ライカ マイクロシステムズ DM750 は、様々な研究、検査、教育用途に最適な顕微鏡です。観察対象を精細に捉える高解像度画像を取得することができ、内蔵の LED 照明により明るい観察を実現します。また、直感的な操作が可能で、作業効率を向上させることができます。さらに、透過照明と落射照明の両方で簡単に観察できるため、さまざまなサンプルを幅広く観察することができます。
Leica Microsystems DM750 は、業界をリードする光学性能と使いやすい設計を備えた顕微鏡です。アニュアル型単眼および双眼の観察とデジタルイメージング向けに設計された this scope は、研究室、臨床検査室、教育機関などで幅広く使用されています。この顕微鏡は、医療分野、生物学、化学など、様々な分野で使用できます。
ライカ DM750
取扱説明書
ライカ DM750 取扱説明書 2
2019 年 10 月発行。発行者:
Leica Microsystems (Schweiz) AG
Max Schmidheiny Strasse 201
CH-9435 Heerbrugg (Switzerland)
ご質問がございましたら、次のホットライン
までご連絡ください:
製造者情報
ライカ DM750 取扱説明書 3
章の概要
安全規則 5
ライカ DM750 16
準備 19
設定 29
使用 42
顕微鏡のお手入れ 44
トラブ ル シュー ティング 48
寸法 50
ライカ DM750 取扱説明書 4
目次
安全規則
安全に関する注意事項 6
取扱説明書で使用されている記号について 7
この取扱説明書では、安全にお使いいただくために必要な注意事
項を記号を用いて説明しています。 7
重要注意事項 8
使用上の注意事項 9
健康上の留意事項と使用時の注意事項 11
装置の取扱いについて 12
クリーニングとお手入れに関する注意事項 13
アクセサリー、保守、修理 14
電気仕様と周囲条件 15
ライカ DM750
はじめに 17
開梱 18
準備
標準照明とケーラー照明 20
鏡筒の取り付け 21
EZ鏡筒(接眼レンズ一体型) 22
標準鏡筒(接眼レンズ分離型) 24
アイキャップ 25
対物レンズの取り付け 26
コンデンサの取り付け 27
設定
顕微鏡の電源を入れる 30
コンデンサの芯出しの完了 31
コンデンサの使い方 32
試料スライドの観察の準備 33
焦点合わせ 34
鏡筒の調節 35
ケーラー照明 37
液浸レンズの使い方 39
自動シャットオフ 41
使用
準備/設定/操作 43
顕微鏡のお手入れ
一般的な保守 45
トラブ ル シュー ティング
トラブ ル シュー ティング 48
寸法
寸法 51
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 5
安全規則
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 6
安全に関する注意事項
ライカ DM 顕微鏡シリーズの各製品には、
双方向対話型の CD-ROM が同梱されて
います(数カ国語による各種取扱説明書付
き)。不明な点がいつでも確認できるよう
に、取扱説明書はすぐに見られる場所に大
切に保管してください。弊社ウェブサイトか
ら最新版の取扱説明書をダウンロードで
き ま す: www.leica-microsystems.com.
この取扱説明書では、DM 顕微鏡シリーズ
の各製品特有の機能についての説明と、
各製品の操作安全性・保守・アクセサリー
についての重要な注意事項が記載されて
います。
小冊子の「安全に関する注意事項」に、顕
微鏡と付属部品の技術サービス、安全な
操作に必要な条件、取扱い方法などにつ
いて注意事項が記載されています。
装置を設置・操作・使用する前に、上記の
取扱説明書をよくお読みください。特に、
安全上の注意事項は必ずお読みいただき
安全にご使用ください。
装置を当初の状態に維持し、危険のない
操作を行うために、ユーザーは必ずこれら
の取扱説明書に含まれる注意事項と警告
に従ってください。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 7
取扱説明書で使用されている記号について
この取扱説明書では、安全にお使いいただくために必要な注意事項を記号を用いて説明
しています。
危険の警告
この表示の警告事項を守らないと、
人が傷害を負ったり、物的損害が発
生することがあります。
感電注意
この表示の注意事項を守らないと、
感電やその他の事故によりけがを
したり、機器に損害を与えたりすることが
あります。
高温による危険
この表示は、表面に触れるとやけど
の危険性があることを示します。
役立つ情報
この記号は、明確に把握するための
補足情報や説明であることを示しま
す。
注記
f
文中にあるこの記号は、補足情報や
説明であることを示します。
装置、アクセサリー部品、消耗品の
廃棄に関する指示。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 8
重要注意事項
装置を設置・操作・使用する前に、
必ず本書をよくお読みください。特
に、安全上の注意事項は必ずお読みいた
だき安全にご使用ください。
取扱説明書
この取扱説明書には、操作安全性・保守・
アクセサリーについての重要な注意事項
が含まれています。
DM750 顕微鏡には、関連する各
種取扱説明書を含む双方向対話
型の CD-ROM が同梱されています。不
明な点がいつでも確認できるように、
取扱説明書はすぐに見られる場所に大
切に保管してください。各種取扱説明
書および改訂版は、弊社のウェブサイト
www.leica-microsystems.comからダウン
ロードおよび印刷することもできます。
当初の状態
装置を当初の状態に維持し、危険のない
操作を行うために、ユーザーは必ずこれら
の取扱説明書に含まれる注意事項と警告
に従ってください。
関連法規の遵守
事故防止および環境保護に関する一般法
規および各国の法規に従ってください。
EC 適合宣言
電気で作動するアクセサリーは最先端技
術に基づき製造され、EC 適合宣言が発行
されています。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 9
使用上の注意事項
DM750 顕微鏡は必ず室内で使用
し、安定した水平な場所に設置して
ください。
DM750 顕微鏡は電源ケーブルをい
つでも外すことのできる場所に設置
してください。電源ケーブルに常に手が届
く状態にしておく必要があります。
使用場所
装置は必ずホコリの少ない屋内に設置
し、10 °C ~40 °C の室温で使用してくださ
い。装置をオイルや化学薬品に触れないよ
うにし、過度な湿気を避けてください。装
置を屋外で使用する場合は、ほこりや湿気
から装置を保護してください。電気装置は
屋外で使用しないでください。電気系の部
品は壁から 10 cm 以上の距離をとり、可燃
物から離して設置してください。
大きな温度変化、直射日光、振動は避けて
ください。
高温および多湿の地域では、カビ発
生防止のために特別に配慮する必
要 があります。
推奨されない使用方法
特に指定されていない限り、他のプ
ラグを取り付けたり、部品のネジを
外したりしないでください。
この取扱説明書に記載されている装
置・アクセサリーは、安全性および潜
在的な危険について試験済みです。
本装置を分解、改造した場合や、取
扱説明書の範囲を超えるライカ以
外の製品と組み合わせて使用する場合は、
必ずライカ マイクロシステムズにご相談く
ださい。
無断で装置に変更を加えたり、取扱
説明書以外の方法で使用された場
合、保証の対象外となりますのでご注意く
ださい。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 10
使用上の注意事項(続き)
輸送・搬送
本装置を輸送または搬送する場合は、納
品時の梱包材をご使用ください。
振動による損傷を防ぐため、着脱可能な可
動部品はすべて(取扱説明書に従って)お
客様において取り外し、別々に包装してく
ださい。
廃棄
製品が寿命に達したら、廃棄方法について
ライカ マイクロシステムズ(株)にお問い
合わせください。
各国の関連法規(例:欧州 WEEE 指令)を
遵守してください。
他の電子機器と同様、この装置、ア
クセサリー部品および消耗品は、一
般の家庭ごみと一緒に廃棄してはなりま
せん。廃棄は、各国で適用される法律およ
び規則に基づき適切に実施ください。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 11
健康上の留意事項と使用時の注意事項
健康上のリスク
顕微鏡を使用すると、観察作業はは
かどりますが、ユーザーの目や、支え
る筋肉には大きな負担がかかります。長時
間休まずに作業を続けると、眼精疲労や筋
骨格系疾患を発症する可能性があります。
本製品を長時間使用する場合は、健康の
ために、定期的に休憩を取り、目や筋肉を
リフレッシュさせてください。
ライカ顕微鏡シリーズでは、ユーザーが強
いられる負担を最小限に抑えるために、人
間工学に基づいたデザインと構造が採用
されています。
感 染 のリスク
接眼レンズは直接目に触れるため、
細菌やウイルスの感染経路となる
可能性があります。
各個人ごとに専用の接眼レンズを使
用したり、アイキャップを使 用 するこ
とで、この危険を最小限に抑えることがで
きます。
使用時の注意事項
O
DM750 顕微鏡は必ずアース付きコン
セントに接続してください。
O
DM750 顕微鏡は適切な機能条件での
み使用することができます。
顕微鏡の照明は、本来の用途で使用した
場合、EN 62471:2008 に基づくリスク免除グ
ループ(リスクグループ 0)に属します。
光学装置の使用、不使用いずれの
場合にも、照明装置の LED 光を直
接覗き込まないでください。リスク等級が
高くなります。この注意事項を守らないと、
眼の損傷を招くおそれがあります。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 12
装置の責任者のための情報
装置の責任者のための情報
O
DM750 顕微鏡は必ず有資格者のみが
使用するようにしてください。
O
この取扱説明書は、DM750 顕微鏡を
操作する際に常に使用できる状態にし
ておいてください。
O
権限のあるユーザーが安全要求事項
に従って作業していることを確認する
ために、定期的に検査を行ってくださ
い。
O
新たに使用するユーザーに対しては徹
底した指示を行い、警告記号とメッセ
ージの意味を説明してください。
O
装置の起動、操作、サービスにそれぞ
れ責任者を決め、これらの責務が守ら
れているか監視してください。
O
DM750 顕微鏡を完全でない状態で使
用しないでください。
O
万一製品にけがや被害を引き起こす
おそれのある不具合が見つかりました
ら、ただちにライカ マイクロシステムズ
(株)にご連絡ください。
O
DM750 顕微鏡の変更および保守は、
必ずライカ認定スタッフのみが行うも
のとしま す。
O
製品のサービスには、ライカ純正部品
のみをご使用ください。
O
サービス作業または技術的変更を行
った後は、装置がライカの技術要求事
項を満たしているか再確認する必要が
あります。
O
装置がライカ認定スタッフ以外の人物
によって変更またはサービス作業が行
われた場合、保守が不適切に行われた
場合(保守がライカによって実施され
なかった場合)、あるいは不適切に取り
扱われた場合、ライカはいかなる責任
も負いません。
O
建物内の電気設備は漏電保護(故障
電流防止)など各国の基準に従う必
要 があります。さい 。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 13
クリーニングとお手入れに関する注意事項
一般的な注意事項
O
DM750 顕微鏡を湿気、蒸気、酸、ア
ルカリ、腐食性物質から保護してくだ
さい。近くに化学薬品を保管しないで
ください。
O
DM750 顕微鏡がオイルやグリースに
触れないように保護してください。機
械部品や接続部にグリースやオイルを
決して塗布しないでください。
O
抗菌剤等をご使用の際には、抗菌剤
の取扱注意事項に従ってください。
O
ライカ マイクロシステムズ(株)と保
守契約を結ぶことをお勧めします。
コーティング部品と樹脂製部品のクリーニ
ング
O
ほこりや通常の汚れは、柔らかいブラ
シあるいは糸くずの出ない布で軽くふ
き取ってください。
O
はり付いた汚れはエーテルまたはアル
コールを使って取り除きます。
O
アセトン、キシレンを含む有機溶剤は
使用しないでください。
O
着色・コーティングされた表面や、ゴ
ム材部品をクリーニングする場合、絶
対に化学薬品は使用しないでくださ
い。表面が傷ついたり、剥離した微粒
子により試料が汚染される恐れがあり
ます。
ガラス面のクリーニング
O
グリースが付着していない、乾いた細
毛ブラシを使い、圧縮ブロワーを吹き
付けるかバキュームを使用して汚れを
取り除きます。
O
光学コンポーネントの表面をクリーニ
ングする場合は、糸くずの出ないクロ
ス、レンズクロス、または綿棒に、市
販のガラスクリーナーをしみ込ませて
行ってください。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 14
ア ク セ サ リ ー 、保 守 、修 理
アクセサリー
DM750 顕微鏡には以下のアクセサリーの
みを使用することができます。
O
本書に記載されているアクセサリー。
O
技術的な安全性がライカによって承認
されたその他のアクセサリー。
保守
O
DM750 は基本的 にメンテナンスフ
リーです。常に安全で信頼性の高い
操作を確保するため、ライカマイクロ
システムズの定期的な検査を設定した
り、保守契約を結ぶことをお奨めしま
す。
O
ライカ マイクロシステムズ(株)と保
守契約を結ぶことをお勧めします。
O
保守および修理には、OEM(相手先
ブランド製造)交換部品のみをご使用
ください。
修理とサービス作業
O
部品を交換する場合は、ライカ マイク
ロシステムズの純正部品のみをご使用
ください。
O
装置を分解する場合は、事前に電源
スイッチを切り、電源ケーブルを抜い
てください。
O
電源が入ったまま電気回路に触れる
と、けがを負う危険があります。
お問い合わせ先
問題が生じた場合は、ライカ マイクロシス
テ ム ズ( 株 )に ご 連 絡 く だ さ い 。
ライカ DM750 取扱説明書 安全規則 15
電気仕様と周囲条件
この状態を維持し、危険のない操作を行うために、ユーザー
は必ずこれらの取扱説明書に含まれる注意事項と警告に従
ってください。
周囲条件
使用温度 +10 °C
…
+40 °C
保管温度 -20 °C
…
+52 °C
+50 °F
…
+104 °F
操作時衝撃 50 mm 硬木上で 25 mm
搬送時衝撃(無包装) 100 g / 6 ms
搬送時衝撃(包装) 800 mm 自然落下
搬送時振動(無包装) 5–200 Hz / 1.5 g
使用時および保管時の気圧 500–1 060 mbar
使用時および保管時の湿度 20–90 %
設置カテゴリー II (過電圧カテゴリー)
汚染度 2
ヒューズ の 交 換
ヒューズを交換する前に、装置の電源ケーブルを抜いてく
ださい。DM750 には 2 個のヒューズが使用されており、電
源ケーブル差し込み口の後ろに付いています。
ヒューズとしては必ず、5×20 mm、1 A/250 V 高速作動ヒュ
ーズ(# 13RFAG30003)をご使用ください。
電気仕様
入力:100–240 V、50/60 Hz、5 W(3 W LED)
一般的な安全上の注意
安全クラス 1 のこの装置は、測定・制御・実験室用の電気機器に関
する以下の安全基準に準拠して製造・試験されています。
EN 61010-1: 2002-08
EN 61010-2-101: 2008-06
IEC 61010-1: 2010-06
EN 61326-1: 2006-10
EN 61326-2-6: 2006-10
EN 55011: 2007+A2: 2010-05
EN 60825-1: 2008-05
IEC 60825-1: 2007-03
LED Class 1
ライカ DM750 取扱説明書 ライカDM750 16
ライカ DM750
ライカ DM750 取扱説明書 ライカDM750 17
このモデル独自のデザイン特徴と、広範な
ラインナップ のアクセ サリー により、多用
途で高品質な装置を実現しています。
本装置は必ず記載されている通り
にご使用ください。
はじめに
ライカ DM750 取扱説明書 ライカDM750 18
O
梱包用の箱から顕微鏡および構成部
品を慎重に取り出します。
O
すべての構成部品が無傷であることを
確認します。
O
所定の構成になっているかどうか、構
成部品を確認します。
O
オプ ション品 ( 例 :コントラスト用アク
セサリー、カメラアダプター、カメラ、
キャリングケースなど)は標準装備品
と一緒には出荷されません。これらは
別途梱包されて配送されます。
O
梱包材は廃棄しないでください。これ
らの梱包材は、必要が生じた場合に、
装置を安全に保管・搬送するために
使用する必要があります。
開梱
ライカ DM750 取扱説明書 準備 19
準備
ライカ DM750 取扱説明書 準備 20
標準照明とケーラー照明
DM750 では 2 つのタイプのサブス
テージ照明を使用することができま
す。お手元の照明がどちらのタイプか、ご
確認ください。タイプにより、後に説明する
手順が異なります。
タイプ 1:標準照明
付属の工具で調節するコンデンサ芯出し。
タイプ 2:ケーラー照明
つまみネジで調節するコンデンサ芯出し、
調節可能なケーラー視野絞り。
標準照明とケーラー照明