設置・配線取扱説明書 通信拡張モジュール QMC1-MT
No. QMC13J1 2023.03
はじめに
このたびは,通信拡張モジュール [QMC1-MT] (以下,本器または通信拡張
モジュール)をお買い上げ頂きましてまことにありがとうございました。
この取扱説明書(以下,本書)は,本器の仕様,設置方法および配線について説
明したものです。
本書をよくお読み頂き,十分理解されてからご使用くださいますようお願
い致します。
また,誤った取扱いなどによる事故防止の為,本書は最終的に本器をお使
いになる方のお手元に,確実に届けられるようお取り計らいください。
詳細な使用方法ついては QMC1-MT 取扱説明書(詳細版)を参
照してください。
取扱説明書(詳細版)は,下記 URL または QR コードより弊社
Web サイトにアクセスし,ダウンロードしてください。
https://shinko-technos.co.jp/download/d_manual_download.html#Q
ご注意
・本器は,記載された仕様範囲内で使用してください。
仕様範囲外で使用した場合,火災または本器の故障の原因になります。
・本書に記載されている警告事項,注意事項を必ず守ってください。
これらの警告事項,注意事項を守らなかった場合,重大な傷害や事故に
つながる恐れがあります。
・本書の記載内容は,将来予告なしに変更することがあります。
・本書の内容に関しては万全を期していますが,万一ご不審な点や誤り等お気
づきのことがありましたら,お手数ですが裏面に記載の弊社営業所までご
連絡ください。
・本器は,屋内の制御盤内 DIN レールに取り付けて使用することを前提に
製作しています。
使用者が電源端子等の高電圧部に近づかないような処置を最終製品側で
行ってください。
・本書の記載内容の一部または全部を無断で転載,複製することは禁止さ
れています。
・本器を運用した結果の影響による損害,弊社において予測不可能な本器
の欠陥による損害,その他すべての間接的損害について,いっさい責任
を負いかねますのでご了承ください。
安全上のご注意(ご使用前に必ずお読みください。)
安全上のご注意では,安全注意事項のランクを“警告,注意”として区分
しています。
なお, 注 意に記載した事項でも,状況によっては重大な結果に結びつ
く可能性がありますので,記載している事柄は必ず守ってください。
取扱いを誤った場合,危険な状況が起こりえて
人命や重大な傷害にかかわる事故の起こる可能
性が想定される場合。
取扱いを誤った場合,危険な状況が起こりえて
中程度の傷害や軽傷を受ける可能性が想定され
る場合および機器損傷の発生が想定される場合。
警 告
・感電および火災防止の為,弊社のサービスマン以外は本器内部に触れ
ないでください。
・感電,火災事故および機器故障防止の為,部品の交換は弊社のサービス
マン以外は行わないでください。
安全に関するご注意
・正しく安全にお使いいただくため,ご使用の前には必ず本書をよくお
読みください。
・本器は,産業機械・工作機械・計測機器に使用される事を意図してい
ます。
代理店または弊社に使用目的をご提示の上,正しい使い方をご確認く
ださい。(人命にかかわる医療機器等には,ご使用にならないでくだ
さい。)
・本器の故障や異常でシステムの重大な事故を引き起こす場合には,事
故防止のため,外部に過昇温防止装置などの適切な保護装置を設置し
てください。
また,定期的なメンテナンスを弊社に依頼(有償)してください。
・本書に記載のない条件・環境下では使用しないでください。
本書に記載のない条件・環境下で使用された場合,物的・人的損害が
発生しても,弊社はその責任を負いかねますのでご了承ください。
注 意
正しい取扱いをしなければ,火災,故障,誤動作または感電などの危険の
ために,時に軽傷・中程度の障害をおったり,あるいは物的損害を受ける
恐れがあります。お使いになる前に本書をお読みになり,十分にご理解く
ださい。
輸出貿易管理令に関するご注意
大量破壊兵器(軍事用途・軍事設備等)で使用される事がないよう,最終用途
や最終客先を調査してください。
尚,再販売についても不正に輸出されないよう,十分に注意してください。
注 意
[本器は,次の環境仕様で使用されることを意図しています。(EN61010-1)]
・汚染度2
[本器は,下記のような場所でご使用ください。]
・塵埃が少なく,腐蝕性ガスのないところ。
・可燃性,爆発性ガスのないところ。
・機械的振動や衝撃の少ないところ。
・直射日光があたらず,周囲温度が-10~50 で急激な温度変化および
氷結の可能性がないところ。
・湿度が35~85 %RHで,結露の可能性がないところ。
・大容量の電磁開閉器や,大電流の流れている電線から離れているところ。
・水,油および薬品またはそれらの蒸気が直接あたる恐れのないところ。
・制御盤内に設置する場合,制御盤の周囲温度ではなく,本器の周囲温度が
50 を超えないようにしてください。本器の電子部品(特に電解コンデ
ンサ)の寿命を縮める恐れがあります。
※本器のケース材質は,難燃性樹脂を使用していますが,燃えやすいものの
そばには設置しないでください。
また,燃えやすい物の上に直接置くことはしないでください。
注 意
・1ユニット内に制御モジュールQTC1-2P(電源・通信オプション付き)(以
下,QTC1-2P)またはQTC1-4P(電源・通信オプション付き)(以下,QTC1-
4P)を接続しないでください。
・配線作業を行う場合,電線屑を本器の通風窓へ落とし込まないでくだ
さい。火災,故障,誤動作の原因となります。
・本器の端子に配線作業を行う場合,M3ねじに適合する絶縁スリーブ
付圧着端子を使用してください。
・端子ねじを締め付ける場合,適正締め付けトルク以内で締め付けてく
ださい。適正締め付けトルク以上で締め付けると,端子ねじの破損および
ケースの変形が生じる恐れがあります。
・配線作業時や配線後,端子部を基点としてリード線を引っ張ったり曲げた
りしないでください。動作不良などの原因となる可能性があります。
・本器は電源スイッチ,遮断器およびヒューズを内蔵していません。
必ず本器の近くに適切な電源スイッチ,遮断器およびヒューズを別途
設けてください。
・電源(24 V DC)は,極性を間違わないようにしてください。
・電源端子および FG 端子に使用する線は,銅製の電線 AWG16~14(1.31
~2.08 mm2)を使用してください。
注 意
・感電防止および機器故障防止の為,通電中には端子に触れないでくだ
さい。
・端子の増締めおよび清掃等の作業を行う時は,本器の電源を切った状
態で行ってください。電源を入れた状態で作業を行うと,感電の為
人命や重大な傷害にかかわる事故の起こる可能性があります。
・本器の汚れは,柔らかい布類で乾拭きしてください。
(シンナ類を使用した場合,本器の変形,変色の恐れがあります)
・表示部は傷つきやすいので,硬い物で擦ったり,叩いたり等はしない
でください。
注 意
・製造者が指定しない方法で本器を使用すると,本器が備える保護を損
なう場合があります。
・本器に接続する外部回路には,1次側電源より強化絶縁もしくは二重
絶縁された機器を使用してください。
・本器を UL 認証品として使用する場合,接続する外部回路には Class 2
もしくは LIM に適合した電源を使用してください。
電源電圧
許容変動範囲
消費電力
周囲温度
周囲湿度
高 度
質 量
設置環境
メモリー保護
24 V DC
20~28 V DC
4 W 以下
-10~50 (ただし,結露または氷結しないこと)
35~85 %RH (ただし,結露しないこと)
2,000 m 以下
約140 g
汚染度 2(EN61010-1 による)
不揮発性ICメモリー(書き込み回数: 100万回)
Ethernet通信
物理層
ユーザ層
SIF機能
ユーザ層
制御モジュール
(QTC1- )間通信
通信回線
通信方式
同期方式
通信速度
データビット
パリティ
ストップビット
10BASE-T/100BASE-TX 自動認識
MODBUS/TCP 接続コネクション数: 1
TCP/IP
三菱電機株式会社製PLC MELSEC コミュニケーション
プロトコル
フレーム: QnA互換3Eフレーム(SLMP 3Eフレーム)
コード: バイナリまたはASCIIを選択
接続可能PLC: 1台
内部バス
半二重通信
調歩同期式
57600 bps
8ビット
偶数
1ビット
2. 概 要
本器は,制御モジュール(QTC1- )と接続し,Ethernet 通信を行う通信拡
張モジュールです。
制御モジュール QTC1-20(電源・通信オプション無し)(以下,QTC1-20)ま
たは QTC1-40(電源・通信オプション無し)(以下,QTC1-40)を最大 16 台
BUS 接続することが可能で,最大 64 点の制御が行えます。
QMC1-MT とQTC1-40 の接続例
3. 各部の名称とはたらき
ベース部
動作表示灯
電源表示灯(*1)
通電時: 点灯
不揮発性 IC メモリー異常時: 点滅
(500 ms 点灯/500 ms 消灯)
通信表示灯(*1)
Ethernet 通信送信時: 点灯
異常表示灯(*1)
対スレーブユニット通信異常時: 1 秒間点灯(*2)
USB 給電により PC から電源供給時: 点滅
(250 ms 点灯/250 ms 消灯)
リンク状態表示灯(LA1)
リンク確立時: 点灯
リンク無し時: 消灯
回線接続表示灯(*1)
Ethernet 接続時: 点灯
通信異常状態表示灯(*1)
Ethernet のSLMP 通信(*3)の通信異常時: 1 秒
間点灯
(*1): 電源投入後のウォームアップ中,各動作表示灯(LA1,LA2 を除
く)が順次点灯します。
(*2): SIF 機能では点灯しません。
(*3): 三菱電機株式会社製 PLC MELSEC の通信プロトコル。
スイッチ,コネクタ
Ethernet 通信用コネクタ
[モジュラジャック(RJ45)]
ディップスイッチ(本器では使用しません。
全て OFF のままにしておいてください。)
注 意
・QMC1-MTの自局IPアドレスの設定は,Ethernet通信するために必要です。
・QTC1-20またはQTC1-40のモジュールアドレスの選択は,QMC1-MT
と通信するために必要です。
・自局IPアドレスの設定を変更した場合,電源をOFF - ONしてください。
電源をOFF - ONすることで自局IPアドレスの設定が有効になります。
自局 IP アドレス(例: 192.168.a.b)の3バイト目(a)および 4バイト目(b)の
設定は,自局 IP アドレス設定用ロータリースイッチまたはコンソールソフ
トで行います。
工場出荷初期値は,192.168.1.1 です。
自局 IP アドレス設定用ロータリースイッチで設定する場合
小さいマイナスドライバーを使用して設定してください。
自局 IP アドレス 3バイト目設定
設定範囲: 0~15(0~F)
自局 IP アドレス 4バイト目設定
設定範囲: 0~255(0~FF)
コンソールソフトで設定する場合
自局 IP アドレス設定用ロータリースイッチの 4th octet を「0」に設定
した場合,USB 通信によるコンソールソフトでの自局 IP アドレス 3バ
イト目,4バイト目の設定値が有効になります。
1バイト目(192)および 2バイト目(168)の設定は,必要に応じて設定し
てください。
詳細は,QMC1-MT 取扱説明書(詳細版)を参照してください。
制御モジュール QTC1-40
(電源・通信オプション無し)