Camco Tecton ユーザーマニュアル

  • CAMCO TECTONシリーズパワーアンプの取扱説明書について、ご質問にお答えします。このマニュアルには、各モデル(38.4、32.4、28.2、24.4、22.2、14.2)の仕様、操作方法、安全上の注意、トラブルシューティングなどが詳しく記載されています。高出力、多様な接続方法、保護回路など、製品の特徴についてもご説明できますので、お気軽にご質問ください。
  • 電源を入れた後、音が聞こえない場合はどうすれば良いですか?
    両チャンネルが同じ音で鳴る場合はどうすれば良いですか?
    音が歪む場合はどうすれば良いですか?
TECTON シリーズ 取扱説明書
TECTON 38.4
TECTON 32.4
TECTON 24.4
TECTON 28.2
TECTON 22.2
TECTON 14.2
TECTON USER MANUAL
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.2
■安全上のご注意
取扱説明書には、お使いになる方や他の人々への危害と財産の損害を未
然に防ぎ、安全に正しくお使いいただくための、重要な内容を記載して
います。次の内容をよく理解してから本文をお読みになり、記載事項を
お守りください。また、お読みになった後は、いつでも見られる場所に
大切に保管してください。
注意事項は危険や損害の大きさと切迫の程度を明示するために、
誤った扱いをすると生じることが想定される内容を次の定義のように
「警告 」「注意 」の二つに区分しています。
警告 この表示内容を無視して誤った取り扱いをすると
死亡または重傷を負う可能性が想定される内容です。
注意
この表示内容を無視して誤った取り扱いをすると
傷害を負う可能性または物的損害が発生する可能性
が想定される内容です。
警告
・ パワーアンプは、機器の重量に耐える強度を持った安定した場所に
設置してください。バランスが崩れて落下すると、けがの原因とな
ります。
・ 必ず専用の電源ケーブルを使用してください。これ以外の物を使用
すると火災の原因となり大変危険です。
・ AC100V、50Hz/60Hz の電源で使用してください。異なる電源で使
用すると火災や感電の原因となります。
・ 分解や改造は行わないでください。分解や改造は保証期間内でも保
証の対象外となるばかりでなく、火災や感電の原因となり危険です。
・ 雷が鳴り出したら、金属部分や電源プラグには触れないでください。
感電する恐れがあります。
・ 煙が出る、異臭がする、水や異物が入った、本体や電源ケーブル・
プラグが破損した等の異常があるときは、ただちに電源を切って電
源プラグをコンセントから抜き、修理を依頼してください。異常状
態のまま使用すると、火災や感電の原因となります。
SPEAKONコネクタの横にあるこのシンボルは、ここには非常に
高い電圧の信号が出力されていることを示しています。端子や
芯線を露出させたまま使用しないでください。
安全上の
ご注意
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.3
注意
・ 万一、落としたり破損が生じた場合は、そのまま使用せずに修理を
依頼してください。そのまま使用すると、火災の原因となることが
あります。
・ 以下のような場所には設置しないでください。
直射日光の当たる場所 / 極度の低温または高温の場所 /
湿気の多い場所 / ほこりの多い場所 / 振動の多い場所 /
風通しの悪い場所
・ 配線は電源を切ってから行ってください。電源を入れたまま配線す
ると、感電する恐れがあります。また、誤配線によるショート等は
火災の原因となります。
・ 電源を入れる前や音声ケーブルの接続時には、各ボリュームを最小
にしてください。突然大きな音が出て聴覚障害などの原因となるこ
とがあります。
・ ご使用にならないときは、安全のため必ず電源プラグをコンセント
から抜いてください。火災の原因となることがあります。
・ 廃棄は専門業者に依頼してください。燃やすと化学物質などで健康
を損ねたり火災などの原因となります。
■使用上のご注意
取り扱いおよび移動について
性能・耐久性をより長く維持するために以下の点にご注意ください。
・ 移動の際には、丈夫なラックやフライトケースに入れてください。
・ ラックやフライトケースから取り出す場合は、各つまみやコネクタ
部を持ったり衝撃を与えないように十分注意してください。
・ すべての配線を取り外してから、移動してください。
・ 外装を、ベンジンやシンナーなどで拭かないでください。変質や塗
料がはげる原因となることがあります。外装のお手入れには、乾い
た柔らかい布をご使用ください。
設置について
・ 高電圧送電ケーブルやブラウン管、テープレコーダ、携帯電話など
の強電磁界付近への設置は避けてください。外部からの誘導電界は、
音声回路に悪影響を与えます。
・ 放熱が良い環境で使用してください。また暖房機や熱を発生する物
の側には設置しないでください。ラックやフライトケース等に収納
して使用する場合は、通気スペースを十分に取ってください。その
際、吸気口や排気口は絶対に塞がないでください。
・ 電源ケーブルを踏んだり、もので挟んだりしないように注意してく
ださい。
信号レベルについて
各入出力信号の仕様をご確認の上、以下の点に注意して接続を行ってく
ださい。
・ パワーアンプへ接続する入力信号が、適切なレベルのものかどうか
を確認してください。S/N 比等の特性を悪化させる原因となります。
・ バランス入力に同相信号や高周波信号を入力しないでください。
・ 出力は、仕様に定められたインピーダンスよりも低いインピーダン
スのスピーカに接続しないでください。
使用上の
ご注意
P.3
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.4
TECTONシリーズ取扱説明書 目次
2
使 3
取り扱いおよび移動について             3
3
3
5
5
障か?と思る症が出きに   5
1. 設置
11 TECTON 5
12  6
13  7
14  7
2. 各部詳細
21 TECTON - 前面パネル              8
22 TECTON - 背面パネル              8
23  9
24  10
25 入力グランドリフトスイッチ      10
27 モードインジケータ              11
28 モードセレクタスイッチ          11
29  11
291 XLRコネクタ(標準EUIカード)  11
292 ステレオモード               12
293 パラレルモノモード           12
294 モノブリッジ・モード         12
295 SPEAKONコネクタ            13
3. アンプの操作と動作
31  14
311  14
312 ゲインセレクタ               14
313 ゲインと感度                  14
314 クリップリミッタスイッチ    14
315 ハイパスフィルタ             15
32  15
321 OUTPUT CURRENT LED        15
322 SIGNAL LED                   15
323 CLIP LED 16
33 パワーアンプ保護システム        16
331 クリップリミッタ             16
332 SOAプロテクション           16
333 DCプロテクション            16
334 DC 16
335 過電流プロテクション         16
336 温度プロテクション           16
34  17
341 突入電流リミッタ             17
342 過大AC電源電圧検知機能      17
343 AC電源異常検知機能          17
344 ヒューズプロテクション       17
35 メインスイッチング電源保護      17
351 過電流プロテクション         17
36  17
4. 拡張機能
41 EUI2インターフェース           18
411 EUI2インーフェーにつ 18
5. 問題と解決
51  19
52 両チャルがに鳴てし 19
53 音が歪む                         19
54  19
55 ハウリングが発生する            19
6. 仕様
61  20
目次
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.5
■はじめに
このたびは、CAMCO TECTONシリーズ・パワーアンプをお買い求めい
ただき、誠にありがとうございます。ご使用いただく前に必ず本書をお
読みいただき、内容をよくご理解された上で正しくお使いください。
保証書について
・ 保証書は必ず「お買上げ年月日」お買上げ名/ 在地」の記
入をご確認いただき、製品とともにお受け取りください。お買い上
げ日より6年間は保証期間です。保証書記載事項に基づき、無償修
理等を保証させていただきます。修理等はお買い上げの販売店まで
ご依頼ください。
・ お買い上げに「おい上げ年日」「お買上店名/ 在地」
正しく記入されていない場合は、保証書が無効になり、無償修理を
受けられないことがあります。記載内容が不十分でしたら、速やか
に販売店にお問い合わせください。
・ 改造など通常の使用範囲を超えた取り扱いによる故障や、設計製造
以外の要因で起きた不都合は、期間内であっても保証の対象外とな
ります。
故障かな?と思われる症状が出たときには
この取扱説明書をもう一度よくお読みになり、接続や操作などをご確認
ください。それでも改善されないときは、お買い上げの販売店までお問
い合わせください。調整・修理いたします。
1.1 TECTONの特長
TECTON()備え
TECTON 38.4 TECTON 28.2
1650W+ 1650W ステレオ @4Ω 1380W+ 1380W ステレオ @2Ω
3300W モノブリッジ @8Ω 2760W モノブリッジ @4Ω
3300W パラレルモノ @2Ω 2760W パラレルモノ @1Ω
TECTON 32.4 TECTON 22.2
1490W+ 1490W ステレオ @4Ω 1100W+ 1100W ステレオ @2Ω
2980W モノブリッジ @8Ω 2200W モノブリッジ @4Ω
2980W パラレルモノ @2Ω 2200W パラレルモノ @1Ω
TECTON 24.4 TECTON 14.2
1120W+ 1120W ステレオ @4Ω 700W+ 700W ステレオ @2Ω
2240W モノブリッジ @8Ω 1400W モノブリッジ @4Ω
2240W パラレルモノ @2Ω 1400W パラレルモノ @1Ω
TECTONパワーアンプはスイッチング電源を装備することで、重量とサ
イズ(2U)を大幅に削減しました。スイッチング電源を用いた2ステージ
(TECTON222とTECTON142は1スジ)の段は、
パワーアンプよりも安定したものとなっています。
TECTONは多様なオーディオシステムでの使用を目的としたスマートで
パワフルなパワーアンプです。ユーザーは使用する前に音響仕様に合わ
せた設定にすることができます。TECTONの操作部は、機能の違いによ
り前面と背面に分けて配置されています。
いくつかの操作/表示部では複数の機能を兼ねていますので、パワーア
ンプを使用する前に、それらがどのような動作をするかを十分に理解し
ておいてください。
機能や操作についてご不明な点がございましたら、販売店までお問い合
わせください。
はじめに
1
設置
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.6
1
設置
1.2 電源
パワーアンプの設置や接続作業を行うときには、必ず電源プラグは抜い
てください。
TECTONパワーアンプはパワーアンプの仕様ラベルで指定された電圧の
(AC100V、50/60Hz) 動作ので、定さ
の電源に接続してください。
仕様ラベルは本体の背面にあります。
TECTON-32.4

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 18,5 A 990 W
1490 W / 4 Ohm
xxxxxxx
TECTON-38.4

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 20 A 1070 W
1650 W / 4 Ohm
xxxxxxx
TECTON-24.4

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 15 A 750 W
1120 W / 4 Ohm
xxxxxxx
TECTON-28.2

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 20 A 1008 W
1380 W / 2 Ohm
xxxxxxx
TECTON-22.2

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 23 A 1270 W
1100 W / 2 Ohm
xxxxxxx
TECTON-14.2

   
    
 
100 V ~ 50/60 Hz 16,5 A 860 W
700 W / 2 Ohm
xxxxxxx
AC電源の供給に関するデータ(定格値)
AC電圧 AC周波数 AC電流 消費電力
TECTON 384 100V 50/60Hz 20A 1070W
TECTON 324 100V 50/60Hz 185A 990W
TECTON 244 100V 50/60Hz 15A 750W
TECTON 282 100V 50/60Hz 20A 1008W
TECTON 222 100V 50/60Hz 23A 1270W
TECTON 142 100V 50/60Hz 165A 860W
注意: 通常の使用状態であっても、AC電源から流れ込む電流は瞬間的に
は上記の値を大きく上回る場合があります。したがって、パワーアンプ
と同じ電源に照明を接続すると、ちらつきなどの障害を生じさせる恐れ
があります。
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.7
1
設置
外形寸法は、TECTONシリーズ共通です。
1.3 冷却
本パワーアンプを通常の状態で使用する場合には、オーバーヒートする
可能性はありません。冷却用の空気は正面から吸入され背面から排気さ
れます。パワーアンプが動作しているときには、空気が自由に循環する
ようにしておかなければなりません。
冷却効率はまわりの環境(通気の悪いラック、直射日光など)などの影響
を受けますので配慮が必要です。
もしパワーアンプをケースに収容する場合には、背面の空間の容積は最
低140cm2は必要です。この空間はパワーアンプの直後になければなり
ません。さもなければ、ケースにはファンなどの強制換気装置を設置し
なければなりません。
1.4 ラックマウント
パワーアンプをラックにマウントする場合には、ワッシャとネジを使用
して正面パネルの4点で固定します。ツアーなどの移動用途ではユニッ
ト後部にも支えが必要です。
442 mm
330.7 mm
356.2 mm
347.2 mm
7 mm
76.2 mm
10 mm
466 mm
7 mm
10 mm
88.9 mm
76.2 mm
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.8
2
TECTON
各部詳細
23 1
2.1 TECTON - 前面パネル
8 AC電源ケーブル
9 冷却気排気口
10 入力グランドリフトスイッチ
11 ハイパスフィルタBスイッチ
12 モードセレクタスイッチ
13 クリップリミッタスイッチ
14 ハイパスフィルタAスイッチ
2.2 TECTON - 背面パネル
21 SPEAKON出力コネクタ:
OUTPUT B
22 SPEAKON出力コネクタ:
OUTPUT A
23 仕様ラベル
1 電源オン/オフスイッチ
2 ボリュームつまみ ChA
3 ボリュームつまみ ChB
4 動作モード表示 LED
5 CLIP(クリップ) LED
6 OUTPUT CURRENT(出力電流) LED
7 SIGNAL(シグナル) LED
15 ゲインセレクタスイッチ
16 EUI2インターフェース
17 XLR入力コネクタ: ChB
18 XLR入力コネクタ: ChA
19 XLRリンクコネクタ: ChB
20 XLRリンクコネクタ: ChA
1324
576
13
19 2017 18
1415121110
8
9
16
23
OUTPUT B OUTPUT A
2221
MODEL
OUTPUT POWER PER CH/IMP
MADE IN GERMANY
SER.NO.:
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.9
2
TECTON
各部詳細
23 1
2.3 出荷時設定
TECTONの出荷時の初期設定です。
前面パネル
1 電源オン/オフスイッチ POWER オフ
2 ボリュームつまみCh A A 最小
3 ボリュームつまみCh B B 最小
背面パネル
10 入ラン INPUT GROUND LIFT (右)
11 ハスイCh B HPF-B OFF
12 モードセレクタスイッチ MODE STEREO
13 クリップリミッタスイッチ CLIP LIMITER OFF
14 ハスイCh A HPF-A OFF
15 ゲインセレクタスイッチ GAIN 26 dB
131415121110
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.10
2
TECTON
各部詳細
2.4 電源スイッチ
ロッカータイプの電源スイッチは、前面パネルの右側にあります。
スイッチの上側を押して電源をオンにすると、突入電流リミッタが作
動しワーアンプが動します。起動動作中には両チャンネルのCLIP
SIGNALのLED秒間しそ後消ます電源をオフにする
ときはスイッチの下側を押します。
2.5 入力グランドリフトスイッチ
入力信号のグランド(各XLRコネクタの1番ピン)は、AC電源のアースに
接続されています。グランドループを防止するため、このスイッチによ
り、入力信号のグランドとアースとの間の接続を抵抗を介するように切
り替えることができます。このスイッチの設定に関わらず、パワーアン
プとスピーカのグランドはアースに接続されたままとなります。
電源ケーブルのアース端子は必ずアースに接続してくださ
パワーアンプの電源オン パワーアンプの電源オフ
注意:このスイッチにはAC電源とパワーアンプを切り離す機能はあり
ません。AC電源から切り離す必要が生じた場合に備えて、電源プラグ
やブレーカーを容易に扱えるよう配慮して設置してください。
このスイッチは突入電流リミッタを作動させ、パワーアンプを起動させ
るスイッチです。
電源プラグを差すと同時に、電力はラインフィルタからヒューズで保護
された整流回路の入口まで供給されます。よってAC電源からパワーア
ンプを完全に切り離すには、電源プラグを抜く以外の方法はありません。
ですから電源プラグ回りには、常にすぐ抜くことが出来るようなスペー
スを確保する必要があります。雷が発生したとき、パワーアンプを使用
しないとき、長期に渡って管理者が不在なときには電源プラグは抜いて
おきます。
パワーアンプの電源スイッチがオンのときに停電となった場合、電源が
復旧すると自動的に再起動します。停電前の設定はすべて保たれます。
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.11
2
TECTON
各部詳細
2.7 モードインジケータ
前面パネルには動作モードの状態を示す2つの黄色のLEDがあります。
ステレオモードではどちらも点灯しません。パラレルモノモードでは
PM LEDが点灯します、モノブリッジモードではMB LEDが点灯します。
2.8 モードセレクタスイッチ
背面パネルにあるMODEスイッチでアンプの動作モードを変更できます。
このスイッチを操作する前には必ずパワーアンプの電源をオフにしてく
ださい。スイッチを切り替えた後、再度電源スイッチをオンにすると新
しいモードで動作します。
2.9 配線
2.9.1 XLRコネクタ(標準E.U.Iカード)
XLRコネクタPin1 グランド (グランドリフト時には電源アースとの
間に15Ωが挿入されます。詳細は25 入力グラン
ドリフトスイッチ参照ください)
Pin2 ホット(+)
Pin3 コールド(- )
接続にはシールド付きのバランスケーブルを使用してください。
2
3
11
3
2 2
3
1
3
12
パラレルモノモード モノブリッジモード
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.12
2
TECTON
各部詳細
2.9.2 ステレオモード
MODEスイッチをSTEREOにすると、アンプの両チャンネルは完全に独
立した2Chのステレオ動作となります(通常の動作モード)。
2.9.3 パラレルモノモード
MODEスイッチPARALLEL MONOにすると、両チャンネルは並列に
続されます。
両チャンネルの出力端子は、内部のリレーにより並列に接続されます。
負荷(1Ch)はチャンネルAおよびBに接続します(出力コネクタとの配線は
ステレオモードと同じです)。このモードではアンプのパワーと出力電
圧はステレオ時と同じになりますが、電流容量が倍になるので、接続可
能な最低インピーダンスの値は半分になります。入力はチャンネルAの
み使用されます。チャンネルBの入力は使用されませんので、ボリュー
ムは最小にしておきます。このモードは、例えば3つのスピーカを同じ
パワーで同様に鳴らすような場合に用いられます。
注意パラレルモノ動作時には、SPEAKONコネクタの損傷や、接点やケー
ブルの抵抗による損失をさけるために、SPEAKONコネクタの全ての端
子を使用してスピーカと接続することをおすすめします。
2.9.4 モノブリッジ・モード
MODEスイッチをBRIDGEにすると、1チャンネルのモノブリッジ動作と
なります。
TECTON
A
B
TECTON282、222、142 : *Zmin=2Ω
TECTON384、324、244 : *Zmin=4Ω
TECTON282、222、142 : 1/2*Zmin=1Ω
TECTON384、324、244 : 1/2*Zmin=2Ω
TECTON
A
B
1+
2+
TECTON282、222、142 : 2*Zmin=4Ω
TECTON384、324、244 : 2*Zmin=8Ω
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.13
2
TECTON
各部詳細
両チャンネルには同じ入力信号が送られますが、片一方は逆相にされ
ます。負荷(1Ch)は両チャンネルの出力の+間に、専用の配線とした
SPEAKONケーブルで接続します。ステレオモードと比較すると、アン
プのトータルでのパワーは同じですが、出力電圧と接続可能な最低イン
ピーダンスの値は共に2倍となります。入力はチャンネルAのみ使用さ
れます。チャンネルBの入力は使用されませんので、ボリュームは最小
にしておきます。
注意:モノブリッジ・モードでは出力電圧は185Vrmsにも達します。ス
ピーカの接続に使用するケーブルの耐圧規格が条件を満たしていること
を確認してください。ケーブルの製作は資格を持った供給メーカー、人
間に依頼してください。
2.9.5 SPEAKONコネクタ
チャンネルA、Bの出力は共にSPEAKONコネクタによって接続されます。
SPEAKONコネクタの各端子には次のように接続します。
右側のコネクタ Pin1 + チャンネルA シグナル
(背面から見て) Pin1 - チャンネルA グランド
Pin2 + チャンネルB シグナル
Pin2 - チャンネルB グランド
左側のコネクタ Pin1 + チャンネルB シグナル
(背面から見て) Pin1 - チャンネルB グランド
Pin2 + チャンネルA シグナル
Pin2 - チャンネルA グランド
注意:SPEAKONコネクタの雷マークは命に関わる高電圧が存在するこ
とを示しています。
この端子の配線は資格を持った人間が扱うか、あるいは完成品として供
給されてるケーブルを購入してください。
特別な配線を行う場合は資格を持った人間に依頼してください。
感電を防止するため端子や芯線が露出した状態でパワーアンプを動作さ
せてはいけません。
注意:安全と音質を考慮して、完全に絶縁が施された標準的な銅線のみ
を使用してください。予算と物理的制約が許す限り、できるだけ太いも
のを使用し、必要以上に長くしないようにします。
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.14
3
アンプの
操作と
動作
3.1 操作
3.1.1 ボリューム
各チャンネルの音量は、41段きざみのボリュームつまみにより調整さ
れます。ボリュームの段階設定は人間の聴覚特性(対数変化)に合わせて
あるので、用途に合わせた最適な範囲に設定することが可能です。各チャ
ンネルはそれぞれ独立した調整ができます。モノモードのときはチャン
ネルAのボリュームのみが使用されます。
アンプの電源をオンにする前にボリュームは最小に絞り、突然大音量が
発せられて耳やスピーカに障害を与えないようにします。
3.1.2 ゲインセレクタ
TECTONの背面にあるGAINスイッチは、入力段を直接コントロールして
最大増幅度を設定しています。
TECTONは26dB32dB1.4Vの中から感度を設定できます。
3.1.3 ゲインと感度
各モデルのゲイン設定と負荷インピーダンスにおける入力感度値、およ
び14Vを選んだときのゲイン値です。
モデル 26dB 32dB 1.4V
TECTON 38.4 4Ω@1650W
8Ω@1100W
407V
470V
204V
236V 3652dB
TECTON 32.4 4Ω@1490W
8Ω@ 940W
387V
435V
194V
218V 3572dB
TECTON 24.4 4Ω@1120W
8Ω@ 725W
335V
382V
168V
191V 3456dB
TECTON 28.2 2Ω@1380W
4Ω@ 1025W
263V
321V
132V
161V 3274dB
TECTON 22.2 2Ω@1100W
4Ω@ 760W
235V
276V
118V
138V 3129dB
TECTON 14.2 2Ω@ 700W
4Ω@ 550W
197V
235V
099V
118V 2933dB
3.1.4 クリップリミッタスイッチ
TECTONのCLIP LIMITERスイッチで、リミッタのモードを
選択することができます。アタックタイムの違いによりFASTSLOW
OFF3つのモードがあります(詳細は331クリップリミッタのセク
ションを参照してください)
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.15
3
アンプの
操作と
動作
3.1.5 ハイパスフィルタ
それぞれのチャンネルにハイパスフィルタを設定できますHPF-A
イッチがチャンネルA用、HPF-BスイッチがチャンネルB用です。
図はチャンネルA用のスイッチの設定例です。
3.2 インジケータ
3.2.1 OUTPUT CURRENT LED
各チャンネルの出力から負荷へ電流が流れると、その電流量に比例した
明るさで点灯します。電源がオンとなると暗めに点灯し、最大電流時に
最も明るくなります。
ハイパスフィルタの周波数特性グラフです。
3.2.2 SIGNAL LED (2種類の表示をします)
緑色のSIGNAL LEDは出力の電圧がおよそ4Vになると点灯します。これ
は4Ωの負荷でおよそ4Wに相当します。
アンプのプロテクションが作動しミュートとなると赤色に点灯します。
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.16
3
アンプの
操作と
動作
3.3.3 DCプロテクション
パワーアンプの両出力のDC電圧レベルは常に監視されています。もし
出力のDC電圧が3Vを超えた場合には、そのチャンネル出力はミュート
されます。DC電圧の発生が短期間だけで済んだならば、ミュートは解
除され、アンプは再び通常通り動作します。
DC電圧の発生が長時間であったり、短期間でも何度も繰り返すような
場合には、アンプの電源はスタンバイモードになります。
再起動するにはアンプの電源スイッチを一旦オフにし、再
にし
3.3.4 DCサーボ
スピーカ出力のDCオフセットの発生を防止するため、TECTONはDCサー
ボを備えています。
3.3.5 過電流プロテクション
出力段に過電流が発生しないように常に制御しています。過電流リミッ
タは出力電圧に応じて2段階の制御をしています。このリミッタの設定
は自動的に行われます。複合的な負荷を駆動している場合にも、音質を
損なうことなく信頼性を高めています。
3.3.6 温度プロテクション
アンプ内に設置された複数のセンサにより温度データの収集を行ってい
ます。ヒートシンク上の温度が85度を超えたことを検知した場合には、
そのチャンネルの信号レベルを減少させます。温度が100度を超えた場
合にはスイッチング電源は遮断されます。
3.2.3 CLIP LED
パワーアンプの出力が過負荷レベルとなると、このLEDが点灯します。
3.3 パワーアンプ保護システム
3.3.1 クリップリミッタ
パワーアンプが過負荷となると、クリップ検知回路がアタック-リリー
ス回路(ARC)を作動させます。ARCはゲインリダクションのコントロー
ル電圧を制御します。クリップリミッタスイッチの設定により2種類の
アタックタイムを選ぶことができます。クリップリミッタの設定につい
ては314 クリップリミッタスイッチを参照してください。
3.3.2 SOAプロテクション
パワートランジスタが安全動作領域(SOA)で使用されるようにします。
ステレオモードでは、SOAプロテクションは、個々の出力段に対してレー
ル電圧を下げるよう動作します。モノモードでは両チャンネルのレール
電圧が下げられます。
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.17
3
アンプの
操作と
動作
3.4 電源の保護
3.4.1 突入電流リミッタ
TECTONの電源スイッチがオンに入れられてから最初の2秒間で、突入
電流リミッタは電源の電流量をゼロから通常値へと次第に増加させてい
きます。通常値は動作状況や出力レベル、スピーカの負荷によって異な
ります。
3.4.2 過大AC電源電圧検知機能
過大なAC電源電圧を検知する機能は常に動作しています。100V動作で
はおよそ117Vを超えた場合、パワーアンプの電源はオフになります
しばらくの時間の後アンプは再起動を試み、電源電圧が正常に戻ってい
ればソフトスタートで再起動します。
3.4.3 AC電源異常検知機能
AC電源の常を検知る機は常動作ていす。AC電源が2サ
クル遮断されるとパワーアンプの電源はオフになります。AC電源電圧
が正常に戻ればソフトスタートで再起動します。
3.4.4 ヒューズプロテクション
電源の電流量の平均をとることで一時的なピークは許容されます。負荷
インピーダンスや信号のタイプにもよりますが、ヒューズプロテクショ
ンによって通常の値よりも数倍高くなることが許容されています。
ヒューズプロテクションの状態を常に監視することで、ヒューズプロテ
クションの作動しそうな状況を予見することができます。過電流により
パワーアンプの電源が落ちてしまうことを防止するために、入力信号
の増幅度の制限をおこない、極度にオーバーロードになればアンプは
ミュートされます。
3.5 メインスイッチング電源保護
3.5.1 過電流プロテクション
スイッチング電源のトランスに流れる電流量は常に監視されています。
もし過電流となった場合にはスイッチング電源は直ちに停止させられま
す。この状態では内部に故障が発生した可能性が高いので、他の部分に
まで故障を広げないようにするための機能です。
3.6 ファン
TECTONに内蔵されている冷却ファンは常に動作しています。温度が40
度以下のときは最低スピードで回転しており、作動音はほとんど聞こえ
ないレベルとなっています。いずれかのチャンネルの高い温度となった
方に合わせてファンのスピードは調整されます。40度を超えるとファン
のスピードは増加していきます。
TECTONシリーズ
取扱説明書
P.18
4
拡張機能
4.1.1 E.U.I.2インターフェースについて
EUI2はとても強力なインターフェイスです。ボリューム、入力信号、
ミュート、出力電流、クリップ信号、温度など、ほとんどのシステムパ
ラメータにアクセスすることができます。EUI2を通してフィルタ、リ
モートコントロール、信号処理装置といったものと接続可能です。EUI2
の特別仕様カードの製作については販売店までご相談ください。
4.1 E.U.I.2インターフェース
注意:E.U.I.カードを交換するときは、TECTONの電源を切り、電源プラ
グを抜いてください。
標準のEUIカードとしてXLRコネクタカードが装着されています。他の
入力カードもオプションで用意されています。
EUIカードを取り外すには、カードのパネルを止めている左右のネジ
を外し、カードを引き抜きます。EUIカードを取り付けるときは、ゆっ
くりと差し込み、ケーブルなどを挟まないように注意してください。
注意:カードを固定するネジは強く締めすぎないようにしてください。
TECTONシリーズ
取扱説明書 P.19
5
問題と
対策
5.1 症状:音が出ない
表示: SIGNAL LED消灯
CLIP LED消灯
ACプラグが差し込まれていることを確認します。
他の機器をそのコンセントをにつないでみて、コンセントが正常か
を確認します。
表示: OUTPUT CURRENT LED点灯
SIGNAL LED消灯
入力ことも試
ボリュームつまみの位置を確認します。
表示: OUTPUT CURRENT LED点灯
SIGNAL LEDは信号レベルに応じて点灯
スピーカケーブルが断線していないか確認します。
別のスピーカケーブルを試してみます。
表示: SIGNAL LEDが赤色で点灯(プロテクション作動)
オーバーヒートすると保護機能によりミュートされます。正常に通
気できているか確認します。
ファンが停止しているようでしたら修理が必要です。
5.2 症状:両チャンネルが同じに鳴ってしまう
前面パネルのモードインジケータを確認し、さらに背面パネルの
モードスイッチがSTEREOになっていることを確認します。
ミキサーやプリアンプといった機器から送られている信号がステレ
オであり、モノになっていないことを確認します。
5.3 症状:音が歪む
表示: OUTPUT CURRENT LED点灯
SIGNAL LEDは信号レベルに応じて点灯
CLIP LEDは消灯
スピーカの故障かコネクタの接触不良が考えられます。配線を調べ、
別のスピーカも接続してみます。
信号のソースでクリッピングしている可能性があります。TECTON
のボリュームつまみの位置は少なくとも半分くらいまで上げ、ソー
ス側のレベルを上げすぎないようにします。
TECTONのボリュームつまみの位置を少なくとも半分くらいまで上
げておき、背面パネルにあるゲインセレクタを切り替えて、入力感
度を14Vから32dBや26dBにしてみます。
5.4 症状:ヒスノイズ
ノイズが入力に乗っているものかを確認するため、アンプの入力信
号ケーブルを外してみます。不規則で突発的なノイズは原因となる
装置の電気的な故障が考えられます。
ノイズフロアを低く保つために、アンプへの入力信号はクリップし
ない程度でフルレベルで送るようにします。
ソースとアンプの間での信号のブーストは避けるようにします。
5.5 症状:ハウリングが発生する
マイクロホンへのフィードバックはミキサーをコントロールするこ
とで防止するようにします。マイクのゲインを下げてもノイズが続
くようであればシグナルプロセッサかケーブルに問題があります。
ステージ上の信号のソースからアンプまでの間で、信号線上にある
各装置のゲインを下げたり接続を外してみてチェックします。
6.1 仕様
TECTON 38.4 TECTON 32.4 TECTON 24.4 TECTON 28.2 TECTON 22.2 TECTON 14.2
出力* ステレオ:
モノブリッジ:
1650W+1650W@4Ω
1100W+1100W@8Ω
3300W@8Ω
2200W@16Ω
1490W+1490W@4Ω
940W+ 940W@8Ω
2980W@8Ω
1880W@16Ω
1120W+1120W@4Ω
725W+ 725W@8Ω
2240W@8Ω
1450W@16Ω
1380W+1380W@2Ω
1025W+1025W@4Ω
2760W@4Ω
2050W@8Ω
1100W+1100W@2Ω
760W+760W@4Ω
2200W@4Ω
1520W@8Ω
700W+700W@2Ω
550W+550W@4Ω
1400W@4Ω
1100W@8Ω
周波数特性 ±015dB, 20Hz-20kHz (8Ω、10dB below rated power)
SN比
(20Hz-20kHz, Aウェイテッド) 116dB以上 115dB以上 115dB以上 113dB以上 111dB以上 108dB以上
THD+N (20Hz-10kHz) 001%以下 (8Ω、10dB below rated power)
ダンピングファクタ 400以上 (8Ω、<1kHz)
入力インピーダンス 14kΩ バランス
ゲイン設定 26dB、32dB、14Vより選択
最大負荷
インピーダンス
ステレオ: 4Ω
モノブリッジ: 8Ω
パラレルモノ: 2Ω
ステレオ: 2Ω
モノブリッジ: 4Ω
パラレルモノ: 1Ω
入力コネクタ
 (標準EIAカード)
INPUT: XLRメス (2HOT)
LINK: XLRオス (2HOT)
出力コネクタ 4Pスピコン×2
インジケータ OUTPUT CURRENT, SIGNAL, CLIP, MB, PM
電源 AC100V、50/60Hz
消費電力(電気安全よる) 1070W(4Ω) 990W(4Ω) 750W(4Ω) 1008W(2Ω) 1270W(2Ω) 860W(2Ω)
最大消費電力 4830W(4Ω) 4220W(4Ω) 3280W(4Ω) 4510W(2Ω) 3530W(2Ω) 2500W(2Ω)
寸法 483(W)×889(H)×3307(D)mm
質量 94kg
*瞬間出力値 (1kHz, THD≦1% )
2007年4月版TECTONシリーズ
取扱説明書
P.20
6
仕様
/