Leica Microsystems DM500 は、広範なアクセサリにより、多目的に使用できる高品質な装置です。DM500 は基本的にメンテナンスフリーで、長期間にわたって安全で信頼性の高い操作を保証します。 ライカ純正部品のみを使用し、定期検査や保守契約を結ぶことで、常に最適な状態で使用できます。
ライカ DM500
取扱説明書
ライカ DM500 取扱説明書 2
2019 年 10 月発行。発行者:
Leica Microsystems (Schweiz) AG
Max Schmidheiny Strasse 201
CH-9435 Heerbrugg (Switzerland)
ご質問がございましたら、次のホットライン
までご連絡ください:
製造者情報
ライカ DM500 取扱説明書 3
章の概要
安全規則 5
ライカ DM500 16
準備しましょう 19
セットしましょう 26
始 め ましょう 3 5
顕微鏡のお手入れ 37
寸法 40
ライカ DM500 取扱説明書 4
目次
安全規則
安全に関する注意事項 6
この取扱説明書で使用されている記号 7
重要注意事項 8
使用上の注意事項 9
健康上のリスクと危険な使用 11
装置の責任者のための情報 12
お手入れに関する注意事項 13
アクセサリー、保守、修理 14
電気仕様と周囲条件 15
ライカ DM500
お買い上げいただきありがとうございます 17
開梱 18
準 備 しましょう
鏡筒の取り付け 20
EZ 鏡筒(接眼レンズ一体型) 21
標準鏡筒(接眼レンズ分離型) 23
アイガ ード 24
対物レンズの取り付けとコンデンサ 25
セットしましょう
顕微鏡の電源を入れる 27
コンデンサの使い方 28
試料スライドの観察の準備 29
焦点合わせ 30
鏡筒の調節 31
液浸レンズの使い方 33
始 め ましょう
それ では 始めましょう 36
顕微鏡のお手入れ
一般的な保守 38
寸法
寸法 41
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則5
安全規則
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則6
安全に関する注意事項
ライカ DM 顕微鏡シリーズの各製品には、
双方向対話型の CD-ROM が同梱されて
います(数カ国語による各種取扱説明書付
き)。 ユーザーがすぐに手の届く安全な場
所に保管してください。 各種取扱説明書お
よび改訂版は、弊社のウェブサイト
この取扱説明書では、DM 顕微鏡シリーズ
の各製品特有の機能についての説明と、
各製品の操作安全性・保守・アクセサリー
についての重要な注意事項が記載されて
います。
ブックレット「安全に関する注意事項」で
は、顕微鏡・アクセサリー・電気アクセサリ
ーのサービス作業・要求事項・取り扱いに
ついての安全上の補足情報や、一般的な
安全上の注意事項が記載されています。
装置を設置・操作・使用する前に、上記の
取扱説明書をよくお読みください。 特に、
安全上の注意事項をすべて守ってくださ
い。
装置を当初の状態に維持し、危険のない
操作を行うために、ユーザーは必ずこれら
の取扱説明書に含まれる注意事項と警告
に従ってください。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則7
取扱説明書で使用されている記号について
この取扱説明書では、安全にお使いいただくために必要な注意事項を記号を
用いて説明しています。
危険の警告
この表示の警告事項を守らないと、
人が傷害を負ったり、物的損害が発
生することがあります。
感電注意
この表示の注意事項を守らないと、
感電やその他の事故によりけがを
したり、機器に損害を与えたりすることが
あります。
高温による危険
この表示は、表面に触れるとやけど
の危険性があることを示します。
役立つ情報
この記号は、明確に把握するための
補足情報や説明であることを示しま
す。
注記
f 文中にあるこの記号は、補足情報や説
明であることを示します。
装置、アクセサリー部品、消耗品の
廃棄に関する指示。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則8
重要注意事項
装置を設置・操作・使用する前に、
必ず本書をよくお読みください。特
に、安全上の注意事項は必ずお読みいた
だき安全にご使用ください。
取扱説明書
この取扱説明書には、操作安全性・保守・
アクセサリーについての重要な注意事項
が含まれています。
DM500 顕微鏡には、関連する各
種取扱説明書を含む双方向対話
型の CD-ROM が同梱されています。不
明な点がいつでも確認できるように、
取扱説明書はすぐに見られる場所に大
切に保管してください。各種取扱説明
書および改訂版は、弊社のウェブサイト
www.leica-microsystems.comからダウン
ロードおよび印刷することもできます。
当初の状態
装置を当初の状態に維持し、危険のない
操作を行うために、ユーザーは必ずこれら
の取扱説明書に含まれる注意事項と警告
に従ってください。
関連法規の遵守
事故防止および環境保護に関する一般法
規および各国の法規に従ってください。
EC 適合宣言
電気で作動するアクセサリーは最先端技
術に基づき製造され、EC 適合宣言が発行
されています。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則9
使用上の注意事項
DM500 顕微鏡は必ず室内で使用
し、安定した水平な場所に設置して
ください。
DM500 顕微鏡は電源ケーブルをい
つでも外すことのできる場所に設置
してください。電源ケーブルに常に手が届
く状態にしておく必要があります。
使用場所
装置は必ずホコリの少ない屋内に設置
し、10 °C ~40 °C の室温で使用してくださ
い。装置をオイルや化学薬品に触れないよ
うにし、過度な湿気を避けてください。装
置を屋外で使用する場合は、ほこりや湿気
から装置を保護してください。電気装置は
屋外で使用しないでください。電気系の部
品は壁から 10 cm 以上の距離をとり、可燃
物から離して設置してください。
大きな温度変化、直射日光、振動は避けて
ください。
高温および多湿の地域では、カビ発
生防止のために特別に配慮する必
要 があります。
推奨されない使用方法
特に指定されていない限り、他のプ
ラグを取り付けたり、部品のネジを
外したりしないでください。
この取扱説明書に記載されている装
置・アクセサリーは、安全性および潜
在的な危険について試験済みです。
本装置を分解、改造した場合や、取
扱説明書の範囲を超えるライカ以
外の製品と組み合わせて使用する場合は、
必ずライカ マイクロシステムズにご相談く
ださい。
無断で装置に変更を加えたり、取扱
説明書以外の方法で使用された場
合、保証の対象外となりますのでご注意く
ださい。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 10
使用上の注意事項(続き)
輸 送・搬 送
本装置を輸送または搬送する場合は、納
品時の梱包材をご使用ください。
振動による損傷を防ぐため、着脱可能な可
動部品はすべて(取扱説明書に従って)お
客様において取り外し、別々に包装してく
ださい。
廃棄
製品が寿命に達したら、廃棄方法について
ライカ マイクロシステムズ(株)にお問い
合わせください。
各国の関連法規(例:欧州 WEEE 指令)を
遵守してください。
他の電子機器と同様、この装置、ア
クセサリー部品および消耗品は、一
般の家庭ごみと一緒に廃棄してはなりま
せん。廃棄は、各国で適用される法律およ
び規則に基づき適切に実施ください。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 11
健康上の留意事項と使用時の注意事項
健康上のリスク
顕微鏡を使用すると、観察作業はは
かどりますが、ユーザーの目や、支え
る筋肉には大きな負担がかかります。長時
間休まずに作業を続けると、眼精疲労や筋
骨格系疾患を発症する可能性があります。
本製品を長時間使用する場合は、健康の
ために、定期的に休憩を取り、目や筋肉を
リフレッシュさせてください。
ライカ顕微鏡シリーズでは、ユーザーが強
いられる負担を最小限に抑えるために、人
間工学に基づいたデザインと構造が採用
されています。
感 染 のリスク
接眼レンズは直接目に触れるため、
細菌やウイルスの感染経路となる
可能性があります。
各個人ごとに専用の接眼レンズを使
用したり、アイキャップを使 用 するこ
とで、この危険を最小限に抑えることがで
きます。
使用時の注意事項
O DM500 顕微鏡は必ずアース付きコン
セントに接続してください。
O DM500 顕微鏡は適切な機能条件での
み使用することができます。
顕微鏡の照明は、本来の用途で使用した
場合、EN 62471:2008 に基づくリスク免除グ
ループ(リスクグループ 0)に属します。
光学装置の使用、不使用いずれの
場合にも、照明装置の LED 光を直
接覗き込まないでください。リスク等級が
高くなります。この注意事項を守らないと、
眼の損傷を招くおそれがあります。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 12
装置の責任者のための情報
装置の責任者のための情報
O DM500 顕微鏡は必ず有資格者のみが
使用するようにしてください。
O この取扱説明書は、DM500 顕微鏡を
操作する際に常に使用できる状態にし
ておいてください。
O 権限のあるユーザーが安全要求事項
に従って作業していることを確認する
ために、定期的に検査を行ってくださ
い。
O 新たに使用するユーザーに対しては徹
底した指示を行い、警告記号とメッセ
ージの意味を説明してください。
O 装置の起動、操作、サービスにそれぞ
れ責任者を決め、これらの責務が守ら
れているか監視してください。
O DM500 顕微鏡を完全でない状態で使
用しないでください。
O 万一製品にけがや被害を引き起こす
おそれのある不具合が見つかりました
ら、ただちにライカ マイクロシステムズ
(株)にご連絡ください。
O DM500 顕微鏡の変更および保守は、
必ずライカ認定スタッフのみが行うも
のとしま す。
O 製品のサービスには、ライカ純正部品
のみをご使用ください。
O サービス作業または技術的変更を行
った後は、装置がライカの技術要求事
項を満たしているか再確認する必要が
あります。
O 装置がライカ認定スタッフ以外の人物
によって変更またはサービス作業が行
われた場合、保守が不適切に行われた
場合(保守がライカによって実施され
なかった場合)、あるいは不適切に取り
扱われた場合、ライカはいかなる責任
も負いません。
O 建物内の電気設備は漏電保護(故障電
流防止)など各国の基準に従う必要が
あ り ま す 。さ い 。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 13
クリーニングとお手入れに関する注意事項
一般的な注意事項
O DM500 顕微鏡を湿気、蒸気、酸、アル
カリ、腐食性物質から保護してくださ
い。近くに化学薬品を保管しないでく
ださい。
O DM500 顕微鏡がオイルやグリースに
触れないように保護してください。機械
部品や接続部にグリースやオイルを決
して塗布しないでください。
O 抗菌剤等をご使用の際には、抗菌剤の
取扱注意事項に従ってください。
O ライカ マイクロシステムズ(株)と保守
契約を結ぶことをお勧めします。
コーティング部品と樹脂製部品のクリーニ
ング
O ほこりや通常の汚れは、柔らかいブラ
シあるいは糸くずの出ない布で軽くふ
き取ってください。
O はり付いた汚れはエーテルまたはアル
コールを使って取り除きます。
O アセトン、キシレンを含む有機溶剤は
使用しないでください。
O 着色・コーティングされた表面や、ゴム
材部品をクリーニングする場合、絶対
に化学薬品は使用しないでください。
表面が傷ついたり、剥離した微粒子に
より試料が汚染される恐れがあります。
ガラス面のクリーニング
O グリースが付着していない、乾いた細
毛ブラシを使い、圧縮ブロワーを吹き
付けるかバキュームを使用して汚れを
取り除きます。
O 光学コンポーネントの表面をクリーニ
ングする場合は、糸くずの出ないクロ
ス、レンズクロス、または綿棒に、市販
のガラスクリーナーをしみ込ませて行
ってください。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 14
ア ク セ サ リ ー 、保 守 、修 理
アクセサリー
DM500 顕微鏡には以下のアクセサリーの
みを使用することができます。
O 本書に記載されているアクセサリー。
O 技術的な安全性がライカによって承認
されたその他のアクセサリー。
保守
O DM500 は基本的にメンテナンスフリ
ーです。常に安全で信頼性の高い操作
を確保するため、ライカマイクロシステ
ムズの定期的な検査を設定したり、保
守契約を結ぶことをお奨めします。
O ライカ マイクロシステムズ(株)と保守
契約を結ぶことをお勧めします。
O 保守および修理には、OEM(相手先ブ
ランド製造)交換部品のみをご使用く
ださい。
修理とサービス作業
O 部品を交換する場合は、ライカ マイク
ロシステムズの純正部品のみをご使用
ください。
O 装置を分解する場合は、事前に電源ス
イッチを切り、電源ケーブルを抜いてく
ださい。
O 電源が入ったまま電気回路に触れる
と、けがを負う危険があります。
お問い合わせ先
問題が生じた場合は、ライカ マイクロシス
テ ム ズ( 株 )に ご 連 絡 く だ さ い 。
ライカ DM500 取扱説明書 安全規則 15
電気仕様と周囲条件
周囲条件
使用温度 +10 °C … +40 °C
保管温度 -20 °C … +52 °C
+50 °F … +104 °F
操作時衝撃 50 mm 硬木上で 25 mm
搬送時衝撃(無包装) 100 g / 6 ms
搬送時衝撃(包装) 800 mm 自然落下
搬送時振動(無包装) 5–200 Hz / 1.5 g
大気圧、「使用時」および保管時 500–1 060 mBar
湿度、「使用時」および保管時 20–90 %
設置カテゴリー II (過電圧カテゴリー)
汚染度 2
ヒューズ の 交 換
ヒューズを交換する前に、装置の電源ケーブルを抜
いてください。 DM 500には 2 個のヒューズが使用さ
れており、電源ケーブル差し込み口の後ろに付いています。
以下のタイプのヒューズのみ使用してくださ
い:5×20 mm、1 A / 250 V、速断(# 13RFAG30003)
電気仕様
Leica DM500 入力:100–240 V、50/60 Hz、5 W(3 W LED)
1.2 V NiMH タイプ AA 充電式バッテリー(最大
2 700 mAh)のみを使用してください。非充電式の
AA バッテリーは使用しないでください。
ライカ DM500 取扱説明書 ライカ DM500 16
ライカDM500
ライカ DM500 取扱説明書 ライカ DM500 17
このモデル独自のデザイン特徴と、広範な
ラインナップのアクセサリー により、多 用 途
で高品質な装置を実現しています。
ライカ DM500 取扱説明書 ライカ DM500 18
開梱
O 梱包用の箱から顕微鏡および構成部
品を慎重に取り出します。
O 所定の構成になっているかどうか、構
成部品を確認します。
O オプ ション 品(例:コントラスト用アクセ
サリー、カメラアダプター、カメラ、キャ
リングケースなど)は標準装備品と一
緒には出荷されません。 これらは別途
梱包されて配送されます。
O 梱包材は一切廃棄しないでください。
これらの梱包材は、必要が生じた場合
に、装置を安全に保管・搬送するため
に使用する必要があります。
ライカ DM500 取扱説明書 準 備し ましょう 19
準 備 し ましょう
ライカ DM500 取扱説明書 準 備し ましょう 20
使用する工具
O アレンキー
鏡筒には 2 つのタイプがありま
す。 お手元の鏡筒がどちらのタイプか、
ご確認ください。
タイプ 1:EZ 鏡筒(接眼レンズ一体型)。
タイプ 2:標準鏡筒(接眼レンズ分離型)
。1. 同梱のアレンキーを使って、止め
ネジ(スタンドの上部に位置)を少し緩め
ま す 。
2. アリ溝にダブテール部を差し込み、止
めネジをしっかりと(無理な力は加え
ずに)締め付けます。 これにより、どの
角度に回転させても、鏡筒は顕微鏡の
光軸上に正確に位置決めされるように
なります。
鏡 筒の 取り付け