Tsubaki BS Series ユーザーマニュアル

  • 椿本チエインBSシリーズカムクラッチの取扱説明書に関するご質問にお答えします。このマニュアルには、BS30からBS350までの各モデルの取り付け、潤滑、メンテナンス方法などが詳しく記載されています。ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
  • カムクラッチの取り付け前に確認すべきことは?
    推奨される軸径公差は?
    BS160以上の機種の取り付け上の注意点は?
    潤滑油として使用できるグリースは?
    定期的な保守点検はどのくらいの頻度で行うべきですか?
標準カムクラッチBSシリーズ取扱説明書
取 付 け
1.取付け前にクラッチ取付軸の回転方向BS カムクラッチの内輪空転方向に相違が無いか必ず確認してください。
2.トルクアームは強度区分 10.9 以上のボルトで BS ムクラッチ本体にしっかりと取付けてください。
なお、トルクアームの外輪端面と接する面はボルト締めにより十分な摩擦力が得られるようゴミなどの付着がなく平面であることを確認して
ください。
3.軸径公差は h7、または h8 を推奨します。焼キバメやシメシロをつけての取付けはさけ
てください。
4.BS カムクラッチを軸へはめ込む際は、必ず内輪端面に力を掛けてください。鉄ハンマ
等で直接内輪端面をたたいて強い衝撃を加えたり、外輪やオイルシール及び防塵板(グ
リースキリ)に力を掛けることは絶対に避けてください。(力を掛けますとカムクラッ
チ内部に異常が生じて正しく機能しない場合があります。
5.軸への取付けには必ず平行キーを使用し、キーの天井とキー溝の間にはスキマを空
て、エンドプレートでしっかりと固定してください。打ち込みキーの使用は絶対に避
けてください。
6.BS160 以上の BS ムクラッチを取付ける時には外輪にあるプラグ(4カ所)のう1
個が真下になるようにしてください。清掃等のグリースの排出がスムーズに行えます。
7.付属のグリスニップルBS160BS350は外輪上部のプラグ穴に取付けてください。
8.トルクアームの先端は、軸の回転中に軸方向にある程度揺れ動きます。次頁の取付
のようにクリアランスをとり、トルクアームの先端は、回転方向にのみ支持し、軸方
向の揺れを許容してください。
トルクアーム先端を完全に固定しますと、BS カムクラッチ内部にコジレを生じ、損傷
の原因になります。
9.BS30~BS200 のトルクアームは片側一枚で十分ですが、BS220~BS350 については両側
アームにし、力点がどちら側にも片寄らず中央に来るようにしてください。
この度は、BS カムクラッチをお買上げ頂き誠にありがとうございます。
正しくお使いいただくために、ご使用前に必ずこの取扱説明書をお読みください。
使
危険防止のため、下記の事項に従ってください。
取付け前にクラッチ取付軸の回転方向と BS カムクラッチの内輪空転方向に相違が無いか必ず確認してください。
本体あるいは装置側回転軸に回転力が作用していないことを確認のうえ、保守点検を行ってください。逆転防止用にクラッチをご使用のと
きは、特にご注意ください。
起動、停止の繰り返しを目的とする使用方法では、架台に大きな力が作用します。架台の強度は十分におとりください。
取付精度、負荷の状況、使用部品の摩耗、寿命等により機能、性能が低下することがあります。定期的に保守点検を行うとともに、あらか
じめ装置側にも安全対策を講じてください
労働安全衛生規則第 21章第 1節一般基準を遵守してください。
製品の取付け、取外し、保守、点検等の際には、取扱説明書に従って作業してください。
事故防止のため、下記の事項を守ってください。
ご使用前に必ずこの取扱説明書をお読みいただき、正しくお使いください。
製品の取付けに使用するボルトは、指定の強度・サイズのものを使用し、所定の締め付けトルクで締め付けてください。
取扱説明書は、必ず最終ご使用になるお客さまのお手元まで届くようにしてください。
BS30, BS50, BS65, BS75, BS85, BS95, BS110, BS135
BS160, BS200, BS220, BS250, BS270, BS300, BS335, BS350
クラッチ取付軸の回転方向と BS カムクラッ
チの内輪空転方向に相違が無いか確認して
ださい。
取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡または重傷を受ける可能性が想定される場合。
:取扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の障害や軽傷を受ける可能性が想定される
場合及び物的損害だけの発生が想定される場合。
潤 滑
1.潤滑油は下記の銘柄のもの又はそれと同等品をご使用ください
注 1)極圧添加剤のはいっているグリースは、カムクラッチの寿命を短くしますので、絶対に使用しないでください。
2)上記のグリースで、カムクラッチが正しく機能できる周囲温度範囲は、-5℃~40℃です。
寒冷地(-40℃まで)でご使用の場合、低温用グリース[クソンモービル/ビーコン 325J 又は協同油脂/マルテンプ PS No.1]をご使
用ください。これを越える周囲温度の場合は、弊社販売店までご相談ください。
カムクラッチ用グリース
2.給脂は下記の通り行ってください。
a)BS30BS135 グリースは出荷時に封入されています。そのままご使用ください。
b)BS160BS350 グリースは出荷時に封入されています。6カ月に一度、古いグリースを排出して内部を洗浄後、新しいグリースと入れ
替えてください。
〔洗浄・グリース封入方法〕
(a)プラグ穴付近の汚れを拭き取り、外輪にある上下 2 カ所のプ
ラグを外してください。内輪を空転させながら上方プラグ穴
より洗浄油を注入して(注入量は右表(a)参照)古いグリ
ースを下方プラグより排出させてください。
b)排出後、下方プラグを締め、横のプラグを外してください。
上方プラグ穴から洗浄油を注入し(注入量は右表(b)参照)横のプラグ穴からあふれたら、全プラグを締めてください。カムクラッチ
10 分間空転させ、下方プラグ穴より洗浄油を排出させてください。
この作業を 2 回以上行い、更に(a)項の作業を再度行い、古いグリースと洗浄油を下方プラグより完全に排出させてください。
(c)洗浄後、カムクラッチを停止させ上下 2 カ所のプラグを外してください。上方プラグ穴からグリースガンにてグリースを封入し、下方プ
ラグ穴からグリースが出るまで行ってください。(封入量は上表(c)参照)
(d)グリース封入後、全てのプラグを締めてご使用ください
注)洗浄及びグリース封入作業中、カムクラッチ内部に異物が入らないように注意してください。
グリース 昭和シェル JXTG エネルギー 出光興産 協同油脂 コスモ
万能グリース
Li系
アルバニアグリース S1
サンライトグリース1
マルティノックグリース 1
ダフニエボネックスグリース
No.1
マルテンプ No.1 ダイナマックススーパ
No.1
カムクラッチ形番 BS160
BS200
BS220
BS250
BS270
BS300
BS335
BS350
洗浄油 (L)(a
1.0
1.0
1.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
洗浄油 (L)(b
0.3
0.3
1.0
2.5
3.0
4.0
4.2
4.5
グリース(㎏)(c
0.12
0.14
0.8
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
保証
1.無償保証期間
工場出荷後18カ月間または使用開始後(お客様の装置への当社製品の組込み
完了時から起算します12 カ月間のいずれか短い方をもって、当社の無償によ
る保証期間と致します
2.保証範囲
無償保証期間中に、お客様側にて取扱説明書に準拠する正しい据付使用方法
保守管理が行われていた場合において、当社製品に生じました故障は、当社製
品を当社に返却いただくことにより、その故障部分の交換または修理を無償で
行います。
ただし、無償保証の対象は、あくまでお客様にお納めした当社製品単体につい
てのみであり、以下の費用は保証範囲外とさせて頂きます。
(1) お客様の装置から当社製品を交換又は修理のために、取外したり取付け
たりするために要する費用及びこれらに付帯する工事費用。
(2) お客様の装置をお客様の修理工場などへ輸送するために要する費用。
(3) 故障や修理に伴うお客様の逸失利益ならびにその他の拡大損害額。
3.有償保証
無償保証期間にもかかわらず、以下の項目が原因で当社製品に故障が発生
ました場合は、有償にて調査・修理を承ります。
(1)お客様が、取扱説明書通りに当社製品を正しく据付けられなかった場合。
(2)お客様の保守管理が不充分であり、正しい取扱が行われていない場合
(3)当社製品と他の装置との連結に不具合があり故障した場合。
(4)お客様側で改造を加えるなど、当社製品の構造を変更された場合。
(5)当社または当社指定工場以外で修理された場合。
(6)取扱説明書による正しい運転環境以外で当社製品をご使用になった場合。
(7)災害などの不可抗力や第三者の不法行為によって故障した場合。
(8)お客様の装置の不具合が原因で、当社製品に二次的に故障が発生した場合。
(9)お客様から支給を受けて組込んだ部品や、お客様のご指定により使用した
部品などが原因で故障した場合。
(10)お客様側での配線不具合やパラメータの設定間違いにより故障した場合。
(11)使用条件によって正常な製品寿命に達した場合
(12)その他当社の責任以外で損害が発生した場合。
4.当社技術者の派遣
当社製品の調査、調整、試運転時等の技術者派遣などのサービス費用は
別途申し受けます。
株式会社椿 岡山工場 〒708-1205 岡山県津山市新野東 1515
取扱説明書全般に関するお問合せは、お客様お問合せ窓口をご利用ください
お客様お問合せ窓口 TEL(0120)251-602 FAX(0120)251-603
ホームページアドレス http://www.tsubakimoto.jp
2022 624 日発行 Bulletin No.01H00TS002 ©株式会社椿本チエイン
/