき、正しくご使用ください。
なお、本取扱説明書は紛失しないように、大切に保管してください。
本取扱説明書に記載の仕様、外観は、将来予告なく変更することがあります。
• 本製品は制御弁(電磁弁や電動弁、エアオペレイト弁など)を使用するにあたって、材料や流体、配管、
電気などについての基礎的な知識を持った人を対象にしています。制御弁についての知識を持たない
人や十分な訓練を受けていない人が選定、使用して引起こした事故に関しては、当社は責任を負いま
せん。
お客様によって使用される用途は多種多様にわたるため、当社ではそれらのすべてを把握することがで
きません。用途、用法によっては流体、配管、その他の条件により性能が発揮できない場合や事故につ
ながる場合があります。用途、用法にあわせてお客様の責任で、製品の仕様の確認、使用方法の決定
を行ってください。
SM-50769/3 安全にご使用いただくために
ii 2021-11-22
安全にご使用いただくために
本製品を使用した装置を設計、製作する場合は、安全な装置を製作する義務があります。そのためには、装置
の機械機構と、空気圧制御回路または水制御回路、これらを電気制御するシステムの安全性が確保できるこ
とを確認してください。
装置の設計、管理などに関する安全性については、団体規格、法規などを必ずお守りください。
ISO 4414、JIS B 8370(各規格の最新版)
当社製品を安全にご使用いただくためには、製品の選定、使用、取扱い、保全管理を適切に行うことが重要で
す。
装置の安全性確保のために、本取扱説明書に記載の警告、注意事項を必ずお守りください。
本製品にはさまざまな安全策を実施していますが、お客様の誤った取扱いによって事故につながる場合があり
ます。そのようなことがないためにも、
必ず本取扱説明書を熟読し、内容を十分に理解したうえでご使用ください。
注意事項は危害、損害の大きさと発生の可能性の程度を明示するために、「危険」「警告」「注意」の 3つに区
分されています。
危険
誤った取扱いをすると、人が死亡する、または重傷を負う危険が差迫って発生す
ることが想定されるもの。
警告
誤った取扱いをすると、人が死亡する、または重傷を負う可能性が想定されるも
の。
注意
誤った取扱いをすると、人が傷害を負う、または物的損害が発生する可能性が想
定されるもの。
なお、「注意」に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結び付く可能性があります。
いずれも重要な内容を記載しているため、必ずお守りください。
その他、一般的な注意事項や使用上のヒントを以下のアイコンで記載しています。
一般的な注意事項や使用上のヒントを表します。
SM-50769/3 安全にご使用いただくために
iii 2021-11-22
製品に関する注意事項
廃棄に関する注意事項
注意
製品を廃棄するときは、廃棄物の処理や清掃に関する法律に準拠し、専門廃棄物処理業者に依頼して処
理する。
警告
取扱いは十分な知識と経験を持った人が行う。
本製品は、一般産業機械用装置・部品として設計、製造されたものです。
製品の仕様範囲内での使用を守る。
製品固有の仕様外での使用はできません。また、製品の改造や追加工は絶対に行わないでください。
本製品は一般産業機械用装置・部品での使用を適用範囲としているため、屋外、次に示すような条件・
環境で使用する場合には適用外とさせていただきます。
(ご採用に際し当社にご相談いただき、当社製品の仕様をご了解いただいた場合は適用になります。
ただし、その場合でも、万一の故障に備えて危険を回避する安全対策をとってください。)
• 原子力や鉄道、航空、船舶、車両、医療機械、飲料・食品などに直接触れる機器や用途での使用。
• 娯楽機器や緊急遮断回路、プレス機械、ブレーキ回路、安全対策用など、安全性が要求される用途
での使用。
• 人や財産への大きな影響が予想され、特に安全が要求される用途での使用。
安全を確認するまでは、本製品の取扱い、配管・機器の取外しを絶対に行わない。
• 機械、装置の点検や整備は、本製品が関わるすべてのシステムの安全が確保されていることを確認
してから行ってください。また、エネルギー源である供給空気や供給水、該当する設備の電源を OFF
にし、システム内の圧縮空気は排気し、水漏れ、漏電に注意してください。
• 運転停止時も、高温部や充電部が存在する可能性があるため、本製品の取扱い、配管・機器の取外
しは注意して行ってください。
• 空気圧機器を使用した機械、装置を起動または再起動する前に、飛出し防止処置などによりシステ
ムの安全性が確保されているか確認してください。
SM-50769/3 安全にご使用いただくために
iv 2021-11-22
設計、選定に関する注意事項
警告
緊急遮断弁などの安全確保用バルブとしての機能が必要な場合は、確実に安全を確保できる別の手段
を講じる。
本製品の仕様、お客様のシステムとの適合性をお客様の責任で確認のうえ、機器を選定し、取扱う。
誤った機器選定、取扱いは、本製品のトラブルのみならずお客様のシステムトラブルの発生原因になり
ます。
本製品が故障した際に人や物等に悪影響を与えないよう、予め必要な措置を施す。
周囲環境について、下記の注意事項を守る。
• 製品構成材料と雰囲気との適合性を確認のうえ、使用してください。
• 製品の流体通路部以外に流体が付着しないようにしてください。
• 仕様書に記載の周囲温度の範囲内で使用してください。
• 振動、衝撃の影響を受ける場所、熱源の周辺、屋外では使用しないでください。
液封の回路になる場合には、逃し弁を設ける。
バルブが開閉動作するときにダイアフラムが上下動することにより、その分バルブ内の流路容積は変化
します。流体は非圧縮性(液体)であるため、バルブに流体が密封される条件(液封)では、バルブに異常
な圧力が発生することになります。このような場合はバルブの一次側または二次側に逃し弁を設け、液
封の回路にならないようにしてください。
使用流体によって、以下の点に注意する。
• 製品構成材料と使用流体との適合性をご確認の上ご使用ください。
• 流体中の鉄錆、ゴミ等の異物は、作動不良、漏れ不良の原因となり製品性能を妨げますので、排除
する手段を講じた上で使用してください。
• 蒸気滅菌時等高温の流体を流す場合、製品本体も高温になるため、手や体で触れないでください。
直接触れると火傷する場合がありますので、ご注意ください。
また、劣化、融解、発火等の恐れがあるものを近くに置かないようご注意ください。
• ダイアフラム上側（アクチュエータ側）は流体が接触しない部分ですが、流体種類や流体温度の変化
などにより浸透して流体雰囲気になる場合がありますので、ご注意ください。
• スラリ、UV 硬化剤などのように粒子を含んでいたり、固形化、ゲル化するおそれがある流体の場合、
性能に影響を及ぼす可能性があります。
仕様書に記載の流体温度で使用する。
仕様書に記載の使用圧力で使用する。
SM-50769/3 目次
v 2021-11-22
目次
はじめに .............................................................................................................................. i
安全にご使用いただくために ............................................................................................... ii
製品に関する注意事項 ...................................................................................................... iii
廃棄に関する注意事項 ...................................................................................................... iii
設計、選定に関する注意事項 ............................................................................................ iv
目次 .................................................................................................................................... v
1. 製品概要 ..................................................................................................................... 1
1.1 形番表示 .............................................................................................................. 1
1.2 内部構造、外形寸法図 ......................................................................................... 2
1.3 製品仕様 .............................................................................................................. 3
1.4 動作説明 .............................................................................................................. 4
2. 取付け ......................................................................................................................... 5
2.1 設置の前に .......................................................................................................... 5
2.2 設置環境 .............................................................................................................. 6
2.3 取付方法 .............................................................................................................. 7
2.4 配管方法 .............................................................................................................. 8
2.4.1 シール剤 .............................................................................................................. 9
3. 使用方法 ................................................................................................................... 10
3.1 使用前の確認(施工後の確認) .............................................................................11
3.2 使用上の注意 .................................................................................................... 12
4. 保守、点検................................................................................................................. 13
4.1 保守部品 ............................................................................................................ 13
4.2 分解・組立 .......................................................................................................... 14
5. トラブルシューティング ............................................................................................... 16
5.1 トラブルの原因と処置方法 .................................................................................. 16
6. 保証規定 ................................................................................................................... 17
6.1 保証条件 ............................................................................................................ 17
6.2 保証期間 ............................................................................................................ 17
SM-50769/3 1. 製品概要
1 2021-11-22
1. 製品概要
1.1 形番表示
SM-50769/3 1. 製品概要
2 2021-11-22
1.2 内部構造、外形寸法図
No. 部品名称
1シリンダカバー ADC12 アルミダイカスト
2Oリング FKM フッ素ゴム
3インジケータ SUS304 ステンレス
4スプリング SUS304（又はSWP、SWOSC） ステンレス（又はピアノ線、オイルテンパー線）
5ピストン A2017 アルミニウム
6ピストンロッド SUS304 ステンレス
7ロッドカバー、ヨーク ADC12 アルミダイカスト
8六角穴付きボルト SUS304、SUSXM7 ステンレス
9コンプレッサ SCS13 ステンレス
10 ダイアフラム
PTFE、EPDM
SUS303、SUS304
フッ素樹脂、エチレンプロピレンゴム、
ステンレス
11 ボディ SUS316L ステンレス
材質
NC形 NO形 複動形
SWD1※8-F 90 99.5 22 60 734 10.5 32 40
SWD1※-10-F 90 101 22 61.5 7 34 14 32 40
SWD2※-15-F 108 130 22 73 8.5 34 17.5 38 46.5
SWD3※-25-F 127 170 24 84 12.5 50.5 23 49 56 2.7 2.3 2.3
SWD4※-40-F 159 212 28 97 16.5 50.5 35.7 57 66 5.1 4.1 4.0
SWD5※-50-F 190 241.5 47 118 23 64 47.8 76.5 87.5 9.5 7.8 7.5
0.6
0.6
1.2
N
質量[kg]
形番
A
B
C
D
E
H
K
M
SM-50769/3 1. 製品概要
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1.3 製品仕様
SWD※1 SWD※2 SWD※3
NC NO 複動
MPa
MPa
℃
℃
頻度
弁座漏れ
取付姿勢 注1
操作ポート
操作流体
SWD1※-8
SWD1※-10
SWD2※-15
SWD3※-25 0.3～0.35 0.25～0.3
SWD4※-40 0.35～0.4 0.3～0.35
SWD5※-50 0.27～0.32 0.2～0.25
SWD1※-8
SWD1※-10
SWD2※-15
SWD3※-25
SWD4※-40
SWD5※-50 50
注1：水平配管の場合、7ページ 表1に記載の角度で配管することでバルブの液溜りを最小限にできます。
材質
ダイアフラム
PTFE/EPDM
ボディ
SUS316L（バフ研磨#400相当、電解研磨）
アクチュエータ
ADC12（フッ素樹脂コーティング）
Cv値
2.3
2.6
4.5
13
27
Rc1/8
空気
操作
圧力
MPa
0.35～0.7
0.25～0.35
0.2～0.3
0.4～0.7
回/min
SWD1～4：20以下
SWD5：10以下
cm3/min
0（水圧にて）
自在
耐圧力（水圧にて）
2.0
流体温度
5～90(蒸気滅菌時130 20分間以内可）
周囲温度
0～60
項目
作動方式
使用流体
水、純水、薬液（接液部の材質を腐食させない流体）
使用圧力
0～0.6
SM-50769/3 1. 製品概要
4 2021-11-22
1.4 動作説明
１、 NC (ノーマルクローズ)形 ― 操作エアを Xポートに接続します。
開作動時 閉作動時
２、 NO(ノーマルオープン)形 ― 操作エアを Yポートに接続します。
開作動時 閉作動時
３、 複動作動形 ― 操作エアを X・Yポートに接続します。
開作動時 閉作動時
Xポートにエアを加圧す
ると、ピストンが上がり、
ピストンに連結されたダ
イアフラムも同時に上が
り、ウエアが開いて流体
が流れます。
Xポートのエアを排気
すると、スプリングの
力でピ スト ンが 下が
り、ピストンに連結さ
れたダイアフラムも同
時に下がり、ウエアを
閉めて流体をシール
します。
Yポートのエアがない時、
スプリングの力でピストン
が上がり、ピストンに連結
されたダイアフラムも同
時に上がり、ウエアが開
いて流体が流れます。
Yポートにエアを加圧
すると、ピストンが下
がり、ピストンに連結
されたダイアフラムも
同時に 下が り、 ウエ
ア を 閉 め て 流 体 を
シールします。
Xポートにエアを加圧し、
Yポートからエアを排気
すると、ピ スト ンが 上が
り、ピストンに連結された
ダイアフラムも同時に上
がり、ウエアが開いて流
体が流れます
Yポートにエアを加圧
し、Xポートからエア
を排気すると、ピスト
ンが下がり、ピストン
に連 結されたダ イア
フラムも同時に下が
り、ウエアを閉めて流
体をシールします。
SM-50769/3 2. 取付け
5 2021-11-22
2. 取付け
2.1 設置の前に
• ご注文の製品形番と本製品に表示されている形番が、同一であることを確認してください。
• 製品外部の損傷、ボルトの緩みなど製品に異常が無いことを確認してください。
• 保管時は弁の内部に異物が入らないように個装箱のまま保管し、配管時に箱から取出してください。
注意
配管実施寸前まで配管ポート保護を外したり、本製品をビニール袋から出さない。
配管ポート保護を配管作業以前に外したり、本製品をビニール袋から出すと、配管ポートから内部に異
物が入り、故障や誤作動などの原因になります。
設置前のバルブの分解は行わない。
保証期間内であっても、保守・点検の目的以外での分解は保証対象外となる場合があります。
また、異物混入等による不具合を誘発する恐れがあります。
SM-50769/3 2. 取付け
6 2021-11-22
2.2 設置環境
警告
指定仕様外または特殊な用途で使用する場合は、仕様について当社に相談する。
腐食性ガス・溶剤環境では使用しない。
亜硫酸ガスなどの腐食性ガス・溶剤の環境では使用しないでください。
多湿環境では使用しない。
温度変化により結露が発生する場合があります。
発熱体の近くまたは輻射熱を受ける場所では使用しない。
周囲温度範囲内で使用してください。
注意
バルブ内部に粉塵が入らないように保護する。
周囲に粉塵などが多い場合は、バルブのパイロットエア排気ポートにサイレンサまたはエルボ継手を下
向きに取付けて粉塵が入らないように保護してください。
• 寒冷地で使用する場合、適切な凍結対策を実施してください。
• 本製品は屋外では使用できません。カバーやパネル内に設置して保護してください。
• 本製品に振動や慣性が加わる環境では使用しないでください。
SM-50769/3 2. 取付け
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2.3 取付方法
注意
本取扱説明書を熟読し、内容を理解したうえで製品を取付ける。
製品の取扱い、取付けはボディをしっかり保持して行う。
取付後、配管漏れの有無を確認して、正しく取付けられていることを確認する。
本製品は接続口径によっては重量物になることがあります。
取付・配管・取外しの際は落下等による負傷を防止する措置を取るなど取扱いに注意する。
• 水平配管時の場合は、バルブを傾斜させて配管することにより、バルブ内の液溜まりを最少にする
ことができます。(表1、図 1参照) ボディ配管部に刻印してある“-CKD-”マークが真上にくるよう
配管してください。
• 保守やトラブルシュート時の安全作業を考慮して、十分なスペースを確保してください。
表1.接続口径とバルブ傾斜角度
形番 接続口径 バルブ傾斜角度（θ°）
SWD1※8-F 8A 23
SWD1※-10-F 10A 11
SWD2※-15-F 15A 14
SWD3※-25-F 25A（1S） 25
SWD4※-40-F 40A（1.5S） 24
SWD5※-50-F 50A（2S） 23
(図1)バルブ傾斜角度
警告
取付け、配管は、システム、流体の特性、流体と関連機器との適合性など安全性に関する注意事項を十
分に理解した人が、本取扱説明書を熟読したうえで行う。
誤った取付け、配管は、本製品のトラブルのみならずお客様のシステムトラブルの発生原因になったり、
使用者の死亡または重傷につながる可能性があります。
“-CKD-”
SM-50769/3 2. 取付け
8 2021-11-22
2.4 配管方法
配管の清掃
・製品を配管する前には必ずフラッシングを行い、ゴミ・金属粉・錆・シールテープなどの異物を除去してくださ
い。
異物の除去
・流体中のゴミ・異物の混入は、バルブの正常な機能を妨げます。混入のある場合は、ご使用回路に合わせ
て、バルブの１次側にフィルタを設置してください。
操作部の配管
・操作部の配管は表 2に示す通りに行ってください。
・NC(ノーマルクローズ)形及び NO(ノーマルオープン)形アクチュエータの呼吸ポートに取付けている止めね
じは、誤配管防止のための部品ですので、そのまま使用できます。ただし、水滴等がかかる場所では、水
が侵入しないよう、止めねじを取り除き、エルボ継手を下向きに配管する等の適切な防護対策を施してくだ
さい。
・呼吸ポートは大気開放としてください。周囲雰囲気に排気することによるゴミの飛散が問題となる場合は、
止めねじを外して配管をし、問題とならない場所で吸気・排気を行ってください。周囲に塵埃などが多い場合
は、作動不良や漏れの原因となります。呼吸ポートにサイレンサまたはフィルタを取り付けてください。
・操作ポートに接続する操作用電磁弁は、仕様および用途に合わせて選定してください。
・操作ポートに配管する時は必ず操作ポートをスパナまたはバイス等で固定し、ねじ込んでください。
配管時の締付けトルクは、表 3を参考にしてください。
・圧縮空気中には多量のドレン(水、酸化オイル、タール、異物など)が含まれています。これらは空気圧機器
の信頼性を著しく低下させる要因となります。ドレン対策としては、アフタクーラ、ドライヤによる除湿、フィル
タによる異物除去、タール除去フィルタによるタール除去などをおこなってください。
注意
配管の締付け、配管接続をやり直すときは、製品を固定する。
配管を行う際は、バルブボディに曲げ・引張・圧縮等の応力が加わらないようにする。
配管の重量、振動が本製品に直接加わらないよう配管の固定、支持をする。
操作部の配管時には推奨トルク(表3参照)で締付ける。
操作部の配管時にシール剤（シールテープ、ゼリー状シール剤）を過度に使用しない。
アクチュエータ内部に入り込み、作動不良の原因となります。
保守・補修作業を容易にするためにバイパス回路を設置する。
配管接続が完了して流体を供給するとき、急激に高い圧力が掛からないようにする。
配管接続が不十分な場合、配管が外れたり、流体が漏れる事故につながります。
SM-50769/3 2. 取付け
9 2021-11-22
表2. 作動区分による操作ポート及び呼吸ポート
形番
作動区分
操作ポート
呼吸ポート
SWD＊1-＊-F
NC(ノーマルクローズ)形
Xポート
Yポート
SWD＊2-＊-F
NO(ノーマルオープン)形
Yポート
Xポート
SWD＊3-＊-F
複動作動形
開：Xポート、閉：Yポート
-
※呼吸ポートは大気開放としてください。
表3.操作ポートの配管締付けトルク
配管の呼び径
配管締付けトルクの推奨値(N・m)
Rc1/8
3～5
本体の配管
・ヘルール部の寸法は ISO に準拠しております。適切なサイズのガスケット及びクランプを使用して組み付け
てください。
2.4.1 シール剤
シールテープまたはシール剤は、ねじ部分の先端から 2山以上内側の位置に付けます。配管のねじ部分より
先端に出ていると、ねじ込みによってシールテープの切れ端やシール剤の残材が配管、機器の内部に入り込
み、故障の原因になります。
シールテープを使用する場合は、ねじの方向と反対方向に巻付け、指先で押さえてねじに密着させてください。
液状シール剤を使用する場合は、樹脂部品に付着しないように注意してください。樹脂部品が破損し、故障や
誤作動などの原因になります。また、めねじ側にはシール剤を塗布しないでください。
シールテープ
固形／液状シール剤
適切
適切
不適切
不適切
2山残す
SM-50769/3 3. 使用方法
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3. 使用方法
注意
急激な流体温度の変化に注意する
内部漏れが発生する場合がありますのでご注意ください。
アクチュエータ操作用のエアはろ過度 5μm以上の性能を有するフィルタを通ったエアまたは不活性ガス
を使用する。
操作エア圧力は規定の使用圧力範囲内で使用する。
NO、複動タイプのバルブは、仕様範囲を超える圧力を加えると、ダイアフラムが破損する恐れがありま
す。
また、使用圧力の範囲内で低く設定して頂く方が、寿命がより長くなります。
操作圧力が管理できない場合は、NC(ノーマルクローズ)形の選定をお勧めします。
バルブの加圧ポートの間違いがないか確認する。
（NC タイプ：Xポート、NO タイプ：Yポート、複動タイプ：Xポート・Yポート）
誤った操作ポートに圧力を加えると、ダイアフラム破損または作動不良を引き起こします。
１ヶ月以上使用しない場合は、始業前に試運転を行う。
１ヶ月以上使用しない場合は、内部に残留している水を完全に除去する。
水が残留していると錆が発生し作動不良・漏れ不良が生じることがあります。
残留水の除去ができない場合は、最適にご使用いただくため、１日数回程度作動させ通水してくださ
い。
バルブ作動頻度を守る。
バルブ作動頻度は SWD1～4は20 回/min 以下、SWD5 は10 回/min 以下です。
操作エアの供給時間、または排気時間が短い場合は、バルブの作動が追従できないことがあります。
低頻度でご使用の場合は、弊社までご相談ください。
製品の流体通路部以外に流体が付着しないようにする。
流体圧力、配管条件に注意する。
流体の圧力、配管条件によっては、ウォータハンマやバイブレーションが発生する場合があります。
ほとんどの場合、スピードコントローラ等で開閉速度を調整することによって改善できますが、改善でき
ない場合は、流体圧力、配管条件を見直してください。
インジケータ部のグリース付着に注意する。
弁開時にはインジケータが上昇します。インジケータ部にはグリースが塗布されているため、付着に注
意してください。
バルブを足場にしたり、重量物を乗せない。
SM-50769/3 3. 使用方法
11 2021-11-22
3.1 使用前の確認(施工後の確認)
外観の確認
• バルブが配管に確実に固定されていることを、手で押して確認します。
• 配管が確実にされていることを確認します。
• ねじ部品が緩んでいないことを確認します。
• 操作エア圧力に間違いがないことを確認します。
作動の確認
• 流体を加圧する前に、操作エアを加圧して、バルブが作動することを確認します。
作動の確認はアクチュエータ上部のインジケータで確認できます。
漏れの確認
• 操作エアを加圧状態にして、接続部の漏れを確認します。
• 流体を加圧状態にして、接続部の漏れを確認します。
警告
外観確認は、元栓を閉じ、バルブ内の流体を排出させてから行う。
SM-50769/3 3. 使用方法
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3.2 使用上の注意
操作ポート、操作圧力はバルブの形番、作動区分によって異なります。表 4をご参照ください。
表4. 作動方式による操作ポート及び操作圧力
SWD*1 SWD*2 SWD*3
NC（ノーマルクローズ）形 NO（ノーマルオープン）形 複動作動形
Xポート Yポート
開：Xポート
閉：Yポート
Yポート Xポート －
SWD1※-8
SWD1※-10
SWD2※-15
SWD3※-25 0.3～0.35 MPa 0.25～0.3 MPa
SWD4※-40 0.35～0.4 MPa 0.3～0.35 MPa
SWD5※-50 0.27～0.32 MPa 0.2～0.25 MPa
形番（作動方式）
0.35～0.7 MPa
0.25～0.35 MPa
0.2～0.3 MPa
0.4～0.7 MPa
形番
（口径）
呼吸ポート
作動方式
操作ポート
SM-50769/3 4. 保守、点検
13 2021-11-22
4. 保守、点検
注意
製品交換の際には、必ず同形番の製品を使用する。
同一外観でも仕様が異なることがあります。
直射日光が当たる場所や、高温となる場所では保管しない。
製品取扱の際は、投出し、投下、引掛け等による衝撃・傷等を与えない。
１ヶ月以上未使用の場合は、始業前に試運転を行う。
(1)本製品を最適状態でご使用いただくために、日常点検と定期点検を行ってください。
(2)日常点検
・点検内容は『3.1 使用前の確認(施工後の確認)』を参照ください。
(3)定期点検
・通常、半年に 1回バルブを分解しシール部の点検を行ってください。ご使用条件にもよりますが１
年に１度ダイアフラムの交換を実施することを推奨いたします。定期点検でダイアフラムに異常
がなければ再使用できますが、ダイアフラムとボディの組み合わせを変えないように注意をしてく
ださい。
・ダイアフラムの耐久性は流体の種類、圧力、温度、作動頻度により大きく異なるため、定期点検
の頻度はお客様のご使用条件を考慮して実施ください。
・アクチュエータの耐久性は、流体温度やエア質により異なるため，定期的なメンテナンスを実施し
てください。
4.1 保守部品
注意
分解・交換された製品及び部品、作業により発生した不具合については、保証の対象範囲から除外する。
(1)ダイアフラム
・使用中に漏れまたは作動不良・作動遅れなどの異常が認められたときに交換してください。
危険
保守・点検は、本取扱説明書を熟読し、内容を理解したうえで行う。
分解・再組立を実施されると弁性能を維持できなくなる場合があります。
保守・点検する前に、操作エア、流体の圧力を抜く。
バルブ交換時には、純水、エアなどで十分置換したうえで作業する。
残留した薬液により周りの機器、人に影響が無いようにしてください。また、バルブに触る際は、使用流
体の安全データシート（ＳＤＳ）をお読みになり、必要な保護具を着用してください。
確実に『4.2 分解・組立』の交換手順に従って行う。
再組立後は、必ず試運転を行う。
SM-50769/3 4. 保守、点検
14 2021-11-22
4.2 分解・組立
危険
アクチュエータ部は分解しない。
アクチュエータ部は、お客様では絶対に分解されないようお願いします。高荷重のスプリングが内蔵され
ているため、大変危険です。分解が必要な場合は、当社販売店または代理店へご相談ください。
警告
分解・組立する前に、操作エア、流体の圧力を抜き、製品内の流体を排出する。
■ダイアフラム交換の前に
(1)分解する前に必ず操作エア・流体圧を抜き、バルブ内に圧力が加わっていないか確認してくださ
い。
(2)ダイアフラム交換時には、残留した流体により周りの機器及び人に影響のないように純水等で十
分置換し、乾燥空気または不活性ガスでパージした上で作業してください。またバルブの流体通路
部に触れる際は、使用流体の安全データシート（ＳＤＳ）をお読みになり、必要な保護具を着用して
ください。
(3)ダイアフラムの交換は、ボディを配管した状態で行うことができますが、配管から取り出した状態で
のダイアフラム交換を推奨します。
(4)必ず指定のダイアフラムをご使用ください。
■ダイアフラム交換手順（15 ページ参照）
① 流体、圧力がないことを確認した後、NC タイプ及び複動タイプは Xポートに操作エアを供給し、
バルブを開の状態にしてください。（操作圧力は『3.2 使用上の注意』 表4を参照ください。）
NO タイプは加圧不要です。
② 六角穴付きボルト、ばね座金を取り外し、ボディからアクチュエータとダイアフラムを取り外してく
ださい。
③ NC タイプは操作エアを排気し、バルブを閉の状態にしてください。NO タイプ及び複動タイプは
Yポートに操作エアを供給し、バルブを閉の状態にしてください。
(操作圧力は『3.2 使用上の注意』 表4を参照ください。)
※ダイアフラムの挙動に気をつけてください。
④ ダイアフラムを９０度回転させ、コンプレッサから取り外してください。
⑤ コンプレッサに汚れ、傷がないことを確認して、新しいダイアフラムを取り付けてください。
ダイアフラムを奥まで挿入した後、分解時と同様に９０度回転してください。回転後、ダイアフラム
とアクチュエータの取付穴の位置が合っていることを確認してください。
⑥ ボディのシール面（内部シールと外部シールの両方あります。）に汚れ、傷、異物の付着がないこ
とを確認してください。
※これらは漏れの原因となります。
⑦ (①)と同様に、操作エアを Xポートに再度供給し、バルブを開の状態にしてください。
⑧ アクチュエータをボディにセットしてダイアフラムの凸部とボディの凹部を合わせてください。
⑨ 六角穴付きボルトを対角に均等なトルクで締め込んでください。締付けトルクは、表 5をご参照く
ださい。片締めとならないよう、ボルトは対角上に徐々に締めこんでください。過度な締め込みは
ダイアフラムに過剰な負荷がかかり、寿命が短くなりますので、トルクレンチ等でトルクを確認しな
がら締め込んでください。
⑩ バルブの開閉動作を行い、スムーズに作動することを確認してください。配管し、流体を加圧して
配管部から漏れの無いことを確認してください。
⑪ 作動後もトルクが維持できているか都度確認してください。
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