スタイラスと付 属 品
より高精度な測定を
するために
2.4
超硬
超硬軸は強度が高いため、ボール直径 1mm 以下、長さ 50mm までの
細い軸径に適しています。これ以上になると、重くなりすぎる、軸と本体
部の二体構成のため剛性が落ちるなどの問題が発生します。
セラミック
ボール直径 3mm 以上、長さ 30mm 以上の場合、セラミック軸はステン
レス軸と同等の強度を得られますが、超硬より軽量となります。セラミ
ック軸のスタイラスは、衝突時に軸が破損するため、プローブの衝突保
護にもなります。
カ ー ボ ン フ ァ イ バ ー( Renishaw GF)
カーボンファイバー材には様々なグレードがあります。レニショーのカ
ーボンファイバー(GF)は超軽量で、縦方向とねじれ方向(スター構造
において重要)の強度が最大となる特徴を有します。カーボンファイバ
ーは不活性物質で、特殊樹脂母材と組み合わせることにより、多くの工
作機械環境下でも優れた耐性を有します。
レニショーの GF は 、長 さ 50mm を超えるスタイラスで軽量を維持し
ながら、強度を最大に維持することができます。また、振動減衰特性に
優れ、熱膨張係数が無視できるほど小さいため、高精度歪みゲージプ
ローブに最適な軸材質です。
レニショー製スタイラスシリーズには、次のような種類があります。
ストレートスタイラス
真球度の高いルビー球を使用した最もシンプルなスタイラスで、様々
な軸材を選択することができます。
ルビーは非常に硬いため、磨耗しづらい材質です。さらに、密度が低い
ため軽量となり、機械の動作や振動に起因するプローブの誤入力を回
避することができます。
ルビー球スタイラスでは、軸材としてステンレス、超硬、セラミック、カ
ーボンファイバーなど、様々な材質を選択できるため、多くの検査アプ
リケーションに適しています。
各スタイラスには、軸が干渉せずに測定できる最大長さ“有効長”
(EWL)が あ り ま す 。
使用する球のサイズとスタイラスの有効長は、ワークの測定部位により決
定します。しかし、どのような場合でも可能な限り大きなスタイラス球およ
び短い軸を使用することが理想です。また、より大きなルビー球を使用す
ることにより、検査するワークの表面仕上げの影響が小さくなります。
標準的な三点支持式タッチトリガープローブでは、非常に長いスタイラス
やエクステンションを使用した場合、剛性が低下し、スタイラスのたわみが
大きくなり、精度が低下してしまいます。そのため、このような組み合わせ
はお勧めできません。歪みゲージプローブは測定圧力が低いため、長いス
タイラスやエクステンションを組み合わせて使用しても、精度が大きく低
下することはありません。
スタースタイラス
スタースタイラスシリーズを使用すると、複雑な形状のワークやボアなど
を容易に測定する事ができます。スタースタイラスは、ステンレスのセンタ
ー部に 4~5 つのストレートスタイラスを固定したものです。標準サイズと
して 3 種類ある 5 方向スタイラスセンターとストレートスタイラスを組み
合わせて、カスタムメイドのスタースタイラスを作る事ができます。
スタースタイラスは、様々な形状のワーク検査に使用することができます。
マルチプローブ測定が可能で、またボアの側面や溝など、製品内部の測
定では、プローブの移動量が少なくなるため、検査のサイクルタイムを短
縮することができます。スタースタイラスを用いスタイラスの先端をプロ
ーブボディより外側にすることにより、-Z(上)方向の測定も可能になりま
す。スタースタイラスでは、単一ボールのスタイラスと同様に、各先端球に
対しキャリブレーションをする必要があります。“十字方向直径”は、各球の
中心間の長さとなります。
ディスクスタイラス
ディスクスタイラスは、スタースタイラスでは検査するのが難しいアンダー
カットやボアの溝等を測定する際に使用します。ディスクは、球の上下を削
った赤道部分を使用しており、様々な直径と厚さのディスクスタイラスをご
用意しています。レニショーのディスクスタイラスシリーズは、回転方向の
調整ができ、またセンタースタイラスとの共用が可能なため、簡単でフレ
キシブルに使用することができます。