CKD NXDシリーズSTOオプション ユーザーマニュアル

  • こんにちは!このCKDサーボドライバSTOオプションの取扱説明書を読みました。このドキュメントでは、安全トルクオフ(STO)機能について詳しく説明されており、安全規格への準拠、セーフティ入力/出力信号、多軸接続例など重要な情報が含まれています。このデバイスに関するご質問にお答えしますので、お気軽にご質問ください。
  • STO機能とは何ですか?
    対応規格は?
    セーフティ入力信号は何のために使用しますか?
    モニタ出力信号は何のために使用しますか?
    複数軸使用できますか?
NXD シリーズ
STO オプション 取扱説明書
読み替えガイド
NXD シリーズは CKD 日機電装株式会社製の VPH シリーズをベースとした製品です。
本取扱説明書をお読みいただく際は、以下の読み替えガイドとあわせてお読みください。
NXD シリーズに関するお問い合わせは、当社(CKD 株式会社)の最寄りの営業所にご相談ください。
1. 読み替え表について
本取扱説明書の記載の一部は、以下の表に従って読み替えをお願いします。
読み替え前 読み替え後
CKD 日機電装株式会社 CKD 株式会社
VPH NXD
τ ディスクモータ 回転型モータ
VPH DES NXD DES
NCR NXD
NCR-XBJ6A NXP-XBJ6A
2. 関連取扱説明書について
本資料の関連取扱説明書は以下となります。
TI-14310 オプション部品編
3. リニアに関する記載ついて
CKD 日機電装株式会社製τリニアシリーズは NXD シリーズの接続対象外です。
資料番号 TI-14880A
Ver.1.1
取扱説明書
AC Servo driver
VPH Series
STO オプション
はじめに
このたびは、AC サーボドライバ<VPH シリーズ>をご採用いただき、誠にありがとうございます。
本書では AC サーボドライバ<VPH シリーズSTO プションについて説明します。
VPH シリーズ装置本体の取扱説明書と併せてご利用ください。
用語定義
本取扱説明書の本文中においては、特に断りのない限り以下の用語にて表記します。
使用用語 用語内
本書 VPH Series STO オプション取扱説明書
装置、本装置 弊社 AC サーボドライ(VPH シリーズ)
HA タイプ VPH 装置 I/O 仕様
HB タイプ VPH 装置 SSCNET(/H)仕様
HC タイプ VPH 装置 CC-Link 仕様
HD タイプ VPH 装置 EtherCAT 仕様
HE タイプ VPH 装置 MECHATROLINKⅢ仕様
モータ 弊社τディスクモータ(ND-s シリーズ、HD-s シリーズ、DD-s シリーズ)
弊社τリニアモータ
VPH DES VPH Data Editing SoftwareVPH 専用編集ソフト)
P*** パラメータ番号"***"は数字 3桁)
STO Safe Torque Off
STO 機能 サーボモータへの電力供給を遮断する安全機能
安全関連部 安全に関わる電気制御システムのこと
非安全関連部 安全関連部以外
本機能 STO 機能
安全上のご注意
本書をご利用いただく前に、必ず AC サーボドライバ<VPH シリーズ>取扱説明書の「安全上のご注意」
をご熟読ください。
本書内では、安全上の注意事項を表記する場合に以下の記号を使用しています。
危険
取り扱いを誤った場合に危険な状況が起こり得て、人が死亡または重傷
受ける可能性が想定される場合。
注意
取り扱いを誤った場合に危険な状況が起こり得て、人が中程度の傷害や
傷を受ける可能性及び、物的損害の発生が想定される場合。
なお、 注意と記載した事項でも
状況によっては重大な結果に結びつく可
能性があります。いずれも重要な内容を記載してありますので必ずお守
ください。
禁止
禁止(してはならないこと)を示します。
強制
強制(しなくてはならないこと)を示します。
1 概要 ...................................................... 1-1
11 STO 機能について .................................................... 1-2
111 対応規 ............................................................ 1-2
112 型式 ................................................................ 1-2
12 安全上の注意 ....................................................... 1-3
2 入出力信号 ................................................ 2-1
21 コネクタ ........................................................... 2-2
211 STO 機能用コネクタ CN5................................................ 2-2
22 入出力インターフェース ............................................. 2-3
221 セーフティ入力信号 12 .............................................. 2-3
222 モニタ出力信号 ...................................................... 2-4
3 STO動作 ................................................ 3-1
31 セーフティ入力信号(SF1*SF2* ................................... 3-2
311 セーフティ入力信号による駆動信号の遮断動作 .......................... 3-2
312 STO 動作状態 ......................................................... 3-3
313 使用方 ............................................................ 3-4
32 モニタ出力信号(EDM .............................................. 3-6
321 概要 ................................................................ 3-6
322 動作 ................................................................ 3-6
33 本体表示・状態表示 ................................................. 3-7
331 本体表 ............................................................ 3-7
332 状態表 ............................................................ 3-8
333 入出力信号状態表示 .................................................. 3-8
34 STO 動作に関係する本装置の動作 ...................................... 3-9
341 ブレーキ出力信号(BRK ............................................. 3-9
342 ブレーキ作動遅延時間(P658 ........................................ 3-9
343 主電源断異常動作仕様選択(P121 ................................... 3-10
344 EMG 信号制動停止後サーボ OFF 延時間(P633 ........................ 3-10
345 ダイナミックブレーキ ............................................... 3-10
346 偏差クリア ......................................................... 3-11
35 異常検出 .......................................................... 3-12
351 セーフティ入力タイミング異常 ....................................... 3-12
352 動作中セーフティ入力異常 ........................................... 3-13
4 接続例 .................................................... 4-1
41 セーフティ機器の接続例 ............................................. 4-2
42 複数軸使用時の接続例 ............................................... 4-3
概要
1-1
1 概要
概要
1-2
11 STO 機能について
本機能は、本装置に接続されたサーボモータへの電力供給を遮断する安全機能Safe Torque OffSTO
です。不慮の起動による事故を防止するための使用を想定しています。
111 対応規格
本装置は以下の安全規格に対応します。
項目 仕様
安全機能 STOIEC/EN61800-5-2
安全性能 EN ISO13849-1 Cat3 PL e
EN61508 SIL3
診断範囲(DC): 90%
危険側故障率(PFH): 1.00×10-8 1.00×10-7
平均故障発生率(PFD): 1.00×10-4 1.00×10-3
112 型式
本機能は、AC サーボドライバ<VPH シリーズ>のオプション機能です。本機能の搭載有無は、以下の型
式の⑨にて表現されます。
NCR
番号 項目 表示 内容
シリーズ名 H VPH シリーズ
機能種別 1
入力電源仕様
出力容量
ハードウェア仕
ソフトウェア種
アナログオプション
絶対位置補正オプション
STO オプショ 0 なし
1 あり
特殊仕様 1
113 付属品
製品の納入時に、以下の内容をご確認ください。
ご注文の製品に間違いがないか。(型式、出力定格等)
下図の付属品である短絡プラグDZ02B008DC1(JAE)または相当品CN5に接続されているか
不足な点,損傷等がありましたら、直ちに弊社担当営業にご連絡ください
1 表示および内容については、ご使用になる VPH シリーズの取扱説明書をご参照ください。
概要
1-3
12 安全上の注意
危険
強制
本機能を使用する場合は、システムとしての安全要
求事項を満たしていることを確認するため、必ずシ
ステムでのリスクアセスメント実施してください
本機能は、モータへの電力供給を遮断する機能で
り、モータを停止させる機能ではありませんモータ
動作中に本機能が働いた場合に、危険が生じないよ
うにシステムを設計してください。
安全回路には、安全規格に適合した機器使用して
ください。
本機能動作中に外力によりモータが動く場合は、
途ブレーキ等の安全対策を実施してください。
ダイナミックブレーキ及びブレーキ信号出力は安
関連部ではありません。本機能動作時にこれらが故
障しても危険状態にならないことを確認してくださ
い。
システムの立ち上げ時や本装置を交換した場合、
機能の動作確認を必ず実施してください
定期的に、本装置および本機能の動作確認を実施
てください。故障が確認された場合
原因を究明し、
対処してください。
人身事故に至る恐れがあり
ます。
強制
本機能は、電気的にモータへの電力供給を遮断する
機能です。そのため、本装置やモータの保守を行う
には、必ず本装置への電源供給
を遮断してください。
感電の恐れがあります。
禁止
本装置が故障した場合、ータが電気角で最大 180
(リニアモータの場合は極対間距離の 1/2範囲で
動くことがあります。この動作が危険状態にならな
い用途でのみ使用してください。
モニタ出力信号(EDM)は安全出力ではありません。
故障監視機能以外の用途には使用しないでくだ
い。
人身事故に至る恐れがあり
ます。
入出力信号
2-1
2 入出力信号
入出力信号
2-2
21 コネクタ
211 STO 機能用コネクタ CN5
(a) コネクタ仕
使用コネクタ(リセプタブル)DZ02R008NC1R400JAE)または相当品
適合ケーブル側コネクタ(ハンダ付けプラグ2013595-1Tyco Electronics)または相当品2
(b) ピン配列
下図は本体側コネクタを結合部から見た配列です
番号 信号記号 信号名称
1 NC 未接続(予約済み)
2 NC 未接続(予約済み)
3 SF1*_RET セーフティ入力信号 1(リターン)
4 SF1* セーフティ入力信号 1
5 SF2*_RET セーフティ入力信号 2(リターン)
6 SF2* セーフティ入力信号 2
7 EDM - モニタ出力信号用(リターン)
8 EDM + モニタ出力信号
注意
信号記号NC」のには配線しないでください。本装置および本機能が故障する原因となり
ます。
(c) 配置
本コネクタは、CN2 CN3 の間に位置しています。付属の短絡プラグを取り外し、ご使用くださ
い。(下図はVPH-HA シリーズ 200V/400W 装置の場合です。
2 弊社にてコネクタキットおよび対応ケーブルを用意しています。詳細は「TI-14310* VPH Series
Option 取扱説明書」をご参照ください
入出力信号
2-3
22 入出力インターフェース
221 セーフティ入力信号 12
(a) 信号記号
セーフティ入力信号 1SF1*, SF1*_RET
セーフティ入力信号 2SF2*, SF2*_RET
(b) 等価回路
(c) 電気的仕様
項目 内容
絶縁方式 フォトカプラ絶
使用電圧範囲 DC10.226.4V
リップル率 5%以内
定格入力電流 DC12V:約 2.5mA
DC24V:約 5.0mA
入力抵抗 4.7kΩ
接点には、微小電流開閉用リレーまたはオープンコレクタ出力のトランジスタをご使用くださ
い。
接点が閉じた時を ON とします。
接点が開いた時を OFF とします。
SF1*
SF2*
SF1*
_RET
SF
2*_RET
入出力信号
2-4
222 モニタ出力信号
(a) 信号記号
EDM+, EDM
(b) 等価回路
(c) 電気的仕様
項目 内容
絶縁方式 フォトカプラ絶
最大負荷電圧 DC30V
最大負荷電流 50mA/1
漏れ電流 0.1mA
飽和電圧 1.0V 以下
端子間の導通時を ON とします。
端子間の解放時を OFF とします。
注意
モニタ出力信号は、非安全関連部です。安全規格の適用外です。
STO動作
3-1
3 STO動作
STO動作
3-2
31 セーフティ入力信号(SF1*SF2*
311 セーフティ入力信号による駆動信号の遮断動作
STO 動作はセーフティ入力信号によりパワーモジュールへ駆動信号の伝達を遮断し、モータへの電力
供給が行われないようにします。
モータが停止している際に使用し、不慮の起動による事故を防止する用途を想定ています。
セーフティ入力信号の状態が「OFF」のとき、駆動信号が遮断されます。3 4
セーフティ入力信号 12の状態 パワーモジュールへ
駆動信号伝達状態
SF1* SF2*
ON ON 通常
OFF ON 遮断
ON OFF 遮断
OFF OFF 遮断
セーフティ入力信号は 5ms 以上確実に OFF してください。※5
また、セーフティ入力信号が OFF になってから駆動信号の伝達が遮断されるまで、最5ms の遅延があ
ります。
3 セーフティ入力信号 1またはセーフティ入力信号 2のどちらか一方でも OFF になれば駆動信号は遮断
されますが、両方のセーフティ入力が OFF するようにシステムを設計してください。
4 安全回路を接続せずに本装置にてモータを駆動させる場合は、専用の短絡プラグ(NCR-XBJ6A)が必
要です。詳細はTI-14310* VPH Series Option 取扱説明書」をご参照ください。
5セーフティ入力信号に入力されるテストパルス1ms 以下にしてください。
STO動作
3-3
312 STO 動作状態
セーフティ入力信号 STO 動作の状態を「STO 動作状態」として表します。
STO 動作状態 説明
通常状態 セーフティ入力信号 1/2 が両方とも ON で、ドライバが通
常運転できる状態です。
STO 状態
STO 動作により駆動信号が遮断されている状態です。
セーフティ入力信号 1/2 のどちらかまたはその両方が OFF
しています。
TOF 状態
(トルクオフ状態)
STO 状態からの復帰時(セーフティ入力信号 1/2 を両方と
ON に戻したとき)SON 信号が ON(上位コントローラを
使用している場合はサーボオン)している状態です
一度 SON 信号OFF するまでサーボオンできません。
STO 動作による駆動信号の遮断は行われていません。
セーフティ入力信号 1またはセーフティ入力信号 2OFF したとき、装置の STO 動作状態が通常状態」
から「STO 状態」に変わります。セーフティ入力信号を両方とも ON に戻して「通常状態」に戻るまでサー
ボオンできません。
セーフティ入力信号 1とセーフティ入力信号 2ON に戻しSTO 状態から復帰させたとき、SON 信号が
ON(上位コントローラを使用している場合はサーボオン)のままの場合は「TOF 状態」(トルクオフ状態)
になります。SON 信号を OFF(上位コントローラを使用している場合はサーボオフ)にして、「通常状態」
に戻してください。
注意
STO 動作状態の状態表示TOF 状態は、非安全関連部です。安全規格の適用外です。
STO動作
3-4
313 使用方法
非常停止入力を使用したSTO 機能の使用方法を以下に示します。
(a) 非常停止入力により非常停止させる
(b) モータ停止後、SON 信号を OFF にする。
(c) セーフティ入力を OFF する。
(d) 作業終了後、セーフティ入力を復旧させる。
(e) RST/ARST 信号により非常停止状態を解除する。
(f) サーボオンする。
STO動作
3-5
危険
強制
STO 動作は、モータへの電力供給を遮断する機能であり、モータを停止させる機能
ではありませんモータ動作中に本機能が働いた場合に危険が生じないように
ステムを設計してください。
本機能動作中に外力によりモータが動く場合は、別途ブレーキ等の安全対策を実施
してください。
ダイナミックブレーキ及びブレーキ信号出力は安全関連部ではありません本機能
動作時にこれらが故障しても危険状態にならないことを確認してください
注意
STO 動作状態や非常停止動作、セーフティ入力信号以外の入出力信号は、非安全関連部です。
安全規格の適用外です。
STO動作
3-6
32 モニタ出力信号EDM
321 概要
モニタ出力信号EDMは、セーフティ入力の異常検知に利用する出力信号です。本信号を外部機器に
監視し、セーフティ入力信号を変化させることで、断線等の異常を検知します。
注意
モニタ出力信号は、非安全関連部です。安全規格の適用外です。
322 動作
セーフティ入力信号 12が両方とも OFF になったとき、モニタ出力信号ON します。6
信号記号 状態
SF1* ON OFF ON OFF
SF2* ON ON OFF OFF
EDM OFF OFF OFF ON
6 セーフティ入力信号 12の変化によりモニタ出力信号が変化するまで、最大 6ms の遅延がありま
す。
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