Novation Summit ユーザーガイド

ブランド: Novation

モデル: Summit

カテゴリー: 楽器

タイプ: ユーザーガイド

Novation

A division of Focusrite Audio Engineering Ltd. の一部門

Windsor House

Turnpike Road

Cressex Business Park

High Wycombe

Buckinghamshire

HP12 3FX

United Kingdom

電話： +44 1494 462246

ファックス： +44 1494 459920

電子メール： [email protected]

ウェブサイト： http://www.novationmusic.com

商標

Novationの商標はFocusrite Audio Engineering Ltdが所有しています。このマニュアル

に記載されている他のすべての商標、製品と会社名、またその他の登録名または登録商標

は、それぞれの所有者のものです。

免責事項

Novationは、このマニュアルが、可能な限り正確で完成した情報を提供できるように努めて

います。Novationは、このマニュアルまたは本書に記載されている機器の使用に起因する機

器の所有者、第三者、またはすべての機器に対する損失または損害に対していかなる責任も

負いません。本書で提供されている情報は、事前の警告なしにいつでも変更される可能性が

あります。仕様および外観は、記載および図示されているものと異なる可能性があります。

著作権表示と法定通知

NovationはFocusrite Audio Engineering Limitedの登録商標です。

Peak および New Oxford Oscillator は、Focusrite Audio Engineering Limited の商

標です。

著作権表示と法定通知 .....................................................2

はじめに .................................................................4

主な機能.............................................................4

本マニュアルについて ..................................................4

同梱物 ..............................................................4

Novation Summitの製品登録 ..........................................4

電源について .........................................................4

各部の名称と特徴 .........................................................5

上面パネル ...........................................................5

各セクションのコントロール部 ............................................5

Rear Panel ..........................................................9

さあ、始めましょう........................................................10

メニューナビゲーション ................................................12

バイティンバーシンセシス ...............................................12

パッチの読み込み ....................................................12

パッチの比較 ..................................................13

クイック初期化 .................................................13

パッチの保存 ..................................................13

基本操作-サウンドの編集 ..............................................14

OLEDディスプレイ ..............................................14

パラメータ調整 .................................................14

フィルターノブ ..................................................14

キーボードコントロール ..........................................14

アルペジエーター ...............................................15

MIDIコントロール...............................................15

ANIMATEボタン ...............................................15

シンセシスチュートリアル ...................................................16

SUMMIT: 簡略版ブロック図 ................................................21

SUMMITをさらに理解する ................................................ 22

ボイス ............................................................. 22

Glide........................................................ 22

The Voice Menu.............................................. 22

オシレーターセクション ............................................... 25

オシレーター波形 .............................................. 25

オシレーターピッチ............................................. 25

ピッチモジュレーション ......................................... 25

波形形状..................................................... 25

オシレーターメニュー ........................................... 25

ミキサーセクション .................................................. 27

フィルターセクション ................................................. 27

フィルターの種類とスロープ ..................................... 27

レゾナンス .................................................... 28

フィルターモジュレーション ...................................... 28

フィルタートラッキング .......................................... 29

オーバードライブ .............................................. 29

エンベロープセクション ............................................... 29

エンベロープメニュー ........................................... 30

LFO セクション ..................................................... 30

LFO 1およびLFO 2 ハードウェアコントロール........................ 30

LFO 1 & 2 波形 ................................................31

LFO 1 & 2 レート...............................................31

LFO 1 & 2 フェードタイム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .31

LFO 3およびLFO 4 ハードウェアコントロール.........................31

LFO 3 & 4 セレクト .............................................31

LFO 3 & 4 波形 ................................................31

LFO 3 & 4 レート...............................................31

LFO 3 & 4 同期 ................................................31

LFO メニュー ..................................................31

アルペジエーター .................................................... 33

Tempo ...................................................... 33

アルペジオモード .............................................. 33

アルペジオリズム .............................................. 33

オクターブレンジ ............................................... 33

ノートの長さ .................................................. 33

Key Latch.................................................... 33

アルペジオデータ伝送 .......................................... 33

アルペジオ/ クロックメニュー ..................................... 33

エフェクトセクション ................................................. 35

ディストーション ............................................... 35

コーラス ..................................................... 35

ディレイ ..................................................... 35

リバーブ ..................................................... 35

FX メニュー................................................... 35

モジュレーションマトリックス .......................................... 38

F Xモジュレーションマトリックス ........................................ 39

Settings メニュー ................................................... 40

付録 ............................................................... 45

Novation Componentsを使用したシステムアップデート ................... 45

Sy s E x によるパッチのインポート ........................................ 45

シンク値表 ......................................................... 45

Arp/Clock Sync Rate.......................................... 45

ディレイシンクレート ........................................... 45

L F O シンクレート .............................................. 45

初期パッチ – パラメータ表 ............................................ 45

シングルおよびマルチパッチモードでの M I D I 操作 .......................... 46

モジュレーションマトリックス - ソース ................................... 46

モジュレーションマトリックス - 割り当て先 ............................... 46

モジュレーションマトリックス - 割り当て先（続き）......................... 46

FXモジュレーションマトリックス - ソース ................................. 46

FXモジュレーションマトリックス – 割り当て先 ............................. 46

MIDI パラメータ表....................................................47

サウンドデザイナー .................................................. 49

ファクトリーパッチとデザイナークレジットのリスト .................... 50

はじめに

Novation史上最高のサウンドを実現した16ボイスポリフォニックバイティンバーシンセサ

イザーSummitをご購入いただきありがとうございます。Summitは、Peakデスクトップシン

セの自然な発展形です。尚、PeakはBass Station IIアナログシンセのポリフォニックバージョ

ンとして考案されたものです。Summitは、基本的に2パートのマルチティンバーハイブリッド

楽器で、Peakのシンセコアのデュアル搭載を中心に構成されています。PeakのNew Oxford

Numerically Controlled Oscillators（新オックスフォード数値制御型オシレーター）に基

づいた S u m m i tの2パート構造により、16ボイスシングルモードと2×8 ボイス　バイティンバー

モードの両方で、比類のないサウンドデザインをコントロールできます。各シンセエンジンの

全機能を完全にコントロールしながら、複数のレイヤードサウンドをミックスに取り込むこと

ができます。また、Summitのサウンドに彩りと深みを加えるのに役立つ素晴らしいエフェク

トセクションを搭載しました。

最上級の音質に加え、Summi tには専用に作成された素晴らしいプリセットが2つ、つまり

Peakに搭載されたシングルパッチと、Summitのバイティンバー構成の力を最大限に生かす、

見事なマルチパッチの数々が備わっています。

S u m m i t には、ピッチとモジュレーションホイールを備えた高品質の 61ノートキーボードがあ

ります。スタジオやステージ上で、スタンドアロンで使用することも、お持ちのMIDIコントロー

ラー、別のキーボード、DAW、またNovation Launchpad Proなどのパッドコントローラーと

共に使用することもできます。CV (コントロールボルテージ）入力も搭載されているため、お

持ちのユーロラックやその他CV 対応シンセと接続することが可能です。

注意：S u m m i tでは高いダイナミックレンジのもとサウンドを創作することができますが、ダイ

ナミックレンジが高すぎる場合、スピーカーやその他の機器への損傷、さらには聴力障害を

引き起こす危険性が ’あります。

主な機能

• レイヤー、スプリット、およびデュアルキーボードモードを備えた2パートのマ

ルチティンバー構成

• 24MHzで動作する FPGA ベースの数値制御型オシレータによって、アナログオ

シレーターと区別できない程の波形を生成

• 従来のアナログ信号経路

• 完全アナログフィルターセクション

• デュアルピーク構成：各パートの全パラメーターに個別にアクセス可能

• 伝統的な専用ロータリーコントロール

• 16ボイスポリフォニー

• ボイスごと、パートごとに3つのオシレーター

• オシレーターごとに、正弦波、三角波、ノコギリ波、パルス波、そのほか60の

波形テーブル

• 全てのタイプで形成可能な波形

• チューニングテーブル機能 - 非標準のキーボードチューニングを作成可能

• 可変スロープ、レゾナンス、オーバードライブ、モジュレーションオプション

を備えた2つのアナログLP/BP/HPフィルター

• 任意の2種類のフィルターを同時使用可能：セパレーションパラメーターによ

り、異なる周波数を実現

• スロットごとに2つのソースを備えた強力な16スロットモジュレーションマト

リックス

• パネルコントロールを備えた2つのフル LFO

• パネル上にある、主要なコントロールを備えたさらに2つのLFOと、他のパラメ

ーターのメニューコントロール：モジュレーションマトリクスを介して完全に

ルーティング可能

• 3つのエンベロープセクション（AmpおよびMod×2）は6段階：DAHDSR

• AmpおよびModエンベロープの、従来のフェーダーコントロール（ADSR段

階用）

• AHDエンベロープの段階はパネルから繰り返しループ可能

• リングモジュレーター（入力：OSC 1および2）

• 幅広いパターンとモードを備えた汎用性の高いアルペジエーター：パネル上の

主要なコントロール

• 専用のタイムコントロールを備えたグライド（ポルタメント）

• 最新のパッチをあらかじめ搭載: 384音色のシングルパッチと384音色のマルチ

パッチ、それぞれは128音色のバンク3つの配列

• さらに2つのユーザーバンクは128音色の追加シングルパッチ用、および128音

色の追加マルチパッチ用

• Novation Peakで作成されたパッチとの完全な互換性：Peakのパッチバンク、

または個々のパッチは、Sysex経由でSummitにインポート可能。

• ライブパフォーマンスでサウンドの即時変更とエフェクトをトリガーする2つの

アニメーションボタン

• 強力なエフェクトセクション：ディストーション、ディレイ、コーラス、リバ

ーブ

• 独立した4スロットFXモジュレーションマトリクス

• クラスコンプライアント USB ポート（ドライバ不要）、パッチダンプ、MIDI

• パッチ選択およびパラメータ調整を行う OLED ディスプレイ

• 内臓ユニバーサルPSU - コンセント電源

• その他のアナログ機器と結合するための外部 CV 入力

• メインおよび補助出力ルーティング用のステレオ出力2セット：各パーツはいず

れか/両方にルーティング可能

• ヘッドフォン出力：メイン、補助、または両方の出力に対応可能

• サステインまたはエクスプレッションの2つのペダルに対応

• ケンジントンセキュリティスロット

本マニュアルについて

重要：

このユーザーガイドは、v1.0ファームウェアを搭載したSummitシンセサイザーに適用さ

れます。お持ちの S u m m i tのファームウェアが旧バージョンの場合、最新バージョンへの

更新をお勧めします。Novation Componentsを使用して、非常に簡単に更新できま

す。https://novationmusic.com/components をご覧ください。

本マニュアルは、あらゆるタイプのユーザーに可能な限り役立つよう作成されています。必然

的に、経験豊富なユーザーが特定の部分を飛ばしたいと思ったり、シンセ経験の少ないユー

ザーが、基礎を把握するまでは特定の部分を後回しにしたいと思うことがあるでしょう。他の

N o v a t i o nシンセサイザーのユーザーガイドと同様に、本マニュアルにも「シンセシスチュート

リアル」（ぺージ 16 参照）を掲載しています。このチュートリアルは、全てのシンセサイザ

ーの基本であるサウンド生成と処理についての原理を説明しており、全てのユーザーの方に

役立つ内容となっています。

本マニュアルを読む前に知っておくと便利な規則がいくつかあります。テキスト内にはいくつ

か図が挿入されていますが、これらをうまく利用することで、それぞれのニーズに合った情報

を速やかに得ることが’できます。

本マニュアルを効率良く読んでいただくために

トップパネルのコントロールやリアパネルのコネクタを参照する場合は、以下のように番号を

使用しています。

トップパネル図との相互参照。

背面パネル図との相互参照。（ぺ

ージ 5 とぺージ 9 を参照)。

トップパネルコントロールまたリアパネルのコネクタの名称には、太字 BOLD TEXT (または

Bold Text) で、Summit本体の表示と全く同じ名称を使用しています。トップパネルのディ

スプレイに表示されるテキストと番号には、Dot Matrix text を使用しています。

ヒント

このマークが記されているフィールドでは、Summitの操作をより簡単にす

る上で有効なアドバイス情報が紹介されています。フィールド内の情報に

は任意で従っていただけますが、ほとんどの場合には操作方法を効率よく

習得する上で有益なものです。

補足情報

このマークが示されているフィールドでは、より上級者の方にとって有益な

情報が紹介されています。初心者の方の場合飛ばしてしまっても構いませ

ん。特定の操作範囲の明確化や補足の説明を提供することを目的としてい

ます。

同梱物

Summitシンセサイザーは出荷時に、いかなる取扱にも耐える包装材で、慎重に梱包されて

います。輸送中に製品が破損したと思われる場合には、包装材を捨てたりせず、楽器店に連

絡してください。

Summitを安全に輸送する必要が生じた場合に備えて、なるべくパッケージに含まれる全て

の包装材を保管してください。

以下のリストに記されているものが全て揃っているかご確認ください。内容物の不足または破

損がある場合、製品を購入した Novation 販売店または代理店にお問い合わせください。

• S u m m i t シンセサイザー

• 使用地域に適したプラグ付きのIECメインケーブル

• USBケーブル（タイプA - タイプB、1.5m）

• 安全に関する情報シート

• 「入門」ガイド、Ableton Live Lite へのオンラインアクセスも提供

Novation Summitの製品登録

入門ガイドに記載されている情報を使用して、novationmusic.com/register にて

必ずSummitのオンライン登録を行ってください。Summitの購入者として登録を行う

と、Novatio nアカウントから追加のソフトウェアをダウンロードできます。

電源について

SummitはAC電源使用です。内蔵電源ユニット（PSU）は「ユニバーサル」タイプで、シンセ

サイザーは100V～240V間の全コンセント電圧で動作します。ユニットにはIECメインケーブ

ルが付属しています。

Summitには、ユーザーがアクセスできるヒューズはありません。明らかなPSU障害が発生し

た場合、Summitは適切な資格を持つ技術者が修理する必要があります。

各部の名称と特徴

上面パネル

Summitのコントロールサーフェスは、信号の生成順序や加工過程に基づいてそれぞれの機

能がエリアごとに左から右に配置されています。

MENU VOICE

FM LFO 1 & 2EFFECTS

MIXER

FILT ER

AMP ENVELOPE

MOD ENVELO PESARP LFO 3 & 4

OSCILLATO RS

MULTI PART &

MUL

TIMODE CONTROL

MASTER

ACTIVE VOICES

ANIMATES

PERFORMANCE

CONTROLS

• MASTER - パッチをロードし、全体のサウンドレベルを調整。有効なボイスの

表示

• ACTIVE VOICES - 現在のサウンドを生成しているボイスを示すLEDディスプ

レイ

• MULTIPART CONTROL - マルチパッチの2つの部分をどのように制御するか

を決定

• MULTIMODE - マルチパッチの2つのパートを一緒にプレイするか、個別にプ

レイするかを決定

• ANIMATES – サウンドに即座な変更を加えるモーメンタリボタン

• PERFORMANCE CONTROLS - オクターブをコントロールする、ピッチホイー

ルとモジュレーションホイール

• MENU - パッチの選択/保存用4 × 20文字ディスプレイ、拡張パラメータ制御、

グローバル設定の調整

• VOICE - 音声モードの選択、および連続するノート間のグライドを可能にする

• ARP – アルペジエーター機能。繰り返されるノートパターンの生成

• OSCILLATOR 1 – サウンドを生成する主要部

• OSCILLATOR 2 – サウンドを生成する主要部

• OSCILLATOR 3 – サウンドを生成する主要部

• FM - 内蔵オシレーター周波数モジュレーションのコントロール

• MIXER – オシレーターの波形、リングモジュレーター出力、ノイズをまとめる

• FILTER – 信号の周波数成分の修正

• AMP ENVELOPE – 信号のアンプが時間と共にどのように変化するかをコント

ロール

• MOD ENVELOPES – シンセのその他のパラメータが時間と共にどのように変化

するかをコントロール

• LFO 1 – 低周波数オシレーター、フィルターおよびオシレーターのモジュレー

ト

• LFO 2 – 低周波数オシレーター、オシレーター1、2、3、のピッチをモジュレ

ート

• LFO 3 & 4 - 低周波オシレーター、グローバルコントロールのみ（その他はメ

ニューシステム経由）

• DISTORTION - pre-VCAアナログディストーション（歪み）のコントロール

• EFFECTS – エコー、リバーブ、コーラスエフェクトをサウンド全体に加える

各セクションのコントロール部

MASTER:

Master Volume – シンセの MAIN および AUX オーディオ出力のマスターボリューム

コントロール：ヘッドフォンの出力レベルもこれによって制御されます。

Initialise – このボタンを押すと、すべてのシンセパラメータが Initial Patch のデフォル

ト値にリセットされます。このボタンによって初期状態のサウンドに素早く戻ることができま

す。現在のコントロールパネルのすべての設定は、読み込み時に初期パッチに適用されるた

め、Initialise の機能は Settings メニューで変更できます（ 42 ページを参照）。

Compare – このボタンを押す（長押し）ことで、現在ロードされているパッチの元のサ

ウンドを聞くことができます。ロード後にエフェクトなどの編集を加えたサウンドと、元のサ

ウンドを聴き比べる際に便利です。マルチパッチが選択されているときに Compare を押す

と、A ボタンとBボタン

で現在選択されているパートに関係なく、パッチのパートAとBの

両方を聞くことができます。Compare を選択できるのは、キーが同時に押されていない場

合だけです。

Single – を押すと、シングルパートパッチ用に用意されているパッチメモリ領域にアクセ

スします。現在のパッチの場所と名前がディスプレイに表示され、代替のシングルパッチをパ

ラメーターコントロール

で選択できます。

Multi – 押すと、マルチパートパッチ用に用意されたパッチメモリ領域にアクセスします。

現在のパッチの場所と名前がディスプレイに表示され、代替のマルチパッチをパラメーターコ

ントロール

で選択できます。

Patch +/- – これらのボタンを押すと、選択されたモードに応じてパッチをスクロールす

る代替方法（シングルまたはマルチ）を利用できます。

Active Voice – 16個の2色LEDで、16ボイスのどれが現在アクティブかを示します。シ

ングルパッチモードではすべてのL EDがオレンジになり、マルチパッチモードではパートごとの

音声使用状況を示すためにオレンジと青を使用しています。

MENU:

20x4 文字のOLEDディスプレイ。メニュー

にあるボタンで選択されたメニュー、また

は現在のパッチの詳細を表示します。各メニュー内のページは、ディスプレイ下に配置され

た Page I および Page H ボタンによって選択されます。Summitのロータリーコントロール

（MASTER iを除く）を調整することで、操作している間そのパラメータの値がディスプレイ

に表示されます。ディスプレイ左に配置された3つのボタンは、パラメータコントロール

を

表示されているページの特定の行に割り当てます。

表示するメニューを選択する 9 つのボタン：Osc、Env、LFO、Arp/Clock、Mod、

Voice、FX、FX Mod、および Settings. これらのボタンはすべて「トグル」です。もう一度

押すとメニューが終了し、パッチ情報ページの表示に戻ります。

パラメータの調整は、ロータリーコントロールまたは Value + / Value - ボタンで行えま

す。ディスプレイに現在パッチデータが表示され、行2（「Patch」）が選択されている場合、これ

らのコントロールを使用してパッチライブラリ（シングルまたはマルチ、現在アクティブなもの）

をスクロールすることも可能です。

Save – 3つのメニューページの最初を開き、現在のシンセ設定をユーザーパッチとしてメモ

リに保存できます。

MULTIPART および MULTIMODE CONTROL :

A および B ボタンを使って、マルチパッチのどちらのパート（AまたはB）をシンセコントロ

ールに割り当てるか、Dual モード（以下の

を参照）のどちらのパートを聞くかを選択し

ます。シンセコントロールが両方のパートに同時に影響する場合は、 A と B を一緒に押し

て Both モードを選択できます。

Layer – レイヤーモードでは、キーボードはマルチパッチのパートAとB の両方を演奏し

ます。

Split – このモードでは、パートAを左手で、パートB を右手で演奏できます。デフォルトで

は、「スプリットポイント」は中央C（C3）です。キーボードの適切なキーを押しながら Split

を長押しするとスプリットポイントを再定義できます。新しいスプリットポイントはパッチとと

もに保存されます。

Dual – このモードでは、キーボード全体がパートAまたはパートB（ A および B ボタン

で選択）に割り当てられます。 A と B を同時に押すことで両方のパートを選択できま

す。この場合、結果は L a y e r モードを選択した場合と同じです。このモードでは、マルチパッチ

の両方のパートのパラメーターを同時に制御できます。

他のパートでFXセクションを使用して外部信号を処理する必要がある場合

は、デュアルモードを使用して2つのパートのいずれかを演奏できます。

注: マルチパッチモードでは、上記のボタン

から

の内部が点灯します。色は、現在

Summitのシンセコントロールに割り当てられているパートを反映します。パートAは青、パー

トBはオレンジ、A + B Bothモードは白で示されます。

OSCILLATORS:

3つのオシレーターには、それぞれ同一のコントロールセットが備わっています。

16 19 2317 18 20 21 22

Range – オシレーターの基本ピッチ値を選択します。標準のコンサートピッチ

（A3=440Hz）の場合は、8’に設定されます。

Coarse – 選択されているオシレーターのピッチを± 1 オクターブの範囲で調整します。

Fine – オシレーターのピッチを± 100 セント（± 1 半音）の範囲で調整します。

Wave – 正弦、三角、ノコギリ波、パルス、more から使用するオシレーターの波形を選

択します more を選択した場合、メニューからその他様々な波形テーブルを選ぶことができ

ます）。

Mod Env 2 Depth – Envelope 2 でのモジュレーションに対してオシレーターピッチ

が変化する量を調整します。すべてのモジュレーションデプスコントロールは「中心ゼロ」であ

るため、正の値ではピッチが増加し、負の値ではピッチが減少します。

LFO 2 Depth – LFO 2 でのモジュレーションに対してオシレーターピッチが変化する量

をコントロールします。ピッチは上下両方に変化します。一方向のピッチモジュレーションは、

モジュレーションマトリックスを使用することで可能です。

Shape Amount – 波形のさらなる編集を行います。全ての波形で使用でき、パルス波

ではパルス幅の調整を行い、正弦、三角、ノコギリ波ではウェーブフォールディングを生成し

て基本波形に倍音を追加します。Wave スイッチ

および Source

を Manual、に

設定して more を選択すると、コントロールはOscillatorメニューの WaveMore パラメー

ターに対して現在選択されている波形テーブルの 5 つの波形を連続して移動します。

Source – Shape Amount コントロール

を3つのソースのいずれかに割り当て、

波形ソースをさらに変化させることができますオプションは以下の通りです：Envelope

1 (Mod Env 1) によるモジュレーション、LFO 1(LFO 1) によるモジュレーション、および

Manual （Shape Amount コントロール自体で波形を変更する場合）。3つのソースはアデ

ィティブであるため、すべてを同時に使用できます。

3つすべてのオシレーターには、Osc メニューを使用してさらに調整可能なパラメーターがあ

ります。

LFO 1 & LFO 2:

2つの LFO には、それぞれ同一のコントロールセットが備わっています。

24 2625 27

どちらの LFO の出力も、シンセのその他多くのパラメータにモジュレーションを適用する際

使用が可能です。SummitのLFOはすべてボイス単位です。つまり、LFO波形のモジュレーシ

ョン効果は、各オシレーターの出力を構成する8つのボイスのそれぞれに独立して適用され

ます。

Type – 三角、ノコギリ波、矩形波、サンプルアンドホールドなど使用可能な波形から選

択します。LED によって、LFO のスピードと波形を視覚的に示します。

Fade Time – LFO が適用されるタイミングを設定でき、LFO の上昇または降下、あるい

は適用されるタイミングを遅延させることができます。LFO メニューでオプションを設定す

ることができます。

Range – High または Low を選択します。3 つ目のオプション Sync では、内部アルペ

ジオクロックまたは外部 MIDI クロック（存在する場合）に LFO の周波数を同期します。

Rate – LFO の周波数を設定します。

LFOメニューから調節が可能な更なるパラメータが両方のLFOに搭載されています。これに関

してはユーザーガイドの後半で詳細に説明しています。

GLOBAL LFO 3 & 4:

28 29 30 31

Select – このエリアのコントロールをLFO 3またはLFO 4に割り当てます。

Type – 利用可能な波形を選択します（上記の

を参照）。

Rate – LFO の周波数を設定します。

Sync を押すと、内部アルペジオクロックまたは外部 MIDI クロック（存在する場合）に

LFO の周波数を同期します。

LFO メニューから調節が可能な更なるパラメータが両方のLFOに搭載されています。これに

関してはユーザーガイドの後半で詳細に説明しています。

FM:

Osc 3 > Osc 1 – Oscillator 3によってOscillator 1のピッチに適用される周波数モジュ

レーションデプスを制御します。

Source – Osc 3 > Osc 1 Modulation Depth コントロール

を3つのソースのいず

れかに割り当てます。オプションは以下の通りです：Envelope 2（Mod Env 2）によるモジ

ュレーション、LFO 2 (LFO 2) によるモジュレーション、および Manual (Osc 3 > Osc 1 コ

ントロール自体でモジュレーションデプスを設定する場合）。3つのオプションはアディティブ

です。すべてを同時に使用して、各ソースのモジュレーションデプスを個別に設定できます。

Osc 1 > Osc 2 – Oscillator 1によってOscillator 2のピッチに適用される周波数モジュ

レーションデプスを制御します。

Source – 対応する機能を Osc 1 > Osc 2 コントロール

の Source ボタン

と

して実行します。

Osc 2 > Osc 3 – Oscillator 2によってOscillator 3のピッチに適用される周波数モジ

ュレーションデプスを制御します。

Source – 対応する機能を Osc 2 > Osc 3 コントロール

の Source ボタン

と

して実行します。

Su m m i tには、メニューシステムから設定できるFM（周波数モジュレーション）オプションが

あります。これらについては、ユーザーガイドで詳しく説明しています。

MIXER:

38 43

Osc 1 – Oscillator 1のボリュームを制御します。

Osc 2 – Oscillator 2のボリュームを制御します。

Osc 3 – Oscillator 3のボリュームを制御します。

Ring 1*2 – リングモジュレーターの出力レベルを制御します：リンクモジュレーターへ

の入力は Osc 1および Osc 2となります。

Noise – ホワイトノイズジェネレーターのボリュームを制御します。

VCA Gain – これは、ミキサーの出力レベルを効果的に制御します。信号の合計に適用

されるアナログゲインを調整します。（ページ 21 参照）。

AMP ENVELOPE、MOD ENVELOPES:

Amp Envelope コントロール - アンプエンベロープの標準 ADSR パラメータ

（Attack、Decay、Sustain、Release）を調整する4つの45 mmスライダーセット。

Mod Envelope コントロール - 2 つのモジュレーションエンベロープのパラメータを調

整する同じスライダーセット（以下

を参照）。

Select – Summitは、2つの独立したMod Envelopeを生成します。このボタンを使用

して、どちらかから（ Mod 1 または Mod 2) Mod Envelopeスライダー

が制御するも

のを選択します。

Loop – エンベロープのループ機能を有効にします。これにより、エンベロープのAH D段

階が何度もリトリガーされます。この回数は、Env メニューの Repeats パラメータで定義

されます。

3つのエンベロープすべてに、Env メニューから調整が可能な更なるパラメータが搭載されて

います。これに関しては、ユーザーガイドの後半で詳細に説明しています。これらには、追加

のDelayおよびHoldエンベロープ段階が含まれます。

VOICE:

49 50

Voice Mode – 5つのボイスモード（3つのモノフォニックと2つのポリフォニック）のいず

れかを選択します。

Glide On – Glide 機能の有効/無効化を行います。

Glide Time – ポルタメントのグライドタイムを設定します。

ARP:

54 55

56 57

Arp On – アルペジエーターのオンオフを切り替えます。

Key Latch – キーを押しながらKey Latchを選択すると、Summitは選択が解除される

までホールドされたノートを連続して再生します。これは、アルペジオシーケンスの自動維持

に使用できますが、K e y L a t c h をアルペジエーターとは独立して使用して、演奏したノートを

任意の時間ホールドできます。

Tempo – アルペジオパターンの速度を設定します。

Rhythm – 演奏されるノートに基づいて33種類のパターンのいずれかを選択します。

Gate – アルペジエーターによって演奏されるノートの長さを設定します。

Octave – アルペジオパターンが拡張するオクターブの数を設定します。オクターブレンジ

を増やすと、パターンが長くなります。

Type – Type を変更することにより、アルペジオパターンのさらなるバリエーションが可

能です。これにより、ユーザーは、パターンを構成するノートの方向や順序（上または下、ラン

ダム、コードフォーメーションなど）を選択できます。

アルペジエーターには、Arp メニューから調整が可能な更なるパラメータが搭載されていま

す。これには、クロックソース、同期レート、スイングなど基本的な設定が含まれます。これ

に関しては、ユーザーガイドの後半で詳細に説明しています。ほとんどのパネルコントロール

は、Arp/Clock メニュー内に複製されています。

FILTER:

65 67

Shape – 3つの基本的なフィルタータイプ、ローパス（LP)、バンドパス (BP) またはハイ

パス (HP) から選択します。 Dual を選択するとメニューページ（ Voice メニューページ4）

が開き、同時に動作する2つのフィルタータイプの直列または並列の組み合わせに基づいて、

さらに 9 つのオプションを選択できます。

Slope – フィルターのスロープを 1 オクターブあたり 12dB または 24dB のいずれかに

設定します。

Frequency – フィルターのカットオフ周波数（LP または HP）、またはその中心周波数

（BP）をコントロールする大きなロータリーノブ。

Resonance – フィルター特性にレゾナンス（フィルター周波数で増加された応答）を与

えます。

Overdrive – ミキサー出力にプリフィルターのディストーションを追加します。

Source – Env Depth

コントロールを、フィルターの周波数をモジュレート可能な2

つのソースのいずれかに割り当てます。オプションは、アンプエンベロープ (Amp Env) 、ま

たはモジュレーションエンベロープ（Mod Env 1) のいずれかによるモジュレーションです。

2つのソースはアディティブであるため、同時に使用できます。

Env Depth – Source

により現在選択されているエンベロープで加工されるフィル

ター周波数の量を調整します。2 つのソースは、デプスの値が異なる場合があります。 Env

Depth は真ん中がゼロに設定されているコントロールであるため、各モジュレーションソース

によってフィルタの周波数に正と負の両方の変化が課される場合があります。

LFO 1 depth – LFO 1 によって変更されるフィルター周波数の量を調整します。LFO 1

Depth は真ん中がゼロに設定されているコントロールであるため、フィルター周波数を正と

負の両方に変化させることができます。

Osc 3 Filter Mod – フィルター周波数を Oscillator 3 で直接モジュレートすることが

できます。

Key Tracking – 演奏されるノートのキーボード位置がフィルター周波数を 0 ～ 100%

で変化させる量を調整します。

EFFECTS:

Summitの2つのパートのそれぞれのEffectsセクションは、タイムドメインエフェクトを生成

する3つの異なるD S Pベースのプロセッサと、アナログディストーションジェネレーターで構成

されています。

76 77

73 74

68 78

DISTORTION: Level – 各Partの有効な全ボイスの合計に適用されるアナログディスト

ーションの総量を調整します。

DELAY: Time – 元の音に追加される遅延信号（エコー）のタイミングを設定します。

DELAY: Sync – Sync を選択することで、ディレイ時間が内部クロックまたは受信 MID

I クロックに同期されます。

DELAY: Feedback – 遅延信号をディレイプロセッサの入力にフィードバックすること

で、複数のエコーを生み出すことができます。

DELAY: Level – 遅延信号のボリュームを調整します。

REVERB: Time – リバーブのディケイタイムを調整します。（最大の値にすると、非常に

長いディケイを得られます）。

REVERB: Size – 3 種類の異なるサイズのスペースをエミュレートします：3 が最大のス

ペースとなります。

REVERB: Level – リバーブの量を調整します。

CHORUS: Rate – コーラスモジュレーションの割合を調整します。

CHORUS: Type – 3 種類の異なるコーラスアルゴリズムのうちの一つを選択できます。

CHORUS: Level – コーラスエフェクトの度合を調整します。

EFFECTS: Bypass – 3 つのタイムドメインエフェクト（ディレイ、リバーブ、コーラス）を

バイパスします。Bypass はアナログディストーションには影響しません。

ディレイ、リバーブ、コーラスエフェクトには、FX メニューから調整が可能な更なるパラメ

ータが搭載されています。これに関しては、ユーザーガイドの後半で詳細に説明していま

す。S u m m i tには、独自のメニューを備えた専用の 4スロットF Xモジュレーションマトリックス

もあります。このため、さまざまなシンセソースによって幅広いF X パラメーターをモジュレー

トできます。

ANIMATE:

80 81

ANIMATES 1 と 2 – モジュレーションマトリクスで設定された追加のプログラム済みモ

ジュレーションおよびエフェクトルーティングを有効にすることにより、現在扱っているサウン

ドに即座にエフェクトを追加できます。これらのボタンはライブパフォーマンスに優れていま

す。Summitの工場出荷時のパッチのほとんどには、Animate機能が含まれています。

Hold – Hold を押すことで Animate 機能が「ON」の状態でロックされます。

ANIMATE を押す前に Hold を押しても、その逆の操作でも可能です。 ANIMATE を再度

押すと、AnimateおよびHold機能が解除されます。

PERFORMANCE CONTROLS:

82 83

ソフトラバーの Pitch ホイール。正方向で中央の位置に戻ります。デフォルトの範囲は

+/- 1オクターブですが、OscillatorメニューのBend Rangeパラメーターでは、各オシレータ

ーに対して最大+/- 2オクターブの範囲を個別に使用できます。

ソフトラバーの Modulation ホイール。その特定の効果はパッチによって異なります。

1つ以上のパラメーターを変更するために、Modulation Matrixソースとして割り当てること

もできます。

PitchホイールとModulationホイールには内部照明があり、現在のA/B MULTIPART 選択

[12]に合わせて色分けされていることに留意してください。

Octave + および Octave – ボタン – 押すたびにキーボードを1オクターブ上または下に

シフトします。最大範囲は+/-3オクターブです。ボタンの照明は、シフトの程度とともに増加

します。オクターブシフトが有効でない場合、両方のボタンが暗くなります。

Rear Panel

IEC電源インレット– 付属のACケーブルをここに接続します。

POWER – 電源のオン/オフスイッチ。

標準のタイプB USB 2.0ポート。付属のケーブルを使用して、コンピュータのタイプA USBポートに接続します。 USBポートではMIDIデータのみを送信を行い、オーディオは送信され

ません。

MIDI IN、OUT、および THRU – キーボードまたはその他のMIDIハードウェアにSummitを接続するための標準5ピンDIN MIDIソケット。

PEDAL 1 および PEDAL 2 – スイッチ（サステインなど）ペダルやエクスプレッションペダルを接続するための2 つの3 極（ T R S）¼インチジャックソケット。このソケットでは、ペダルの極性

が自動的に検出されます。エクスプレッションペダルをモジュレーションマトリクスに使用できるソースとして直接ルーティングすることもできます。スイッチペダルの機能は、Settings メニュー

で設定できます。

CV MOD IN – +/-5 Vの範囲の外部電圧制御機器を接続するための3.5mmジャックソケット。これにより、他のアナログ楽器（互換性のあるCV出力を搭載）がSummitのサウンドをモジ

ュレートできます。

MAIN OUTPUTS – Summitのメイン出力信号を伝送する2つの¼インチ3極（TRS）ジャックソケット。L/MONO および RIGHT の両方をフルステレオに使用します。RIGHT に何も接

続されていない場合、まとめられたモノラル（L+R）を L/MONO で使用できます。出力は疑似バランスです。

AUX OUTPUTS – Summitは2番目のステレオ出力を搭載しています。パートAとBは、どちらの出力にも個別に割り当てることができます。これは、マルチパッチを使用する場合の強力な

機能です。パートA とB の F Xセクションの（ W e t）出力をメインまたは補助出力に割り当てることもできます。AUX OUTPUTS のモノ/ ステレオオプションは、MAIN OUTPUTS のオプションと

同じです。

HEADPHONES – ステレオヘッドフォン用の3極（TRS）¼インチジャックソケット。ヘッドフォンボリュームは Master Volume コントロール

で調整できます。

INPUTS – 外部ソースからSummitのFXプロセッサに信号を適用するための2つの¼インチ3極（TRS）ジャックソケット。メニューオプション (Voice メニューページ3) で、フィルターセク

ションの前または後に、外部信号を処理チェーンに挿入できます。L/MONO および RIGHT の両方をフルステレオに使用します。RIGHT に何も接続されていない場合、信号はモノラル入力と

して扱われます。

ケンジントン・セキュリティ・スロット – シンセにセキュリティ対策を施します。

さあ、始めましょう

Summitはスタンドアロンのシンセサイザーとして簡単に使用できます。ただし他にも多くのバリエーションがあり、お持ちのシンセ/レコーディングセットアップにどのようにセットアップするのか

は、所有しているその他の機器と創造力によって決まります。

以下の3つの例では、Summitが一つのシンセパートとしてどのようにセットアップされうるかを示しています。今回の例では Novation または Focusrite 製品を全体で使用していますが、互換

性のあるものであれば、所有しているあらゆる機器を使用することができます。

LFO OUT

CV GATE

MIDI

CV IN

MAIN AUDIO OUT

MAIN AUDIO IN

AUX

Eurorack

Novation Bass

Station II

Novation

Summit

Novation

SLMkIII

このセットアップではDAWを使用しないため、レコーディングではなくライブパフォーマンスに適しています。ここでは、MIDIコントローラー（Novation SL MkIII）を使用して、Summitと

Novation Bass Station II（MIDI経由）、Eurorack（CV + GATE経由）などの別のシンセの両方でサウンドをトリガーできます。ユーロラックの外部モジュラーLFOは、CV IN接続を介して

Summitの1つ以上のパラメータをモジュレートできます。Summitのオーディオ出力と、Bass Station IIやEurorackのオーディオ出力の両方が、すべて外部ミキサーに送信されます。また、ミキ

サーからのセンドアンドリターンループで S u m m i t の F Xセクションを使用して、ディレイやリバーブなどを追加することもできます。

Novation

Summit

Eurorack

LFO OUT

MIDI IN

MIDI THRU

MIDI IN

CV IN

USB

Computer

MIDI OUT

Novation

LaunchPad Pro

2番目の例では、スタンドアロンモードのLaunchpad ProがMIDI経由でSummitに接続されています。これにより、Launchpad ProからSummitをトリガーできるため、アフタータッチ対応の

ポリフォニックな演奏が可能です。MIDIデータは、Eurorackにルーティングすることもできます。これにより、EurorackがLFO出力をSummitのCV入力に再び提供します。わかりやすくするた

めに、音声信号は図から省略されています。コンピューターはUSB経由でSummitに接続されています。

Novation

SLMkIII

Novation

Summit

LFO OUT

INPUT

MAIN OUT

CV IN

USBUSB

USB

Computer

Eurorack

AUDIO OUT

LINE AUDIO IN

AUDIO OUT

AUX

OUT

Focusrite ClarettFocusrite Clarett

CV GATE

AUDIO I/O

この例では、コンピューターが主要なアイテムです。すべてのオーディオは、Focusrite Clarettオーディオインターフェースで合計され、コンピューターのDAWに送信されます。

Clarettでは、他のライブ楽器を同時にDAWに録音することもできます。例1のように、Summitの2つのFXセクションのいずれかを使用して、ClarettのLine InとLine Outからのループ内の外

部信号を処理できます。ClarettからコンピューターへのUSB接続により、Focusrite Controlソフトウェアを使用してClarettを設定できます。

Sum mitのリアパネルのメイン出力

を使用することで、Summitの持つ能力をさらにはっきりと感じていただけます。モノラルまたはステレオのいずれかで、パワーアンプ、オーディオミキサ

ー、パワードスピーカーまたはその他の出力モニタリング機器の入力部に接続します。

Summitをその他のサウンドモジュールと共に使用している場合は、MIDI THRU

をサウンドモジュールの MIDI IN に接続し、デイジーチェーンで追加のモジュールを接続します。デフォ

ルトでは、S u m m i tはチャンネル1で M I D I データを送信します。パートAとパートB のデータは、それぞれチャンネル2と3で別々に同時送信されます。 M I D Iの送受信は、シングルパッチモードと

マルチパッチモードで異なります。詳細については、46 ページの表を参照してください。

Headphones

USB

Audio Out Mono

MIDI OUT

Sound Modules

アンプやミキサーをオフまたはミュートにしてから、AC電源をS ummit

に接続します。

それからシンセの電源を入れます

。起動を示すシーケンスが終了すると、Summitはシン

グルパッチ000*をロードし、LCDディスプレイで以下のように表示されます。

Dystopian 1/1

Patch 000 H

Bank A

Category All

「Dystopian」はバンクAのメモリロケーション 0 00に保存されている工場出荷時のシングル

パッチの名前です。

ミキサー/ アンプ/パワードスピーカーをオンにし、演奏した際にスピーカーから流れる音量が

適切なレベルになるまで Master Volume コントロール

を調整してください。

*これは、サミットを「箱から出して」初めて電源投入することを指します。その後、Summitは

電源投入時に最後に使用されたパッチをロードします。

ヘッドフォンの使用

スピーカーやオーディオミキサーの代わり（または一緒）に、ヘッドフォンを使用することが

できます。ヘッドフォンは、リアパネルのヘッドホン出力端子

に接続します。ヘッドフォ

ンを接続しても、メイン出力はアクティブなままです。 Master Volume コントロール

は、ヘッドフォンレベルも調整します。デフォルトでは、ヘッドフォン出力はメイン出力に従い

ます。これもデフォルトで、マルチパッチのパート A とB の両方を伝送します。ヘッドフォンのサ

ウンドは、Settings メニューのページAで変更できます。詳細については、xxxを参照してく

ださい。

注: Summitのヘッドフォンアンプは高い信号レベルを出力することができるため、ボリューム

を設定する際には注意してください。

メニューナビゲーション

Summitが生成するサウンドの性質に影響を与える多くの主要なパラメータは、それぞれの

ロータリーコントロールやスイッチからすぐにアクセスできますが、OLEDディスプレイとそれ

に対応したコントロールを使用することで、その他多くのパラメータおよびシンセの設定を行

うことができます。メニューシステムは、すべてのパラメーターと設定に単一のメニュー「レベ

ル」からアクセスできるように設計されています。マルチレベルのサブメニューはありません。

Su m m i tのメニューシステムは、可能な限りシンプルかつ一貫性を保つように設計されてい

ます。ディスプレイ上方のボタン

、および Settings と2つの Patch ボタン

と

で、11あるメニューのいずれかを選択します。シングルパッチを除くすべてのメニューには複数

のページがあります。Page I および H ボタンでページを順番にスクロールできます。

各ページの1行目には常にタイトルが固定表示されており、2、3、4行目には、操作するパラ

メータが表示されます。ページによっては、データが4 行未満のページもあります。ディスプレ

イ左に配置された3つのボタンを使用して、編集したい行を選択します。有効な行は H 記号

で示されています。口ータリーコントロールまたは Value +/- ボタンでパラメータ値を調整

できます。

LFO 2 4/8

Phase Free

MonoTrig Legato H

Slew 0

Synth

4/8

バイティンバーシンセシス

Summitは、1台で実質的に2台のシンセサイザーとして利用できます。パネルの各コントロー

ルと各メニュー機能は、使用中のモードに応じて、いずれかまたは両方の関連パラメーターに

影響を与える可能性があります。

シングルパッチが使用されている場合、2 つのシンセサイザーは「連携して」動作します。どち

らも動作しますが、まったく同じことを行います。パネルのコントロールを移動したり、メニュ

ーのパラメーターを調整すると、両方のシンセに同じ調整が同じ量だけ行われます。各シンセ

には8ボイスがあるため、全部で 16ボイスを使用できます。MULTIPART CONTROL および

MULTIMODE ボタン (

〜

) は点灯しません。

マルチパッチが使用されている場合、2 つのシンセは独立して動作します。マルチパッチは、2

つの個別のシングルパッチで構成されます。1つはパートAで一方のシンセで生成され、もう1

つはパートBで他方のシンセで生成されます。必要に応じて、各パートのすべてのパラメータ

ーを個別に調整できるため、2つの異なるサウンドを組み合わせることができ、非常に拡張さ

れたサウンドパレットを使用できます。

マルチパッチが選択（または作成）されると、MULTIPART CONTROL および

MULTIMODE ボタンが使用可能になり、その色はSummitの操作モードを反映します。

アクティブなパート色

パートA 青

パートB オレンジ

パートA およびB 白

MULTIPART CONTROL 内でパートAを選択した状態では、Summitのコントロールはパー

トAを生成しているシンセのみに影響します。同様に、パートBが選択されていると、コントロ

ールはパートBシンセに影響します。ボタン A と B を一緒にを押すと、3番目の制御状態 –

Both を呼び出すことができます。これで、コントロールパネル（ノブ、ボタン、スライダー、メ

ニュー）が両方のシンセに同時に影響します。

工場出荷時のマルチパッチのデフォルトは、サウンドデザイナーがパッチ開発時に念頭に置

いていたモードですが、3つの MULTIMODE ボタンを使ってマルチパッチの演奏方法を選

択できます。

• Layer モードでは、パートAとBが一緒にミキシングされて聞こえ（最初は1：1

ですが、実際のミックスはメニューで調整できます）、キーボード全体でマル

チパッチを演奏できます。

• Split モードでは、パートAはキーボードの下部に割り当てられ、パートBは

上部に割り当てられます。デフォルトでは、「スプリットポイント」は中

央C（C3）です。キーボード上の他の任意の場所にスプリットポイントを移

動するには、Split ボタンを押しながら新しいスプリットポイントを示すキ

ーを押すか、MULTI SETTINGS メニューのページ3にあるマルチパッチの

S plit P oin t パラメーターを変更します。選択したスプリットポイントは各

パッチに固有のものであることに留意してください。パッチが異なるとスプリ

ットポイントも異なる可能性があります。

• デュアルモードでは、選択した MULTIMODE CONTROL ボタンに従ってサウ

ンドが聞こえるため、キーボードの全範囲にわたってパートAまたはパートBを

単独で演奏できます。A と B を一緒に押して Both 状態を呼び出すと、パート

AとBの両方が聞こえます。これは、Layer モードを選択する場合とまったく同

じ設定です。この場合、コントロールパネルとメニューは両方のパートに同時

に影響します。

パッチの読み込み

Su m m i t には、パッチ用に1,0 24 個、シングルパッチ用に512個、マルチパッチ用に512個のメ

モリロケーションがあります。

各マルチパッチは2つのパッチで構成されているため（必要に応じて個別に

演奏できます）、実際には1,536個の個別のパッチを自由に使用できま

す。

512個のブロック2つの配置は同じです。それぞれが128音色のバンク4つで構成されていま

す。バンクは A からD に指定されています。メモリには7 6 8 の工場出荷時のパッチがプリロード

されています。これらは、ユーザーにインスピレーションを与え、作曲に役立つことを願って

S u m m i t 用に特別に作成されたものです。

工場出荷時のパッチとサウンドデザイナーのクレジットの完全なリストは、

本マニュアルの末尾にあります。50 ページを参照してください。

シングルパッチとマルチパッチはそれぞれ384個あります。どちらの場合でも、これらはバンク

A 、B 、および C を占有します。両方のバンク D は、独自のパッチを保存するための便利なメモ

リロケーションとして提供されますが、工場出荷時のパッチを上書きすることを気にしない場

合は、任意のメモリロケーションに独自のパッチを保存できます（Novation Components

を使用して簡単に復元できます）。各バンクDのメモリロケーションには、同じデフォルトの

「初期状態の」パッチがプリロードされています。これには、シングルパッチの場合は Init

Patch、マルチパッチの場合は Init M ulti の名前が付けられます。

初期状態のパッチはゼロから新しいサウンドを作成するために使用されます。

パッチをロードするには、ロータリーコントロールを使用して、または Value +/- ボタン

や

Patch +/- ボタン

を使って番号を選択します。OLEDで行2が選択されている場合、

直ちにパッチが有効となります。

シングルパッチ

シングルパッチがロードされると、パッチ情報ページが表示されます。

Dystopian 1/1

Patch 000 H

Bank A

Category All

ページの一番上の行には、パッチ名が表示されます。この下には、パッチ番号とバンク名

（ A 、B 、C 、または D ）があります。

最下行の C a t e gor yは、パッチの「タイプ」を示します。デフォルト設定は All ですが、利用

可能な他の12のカテゴリ（および2つの追加「ユーザー」カテゴリ）のいずれかを選択した場

合、ロータリーコントロール

または Patch +/- ボタン[6]のいずれかを使ってパッチを選

択すると、そのカテゴリのパッチだけが提供されます。これは、パッチを素早く選択するのに

役立ちます。

マルチパッチ

マルチパッチがロードされると、4つのパッチ情報ページの最初が表示されます。

Gas Valves 1/4

MultiPatch 005 H

MultiBank A

シングルパッチと同様に、パッチ名、番号、およびバンクが表示されます。シングルパッチの情

報と区別するために、プレフィックスMultiがPatchとBankのラベルに追加されることに留意

してください。

Page H を押してページ2を表示します。

FlintTinder 2/4

Patch 000 H

Bank A

Category All

Part A

Boo Creeps 2/4

Patch 000 H

Bank A

Category All

Part B

このページには、マルチパッチを作成するために結合された 2つのシングルパッチの詳細が表

示されます。MULTIPART CONTROL ボタン A または B を押して、各パートのパッチを確

認します。これらはすべて、バンク A 、パッチ 0 0 0 を占有していると表示されています。これは、

マルチパッチの全体的なサウンドを変更するために、代替のシングルパッチ（初期パッチ）を

選択できるようにするためです。Categor yフィールドは、シングルパッチの場合と同じように

動作します。

Page H を押して 3 ページを表示します。

MULTI SETTINGS 3/4

Level A 60 H

SplitPoint F 3

Level B 127

このページでは、マルチパッチのパートAとBの相対的な音量を設定できます。Level A と

Level B は、パート A と B が同じ出力にルーティングされるか（デフォルト設定）、メインと

A U X 出力に別々にルーティングされるかに関係なく動作します。この代替ルーティングは、

Settings メニューのページ A で行うことができます（ 43 ページを参照）。

Split モードでは、パートA はキーボードの下部で演奏され、パートB は上部で演奏されます。

スプリットポイントはキーボード上の任意の場所に配置でき、その位置はマルチパッチによっ

て異なります。初期パッチの場合、「スプリットポイント」は中央 C（C 3）にあります。上記のパ

ッチの例では、パッチデザイナーはF 3 に配置することにしました。行 4を選択し、別のノートを

選択することにより、スプリットポイントをC-2からG8に変更できます。この範囲はキーボード

のサイズよりも大きくなります。これは、キーボード、または Su m m i t が外部ソースから受信す

るMIDIノートデータのオクターブシフトが可能になるためです。

物理キーボードの範囲内でスプリットポイントを移動するだけの場合は、Split ボタン

を

押しながら、新しいスプリットポイントを示すキーを押します。

Page H を押してページ4 を表示します。

MULTI SETTINGS 4/4

Octave A +0 H

Octave B +0

Octave A と Octave B パラメーターを使用すると、マルチパッチの2つのパートを互い

に独立して、1 または 2 オクターブ上下にシフトできます。

パッチの比較

Compare ボタン

を使用することで、編集を加える前のパッチの状態、つまり工場出荷

時の状態（初期状態）を聞くことができます。このボタンを押している間、初期状態のパッチ

を聞くことができ、ボタンから指を離すと、編集後のサウンドに戻ります。キーを押したまま

Compare を選択することはできません。作成した新しいパッチを保存する際に、残しておき

たいパッチを含んでいるメモリの場所を確認することができるため、非常に便利です。保存作

業中に Compare を押すことで、保存しようとしているメモリにどんなサウンドが含まれてい

るかを確認することができます。

クイック初期化

Initialise

を押すことで、S u m m i tのデフォルト初期パッチのコピーをいつでもロー

ドできます。ロードされるパッチは Init Patch になります。マルチパッチモードの場

合、Init Patch は最後に選択されたパートに応じて、パートAまたはパートB のいずれか

にロードされます。

既存のパッチに行った編集内容は、ユーザーパッチに保存されていない限り失われます

が、Init Patch をロードしても既存のパッチが上書きされることはありません。

パッチを変更すると、現在のシンセの設定内容が失われます。現在設定され

ている内容が元々保存されているパッチに編集を加えて作成されているもの

である場合、これらの編集内容が失われます。そのため、新しいパッチを読

み込む前に編集後のサウンドを保存することを推奨します。詳しくは、以下

の「パッチの保存」を参照してください。

パッチの保存

シングルパッチは、シングルパッチ用に用意されている512のメモリロケーションのいずれか

に保存できます。同様にマルチパッチは、マルチパッチ用の512のメモリロケーションのいず

れかに保存できます。ただし、どちらの場合でも、パッチをバンクA、B、またはCの任意の場

所に保存すると、工場出荷時のプリセットのいずれかが上書きされます。パッチを保存する

際には、Save ボタン

を押してください。すると、OLEDディスプレイが以下のように表示

されます。

SAVE RENAME 1/3

I Init Patch 1-101 H

-space->

ここでは、パッチに任意の名前を登録することができます。既存の名前が最初に表示される

ので、2行目のボタン ( H) を使用して変更する文字の位置まで力ーソルを移動し、次にロータ

リーのパラメータコントロール

を使用して、一文字ずつ選択していきます。一文字ずつ設

定していきます。大文字、小文字、数字、句読点やスペース記号の全てがロータリーコントロー

ルから選択できます。文字の代わりにスペースを入力したい場合には、4 行目のボタンを使用

します。新しい名前を入力し終えたら Page H を押して2ページに移動し、編集後のパッチが

保存されるメモリロケーションを指定します。

SAVE LOCATION 2/3

Patch 101 H

Bank D

Init Patch

バンクと数字を指定して、メモリロケーションの選択を行います。保存済みのものを予期せず

上書きしてしまうことを防ぐために、選択されたメモリロケーションに現在保存されているパ

ッチの名前が4行目に表示されます。

Page H を再度押して3ページ目を選択することで、予め用意されているカテゴリーの1つへパ

ッチを割り当てます（任意)。

SAVE CATEGORY 3/3

Category None H

Save を再度押すことで、ディスプレイ上でパッチが保存されたことが確認できます。

既存のサウンドが上書きされてしまっても構わない場合、編集後のパッチを

同じロケーシヨンに保存しても問題ありません。この場合、Save を続けて4

回押すことで簡単に実行できます。

誤って上書きしてしまった場合、Novation Componentsを使用して

Summit工場出荷時のパッチをダウンロードできます。12 ページを参照

してください。

基本操作 -サウンドの編集

好きなパッチを読み込んだら、コントロール部を動かして実に多くの方法でサウンドを編集す

ることができます。コントロールパネルの各エリアについては、マニュアルの後半で詳しく説明

しますが、ここではいくつかの基本的な点についてまず解説していきます。

OLEDディスプレイ

OLEDディスプレイには、コントロールパネル上で回転コントロールまたはスライダーが移動

するまで、最後に選択されたメニューページが表示されます。これにより、表示が瞬時に変わ

り、移動中のコントロールが表示されます。また、現在ロードされているパッチ用に保存され

たパラメーター値とともに新しいパラメーター値も表示されます。

O1Fine

current -17

saved val +0

多くのロータリーコントロールでは、0から+127でパラメータ値の範囲が設定されています。

その他、たとえば、フィルターの Env Depth コントロールまたはオシレーターの Mod Env

2 コントロールは、事実上「中心ゼロ」であり、パラメーター範囲は-64〜+63または-128

〜+12 7のいずれかです。

コントロール部から手を離すと、ディスプレイが直前のメニューページに戻ります（ユーザー

によって設定可能)。コントロール部に10分間接触が無い場合、ディスプレイが消えますが、

コントロール部やメニューボタンが選択されるとすぐに表示が再開されます。

上記の例外は、 Master Volume ロータリーコントロール、3つのオシレーター Wave ボタ

ンの more 設定、およびフィルター Shape ボタンの Dual 設定です。Master Volume コ

ントロールを調整してもOLEDディスプレイは変化しませんが、オシレーターWave を more

に設定すると、表示が Osc メニューの3、5、または7ページ（調整中のオシレーターに応じ

たページ番号）に変化します。これらのページには、波形テーブル選択用の WaveMore

パラメーターが含まれるためです。同様に、フィルター Shape を Dual に設定すると、表

示が Voice メニューの4ページに変化します。そこで、複数のフィルター設定と関連のある

FltShpMore と FltFreqSep パラメーターを使用できます。

パラメータ調整

従来のアナログシンセサイザーと同じように、Summit上のほとんどの主要なコントローJル部

はそれぞれの編集機能を持ったロータリーコントロールやスイッチで構成され、編集に必要と

される一般的なパラメータへ瞬時にアクセスできます。

メニューシステムからは、さらに多くのパラメータを調整することができます。多くの場合、ラ

イブパフォーマンス中にすぐにアクセスする必要がないようなパラメータをこちらで調整する

よう設計されています。Osc、Env、LFO、Arp/Clock、Voice、および FX メニュー内のすべ

てのパラメータは、サウンドの生成と処理に関係するセクションに直接影響しますが、Mod

および FX Mod メニューを使用すると、モジュレーションマトリクスまたは独立したFXモジ

ュレーションマトリクス（F X パラメーターの制御専用）を使用して、さまざまなシンセセクショ

ンを相互接続できます。

フィルターノブ

シンセにおいてフィルターの周波数を調整する作業は、おそらくライブパフォーマンスで最も

一般的に行われるサウンド編集です。このため、フィルターの周波数にはキーボードのすぐ上

に大きなロータリコントロール

があります。様々なタイプのパッチを使用してフィルターの

周波数を調整することで、それぞれのサウンドの特性がどのように変化するかを試してみると

良いでしょう。また、3つの基本フィルタータイプのエフェクトの違いを聞いてから、Shape を

dual に設定してデュアルフィルターの設定を選択してみてください。

キーボードコントロール

S u m m i t のキーボードには、シンセサイザーコントロールホイールの標準的なペアである

Pitch と Mod （モジュレーション）が装備されています。Pitch には、パネが施され常に中

央の位置に戻る設計になっています。ピッチの制御範囲は、オシレーターごとに+/- 2オクタ

ーブまでの半音単位で独立して調整可能です (BendRange パラメーターを使用 – 26

ページを参照）。初期パッチのデフォルト設定は+/- 1オクターブですが、多くのパッチのベン

ド範囲は異なります。

Mod ホイールの機能は読み込まれたパッチによってそれぞれ異なりますが、基本的には合

成されたサウンドに様々な表現や要素を加えるために使用されます。一般的な使用法として

はビブラートの追加が挙げられます。

Mod ホイールを割り当てることでサウンドを構成する様々なパラメータを変更したり、パラメ

ータ同士の組み合わせを同時に実現します。これに関しては、本マニュアルの別の項でさらに

詳しく説明しています。46 ページを参照してください。

また、キーボードは1組のオクターブシフトボタン

も備えています。これにより、キーボー

ドを押すたびに、キーボード全体が一度に1オクターブ上下に移動します（最大3オクターブま

で）。使用中、Octave ボタンは3段階の輝度レベルのいずれかで白く点灯し、オクターブシフ

トが有効であることを示します。輝度はシフトの度合いに応じて増加します。

デフォルトでは、キーボードのほぼ中央にあるC（オシレーター Shape コントロールの直下）

は中央C（A = 440 Hzに対して）です。

アルペジエーター

Su m m i tには強力なアルペジエーター（「A r p」)が搭載されており、再生中または操作中のサ

ウンドの複雑さとリズムを大きく変化させるアルペジオをリアルタイムに加えることができま

す。アルペジエーターは、Arp On ボタン

を押すことで有効となります。

最も基本的な設定では、1つの鍵盤が押されている場合、Tempo コントロール、または Arp

メニューの1ページの ClockRate パラメータで決定されるレートで、アルペジエーターによ

ってノートがリトリガーされます。コードを演奏すると、アルペジエー夕一はそのノートを識別

し、同じレートで連続して個別に演奏します（これはアルペジオパターンまたは「アルペジオ

シーケンス」と呼ばれます)。したがってCメジャーの三和音を弾いた場合、コードを構成する

アルペジオ音は C 、E 、G となります。

また、アルペジオテンポは入力MID Iクロックに同期できるため、アルペジオパターンをシーケ

ンサー、ドラムマシン、またはその他のサウンドジェネレーターに簡単にロックできます。

Gate

、Type

、Rhythm

、および Octave

コントロールを調整することで、パ

ターンのリズムや演奏されるシーケンス、そしてノートの範囲などを変更できます。これらのパ

ラメーターのほとんどおよび他のいくつかは、Arp メニューの2ページから調整することもで

きます。詳細については 33 ページを参照してください。

M I D Iコントロール

Summitは非常に高度なMIDI性能を搭載しており、ほとんどのコントローJル部とシンセパラ

メータからMIDIデータを外部機器に送信することができます。同様に、DAW、シーケンサ

ー、またはマスターコントロールキーボードから入力されるM I D Iによってシンセのほとんど

のエリアを操作できます。さらに、2つのバイティンバーパートのそれぞれのシンセデータは

異なるMIDIチャンネルで送受信できるため、膨大な範囲の外部MIDIとのインターフェース

が可能です。

Settings メニューには、MIDI設定専用の3つのページがあり、多数のオプションを使って

MIDIコントロールのさまざまな特性を有効にできます。パートごとのMIDIチャンネル設定

とは別に、これらにはアルペジオMIDI出力、アフタータッチ、CC/NRPNの送受信および

Program/Bank Changeの送受信が含まれます。詳細については46 ページを参照して

ください。

工場出荷時のデフォルトでは、すべてのMIDI送受信オプションがオンになっており、MIDIチ

ャンネル1はグローバルシンセデータ用、チャンネル 2 はパートAデータ用、チャンネル 3 はパー

トBデータ用ののアクティブチャンネルにそれぞれ設定されています。詳細については40

ページの表を参照してください。

ANIMATEボタン

2つの ANIMATE ボタン

を押している間、シンセのサウンドに即時的な変化を加えるこ

とができます。ライブパフォーマンスの際に、即興でサウンドエフェクトを加えることができる

便利なボタンです。

80 81

Summitの工場出荷時のパッチの多くには、ANIMATE ボタン用のプログラミングが含まれ

ています。A n i m a t e 機能が使用可能な場合、ボタンが点灯します。ANIMATE ボタンはモジ

ュレーションマトリクスを使用してプログラムされ、Mod と FX Mod メニューのS o u r c eリス

トに表示されます。各ボタンはMod MatrixとFX Mod Matrixのいずれか（または両方）で

利用可能な任意のデスティネーションで、モジュレーションソースとして割り当てることができ

ます。詳細についてはページ 38 およびページ39 を参照してください。

シンセシスチュートリアル

このセクションでは、Summitの機能に関連した内容を含む電子音の生成と処理に関する一

般的な原理について詳しく解説します。まだアナログサウンドシンセシスに関する知識をお持

ちでない場合、是非このセクションをしっかりと読まれることを推奨します。すでにこのトピッ

クに関しての知哉がある場合には、このセクションをスキップしていただいても構いません。

音楽的側面、非音楽的側面の両方からサウンドを構成する要素を理解することで、シンセサ

イザーがどのようにサウンドを生成するのか深く学ぶことができます。

音は、空気が規則的かつ一定の周期で鼓膜を振動させることによって私たちの耳に認識さ

れます。そして私たちの脳は、これらの振動を無限にあるサウンドの種類の中から非常に正

確に解釈します。

驚くべきことに、どんなサウンドも3つの特性だけで記述することができ、必ず独自の特性を

持っています。以下の通りです：

• ピッチ

• ティンバー

• ボリューム

サウンドを本来構成している3つの特性の相射的な大きさと、時間と共にサウンドがどのよう

な変化をするかによって、それぞれのサウンドが区別されます。

シンセサイザーでは、こういった音の構成要素を意図的に再現することができ、特に時間と共

に変化する音の性質を細かなコントロールによって見事に表現することができます。シンセの

場合、それぞれの特性は異なる名称を持つ場合があります。たとえば、ボリュームはアンプリ

チュードやラウドネス、レベルと呼ばれたり、ピッチは周波数、ティンバーはトーンと呼ばれる

こともあります。

ピッチ

前述の通り、サウンドは空気が鼓膜を振動させることによって認識されます。音のピッチは、

この振動の速さによって決まります。成人の場合、音として認識される最も遅い振動は1秒に

約20回ほどの振動数で、私たちの脳ではそういったタイプのものを低音として認識します。逆

に最も速いものは1秒に数千回の振動数で、脳はそれを高音として認識します。

タイムタイム

A B

2つの波形（振動）のピークの数を数えると、波Bには波Aの2倍のピークがあることがわかり

ます（波 Bは実際には波Aよりもピッチが1オクターブ高い）。音のピッチを決定するのは、特

定の期間の振動の数です。これが、ピッチを周波数と呼ぶ理由です。一定の周期内でにカウン

トされる波形のピークの数が、ピッチまたは周波数を決定します。

ティンバー

音色は、同時に発生する複数の異なるピッチから構成されています。通常、複数あるピッチの

中で最も低いものはファンダメンタルピッチ（基音）と呼ばれ、耳に認識されるノートがこれ

に対応します。そして、この基音に数学的比率のもと関連しているその他のピッチをハーモニ

クス（倍音）と呼びます。基音の大きさと比較した各倍音の相対的な大きさは、全体的なサ

ウンドのティンバー（音色）を決定します。

同じ音量で同じノートをそれぞれの鍵盤で演奏する、チェンバロとピアノという二つの楽器を

例に考えてみましょう。これら二つの楽器は、同じ音量とピッチを持っているにもかかわらず、

それぞれはっきりと異なるサウンドを生み出します。これは、二つの楽器がノートを生成する

メカニズムが異なることで、それぞれで異なる倍音が生まれるためです。ピアノの音色に存在

する倍音は、チェンバロの音色のそれとは異なります。

ボリューム

ボリュームは、サウンドのアンプリチュードまたは大きさと呼ばれることがあり、振動の大きさ

によって決まります。1メートル離れた位置で聴くピアノの音の方が、50メートル離れた場合よ

りも大きく聞こえるのはこのためです。

Volume

A B

全てのサウンドはこれら三つの要素で定義されます。これらの要素をシンセサイザーに置き

換えても同じように認識できるでしよう。シンセサイザーでは、それぞれのセクションがこれら

の異なる要素を「合成（シンセサイズ )」します。

シンセサイザーのセクションの一つである Oscillators では、ハーモニック要素（トーン）と

共にピッチ（音色）を定義する元の波形信号を生成します。これらの信号は Mixer と呼ば

れるセクションでミックスされ、それが Filter と呼ばれるセクションに送られます。それぞれ

のセクションで特定のハーモニクスを削ったり足したりすることによって、トーンにさらなる変

化を加えることができます。フィルタリングされた信号が Amplifier に入力されることによっ

て、最終的な音のボリュームが ’決定されます。

Oscillators Mixer Filter Amplifier

追加のシンセサイザーセクション – LFOs と Envelopes – は、Oscillators、Filter、お

よび Amplifier と相互に作用し合うことで、サウンドのピッチ、卜ーン、ボリュームにさらな

る変化を加えることができ、時間とともに変化するサウンドの特性を表現します。LFOs と

Envelopes はシンセの他のセクションをコントロール（モジュレーション）することのみを目

的としているため、一般的に「モジュレーター」と呼ばれています。

シンセにおける、これら様々なセクションについて、ここからより詳細に解説していきます。

オシレーターとミキサー

オシレーターセクションは、まさにシンセサイザーの心臓部です。オシレーターは、電子的な

波動（最終的にスピーカーから発生する振動）を生成します。この波形は音楽的なピッチに

よって生成され、鍵盤上で演奏されたノートまたは受信したMIDIノートメッセージによって決

まります。この固有の音色は、波形の形によって決定されます。

今から何十年も前にシンセシスのパイオニア達によって、ほんの少数の特有の波形が、音楽

的なサウンドを生成する上で最も有用な倍音の多くを含んでいることが発見されました。

これらの波形の名称は、オシロスコープと呼ばれる機器で観察した場合の実際の形状が

反映されており、正弦波（サイン波)、矩形波、ノコギリ波、三角波、ノイズと呼ばれていま

す。Summitのオシレーターの各セクションはこれら全ての波形を生成することができ、従来

とは異なるシンセの波形も生成が可能です。（実際にはノイズは独立して生成され、ミキサー

セクションで他の波形とミックスされます)。

各波形（ノイズを除く）は、シンセサイザーの別のセクションで操作することができる、音楽的

に関連した倍音の特定のセットを含んでいます。

下図は、これらの波形がオシロスコープ上でどのように見えるかを示し、それらの倍音の相対

的なレベルを示しています。これは、最終的なサウンドの音色の特徴を決める、波形の中に

存在する様々な倍音の相対的なレベルです。

正弦波（サイン波）

Volume

倍音成分

正弦波

ノコギリ波

Volume

倍音成分

矩形波

Volume

倍音成分

1 2 3 4 5

Volume

倍音成分

1 3 5 7

三角波

1 2 3 4 5

倍音成分

1 2 3 4 5

ノイズ

正弦波は、一つのみ倍音を含んでいます。正弦波は単一のピッチ（周波数）しか持たないた

め、最も純粋なサウンドを生成します。

三角波

Volume

倍音成分

正弦波

ノコギリ波

Volume

倍音成分

矩形波

Volume

倍音成分

1 2 3 4 5

Volume

倍音成分

1 3 5 7

三角波

1 2 3 4 5

倍音成分

1 2 3 4 5

ノイズ

三角波は、奇数の倍音のみを含んでおり、それぞれのボリュームは自乗分の一になります。例

えば、五番目の倍音は、基本波の1/25のボリュームを持ちます。

ノコギリ波

Volume

倍音成分

正弦波

ノコギリ波

Volume

倍音成分

矩形波

Volume

倍音成分

1 2 3 4 5

Volume

倍音成分

1 3 5 7

三角波

1 2 3 4 5

倍音成分

1 2 3 4 5

ノイズ

ノコギリ波には倍音が多く含まれており、基本周波数の偶数と奇数の両方の倍音を含んでい

ます。それぞれのボリュームは、倍音の数が増えるごとに反比例して下がります。

矩形波/パルス波

Volume

倍音成分

正弦波

ノコギリ波

Volume

倍音成分

矩形波

Volume

倍音成分

1 2 3 4 5

Volume

倍音成分

1 3 5 7

三角波

1 2 3 4 5

倍音成分

1 2 3 4 5

ノイズ

これらは、ノコギリ波と同じボリュームの奇数の倍音のみを含みます。

矩形波では、最も高い音量と最も低い音量の部分に費やされる時間の長さが等しくなり、こ

の比率のことをデューティ比と呼びます。矩形波は常に 5 0 % のデューティ比を持ちますが、

これはサイクルの半分がそれぞれ等しく高い音量と低い音量の部分であることを意味しま

す。Summitでは、基本の矩形波 (Shape コントロールから）のデューティ比を調整して、よ

り長方形に寄った波形を生成することができます。こういった波形をパルス波と呼びます。

波形が長方形になるにつれて、偶数の倍音が増加し、波形がその特性を変えることでよりこ

もった音になります。

パルス波の幅（パルス幅）はモジュレーターによって大きく変更することができ、波形の倍音

成分が常に変化します。これによってパルス幅が適切な値に変更された場合、非常にファット

な波形を表現することが’できます。

パルス波の波形は、デューティ比に関わらずその形は常に反転されたようなものになるため、

例えばデューティ比が40%ものと60%のものはその倍音成分が全く同じものとなり同じ音の

ように聞こえます。

50%

40%

10%

60%

ノイズ

ノイズは基本的にランダムな信号であり、基本周波数はありません（したがってピッチ特性は

ありません)。ノイズは全ての周波数を含み、それぞれの周波数は同じボリュームとなります。

ノイズはピッチを持たないため、サウンドエフェクトやパーカッションサウンドを作成する際

に活躍します。

Volume

倍音成分

正弦波

ノコギリ波

Volume

倍音成分

矩形波

Volume

倍音成分

1 2 3 4 5

Volume

倍音成分

1 3 5 7

三角波

1 2 3 4 5

倍音成分

1 2 3 4 5

ノイズ

リングモジュレーション

リングモジュレーターは、2つのオシレーターからの信号を受け取り、それらを効果的に「乗

算」するサウンドジェネレーターです。Summitのリングモジュレーターは、オシレーター1とオ

シレーター2を入力として使用します。2つのオシレーター信号のそれぞれに存在する様々な

周波数およびハーモニック成分によって出力されるものが決まり、元の信号に含まれている

周波数だけでなく、周波数の一連の和および差から構成されます。

OSC 1

OSC 2

周波数モジュレーション（ F M ）

2つのソースからの信号を組み合わせる別の方法は、周波数モジュレーション（FM）です。こ

の手法では、1つのオシレーターの周波数（「キャリア」と呼ばれることもあります）は、名目

「中央」値について、2番目のオシレーターからの信号の瞬間的な振幅に対応する量だけ動

的に変化します。Sum mitのパネルには、FMエフェクトの追加専用のコントロールセットが

あります。

サウンドの正確な結果は、各オシレーターの波形、その相対的なピッチ、およびモジュレート

信号の最大振幅に依存します。Summitでは、後者のパラメーターは手動で制御でき、LFO

とエンベロープの両方でさらに変更できます。

周波数モジュレーションの結果、モジュレートされているオシレーターのピッチの上下で、非

常に広範囲の追加ハーモニクス（実際、理論的には無限）が生成されます。FM言語では、

これらのハーモニクスはよくサイドバンドと呼ばれます。「重要な」サイドバンドの数は、モジ

ュレーション信号の振幅に比例し、キャリアとモジュレーターの間の周波数差に反比例しま

す。モジュレーターにハーモニクスが豊富に含まれる場合（単純な正弦波以外の場合など）

、各ハーモニックは独自のサイドバンドを生成し、結果のスペクトラル成分をさらに豊かにし

ます。

モジュレーター

OSC 1

OSC 2

周波数モジュレーション出力

OSC 1ピッチ

ハーモニクス

ミキサー

一般的なアナログシンセサイザーには、生成されうるサウンドの幅を広げるために複数のオシ

レー夕一が備わっています（SummitはパートAとパートBにそれぞれ3つ装備しています)。複

数のオシレーターを使用して一つのサウンドを生成することによって、非常に興味深いハーモ

ニーを実現することが可能です。また、個々のオシレーターを互いにわずかにデチューンする

こともでき、温かみのあるファットな音を生成することができます。Su mmi tのミキサーでは、

オシレーター1、2、3の波形、ノイズソース、リングモジュレーターの出力のすべてを必要に応

じてミックスすることで音を生成することができます。

OSC 1

OSC 1 ボリューム

OSC 2 ボリューム

OSC 3 ボリューム

OSC1、OSC2、

OSC3、ノイズ、

リングモジ

ュレーターが

混ざった複

雑な波形

MIXER

フィルター

への入力

OSC 2

OSC 3

NOISE

RING MOD

NOISE

RING MOD

フィルター

Summitは、

減算方式

のシンセサイザーです。

減算方式

とは、シンセシスプロセスの中で音

の一部が差し引かれることを意味します。

オシレーターでは豊富なハーモニック成分と共に元の波形を生成し、フィルターセクションで

はそのハーモニクスを制御された方法で差し引きます。

基本的なフィルターにはローパス、バンドパス、ハイパスの3種類が存在し、Summitではその

全てを利用することができます。シンセサイザーで最もよく使用されるフィルターのタイプは、

ローパスです。カットオフされる周波数を選択し、これを下回る周波数のみを通過させ、これ

を上回る周波数はカットされます。Filter Frequency パラメータを使用して、基準となる周

波数を選択します。波形からハーモニックを除去するこのプロセスによって、音の特性または

音質が変わります。Fre que nc yパラメータが最大値の場合、フィルターが完全に開いた状態

となり、オシレーターの波形からいかなる周波数も除去されません。

ローパスフィルターのカットオフポイントを上回るハーモニクスのボリュームを（突然ではな

く）徐々に下げることもできます。周波数がカットオフポイントを上回った際に、どの程度の

速さでハーモニクスが除去されるのかを、フィルターの Slope パラメータで決めることがで

きます。スロープは、「オクターブあたりの音量」で表されます。音量はデシベルで表されるた

め、スロープはオクターブ当たりのデシベル（dB/oct)といった形で通常表記されます。この値

が大きいほど、カットオフポインを上回ったハーモニクスがより多く排除され、フィルタリング

効果がより顕著に現れます。Summitの各フィルターセクションには12 dB/octのスロープが

ありますが、同じタイプの2つをカスケード接続（直列に配置）して24 dB/octのスロープを生

成できます。Summitでは、2種類の異なるフィルターをカスケード接続することも、「並列」

に配置することもできるため、ミキサー出力は両方で処理されます。

フィルターのさらに重要なパラメータはResonanceです。フィルターの Resonance コント

ロールを上げることによって、カットオフポイントの周波数の音量が増加します。音のある特

定のハーモニクスを強調したい場合に便利です。

Resonanceを上げると、フィルターを通るサウンドに口笛のような響きを加えます。これが非

常に高い値に設定された場合、信号がフィルターを通るたびに自己発振します。結果として

生成される口笛のような卜ーンは純粋な正弦波であり、そのピッチは Frequency コントロー

ル（フィルターのカットオフポイント）によって決まります。Resonanceによって生成されるこ

の正弦波は、追加のサウンドソースとして使用することが可能です。

下図は、一般的なローパスフィルターの特性を示しています。カットオフポイントを上回る周

波数の部分では、音量が減少します。

レゾナンスが追加されると、カットオフポイント周辺の周波数の音量が強調されます。

従来のローパスフィルターに加え、ハイパス、バンドパスタイプのフィルターも備わっていま

す。S u m m i t では、Shape スイッチ

でフィルターの種類を選択します。

ハイパスフィルターはローパスフィルターの逆の効果をもたらすため、カットオフポイントを下

回る周波数が取り除かれます。カットオフポイントを上回る周波数は通過します。フィルター

の Frequency パラメータを最低値に設定した場合、フィルターが完全に開き、オシレータ

ーの波形からいかなる周波数も除去されません。

バンドパスフィルターを使用すれば、カットオフポイントを中心とした周波数の狭いバンドだ

けが通過します。バンド以外の周波数は（上下共に）除去されます。このタイプのフィルターで

は、フィルターを完全に開いて全ての周波数を通過させることは不可能です。

上記のタイプの単純なフィルターを組み合わせて使用することにより、ボリュームと周波数の

より複雑な関係を取得できます。Summitでは、異なるタイプの2つのフィルターを「カスケー

ド」して、「シリーズ」の組み合わせを作成できます。このような組み合わせでは、両方のフィ

ルターが減算方式であるため、一般にシングルフィルターセクションよりも多くの周波数が除

去されます。ただし、2つのフィルターのカットオフ周波数が異なる場合、興味深い結果が得

られます。たとえば、ローパスフィルターの後にハイパスフィルターが続く場合、ローパスフィ

ルターはより高い周波数のみをハイパスフィルターに渡します。これにより、それらの一部が

除去され、2つのフィルターのカットオフ周波数「間」の狭い周波数帯域が残ります。この帯

域幅は、2つのカットオフ周波数の差または「セパレーション」に依存します。

LPF

)

HPF

)

LP > HP

ローパスフ

ィルター

12 dB/oct

ハイパスフ

ィルター

12 dB/oct

である場合

の組み合わ

された応答

である場合

の組み合わ

された応答

周波数

ローパスフィルター

12 dB/oct

ハイパスフ

ィルター

12 dB/oct

< f

> f

同じフィルターを並列に組み合わせると、2つのセクションの応答が効果的に合計されるた

め、まったく異なる結果が生成されます。低周波数はローパスフィルターを通過し、高周波数

はハイパスフィルターを通過します。その結果、2つのカットオフ周波数間の領域で応答にデ

ィップまたはハンプが生じます。

LPF

)

HPF

)

ローパスフ

ィルター

12 dB/oct

ハイパスフ

ィルター

12 dB/oct

である場合

の組み合わ

された応答

< f

周波数

ローパスフ

ィルター

12 dB/oct

ハイパスフ

ィルター

12 dB/oct

である場合

の組み合わ

された応答

> f

エンベロープとアンプ

これまでピッチの合成と音色については解説してきました。「シンセシスチュートリアル」の次

のパートでは、サウンドの音量を制御する方法について解説します。楽器によって生成される

ノートの音量は、その楽器の種類やノートの持続時間によって大きく異なります。

例えばオルガンで演奏されたノートは、鍵盤を押すと即座に最大音量が生成されます。鍵

盤から指が離されるまで最大音量を維持し、離された瞬間に音量レベルがゼロまで下がり

ます。

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

RATE

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

SUSTA IN TIME

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

FILT ER

CUT-OFF

ピアノで演奏された場合に生まれるノートは、鍵盤を押すとすぐに最大音量が生成されます

が、鍵盤を押し続けていても数秒後には徐々にボリュームがゼロまで下がります。

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

RATE

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

SUSTA IN TIME

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

FILT ER

CUT-OFF

弦楽器では、弦が演奏されている場合にのみ徐々にボリュームが増加し、最大ボリュームに達

します。弦が演奏されている間は最大音量を維持しますが、弦が解放されると非常にゆっく

りと音量がゼロまで下が ’っていきます。

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

RATE

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY

RELEASE

SUSTA IN

SUSTA IN TIME

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

VOLUME

ATTACK DECAY RELEASE

SUSTA IN

TIME

KEY "ON" KEY "OFF"

FILT ER

CUT-OFF

アナログシンセサイザーでは、エンベロープジェネレーターと呼ばれるセクションによって時

間と共に変化する音の特性をコントロールすることができます。これらの1つ (Amp Env)

は、いつでもアンプに関連しています。アンプは、ノートが再生されるとき、ノートの振幅（つま

り、サウンドのボリューム）を制御します。Summitでは、各エンベロープジェネレーターには5

つの主要なパラメータが備わっており、それによってエンベロープの形状が決定されます。こ

れらはADSRパラメータ、またはエンベロープ「段階」と呼ばれます。

ボリューム

時間

「オン」キー「オフ」キー

サステイン

アタックホールドディケイリリースディレイ

アタックタイム

鍵盤が押された際に、音量がゼロから最大ボリュームに上昇するまでの時間を調整します。

音が徐々にフェードインするようなサウンドを生成する場合に使用します。

ホールドタイム

このパラメーターは多くのシンセサイザーにはありませんが、Summitで使用できます。ディケ

イタイムで設定されたボリューム低下を開始する前に、アタックタイムの後、ノートのボリュー

ムが最大レベルにとどまる時間を決定します。

ディケイタイム

鍵盤が押されている間、最初の最大ボリュームからサステインで設定されたレベルまで下が

る時間を調整します。

サステインレべル

サステインレベルでは、他のエンベロープコントロールとは異なり、時間の長さではなくレベル

の設定を行います。ディケイタイムを経た後に、鍵盤が押されている間エンベロープが持続す

る音量レベルを設定します。

リリースタイム

鍵盤から指が離された後、音量がサステインレベルからゼロまで下がる際にかかる時間を調

整します。「フェードアウト」していくようなサウンドを生成する際に使用されます。

ディレイタイム

図には、さらに初期段階であるディレイも含まれています。これは、キーが打たれてからアタッ

クタイム（つまり、A HDSRシーケンス全体）が開始するまでにかかる時間です。これは、一般

に他のシンセサイザーには見られない別のエンベロープ段階ですが、Summitでは利用可能

です。ディレイタイムを追加すると、完全性のためにエンベロープシーケンスDAHDSRの名前

が変更されます（多くのユーザーは、これを従来の用語であるADSRと呼んでいます）。

最新のシンセサイザーのほとんどは、複数のエンベロープを生成することができま

す。S u m m i t には 3 つのエンベロープジェネレーターがあります。Amp Env には、専用のハー

ドウェアA D S R スライダーコントロールのセット ( ディレイとホールドはメニューから個別に制

御されます ) が備わっており、前述のように演奏される各ノートのボリュームを形成するため

常に適用されます。2つのモジュレーションエンベロープ ( Mod Env 1 および Mod Env 2)

には、それぞれがコントロールするエンべロープを選択する割当スイッチを備えた、同一のコ

ントロールセットを共有します。モジュレーションエンベロープは、各ノートの持続時間中に、

シンセサイザーの他のセクションにダイナミックな変化を与えるために使用します。S u m m i t

Mod Env ジェネレーターは、フィルターのカットオフ周波数やオシレーターの矩形波出力

のパルス幅を変更する際に使用することができます。

フィルターカッ

トオフ周波数

時間

「オン」キー「オフ」キー

サステイン

アタックホールドディケイリリースディレイ

LFOs

エンベロープジェネレーターと同様に、シンセサイザーのLFO（Low Frequency Oscillator)

セクションは、モジュレーターの役割を果たします。そのため、サウンドシンセシス自体を担う

のではなく、シンセサイザーの他のセクションを変更（またはモジュレートする）ために使用さ

れます。Summitでは、他の多くのパラメーターと同様、LFOを使用してオシレーターのピッチ

またはフィルターのカットオフ周波数を変更することができます。

ほとんどの楽器は、時間と共に音量、ピッチ、音色が変化するサウンドを生成します。これら

は、非常にわずかな変化によっても最終的な音の特徴付けに大きく関わります。

エンベロープがシングルノートの持続期間に1回限りのモジュレーションを制御するために使

用されるのに射し、LFOでは、周期的に繰り返される波形やパターンを使用することによって

モジュレー卜を行います。前述のように、オシレーターは一定の波形を生成します。これは繰

り返される正弦波、三角波などの形状をとることがあります。LFOは同様の方法で波形を生

成しますが、非常に低い周波数のため、通常は人間の耳で直接聞くことはできません。エンベ

ロープと同様に、LFOによって生成された波形はシンセサイザーの他の部分に通され、時間

と共に現れる変化-または動き-をサウンドに与えます。Summitには4つのLFOがあり、その

うち2つは完全に独立しており、フルセットのハードウェアコントロールセットを独自に備えて

います。すべての L F Oを使用して、さまざまなシンセサイザーセクションをモジュレートし、異

なるスピードで実行できます。

この非常に低い周波数の波がオシレーターのピッチに適用されると想像してください。結果

として、オシレーターのピッチが元のピッチからゆっくりと上昇およひ下降します。これは、弓

を動かしながら指を弦の上で上下に動かしているバイオリニストの動きを例にするとわかりや

すいかと思います。この微妙なピッチの上下の動きは「ビブラート」と呼ばれます。

LFOでよく使用される波形は三角波です。

ピッチ

（モジュレーションなし）

時間

あるいは、同じLF O の信号がオシレーターのピッチではなくフィルターのカットオフ周波数を

モジュレートする場合、「ワウ」として知られる音の矛揺らぎが生じます。

まとめ

シンセサイザーは、5つの主要なサウンド生成またはサウンド変更（モジュレーティング）セク

ションに分割することができます。

1. 様々なピッチで波形を生成するオシレータ。

2. オシレーターからの出力をまとめてミックスする（およびノイズやその他の信

号を追加する）ミキサー。

3. 特定のハ-モニクス（倍音）を取り除き、音の特性や音色を変化させるフィ

ルタ-。

4. ノートが演奏された際に、時間と共に音のボリュームを変化させるエンベロー

プジェネレーター、それによって制御されるアンプリファイヤー（アンプ)。

5. 上記のいずれもモジュレートすることができるLFOおよびエンベロープ。

シンセサイザーの魅力は、ファクトリープリセットとしてあらかじめ搭載されているサウンド（

パッチ）に変更を加えたり、新しい音を生成できる点です。実際に自分の手によってサウンド

を生み出す楽しさに勝るものはありません。Su m mitの様々なコントロールを実際に触ってみ

ることで、最終的にはそれぞれのシンセセクションがどのように音に変化を加え、新しいサウ

ンドの生成に役立つのかなどを十分理解することに繫がります。本シンセシスチュートリアル

の知識を備え、各ノブやスイッチを実際に触った場合にどのような変化が起きるか理解する

ことで、新しくエキサイティングな音を生成するプロセスを理解できるようになるでしょう。是

非、お楽しみください。

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ブランド: Novation

モデル: Summit

カテゴリー: 楽器

タイプ: ユーザーガイド

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