Roland SH-2 PLUG-OUT 取扱説明書

  • Roland PLUG-OUT SH-2とSYSTEM-1に関する取扱説明書の内容を理解しています。SH-2のサウンド、SYSTEM-1との連携方法、MIDI設定、メモリー管理など、このデバイスに関するご質問にお答えします。お気軽にご質問ください。
  • SYSTEM-1とSH-2を連携させるにはどうすれば良いですか?
    SH-2のメモリーをSYSTEM-1に送信するには?
    SH-2で作成した音色を保存するには?
    マウスのスクロール方向を変更するには?
    SH-2のピッチを調整するには?
© 2014 ローランド株式会社 本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
02
取扱説明書
PLUG-OUT Software Synthesizer
SH-2
はじめに
初めてご使用になるときは、セッティング(P.10)の MIDI Input/Output を設定し
てください。
お使いの DAW ソフトウェアごとの設定については、DAW のヘルプや取扱説明書をお
読みください。
本書では、SYSTEM-1 SYSTEM-1m のことを「SYSTEM-1」と記載します。
この製品について
• 製品の仕様や内容は、改良のため予告なく変更することがあります。
• 本書では、画面を使用して機能説明をしていますが、工場出荷時の設定(音色名など)と本文中の画面
上の設定は一致していないことがあります。あらかじめご了承ください。
商標について
• VST は、Steinberg Media Technologies GmbH の商標およびソフトウェアです。
• Audio Units ロゴは、Apple Computer,Inc. の商標です。
• Roland、PLUG-OUT、SCATTER は、日本国およびその他の国におけるローランド株式会社の登録商
標または商標です。
• 文中記載の会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。
3
画面の構成
[TUNE]つまみ
SH-2 全体のピッチを調
節します。
[PATCH]ボタン
パッチ・メモリーを選択
します。
Patch Select 画面が開
きます。
[SEND]ボタン
メモリーをSYSTEM-1に転送
します。
[GET]ボタン
SYSTEM-1 PLUG-OUT
モードでエディット中のメモ
リー(テンポラリ)を、SH-2
に取り込みます。
[PLUG-OUT]ボタン
SH-2 SYSTEM-1 に組み込
みます。
レベル・メーター
アウトプット・レベルを
表示します。
[HELP]ボタン
ヘルプを表示します。
P.8P.8P.5 P.8
[KEYBOARD]ボタン
キーボード・エリアの表示
/非表示を切り替えます。
キーボード・エリア
クリックすると発音します。
MIDI メッセージを受信すると、
該当するキーが反応します。
メイン・ウインドウ
音作りに使う、さまざまな
つまみやスライダーが表示
されます。
パッチ・メモリー名
選択しているパッチ・メモリー
の名前が表示されます。
[ABOUT]ボタン
SH-2 についての情報を表示し
ます。
[OPTION]ボタン
スキンや、MIDI コントロール・
マッピングを設定します。
複数のSH-2でそれぞれ設定でき
ます。
[SETTING]ボタン
MIDI の設定と、マウスのスク
ロール方向を変更(Mac のみ)
します。
複数起動したSH-2で共通の設定
です。
P.10
P.10
P.4
SYSTEM-1PLUG-OUT(SH-2)モードのときのみ機能します。
4
メイン・ウインドウ
VCO
音の高さやキャラクターを決めます。
MOD ピッチを変化させます(ビブラート)
AUTO
BEND
発音時のピッチを変化させます。
VCO-1 VCO-2
WAVE
FORM
T
(のこぎり波)
U
(矩形波)
R
(正弦波) *1 NOISE *2
RANGE オクターブを設定します。
PULSE
WIDTH
MOD MAN のときは、矩形波のパル
ス幅を調節します。MAN 以外のときは、
LFO やエンベロープによる変調の深さを
調節します。
MOD
矩形波のパルス幅を変化させる元を選び
ます。
S.OSC:VCO-1 SUB
A.ENV:VCA エンベロープ
F.ENV:VCF エンベロープ
AUTO BEND:AUTO BEND(VCO)
LFO:モジュレーター
MAN:変化なし
BENDER
*1
VCO-1 へのベンドのかかり具合を調節し
ます。
FINE
TUNE *2
VCO-2 のピッチを調節します。
COARSE
TUNE *2
VCO-2 のピッチを半音単位で調節し
ます。
*1 VCO-1 のみ/ *2 VCO-2 のみ
MODULATOR
ピッチを揺らしてビブラートをかけた
り、フィルターを揺らしてワウをかけた
りなど、音に周期的な変化(うねり)を
つけます。
WAVE
FORM
RANDOM (S/H)(ランダム波)
U
(矩形波)
T
(のこぎり波)
S
(三角波)
R
(正弦波)
RATE うねりの速さを決めます。
DELAY
TIME
音を鳴らしてから LFO の振幅
が最大になるまでの時間を設
定します。
EFFECTS
エフェクトを調節します。
REVERB リバーブの深さを調節します。
DELAY ディレイの音量を調節します。
TIME ディレイ・タイムを調節します。
PORTAMENTO TIME
音階の変化にかかる時間を調節し
ます。
BEND RANGE
ピッチ・ベンド情報を受信したと
きの、ピッチ変化量を設定します。
TEMPO SYNC
ホストアプリケーション(DAW)
のテンポに同期して動作させると
きは、押して点灯させます。
同期テンポ範囲:40 300
ARPEGGIO
鍵盤で和音を押さえるだけで、ア
ルペジオを演奏させることができ
ます。
ARPEGGIO
点灯させると、アル
ペジオ演奏します。
ARP TYPE
アルペジオのパター
ンを選択します。
ARP STEP
アルペジオの速さを
選択します。
AUDIO MIXER
VCO の音量を調節します。
VCO-1
SUB
VCO-1 1 オクターブ下の音の音量
VCO-1 VCO-1 の音量
VCO-2 VCO-2 の音量
VCA
音量の時間的な変化(エンベロープ)を
作ります。
VCA
MODE
HOLD:常に一定音量で発音
します。
F.ENV:VCF A D S R
設定したエンベロープに従っ
て発音します。
A.ENV:VCA A D S R
設定したエンベロープに従っ
て発音します。
GATE:鍵盤を押している間
だけ、一定音量で発音します。
CRUSHER
波形を歪ませて音色を変化さ
せます。
TONE 音の明るさを設定します。
A D S R エンベロープを設定します。
VCF
音の明るさや太さを決めます。また、フィルターの時間的な変化(エンベロープ)
を作ります。
CUTOFF
FREQ
ロー・パス・フィル
ターのカットオフ周
波数を決めます。
RESONANCE
フィルターのカット
オフ周波数付近を強
調します。
ENV
エンベロープの変化
する方向と量を決め
ます。
ENV TRIG(VCF、VCA 共通)
エンベロープが立ち上がるきっかけを設定
します。
LFO
+GATE
新たに鍵盤を押し直したときに立
ち上がります。また、
鍵盤を押し
続けると、モジュレーターの周期
ごとに繰り返し立ち上がります。
レガート奏法時は立ち上がりま
せん。
GATE
+TRIG
鍵盤を押すごとに立ち上がり
ます。
LFO
鍵盤を押し続けると、モジュレー
ターの周期ごとに繰り返し立ち上
がります。
GATE
新たに鍵盤を押し直したときに立
ち上がります。
レガート奏法時は立ち上がりま
せん。
MOD
ローパスフィルター
のカットオフ周波数を
モジュレーターによっ
て変化させます。
KYBD
弾く鍵盤によってフィ
ルターのカットオフ周
波数を変化させます。
A D S R
エンベロープを設定し
ます。
VOLUME
SH-2 全体の音量を調節します。
5
メモリーとバンク
1.
[PATCH]ボタンをクリックします。
Patch Select 画面が表示されます。
選択したメモリーは、
黄色で表示されます。
[NEW]ボタン
空の状態の新規バンクが作成され
ます。
[DELETE]ボタン
選択したバンクを削除します。
[LOAD]ボタン
バンクが読み込まれます。
[SAVE]ボタン
バンクをファイルに書き出します。
[WRITE]ボタン
エディットした音色を、メ
モリーとしてバンクに保存
します。
[READ]ボタン
バンクに登録してあるメモ
リーを読み込みます。
[RENAME]ボタン
選択したメモリーの名前を
変更します。
[SEND ALL]ボタン
バンクに登録されているメ
モリーをすべて(64 個)
SYSTEM-1 に送信します。
[GET ALL]ボタン
SYSTEM-1 に登録されてい
るメモリーをすべて(64 個)
受信します。
ご注意
64 個のメモリーを選択中のバンクで受信して、上書きし
ます。バンクの状態を保持したい場合は、新規バンクを作
成し、作成したバンクで受信してください(P.6)
バンク
64 個のメモリーをまとめたものを「バンク」と呼び、バンク
を切り替えることで、数多くのメモリーを呼び出すことができ
ます。バンクはファイルとして保存することができます。
バンクを切り替える
1.
バンク欄をクリックします。
バンク・リストが表示されます。
2.
呼び出したいバンクをクリックします。
バンク欄右側にある[▲][▼]ボタンを押すと、1 つ前、1 つ後ろのバンクに切り替え
ることができます。
バンクを書き出す
バンクをファイルに書き出します。
1.
[SAVE]ボタンをクリックします。
ファイル名入力画面が表示されます。
2.
ファイル名を入力し、保存します。
ファイルが書き出されます。
バンクを読み込む
1.
[LOAD]ボタンをクリックします。
ファイル選択画面が表示されます。
2.
ファイルを選択し、読み込みます。
バンクが読み込まれます。
Bank
Memory 01
Memory 02
Memory 03
Memory 64
6
メモリーとバンク
バンクを作成/削除する
バンクの作成
[NEW]ボタンをクリックすると、空の状態の新規バンクが作成されます。
バンクの削除
選択したバンクを削除します。
1.
「バンクを切り替える」(P.5)の手順で、バンクを選択します。
2.
[DELETE]ボタンをクリックします。
確認画面が表示されます。
3.
[OK]をクリックして、削除します。
バンク名を変更する
1.
「バンクを切り替える」(P.5)の手順で、バンクを選択します。
2.
バンク欄左側にある p をクリックします。
3.
名前を変更し、[Return(Enter)]キーを押します。
メモリー
SH-2 では、64 個のメモリーを 1 バンクとして管理します。
メモリーを読み込む
バンクに登録してあるメモリーを読み込みます。メモリーを読み込むと、エディット・
エリアに設定が表示され、エディットできるようになります。
1.
読み込むメモリーの番号をクリックします。
2.
[READ]ボタンをクリックします。または[Return(Enter)キーを押します。
メモリーが読み込まれます。
メモリー番号をダブルクリックして、メモリーを読み込むこともできます。
メモリーを保存する
エディットした音色を、メモリーとしてバンクに保存します。
1.
保存するメモリーの番号をクリックします。
2.
[WRITE]ボタンをクリックします。
メモリーがバンクに保存されます。
メモリー名を変更する
1.
名前を変更するメモリーの番号をクリックします。
2.
[RENAME]ボタンをクリックします。
3.
名前を変更します。(最大 16 文字)
メモリーの順番を変更する
メモリー番号をドラッグして、メモリーの順番を変更します。
7
メモリーとバンク
キーボード・ショートカット
Patch Select 画面で使用できる、キーボード・ショートカットです。
キー 機能
Command(Ctrl)+ B バンクの切り替え
Command(Ctrl)+ I バンクの読み込み
Command(Ctrl)+ E バンクの書き出し
Command(Ctrl)+ N 新規メモリー作成
Command(Ctrl)+ O メモリーの読み込み
Command(Ctrl)+ S メモリーの保存
Up/Down/Left/Right メモリーの選択
Space メモリー名変更
Command(Ctrl)+ C メモリーのコピー
Command(Ctrl)+ V メモリーの貼り付け
Delete *1
delete
*2
fn + delete *2
メモリーの削除
Return(Enter) メモリーの読み込み
Command(Ctrl)+ Z Undo(取り消し)
Command(Ctrl) Shift Z Redo(やり直し)
Command(Ctrl)+ U すべてのメモリーを SYSTEM-1 に転送
Esc ウィンドウを閉じる
*1 Windows / *2 Mac
8
SYSTEM-1 をパソコン(Mac Windows)に接続すると、SH-2 SYSTEM-1 を組み合
わせて使うことができます。
Windows
MIDI ポートとして表示される「SYSTEM-1 CTRL」は、SH-2 が使用するポートです。
DAW からは使用しないでください。
プラグアウト
プラグアウトとは?
SH-2 をはじめとするソフトウェア・シンセサイザーを、
SYSTEM-1 に組み込んで使用することができる技術です。
パソコンを使わずにSYSTEM-1 単体で、SH-2を演奏するこ
とができます。
選択中のバンクの情報を SYSTEM-1 に転送することがで
きます。
SYSTEM-1 のつまみやスライダーを使って、音色をエ
ディットすることができます。
プラグアウトの手順
1.
[PLUG-OUT]ボタンをクリックします。
確認メッセージが表示されます。
2.
[OK]ボタンをクリックします。
プログレスバーが表示され、プラグアウト処理が始まります。およそ 1 分かかります。
すでにほかのソフトウェアシンセサイザーが SYSTEM-1 にプラグアウトされている
場合は、確認メッセージが表示されます。続けるには、[OK]をクリックします。
メモリーのセンド/ゲット
1.
SYSTEM-1 をパソコンと接続します。
2.
SYSTEM-1 MODEL[PLUG-OUT]ボタンをオンにします。
メモリーをセンド/ゲットするには、あらかじめプラグアウト(P.8)しておく必
要があります。
メモリー・センド
SH-2 の現在のメモリーを、SYSTEM-1 に送信して、SYSTEM-1 で鳴らすことができます。
音は SYSTEM-1 OUTPUT 端子から出力されます。
3.
SH-2 の[SEND]ボタンをクリックします。
メモリーが送信されます。
メモリー・ゲット
プラグアウトした SH-2 のメモリーをSYSTEM-1でエディットしたとき、そのメモリーを
SH-2 に取り込むことができます。
3.
SH-2 の[GET]ボタンをクリックします。
メモリーが取り込まれます。
SYSTEM-1 で演奏する
エラー・メッセージが表示される場合は、次の項目を確認してください。
MIDI ポートは正しく設定されていますか?(P.10)
SYSTEM-1 とパソコンが接続されていますか?
SYSTEM-1 MODEL[PLUG-OUT]ボタンはオンになっていますか?
SH-2 SYSTEM-1 にプラグアウトされていますか?(P.8)
エラー・メッセージが表示される場合は、次の項目を確認してください。
MIDI ポートは正しく設定されていますか?(P.10)
SYSTEM-1 とパソコンが接続されていますか?
9
SYSTEM-1 で演奏する
SH-2 操作子マップ
3 20
4
710
9 8
6
513 1512 16
14
17 18 19 21
24 24
11
6
7
1
2
2223
操作子 消灯 点灯 点滅 点滅(高速)
22 GATE A.ENV F.ENV HOLD
23 GATE LFO GATE+TRIG LFO+GATE
SH-2(オリジナル・ハードウェア)
SYSTEM-1(ハードウェア)
1 22212019181716
15
14
1312
11
10
98
76543
2
23 24
10
設定
オプション
1.
[OPTION]ボタンをクリックします。
2.
項目を選択します。
選択されている項目には、
(
が表示されます。
項目 説明
SH-2 Layout
SYSTEM-1 Layout
メイン・ウインドウの操作子の配置を変更します。
SH-2 Layout: SH-2(オリジナル)相当の配置にします。
SYSTEM-1 Layout: SYSTEM-1 と同じ配置にします。
Zoom メイン・ウィンドウのサイズを変更します。
Set MIDI Control
Mapping for SYSTEM-1
SYSTEM-1 を、SH-2 のコントロール・サーフェスとして使用すると
きに、チェックを入れます。ボタンやスライダーの MIDI マッピン
グ情報をまとめて設定します。
Activation... SH-2 をアクティベートします。
セッティング
1.
[SETTING]ボタンをクリックします。
Setting 画面が開きます。
Flip Scroll Direction Mac のみ。
2.
パラメーターを変更します。
パラメーター 説明
MIDI Input
「SYSTEM-1」(Mac OS)または「SYSTEM-1 CTRL」(Windows)
を選択します。
MIDI Output
Flip Scroll Direction
(Mac のみ)
マウスのスクロール・ホイールで値を変更するときの、回転方向を
反転します。
3.
[OK]ボタンをクリックします。
変更は記憶されます。
複数の SH-2 を起動したとき、すべてに適用されます。
11
設定
SYSTEM-1 の設定
SH-2(プラグイン) SYSTEM-1 で鳴らす場合は、SYSTEM-1 MIDI コントローラー
モードにします。MIDI コントローラー・モードにすると、SYSTEM-1 内蔵の音源は鳴
らなくなり、SH-2 だけが鳴らせるようになります。
この設定は SYSTEM-1m にはありません。
1.
SYSTEM-1 の電源を入れます。
2.
MODEL[SYSTEM-1]ボタンと[PLUG-OUT]ボタンを押しながら、
SCATTER[TYPE]ダイヤルで、MIDI コントローラー・モードに設定します。
ローカル・コントロール OFF
ローカル・コントロール ON
MIDI コントローラー・
モード
設定 説明
MIDI コントローラー・モード
SYSTEM-1 を、MIDI コントローラーとして使用するときに選択
します。
鍵盤を押しても、SYSTEM-1 内蔵の音源は鳴りません。
MIDI を受信しても、SYSTEM-1 内蔵の音源は鳴りません。
ローカル・コントロール ON SYSTEM-1 を単体で使用するときに選択します。(初期値)
ローカル・コントロール OFF
SYSTEM-1 を、DAW などと組み合わせて使用するときに選択し
ます。
SYSTEM-1 単体では、鍵盤を押しても音は鳴りません。
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