Leica Microsystems A60 F は、さまざまな産業分野で使用できる多用途型の顕微鏡です。この装置のユニークな特徴は、様々な実験や検査のニーズに合わせて、さまざまな観察方法を柔軟に切り替えることができる点です。Leica Microsystems A60 Fを使用することで、研究者や技術者は試料をより深く理解し、より良い意思決定を下すことができます。
この製品は、人間工学に基づいたデザインで、ユーザーの疲労を軽減し、生産性を向上させます。また、直感的な操作系により、トレーニングにかかる時間を短縮し、すぐに使用を開始することができます。Leica Microsystems A60 Fは、幅広い観察方法に対応しており、明るい視野、暗視野、位相差、落射蛍光、透過蛍光など、さまざまな観察方法が可能です。また、偏光観察にも対応しており、試料の光学的性質を詳細に観察することができます。
ライカ A60 S
取扱説明書
ライカ A60 S 取扱説明書 2
安全上の注意事項
取扱説明書で使用されている記号について 4
安全にお使いいただくために 5
使用上の注意事項 6
健康上の留意事項と使用時の注意事項 8
装置の取扱いについて 9
クリーニングとお手入れに関する注意事項 10
アクセサリ、保守、修理 11
ライカ A60 S
はじめに 13
ライカA60Sの概要 14
ライカ A60 S の組み立て
支柱およびベースプレート 16
リングストッパーおよび水平アーム 17
接 地( ア ー ス ) 1 8
オプティクスキャリアの取り付け 19
ライカA60の固定 20
照明の取り付け 21
ライカ A60 S の使い方
作業高さの調節 23
正しい眼幅調整範囲 25
焦点合わせ 26
倍率表示 27
視度調整および同焦点 28
フォーカスドライブの硬さ調節 29
ライカA60LEDリング照明 30
保護グラスの交換 31
寸法
寸法 33
光学系のデータ
光学系のデータ 35
目次
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 3
安全上の注意事項
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 4
この取扱説明書では、安全にお使いいた
だくために必要な注意事項を記号を用い
て説明しています。
警告
この表示の警告事項を守らないと、
人が傷害を負ったり、物的損害が発
生することがあります。
感電注意
この表示の注意事項を守らないと、
感電やその他の事故によりけがを
したり、機器に損害を与えたりすることが
あります。
やけど注 意
この表示は、表面に触れるとやけど
の危険性があることを示します。
役立つ情報
この表示は、装置をより良く理解する
ための補足情報や説明であることを
示します。
取扱説明書で使用されている記号について
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 5
はじめに
ライカA60Sを設置・操作・使用する前に、
この「取扱説明書」をよくお読みください。
特に、安全上の注意事項は必ずお読みい
ただき安全にご使用ください。
取扱説明書
この取扱説明書には、操作方法の他、安全
性・保守・アクセサリなどの重要な注意事
項が含まれています。
また付属のCD-ROMには取扱説明書
(PDF)が同梱されています。不明な
点がいつでも確認できるように、取扱説明
書はすぐに見られる場所に大切に保管し
てくだ さい 。また 、弊 社ウェブ サイトから最
新版の取扱説明書をダウンロードできま
す 。: www.leica-microsystems.com
関連法規の遵守
事故防止および環境保護に関する一般法
規および各国の法規に従ってください。
EC 適合宣言
電気で作動するアクセサリは最先端技術
に基づき製造され、EC 適合宣言が発行さ
れています。
安全にお使いいただくために
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 6
ライカ A60 S は、実体顕微鏡、照明および
スイングアームスタンドを統合化した光学
機器です
顕微鏡は必ず室内で使用し、安定した水平
な場所に設置してください。
顕微鏡は照明用電源ケーブルをい
つでも外すことのできる場所に設置
してください。電源ケーブルに常に手が届
く状態にしておく必要があります
使用場所
顕微鏡は必ずホコリの少ない屋内に設置
し、10°C~40°Cの室温で使用してくださ
い。装置をオイルや化学薬品に触れないよ
うにし、過度な湿気を避けてください。電
気系の部品は壁から 10cm 以上の距離を
とり、可燃物から離して設置してください。
高温および多湿の地域では、カビ発
生防止のために特別に配慮する必
要 があります。
推奨されない使用方法
顕微鏡を取扱説明書に記載されて
いる以外の方法で使用した場合、人
が傷害を負う、または物的損害が発生する
可能性があります。また提供されている安
全保護対策機能が正しく稼動しないことが
あります。
特に指定されていない限り、他のプ
ラグを取り付けたり、部品のネジを
外したりしないでください。
使用上の注意事項
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 7
本装置を分解、改造した場合や、取
扱説明書の範囲を超えるライカ以
外の製品と組み合わせて使用する場合は、
必ずライカマイクロシステムズにご相談く
ださい。
無断で装置に変更を加えたり、取扱
説明書以外の方法で使用された場
合、保証の対象外となりますのでご注意く
ださい。
輸 送・搬 送
本装置を輸送または搬送する場合は、納
品時の梱包材をご使用ください。
振動による損傷を防ぐため、取り外し可能
な部品はすべて取り外し、個別に包装して
ください。
廃棄
廃棄は、各国で適用される法律および規
則に基づき適切に実施ください。
使用上の注意事項(続き)
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 8
健康上のリスク
顕微鏡の使用により、観察作業の生
産性と精度は向上します。しかし、長
時間使用すると、目や筋肉に負担がかかり
ます。休憩なく観察作業を続けると、視力
の低下や筋肉疲労を来たす可能性があり
ます。本製品を長時間使用する場合は、健
康のために、定期的に休憩を取り、目や筋
肉をリフレッシュさせてください。
ライカ顕微鏡では、疲労を最小限に抑える
ために、人間工学に基づいた光学設計と
構造が採用されています。
感 染 のリスク
接眼レンズは直接目に触れるため、
細菌やウイルスの感染経路となる
可能性があります。
各個人ごとに専用の接眼レンズを使
用したり、アイカップを使用すること
で、この危険を最小限に抑えることができ
ます。
使用時の注意事項
O 顕微鏡はアース線を必ず接続してくだ
さい。
O 顕微鏡は適切な使用条件下でのみ使
用することができます。
健康上の留意事項と使用時の注意事項
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 9
装置の取扱いについて
O ライカA60 Sは安全な使用方法を熟知
してからご使用ください。
O 取扱説明書は顕微鏡を操作する際、常
にお手元に保管し、いつでも参照でき
る状態にしておいてください。
O この顕微鏡は必ず適切な使用条件下
で使用してください。
O 万一、製品にけがや被害を引き起こす
おそれのある不具合や欠陥が見つかり
ましたら、ただちにライカマイクロシス
テムズまでご連絡ください。
O 顕微鏡と一緒に、他社製品のアクセサ
リ等を使用する場合は、組み合わせで
使用しても安全であることをご確認く
ださい。該当するアクセサリーの取扱
説明書の指示に従ってください。
O 顕微鏡の分解・改造および保守は、必
ずライカ認定スタッフのみが行うもの
とします。
O 製品のサービスには、ライカ純正部品
のみをご使用ください。
O 保守あるいは修理終了後は、弊社の技
術仕様に従い、必要に応じて装置を再
調整してください。
O 建物内の電気設備は漏電保護(故障電
流防止)など各国の基準に従ってくだ
さい。
装置の取扱いについて
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 10
一般的な注意事項
O 顕微鏡は酸やアルカリに弱いため、腐
食性の物質が触れないように、近くに
化学薬品を保管しないでください。
O 顕微鏡がオイルやグリスに触れないよ
うに保護してください。機械部品や接
続部にグリースやオイルを決して塗布
しないでください。
O 抗菌剤等をご使用の際には、抗菌剤の
取扱注意事項に従ってください。
O ライカマイクロシステムズ保守サービ
ス契約をご利用されることをお勧めし
ます。
コーティング部品と樹脂製部品のクリーニ
ング
O ほこりや通常の汚れは、柔らかいブラ
シあるいは糸くずの出ない布で軽くふ
き取ってください。
O こびりついた汚れは適切なアルコール
を使って取り除いてください。
O アセトン、キシレンを含む有機溶剤は
使用しないでください。
O 着色・コーティングされた表面や、ゴム
材部品をクリーニングする場合、絶対
に化学薬品は使用しないでください。
表面が傷ついたり、剥離した微粒子に
より試料が汚染される恐れがあります。
ガラス面のクリーニング
O グリスが付着していない乾いたブラシ
を使い、ブロワーを吹き付けるか、バキ
ュームを使用して汚れを取り除きます。
O 蒸留水をしみ込ませた清潔なクロスを
使用して汚れを取り除きます。
O 落ちにくい汚れは適切なアルコールを
使用して取り除きます。
クリーニングとお手入れに関する注意事項
ライカ A60 S 取扱説明書 安全上の注意事項 11
アクセサリ
この顕微鏡には以下のアクセサリのみを
使用することができます。
O 本書に記載されているアクセサリ
O 技術的な安全性がライカマイクロシス
テムズによって承認されたその他のア
クセサリ
保守
O ライカA60 S は基本的に日常のメンテ
ナンスは不要です。常に安全で信頼性
の高い操作を確保するため、ライカマ
イクロシステムズの定期的な検査を設
定したり、保守契約を結ぶことをお奨
めします。
O ライカ マイクロシステムズとサービス
契約をされることをお勧めします。
O 保守および修理には、OEM(相手先ブ
ランド製造)交換部品のみをご使用く
ださい。
修理とサービス作業
O 部品を交換する場合は、ライカマイク
ロシステムズの純正部品のみをご使用
ください。
O 装置を分解する場合は、事前に電源ス
イッチを切り、電源ケーブルを抜いてく
ださい。
O 電源が入ったまま電気回路に触れる
と、大変危険です。
アクセサリ、保 守、修 理
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S 12
ライカ A60 S
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S 13
はじめに
このたびはライカ A60 S お買い上げいた
だきありがとうございます。A60 Sは、フレ
キシブルな設計、容易な操作性、メンテナ
ンスフリーなどの特徴をもち、製造作業、
材料試験、品質管理などにきわめて有用
です。
顕微鏡の機能を最大限に活用できるよう、
本取扱説明書と操作安全性についての注
意事項を必ずお読みいただき安全にご使
用ください。ご不明な点がございましたら、
最寄りのライカ マイクロシステムズあるい
は代理店までお問い合わせください。
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S 14
ライカ A60 S の概要
1. 支柱
2. 水平アーム
3. アーム固定ネジ
4. リングストッパー
5. ベースプレート
6. 変倍ノブ(ズーム)
7. 接眼レンズ
8. フォーカスドライブ
9 . オプ ティクスキャリア
10.ライカA60LEDリング照明
4
5
2
6
9
10
8
1
3
7
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 15
ライカ A60 S の組み立て
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 16
支柱およびベースプレート
安全な取り付けに関する注意事項
ベースプレートは重量があるため、
使い方を誤るとケガをしたり、周辺
機器・器物が破損する可能性があります。
取り付けの際は1人で実施しないで、補助
要員と一緒に行ってください。
支 柱 の取り付け
1. ネジを下方からベースプレートに押し
込みます。
2. ワッシャーをネジに取り付けます。
3. 同梱の六角レンチを使用して支柱を所
定位置にネジ込みます。
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 17
水 平アームの取り付け
1. 水平アーム用ロックネジをリングストッ
パーに接触する位置まで移動し、ロッ
クネジとリングストッパーをしっかりと
密着させて固定します。水平アームを
希望する方向に旋回させることができ
ます。
リングストッパーおよび水平アーム
リングストッパーの取り付け
リングストッパーは、システムで最も
重要な安全対策です。水平アームの
不意な落下を防ぎます。
1. リングストッパーを支柱上で移動さ
せ、適切な位置でクランプネジで固定
します。
垂直アームの固定
安全上の理由により、作業場を離れ
るときには水平アームを所定位置
に固定してください。
1. 水平アームを旋回させて固定位置にし
ます。
2. ロックネジのクランプネジを慎重に締
め付けます。
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 18
ベースプレートの接地
ベースプレートの後側には接地点(
アース)があり、システムの接地に使
用することができます。アース線は標準付
属品には含まれません。
使用時
1. アース線をベースプレートの接地点に
接続します。
接地(アース)
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 19
取り付け
1. 接続用ピンを水平アームの下方から穴
に差し込みます。
2. ワッシャーとネジを使用して、顕微鏡を
固定します。
顕微鏡の回転
安全ネジを取り付けた後、顕微鏡は自由に
旋回させることができます。
オプ ティクス キャリアの 取り付 け
ライカ A60 S 取扱説明書 ライカ A60 S の組み立て 20
固定
ライカA60Sを自由に稼動できるよ
うに、スイングアームスタンドは設計
されていますが、顕微鏡を所定位置に固
定することもできます。
1. 水平アーム側面のクランプネジをしっ
かり締めます。顕微鏡が現在の位置に
固定されます。
ライカ A60 の固定