Mettler Toledo AutoRep S 取扱説明書

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 ページ

安全上のご注意

 113

機能と使用方法の制限事項 114

各部分の説明 115

エンコードシリンジの装着 116

容量設定 117

サンプルの吸引 118

連続分注 119

エンコードシリンジの外し方 120

容量点検 121

精度表 123

メンテナンス 124

注文情報 · アクセサリ 125

トラブルシューティング 126

修理、校正サービス 127

保証情報 128

廃棄について 128

111

ページが読み込まれています...

必ず以下をよくお読みください！

本製品で危険物質を扱う場合、危険な条件下で使用する場合などこの取扱説明書

では、そのような用途に伴って発生する可能性のある全ての安全性上の問題を取

り扱うことはできません。ユーザーは、安全性と健康に関わる規則を遵守し、使用

前に適切な制限を規定する責任を有します。

1.

全てのユーザーは、使用前にこの取扱説明書を読み、使用中は必ず指示を遵

守してください。

2.

危険防止のための一般的な指示と安全上の指示（保護服、保護ゴーグル、保護

手袋の着用など）に従ってください。

感染性または危険性の高いサンプルを扱う際は、該当するすべての規則と注

意事項に従わなければなりません。

3.

試薬メーカーの指示を遵守してください。

4.

本製品は、用途と操作上の制限に記載された仕様に適合する液体の分

注のみに使用してください。使用禁止規定を遵守してください（

114

ペー

ジ参照）。

疑問点は、メーカーまたはサプライヤにお問い合わせください。

5.

必ずユーザーや他の人々に危険が無いように本製品を使用してください。液体

がかからないようご注意ください。適切な容器以外は使用しないでください。

6.

危険物質を取り扱う場合、シリンジの開口部に触れないようにしてください。

7.

力ずくで使用しないでください！

8.

技術的な変更を加えないでください。分解しないでください。

9.

使用前に異常がないか点検してください。問題が発見されたら、すぐに分注を

中断してください。トラブルシューティングの章に従ってください（

126

ページ参

照）。必要に応じて

弊社

にお問い合わせください。

安全上のご注意

113

この

AutoRep

™

S

は、液体の連続分注を迅速かつ簡単に行える連続分注器です。使

用するシリンジの組み合わせ、ストローク設定ホイールによるストローク設定で、

2

μl

から

5ml

の容量で最高の精度で分注可能です。

機能と使用方法の制限事項

114

用途の限界

本製品は下記の限界範囲内での分注に適しています：

–15°C

～

40°C

まで

（装置と試薬

–

他の温度については別途お問い合わせください)

–

蒸気圧

500

ミリバールまで

–

粘度：

 50ml

シリンジの場合

20mPa

 5ml

シリンジの場合

260mPa

 1ml

シリンジの場合

977mPa

本製品とシリンジはオートクレーブにかけることはできません（滅菌済エンコード

シリンジは

17

ページ参照）。シリンジは使い捨ての製品です。本製品の洗浄には、

PC/PBT

および

PC

を腐食させないタイプの市販の溶剤をお使いいただけます。

注意：

使用禁止規定

正しい使用方法では、分注するサンプルはエンコードチップとのみ接触し、

AutoRep

™



S

には接触しません。

本製品が用途に適しているかどうか、確認をしてください。他社製のシリンジを使

用する際は、使用前に適合するかどうかを確認し、機能と容量のテストを行ってく

ださい。

本製品はポリプロピレン（シリンジのシリンダー部分）、ポリエチレン（シリ

ンジのピストン部分）、

LCP

（

0.1ml

シリンジのピストン部分）、または

PC/PBT

とポリカーボネートを侵食する液体の分注には使用しないでください。

フィンガーレスト

ストローク設定ホイール

ハンドル

エンコードシリンジ

前面：

ストローク設定

ロック

/

充填レバー

•

ピストンのロック

/

分離

•

吸引

•

残留液の排出

イジェクションキー

シリンダーの解放

（シリンジを外す）

分注レバー

（開始位置）

ストロークインジケータ

（数

=

ストロークあたり

mm

）

裏面：

容量表

容量表は両面に印刷され

ています。交換時は、クリ

ップを上に押し上げ、表

を裏返して、透明クリップ

を再び押し戻します。

容

容量表

本体裏面、

透明クリップの下

115

各部分の説明

➠

116

25ml

と

50ml

のエンコードシリンジを使用する場合、付属のアダプタを使用して

ください。バイヨネットロックで本体に取り付け、使用後は外せます。

エンコードシリンジの装着

1.

ロック

/

充填レ

バーを限界ま

で下に押す

2.

ロック

/

充填レ

バーを前方に

出して下方に

向かせる

3.

エンコードシリ

ンジを真っ直

ぐ垂直に下か

ら取り付ける

4.

ロック

/

充填レ

バーを再び元

に戻す

アダプタ

117

容量設定

分注ステップ毎の希望の分注容量：

200µL

使用するシリンジのサイズ：



2.5ml=

ストローク設定

4=

最大

11

分注ステップ

5ml=

ストローク設定

2=

最大

24

分注ステップ

10ml=

ストローク設定

1=

最大

49

分注ステップ

例：

AutoRep

™



S

で対応可能な分注容量は表に記載されています。表は本体裏面の透

明クリップの下にあります。

ストローク設定は、

1

～

5

までの

9

つで可能です。

1.

表で、必要な分注容量

(Volume)

を探します。

2.

ストローク設定ホイールでシリンジのサイズに対応する容量に適したストロー

ク数

(Setting)

に設定します。

3.

分注のステップ：シリンジの容量

(ml)

に応じて

1

ステップ当たりの分注量は

同じにし、異なる回数分注を行います（下の例を参照）。ステップ数が少ないほ

ど、分注容量の正確性が高い必要があります。

表の容量のみ設定可能です。最初の分注ステップは破棄されな

ければならないので、表では常に

1

ステップ分少なく表示されて

います。

重要！

➠

1

2

➠

3

118

サンプルの吸引

液体を吸引する

1.

ロック

/

充填レバーを限界まで下に押す

2.

エンコードシリンジの先端を

3–10mm

の深さで垂直に液体に浸す

3.

ロック

/

充填レバーを止まるところまで上方

へ、気泡の発生を防ぐためにゆっくりと引

き上げる

注意：

前回終了した分注ステップの残留容量が間違

えて分注されることを残留排出ロックが防い

でいるため、ピストン付近での小さな気泡は

無視することができます。

➠

2

3

4

119

連続分注

一番初めのステップ分のサンプルを排出して

ください！

分注操作

1.

容量設定をもう一度点検する（設定を容量

表と比較する）

2.

けば立たないティッシュ（キムワイプなど）

でエンコードシリンジの先端から外部に

付着した液体をふき取る

3.

容器の壁にシリンジの先端をあてがう

4.

分注レバーを完全に下に押し切ることによ

って液体を放出し、レバーを完全に上まで

滑り戻らせる

5.

スムーズかつ均等に分注するよう注意する

重要！

2

3

4

➠

120

エンコードシリンジの外し方

操作

1.AutoRep

™



S

を容器の上に持っていく

2.

ロック

/

充填レバーを限界まで下方に押し

て、シリンジを空にする

3.

ロック

/

充填レバーを前方に出して下方に

向かせる（そのあとピストンが切り離され

ます）

4.AutoRep

™

S

を廃棄容器の上に持っていき

イジェクションキーを下に押すとシリンダー

が解放され、シリンジが外れます

注意：

粘度の高い媒体を複数回分注すると、シリン

ジの密閉度が損なわれます。

媒体の残留物がシリンジ開口部に付着してい

ることがあります。シリンジは、ユーザーや他の

人々に危険が無いように外してください。

警告！

121

容量点検

1. 準備する



チップを取り付けます。このテストはどのサイズのエンコードシリンジでも行

えます。ただし、通常は

5ml

サイズを使用します。

2.テストを実行する

a)

ストローク設定

5

（公称容量の

10%

）を

AutoRep™S

で設定します。

b)

エンコードシリンジを充填し、エンコードシリンジをその際垂直にテスト用

液体に浸します。

c)

最初の分注ステップは破棄します。このステップは、「あそび」を補正します。

d)

計量容器に少量の脱イオン水を充填してはかりの上に載せ、風袋重量を計

ります。

e)

二番目の分注ステップを計量容器に注入します。その際、分注レバーを均一

な速度で止まるまで下に押し、その位置を維持します。その後、約

10mm

の

長さの部分を拭い取ります。

f)

計測値をテスト記録に記入します。

g) D

から

F

までの過程を

10

回繰り返します。





（

10

回目の容量テストのために、

5ml

エンコードシリンジのストローク設

定

5

で、再度充填する必要がありますー

A

から

C

のステップ）。

h)

同じテストをストローク設定

3

（公称容量の

6%

）と

1

（公称容量の

2%

）で

実行します。

i)

したがって、合計で

30

回の重量測定が必要です。

弊社では用途に応じて

3-12

ヶ月ごとに本製品の重量分析容量テストを行うこと

を推奨します。この周期は個々の要求レベルに応じて調整してください。

DINEN

ISO8655-5

規格に即した重量分析容量テストは、次のようなステップで行われます：

122

容量点検

*)=

精度

(A%)

と変動係数

(CV%)

の計算：



  A%

と

CV%

は、統計的品質管理の公式で



 

計算されます

x

i

= 

重量測定値

n= 

重量測定回数

Z= 

補正係数

 (

例、

1.0029µl/mg

 20°C

、

1013hPa)

V

0

=

容量設定

計算

精度* 変動係数*

標準偏差値

V–V

0

V

0

A%= · 100

Σ (x

i

–x)

2

n–1

s=Z·

100s

V

CV%=

平均値

x=

Σ x

i

n

平均容量

 V =x·Z

123

精度表

技術データ

AutoRep

™



S

エンコードシリンジ使用

AutoRep

™



S

は、互換性のある他社製シリンジを使用することもできます。他社製

シリンジご使用の際は、使用前にユーザーがその適応性を点検し、機能と容量テ

ストを行ってください！

重要！

許容誤差はエンコードシリンジのパーシャルボリュームセットに関するもので、装置、注射器、蒸留水が周囲温

度で平衡し、円滑に動作している場合の値です。テストは、

DINENISO8655-5

に準拠しています。

エンコード

シリンジ

容量範囲 (µl)



A*

<

–

±%



ストローク設定



≈

%

設定容量



CV*

<

–

%

ストローク設定



≈

%

設定容量

1≈2% 3≈6% 5≈10% 1≈2% 3≈6% 5≈10%

 0.1ml  2–10 8.0 2.7 1.6 5.0 3.0 2.0

 0.5ml  10–50 4.0 1.33 0.8 1.4 0.73 0.6

1.0ml  20–100 4.0 1.33 0.8 1.0 0.38 0.4

1.25ml  25–125 4.0 1.33 0.8 0.8 0.38 0.3

2.5ml  50–250 3.5 1.17 0.7 0.8 0.3 0.2

5.0ml  100–500 2.5 0.83 0.5 0.6 0.27 0.2

10.0ml  200–1000 1.5 0.5 0.4 0.5 0.23 0.2

12.5ml  250–1250 1.5 0.5 0.3 0.3 0.23 0.2

25.0ml  500–2500 1.5 0.5 0.3 0.4 0.23 0.2

50.0ml  1000–5000 1.5 0.5 0.3 0.4 0.23 0.15

A*=

精度、

CV*=

変動係数

124

メンテナンス

AutoRep

™



S

は工場出荷前に校正されておりメンテナンスフリーです。

本体を分解しないでください！

外部の汚れは、水またはイソプロピルアルコールを含ませた布で

清掃してください。水に浸さないでください。

重要！

液体が本体内部に入らないようご注意くださ

い。液体が入ってしまった場合は、本体を弊社

までお送りください。保守のため本体を送る

場合は、弊社までご連絡ください。

壁取付けホルダーには、粘着テープ

がついています

125

AutoRep

™

S

入数製品名品番

AutoRep

™

S 1 AR-S 17013008

壁取付けホルダー

×1

、容量表

×1

、エンコードシリンジ

(0.1ml

、

1ml

、

10ml)

各

1

エンコードシリンジ

容量入数未滅菌

製品名

品番滅菌済**

製品名

品番



 0.1mL 100 ENC-100 17007399 ENC-100S 17007400

 0.5mL 100 ENC-500 17001871 ENC-500S 17001872

 1mL 100 ENC-1000 17013004 ENC-1000S 17013002

1.25mL 100 ENC-1250 17001873 ENC-1250S 17001874

 2.5mL 100 ENC-2500 17001877 ENC-2500S 17001878

 5mL 100 ENC-5ML 17001883 ENC-5MLS 17001884

 10mL 100 ENC-10ML 17013005 ENC-10MLS 17013003

 12.5mL 100 ENC-12ML 17001875 ENC-12MLS 17001876

 25mL* 50/25*** ENC-25ML 17001879 ENC-25MLS 17001880

 50mL* 25 ENC-50ML 17001881 ENC-50MLS 17001882

*

アダプタ

1

個付、

**

滅菌済、エンドトキシン、

ATP

、

DNA

、

RNase

フリー個別包装

***

エンコード



シリンジ

25ml

：未滅菌

50

個

/

滅菌済

25

個

注文情報·アクセサリ

25/50mLエンコードシリンジ用アダプタ、PP

、滅菌可能



入数製品名品番

未滅菌

10 ENC-10ADP 17000546

滅菌済

5 ENC-ADPS 17000547

エンコードシリンジセット：

各

20

個

(0.5

、

1.0

、

1.25

、

2.5

、

5.0

、

10

、

12.5ml)

入数製品名品番

シリンジセット

20 ENC-SET 17001885

アクセサリ入数製品名品番

壁取付けホルダー

1 SM-ARS 17013009

容量表

1 VT-ARS 17013010

126

トラブルシューティング

問題点考えられる原因対処法

エンコードシリンジを

挿入した後、シリンジ

ピストンがロックでき

ない

ロック

/

充填レバーが完全

に下まで押されていない、

前方に出されて下げられ

ていない

最初にイジェクションキー

を押し、シリンジを取り外し

た後、ロック

/

充填レバーを

完全に下まで押し、前方に

出して下げる

未定義の分注容量

ストローク設定ホイール

がきちんと止まっていない

ストローク設定ホイールが

所定の位置で止まっている

ことを確認する

シリンジピストン下部

の気泡が大きくなる

シリンジが密封されてい

ない

シリンジを交換する

A

および

/

または

CV

公

差範囲外にある

シリンジが密封されてい

ない

シリンジを交換する

ディスペンサシリンジがは

まりにくい

シリンジを交換する

分注レバーがしっかり、

または均一に押されてい

ない

分注レバーを均一に、止ま

るまで押す

最初の分注ステップが破

棄されなかった

最初の分注ステップを破

棄する

シリンジピストンが残

留液排出後に外せない

シリンジが正しく取り付け

られていない

イジェクションキーを押し、

その後ロック

/

充填レバー

を完全に下まで押し前方

に出して下げる

127

本製品の機能に問題が生じ、お客様のラボで問題解決できない場合は、弊社まで

ご連絡ださい。

安全上の理由から、点検・修理等で本製品を送る場合は、必ず丁寧に洗浄し除染し

てください。

校正サービス

ISO9001

、

GLP

のガイドラインでは、容量計測機器の定期的な検査が必要とされ

ています。

3–12

ヶ月ごとに容量検査を行うことを推奨します。

次の検査までの有効期限は機器により異なります。使用頻度が高い場合、または

腐食性の強い媒体の場合は、頻繁に検査する必要があります。弊社ではご利用の

機器に関する校正サービスもご用意しております。

修理品を送る場合

a)

本体を丁寧に洗浄し除染してください。

b)

『健康上有害な物質を含有しないことに関する宣誓書』を記入してください

（指定書式はサプライヤまたはメーカーにご請求ください）。



c)

記入した書式と共に本製品を弊社へご送付ください。不具合の種類および使

用した媒体の詳しい説明も添えてください。

本製品の返送に関わるリスクと費用は、お客様の負担となります。すべての送料費

用、輸送中における商品の紛失・損傷は、お客様の負担となります。

修理、校正サービス

128

弊社は、不適当なハンドリング、使用、保守、操作の結果、または装置の認可されて

いない修理の結果、あるいは通常範囲の磨耗の結果、特にピストン、シーリング、バ

ルブなどの磨耗部分、ガラスの破損の際に対する損害賠償責任を負いません。弊

社は、取扱説明書を遵守しなかった場合、または当社製品以外の部品が取り付け

られた場合は、損害賠償責任を負いません。

保証情報

本体とエンコードシリンジの廃棄については、該当する各国の廃棄規則に従って

ください。

廃棄について

予告なく技術的に変更することがあります

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