Roland PROMARS PLUG-OUT 取扱説明書

  • こんにちは!Roland PLUG-OUT PROMARSソフトウェア・シンセサイザーの取扱説明書の内容を理解しています。PROMARS、SYSTEM-1との連携、音色編集、メモリー管理など、このデバイスに関するご質問にお答えできますので、お気軽にご質問ください。
  • PROMARSをSYSTEM-1で演奏するにはどうすればよいですか?
    メモリーをSYSTEM-1とPROMARS間で送受信するにはどうすればよいですか?
    PROMARSのパッチ・メモリーを保存・読み込みするにはどうすればよいですか?
    MIDIポートの設定はどうすればよいですか?
© 2015 ローランド株式会社 本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
02
取扱説明書
PLUG-OUT Software SynthesizerPROMARS
はじめに
初めてご使用になるときは、セッティング(P.9)の MIDI Input/Output を設定し
てください。
お使いの DAW ソフトウェアごとの設定については、DAW のヘルプや取扱説明書をお
読みください。
本書では、SYSTEM-1 SYSTEM-1m のことを「SYSTEM-1」と記載します。
この製品について
• 製品の仕様や内容は、改良のため予告なく変更することがあります。
• 本書では、画面を使用して機能説明をしていますが、工場出荷時の設定(音色名など)と本文中の画面
上の設定は一致していないことがあります。あらかじめご了承ください。
商標について
• VST は、Steinberg Media Technologies GmbH の商標およびソフトウェアです。
• Audio Units ロゴは、Apple Inc. の商標です。
• Roland、PLUG-OUT、SCATTER は、日本国およびその他の国におけるローランド株式会社の登録商
標または商標です。
• 文中記載の会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。
3
画面の構成
[TUNE]つまみ
PROMARS 全体のピッチを調節
します。
[PATCH]ボタン
パッチメモリーを選択します。
Patch Select 画面が開きます。
[SEND]ボタン
メモリーをSYSTEM-1に転送
します。
[PLUG-OUT]ボタン
PROMARS をプラグアウトし
ます。
レベル・メーター
アウトプット・レベルを表示し
ます。
P.8P.5
[KEYBOARD]ボタン
キーボード・エリアの表示/非
表示を切り替えます。
キーボード・エリア
クリックすると発音します。
MIDI メッセージを受信すると、
該当するキーが反応します。
メイン・ウィンドウ
音作りに使う、さまざまなつ
まみやスライダーが表示され
ます。
P.4
パッチ・メモリー名
選択しているパッチ・メモリー
の名前が表示されます。
[OPTION]ボタン
スキンや、MIDI コントロール・
マッピングを設定します。
複数の PROMARS でそれぞれ設
定できます。
[SETTING]ボタン
MIDI の設定と、マウスのスク
ロール方向を変更(Mac のみ)
します。
複数起動した PROMARS で共通
の設定です。
[HELP]ボタン
ヘルプを表示します。
P.9P.9
[ABOUT]ボタン
PROMARS についての情報を表
示します。
[GET]ボタン
SYSTEM-1 PLUG-OUT
モードでエディット中のメ
モリー(テンポラリ)を、
PROMARS に取り込みます。
P.8
SYSTEM-1 PLUG-OUT(PROMARS)モードのときのみ機能します。
[PATCH SELECT]ボタン
パッチ・メモリー 1 8 を選択し
ます。
P.8
4
メイン・ウィンドウ
DUAL VCO
音の高さやキャラクターを決めます。
RANGE オクターブを設定します。
MOD LFO でピッチを変化させます。
PW
矩形波のパルス幅を変化させる元を設
定します。
A.ENV:VCA エンベロープ
F.ENV:VCF エンベロープ
LFO:LFO
MAN:変化なし
PW 矩形波のパルス幅を調整します。
WAVE
FORM
(のこぎり波)
U
(矩形波)
SUB(のこぎり波+サブオシレー
ター(VCO 1 オクターブ下)
U
SUB(矩形波+サブオシレー
ター)
SUB(サブオシレーター)
LFO
ピッチを揺らしてビブラートをかけたり、音量を揺らしてトレ
モロをかけたりなど、音に周期的な変化(うねり)をつけます。
WAVE
FORM
RND
(ランダム波)
U
(矩形波)
(のこぎり波)
(逆のこぎり波)
R
(正弦波)
RATE うねりの速さを決めます。
KEY
TRIG
鍵盤を弾いたタイミングと、LFO の周期が始まるタ
イミングを合わせる(オン)か、合わせない(オフ)
か設定します。
EFFECTS
エフェクトを調節します。
REVERB リバーブの深さを調節します。
DELAY ディレイの音量を調節します。
TIME ディレイ・タイムを調節します。
PORTAMENTO
音階が変化する時間を調整します。
BEND SENSITIVITY
ピッチ・ベンド情報を受信したと
きの、ピッチ変化量を設定します。
TEMPO SYNC
ホストアプリケーション(DAW)
のテンポに同期して動作させると
きは、押して点灯させます。
同期テンポ範囲:40 300
MIXER
VCO の音量を調節します。
VCO-1 VCO-1 の音量
VCO-2 VCO-2 の音量
NOISE ノイズ・ジェネレーターの音量
VCA
音量の時間的な変化(エンベロー
プ)を作ります。
ENVELOPE
A D S R
エンベロープを設定
します。
TONE
音の明るさを設定し
ます。
CRUSHER
波形を歪ませて音色
を変化させます。
VCF
音の明るさや太さを決めます。また、フィルター
の時間的な変化(エンベロープ)を作ります。
HPF CUTOFF
FREQ
ハイ・パス・フィルターのカット
オフ周波数を決めます。
LPF CUTOFF
FREQ
ロー・パス・フィルターのカット
オフ周波数を決めます。
LPF RES
ロー・パス・フィルターのカット
オフ周波数付近を強調します。
KYBD
FOLLOW
弾く鍵盤によってフィルターの
カットオフ周波数を変化させます。
MOD
ロー・パス・フィルターのカット
オフ周波数を LFO によって変化さ
せます。
ENVELOPE
MOD
エンベロープによってローパス
フィルターの時間的変化のかかり
具合を調節します。
ENVELOPE
A D S R
エンベロープを設定します。
VOLUME
PROMARS 全体の音量を調節し
ます。
DELAY/BEND
LFO の効果を調整します。
DELAY
TIME
キーを押さえてから LFO
による変調が効き始める
までの時間を調整します。
LFO
BEND
LFO RATE スライダー
をさらに調整します。
KEY ASGN MODE
アサイナーの動きを設定します。
1 低音のキーを優先します。
2 後着のキーを優先します。
LEGATO
レガート奏法(あるキーを押しな
がら他のキーを押す)のときにだ
けポルタメントがかかります。
VCO-2 A-TUNE B-TUNE
セレクトスイッチで、VCO-2 にあらかじめ 2 種類の音程
(A-TUNE、B-TUNE)を設定することができます。
A VCO-2 A-TUNE で設定した音程で鳴ります。
B VCO-2 B-TUNE で設定した音程で鳴ります。
OFF VCO-2 OFF(使用しない)にします。
ARPEGGIO
鍵盤で和音を押さえるだけで、アルペジオを演奏させる
ことができます。
ARPEGGIO 点灯させると、アルペジオ演奏します。
ARP TYPE アルペジオのパターンを選択します。
ARP STEP アルペジオの速さを選択します。
5
メモリーとバンク
1.
[PATCH]ボタンをクリックします。
Patch Select 画面が表示されます。
選択したメモリーは、
黄色で表示されます。
[NEW]ボタン
空の状態の新規バンクが作成され
ます。
[DELETE]ボタン
選択したバンクを削除します。
[LOAD]ボタン
バンクが読み込まれます。
[SAVE]ボタン
バンクをファイルに書き出します。
[WRITE]ボタン
エディットした音色を、メ
モリーとしてバンクに保存
します。
[READ]ボタン
バンクに登録してあるメモ
リーを読み込みます。
[RENAME]ボタン
選択したメモリーの名前を
変更します。
[SEND ALL]ボタン
バンクに登録されているメ
モリーをすべて(64 個)
SYSTEM-1 に送信します。
[GET ALL]ボタン
SYSTEM-1 に登録されてい
るメモリーをすべて(64 個)
受信します。
ご注意
64 個のメモリーを選択中のバンクで受信して、上書きし
ます。バンクの状態を保持したい場合は、新規バンクを作
成し、作成したバンクで受信してください(P.6)
バンク
64 個のメモリーをまとめたものを「バンク」と呼び、バンク
を切り替えることで、数多くのメモリーを呼び出すことができ
ます。バンクはファイルとして保存することができます。
バンクを切り替える
1.
バンク欄をクリックします。
バンク・リストが表示されます。
2.
呼び出したいバンクをクリックします。
バンク欄右側にある[▲][▼]ボタンを押すと、1 つ前、1 つ後ろのバンクに切り替え
ることができます。
バンクを書き出す
バンクをファイルに書き出します。
1.
[SAVE]ボタンをクリックします。
ファイル名入力画面が表示されます。
2.
ファイル名を入力し、保存します。
ファイルが書き出されます。
バンクを読み込む
1.
[LOAD]ボタンをクリックします。
ファイル選択画面が表示されます。
2.
ファイルを選択し、読み込みます。
バンクが読み込まれます。
Bank
Memory 01
Memory 02
Memory 03
Memory 64
6
メモリーとバンク
バンクを作成/削除する
バンクの作成
[NEW]ボタンをクリックすると、空の状態の新規バンクが作成されます。
バンクの削除
選択したバンクを削除します。
1.
「バンクを切り替える」(P.5)の手順で、バンクを選択します。
2.
[DELETE]ボタンをクリックします。
確認画面が表示されます。
3.
[OK]をクリックして、削除します。
バンク名を変更する
1.
「バンクを切り替える」(P.5)の手順で、バンクを選択します。
2.
バンク欄左側にある p をクリックします。
3.
名前を変更し、[Return(Enter)]キーを押します。
メモリー
PROMARS では、64 個のメモリーを 1 バンクとして管理します。
メモリーを読み込む
バンクに登録してあるメモリーを読み込みます。メモリーを読み込むと、エディット・
エリアに設定が表示され、エディットできるようになります。
1.
読み込むメモリーの番号をクリックします。
2.
[READ]ボタンをクリックします。または[Return(Enter)キーを押します。
メモリーが読み込まれます。
メモリー番号をダブルクリックして、メモリーを読み込むこともできます。
メモリーを保存する
エディットした音色を、メモリーとしてバンクに保存します。
1.
保存するメモリーの番号をクリックします。
2.
[WRITE]ボタンをクリックします。
メモリーがバンクに保存されます。
メモリー名を変更する
1.
名前を変更するメモリーの番号をクリックします。
2.
[RENAME]ボタンをクリックします。
3.
名前を変更します。(最大 16 文字)
メモリーの順番を変更する
メモリー番号をドラッグして、メモリーの順番を変更します。
7
メモリーとバンク
キーボード・ショートカット
Patch Select 画面で使用できる、キーボード・ショートカットです。
キー 機能
Command(Ctrl)+ B バンクの切り替え
Command(Ctrl)+ I バンクの読み込み
Command(Ctrl)+ E バンクの書き出し
Command(Ctrl)+ N 新規メモリー作成
Command(Ctrl)+ O メモリーの読み込み
Command(Ctrl)+ S メモリーの保存
Up/Down/Left/Right メモリーの選択
Space メモリー名変更
Command(Ctrl)+ C メモリーのコピー
Command(Ctrl)+ V メモリーの貼り付け
Delete *1
delete
*2
fn + delete *2
メモリーの削除
Return(Enter) メモリーの読み込み
Command(Ctrl)+ Z Undo(取り消し)
Command(Ctrl) Shift Z Redo(やり直し)
Command(Ctrl)+ U すべてのメモリーを SYSTEM-1 に転送
Esc ウィンドウを閉じる
*1 Windows / *2 Mac
8
SYSTEM-1 をパソコン(Mac Windows)に接続すると、PROMARS SYSTEM-1
組み合わせて使うことができます。
Windows
MIDI ポートとして表示される「SYSTEM-1 CTRL」は、PROMARS が使用するポート
です。DAW からは使用しないでください。
プラグアウト
プラグアウトとは?
PROMARS をはじめとするソフトウェアシンセサイザーを、
SYSTEM-1 に組み込んで使用することができる技術です。
パソコンを使わずに SYSTEM-1 単体で、PROMARS を演奏
することができます。
選択中のバンクの情報を SYSTEM-1 に転送することがで
きます。
SYSTEM-1 のつまみやスライダーを使って、音色をエ
ディットすることができます。
プラグアウトの手順
1.
[PLUG-OUT]ボタンをクリックします。
確認メッセージが表示されます。
2.
[OK]ボタンをクリックします。
プログレスバーが表示され、プラグアウト処理が始まります。およそ 1 分かかります。
すでにほかのソフトウェアシンセサイザーが SYSTEM-1 にプラグアウトされている
場合は、確認メッセージが表示されます。続けるには、[OK]をクリックします。
メモリーのセンド/ゲット
1.
SYSTEM-1 をパソコンと接続します。
2.
SYSTEM-1 MODEL[PLUG-OUT]ボタンをオンにします。
メモリーをセンド/ゲットするには、あらかじめプラグアウト(P.8)しておく必
要があります。
メモリー・センド
PROMARSの現在のメモリーを、SYSTEM-1に送信して、SYSTEM-1で鳴らすことができ
ます。音は SYSTEM-1 OUTPUT 端子から出力されます。
3.
PROMARS の[SEND]ボタンをクリックします。
メモリーが送信されます。
メモリー・ゲット
プラグアウトした PROMARS のメモリーを SYSTEM-1 でエディットしたとき、そのメモ
リーを PROMARS に取り込むことができます。
3.
PROMARS の[GET]ボタンをクリックします。
メモリーが取り込まれます。
SYSTEM-1 で演奏する
エラー・メッセージが表示される場合は、次の項目を確認してください。
MIDI ポートは正しく設定されていますか?(P.9)
SYSTEM-1 とパソコンが接続されていますか?
SYSTEM-1 MODEL[PLUG-OUT]ボタンはオンになっていますか?
PROMARS SYSTEM-1 にプラグアウトされていますか?(P.8)
エラー・メッセージが表示される場合は、次の項目を確認してください。
MIDI ポートは正しく設定されていますか?(P.9)
SYSTEM-1 とパソコンが接続されていますか?
9
設定
オプション
1.
[OPTION]ボタンをクリックします。
2.
項目を選択します。
選択されている項目には、
(
が表示されます。
項目 説明
PROMARS Layout
SYSTEM-1 Layout
メイン・ウィンドウの操作子の配置を変更します。
PROMARS Layout: PROMARS(オリジナル)相当の配置にします。
SYSTEM-1 Layout: SYSTEM-1 と同じ配置にします。
Zoom メイン・ウィンドウのサイズを変更します。
Set MIDI Control
Mapping for SYSTEM-1
SYSTEM-1 を、PROMARS のコントロールサーフェスとして使用す
るときに、チェックを入れます。ボタンやスライダーの MIDI マッ
ピング情報をまとめて設定します。
Activation... PROMARS をアクティベートします。
セッティング
1.
[SETTING]ボタンをクリックします。
Setting 画面が開きます。
Flip Scroll Direction Mac のみ。
2.
パラメーターを変更します。
パラメーター 説明
MIDI Input
「SYSTEM-1」(Mac OS)または「SYSTEM-1 CTRL」(Windows)
を選択します。
MIDI Output
Flip Scroll Direction
(Mac のみ)
マウスのスクロール・ホイールで値を変更するときの、回転方向を
反転します。
3.
[OK]ボタンをクリックします。
変更は記憶されます。
複数の PROMARS を起動したとき、すべてに適用されます。
10
設定
SYSTEM-1 の設定
PROMARS(プラグイン) SYSTEM-1 で鳴らす場合は、SYSTEM-1 MIDI コントロー
ラー・モードにします。MIDI コントローラー・モードにすると、SYSTEM-1 内蔵の音
源は鳴らなくなり、PROMARS だけが鳴らせるようになります。
この設定は SYSTEM-1m にはありません。
1.
SYSTEM-1 の電源を入れます。
2.
MODEL[SYSTEM-1]ボタンと[PLUG-OUT]ボタンを押しながら、
SCATTER[TYPE]ダイヤルで、MIDI コントローラー・モードに設定します。
ローカル・コントロール OFF
ローカル・コントロール ON
MIDI コントローラー・
モード
設定 説明
MIDI コントローラー・モード
SYSTEM-1 を、MIDI コントローラーとして使用するときに選択
します。
鍵盤を押しても、SYSTEM-1 内蔵の音源は鳴りません。
MIDI を受信しても、SYSTEM-1 内蔵の音源は鳴りません。
ローカル・コントロール ON SYSTEM-1 を単体で使用するときに選択します。(初期値)
ローカル・コントロール OFF
SYSTEM-1 を、DAW などと組み合わせて使用するときに選択し
ます。
SYSTEM-1 単体では、鍵盤を押しても音は鳴りません。
PROMARS について
PROMARS は、1979 年に発売された 2VCO モノフォニックシンセサイザーです。
同時期に発売された JUPITER-4 の兄弟モデルで、太い音と作り出したサウンドを記
憶/呼び出しするコンピュ・メモリー機能により、ライブ演奏を重視したシンセサ
イザーとして、当時高い評価を得ました。
また PROMARS は、2VCO のモノフォニック・シンセサイザーとして設計され
ていましたが、2 つの VCO のピッチを微妙にずらすことで、ユニゾンのコーラス
効果を得ることや、VCO にひとつずつ搭載されたサブ・オシレーターを加えて、
4VCO シンセサイザーなみのサウンドを生み出すことができ、その重厚かつ粘りの
あるサウンドは、プロ、アマ問わず愛されてきました。
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