SCSIバスインタフェースの定義
SCSISelect設定のうち、変更の必要性が最も高いのはホストアダプタの基本設定です。
l Host Adapter SCSI ID(ホストアダプタSCSI ID) ― ホストアダプタのSCSI IDを設定します。デフォルト設定はSCSI ID 7であり、ナローSCSIデバイスとワイドSCSIデバイスの両方がホストア
ダプタでサポートされます。ホストアダプタはSCSI ID 7のままに設定しておくことをお勧めします。
l SCSI Parity Checking(SCSIパリティチェック) ― SCSIバス上でのデータ転送の精度をホストアダプタで確認するかどうかを指定します。デフォルト設定はEnabledです。ホストアダプタに接
続された、いずれかのSCSIデバイスでSCSIパリティがサポートされない場合は、SCSI Parity Checkingを無効にしてください。 SCSIパリティはほとんどのSCSIデバイスでサポートされていま
す。デバイスでSCSIパリティがサポートされるかどうかわからない場合、デバイスのマニュアルを参照してください。
l Host Adapter SCSI Termination(ホストアダプタのSCSIターミネータ) ― ホストアダプタのターミネータを設定します。AIC-7892ホストアダプタのデフォルト設定は、Enabledまたは
Automaticです。このオプションはデフォルト設定のままにしておくことをお勧めします。
起動デバイスのオプション
起動デバイスの設定では、システムを起動するデバイスを指定できます。
l Boot SCSI ID(起動SCSI ID) ― 起動デバイスのSCSI IDを指定します。
l Boot LUN Number(起動LUN番号) ― 起動デバイスに複数のLUNがあり、BIOS Multiple LUN Supportが有効になっている場合、起動デバイス上で起動する特定のLUNをこのオプション
で指定できます(「SCSIデバイスの設定」を参照)。デフォルト設定はLUN 0です。
SCSIデバイスの設定
SCSIデバイス設定では、SCSIバス上の各デバイスに関する特定のパラメータを設定できます。特定のデバイスを設定するには、そのデバイスに割り当てられたSCSI IDを知る必要があります。SCSI ID
が不明な場合は、「SCSIディスクユーティリティの使い方」を参照してください。
l Sync Transfer Rate MB/sec(同期転送速度MB/秒) ― ホストアダプタがサポートする最大同期転送速度を設定します。
AIC-7892ホストアダプタは、最大160 MB/秒をサポートします。AIC-7892ホストアダプタ用のデフォルトは160 MB/secです。
同期データ転送の折衝をおこなわないようにホストアダプタが設定されている場合、最大の同期転送速度は、ホストアダプタが折衝時にデバイスから受け入れる最大速度になります。(この設定
は標準のSCSIプロトコルです。)
l Initiate Wide Negotiation(ワイド折衝の開始) ― 8ビットのデータ転送ではなく、16ビットのデータ転送をホストアダプタで試みるかどうかを指定します。デフォルトはYesです。
この項目がYesに設定されていると、ホストアダプタは16ビットデータ転送をおこないます。このオプションをNoに設定すると、SCSIデバイス自身がワイド折衝を要求しない限り、8ビットのデータ転
送がおこなわれます。ワイドSCSIのデータ経路のサイズは通常の8ビットSCSIの2倍であるため、16ビットのデータ転送を使用すると、実際の転送速度は2倍になります。
l Enable Disconnection(切断の可否)(disconnect/reconnect[切断/再接続]とも呼ばれます) ― SCSIデバイスをSCSIバスから切り離すことをホストアダプタが許可するかどうかを指定しま
す。このオプションをYesに設定すると、SCSIデバイスが一時的に切り離されている間に、ホストアダプタはSCSIバス上で他の操作を実行できます。デフォルトはYesです。
2つ以上のSCSIデバイスがホストアダプタに接続されている場合は、Enable Disconnectionの設定をYesのままにしてください。こうすることで、SCSIバスの性能が最適化されます。ホストアダ
プタに1つのSCSIデバイスしか接続されていない場合、Enable DisconnectionをNoに設定すると、SCSIバスの性能が若干向上します。
l Send Start Unit Command(Start Unitコマンドの送信) ― 起動時にSCSIデバイスに対してStart Unitコマンドを送信するかどうかを指定します。デフォルトはYesです。
このオプションをYesに設定すると、システムの起動時に個々のSCSIデバイスが一度に1つずつホストアダプタによって起動されるため、システムの電源部への負荷が軽減されます。このオプシ
ョンをNoに設定すると、すべてのSCSIデバイスが同時に起動されます。ほとんどのデバイスはジャンパを設定しない限り、Start Unitコマンドに応答しません。
l Enable Write Back Cache(有効ライトバックキャッシュ) ― データがキャッシュに入るとすぐ書き込み要求の終了を知らせます。実際の書き込みは後でおこなわれます。デフォルトはN/C
またはYesです。
l BIOS Multiple LUN Support(BIOSの複数LUNのサポート) ― 自動ロードテープドライブやCDドライブチェンジャーなど、複数のSCSIデバイスを含む周辺機器をサポートします。