Dell PowerVault MD3600i/3620i Windows HA Cluster 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
Dell PowerVault MD3600i/
MD3620i ストレージアレイ
を使用した Microsoft
Windows Server フェイル
オーバークラスタ
ハードウェアの設置&
トラブルシューテ
ィング
メモおよび注意
メモ: コンピュータを使いやすくするための重要な情報を説明してい
ます。
注意: 手順に従わないと、ハードウェアの損傷やデータの損失につながる
可能性があることを示しています。
__________________
本書の内容は予告なく変更されることがあります。
© 2011 すべての著作権は Dell Inc. にあります。
Dell Inc. の書面による許可のない複製は、いかなる形態においても厳重に禁じられてい
ます。
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ていることがあります。それらの商標や会社名は、一切 Dell Inc. に帰属するものではあり
ません。
2011 2 Rev. A00
目次 3
目次
1 はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
クラスタソリューション
. . . . . . . . . . . . . . . . 6
クラスタの要件
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
クラスタノード
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
クラスタストレージ
. . . . . . . . . . . . . . . . 8
クラスタストレージ管理ソフトウェア
. . . . . 9
サポートされているクラスタ構成
. . . . . . . . . . 11
その他の必要マニュアル
. . . . . . . . . . . . . . . 13
2 クラスタハードウェアのケー
ブル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
マウス、キーボード、モニターのケーブ
ル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
電源ユニットのケーブル接続
. . . . . . . . . . . . 15
パブリックネットワークとプライベートネッ
トワークのケーブル接続
. . . . . . . . . . . . . . . 17
パブリックネットワークのケーブ
ル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
プライベートネットワークのケー
ブル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19
プライベートネットワーク用のデュアル
ポートネットワークアダプタの使用
. . . . . 20
NIC のチーム化
. . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
4 目次
ストレージシステムのケーブル接続 . . . . . . . . 20
直接接続構成によるクラスタのケーブ
ル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21
ネットワーク接続構成によるクラスタ
のケーブル接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
PowerEdge クラスタと複数の
PowerVault MD3600i/MD3620i ストレージシ
ステムの接続
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26
3 システムのクラスタリングへ
の準備
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29
クラスタ構成の概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29
インストールの概要
. . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
iSCSI NIC のインストール
. . . . . . . . . . . . 32
iSCSI NIC の設定
. . . . . . . . . . . . . . . . . . 33
Microsoft iSCSI Software Initiator のイン
ストール
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 34
ストレージ管理ソフトウェアのインス
トール
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 34
共有ストレージシステムの設定
. . . . . . . . 35
トラブルシューティングツール
. . . . . . . . 57
フェイルオーバークラスタの設定
. . . . . . . 68
A トラブルシューティング . . . . . . . . . . . 69
B クラスタデータシート
. . . . . . . . . . . . . 75
C iSCSI 設定ワークシート
. . . . . . . . . . . . 77
IPv4 の設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 77
IPv6 の設定
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 78
索引 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 81
はじめに 5
はじめに
本書では、Dell PowerVault MD3600i/MD3620i ストレージシステムを
使用したクラスタソリューションのインストールと管理について説明し
ます。クラスタソリューションの構成作業を担当する熟練の IT 専門家
と、アップグレードとメンテナンス作業を担当するサービス技術者向け
のガイドですが、 クラスタリングを初めて学ぶ読者の方も対象としてい
ます。
概要
Microsoft Windows Server Failover Clustering では、特定のハード
ウェアとソフトウェアのコンポーネントを組み合わせて、クラスタで実
行されるアプリケーションとサービスの可用性を高めます。フェイル
オーバークラスタは、システム内で単一障害点が発生する可能性を低く
するように設計されています(単一障害点とは、1 箇所の障害がシステ
ム全体の障害となることで、これが発生すると、クラスタ内のアプリ
ケーションやサービスが利用できなくなる可能性があります)。クラス
タ内のシステムおよびストレージの電源ユニット、ノードとストレージ
アレイの間の接続、多層にわたるエンタープライズアプリケーション
アーキテクチャ内のクライアントシステムまたはその他のシステムへの
接続には、冗長コンポーネントを使用することをお勧めします。
本書では、1 つまたは複数の Windows Server フェイルオーバークラス
タで使用する Dell MD3600i/MD3620i iSCSI ストレージアレイの設定に
ついて説明します。クラスタに共有ストレージを導入するために必要な
情報と具体的な設定手順が説明されています。
クラスタの導入の詳細については、support.dell.com/manuals
で、
Microsoft
Windows Server を使用した Dell フェイルオーバークラス
タのインストール & トラブルシューティング』を参照してください。
メモ: 本書では、Windows Server 2008 とは、Windows Server 2008 x64
Enterprise Edition または Windows Server 2008 R2 x64 Enterprise Edition を指し
ます。
6 はじめに
Dell Windows Server
フェイルオーバークラスタ用として推奨される
OS、ハードウェアコンポーネント、およびドライバまたはファーム
ウェアのバージョンのリストについては、dell.com/ha で、Dell
Cluster Configuration Support MatricesDell クラスタ構成のサポー
トマトリックス)を参照してください。
クラスタソリューション
お使いの iSCSI クラスタは最小 2 ノード 最大 16 ノードのクラスタを
導入し、以下の機能を提供します。
Internet Small Computer System Interface
iSCSI
)テクノロジ
ネットワーククライアントへのシステムサービスとリソースの高可
用性
共有ストレージに対する冗長パス
アプリケーションおよびサービスの障害復旧
クラスタ全体をオフラインにしないでクラスタの修復、メンテナン
ス、アップグレードを可能にする柔軟なメンテナンス機能
クラスタに iSCSI テクノロジを導入すると、次のような利点があり
ます。
柔軟性
— iSCSI
TCP/IP
をベースにしているため、クラスタノード
とストレージシステムを別々の場所に設置できます。
可用性
— iSCSI
コンポーネントは冗長接続によって、クライアント
に複数のデータパスとより高い可用性を提供します。
接続性
— iSCSI
には
SCSI
よりも多くのデバイスを接続できます。
iSCSI
デバイスはホットスワップ対応であるため、クラスタを停止す
ることなく、ノードでデバイスの取り外し、取り付けができます。
はじめに 7
クラスタの要件
使用するクラスタには次のコンポーネントが必要です。
サーバー(クラスタノード)
ストレージおよびストレージ管理ソフトウェア
クラスタノード
クラスタノードのハードウェア要件を 1-1 に示します。
1-1. クラスタノードの要件
コンポーネント 最小要件
プロセッサ 各クラスタノードに少なくとも
1
つのプロセッサ。
クラスタノード 少なくとも
2
台の同一の
PowerEdge
システム。
RAM
各クラスタノードに少なくとも
1 GB
RAM
iSCSI
イニシエ
ータ
Microsoft iSCSI Initiator
ドライバと
Microsoft iSCSI Initiator
Service
iSCSI
アクセス用
NIC
各ノードに
2
枚の
iSCSI NIC
または
2
個の
NIC
ポート。
NIC
別の
PCI
バスに接続すると可用性とパフォーマンスが向上しま
す。
iSCSI
トラフィック用に
TCP/IP
オフロードエンジン(
TOE
NIC
もサポートされています。
Dell Windows Server
フェイル
オーバークラスタ用として推奨される
OS
、ハードウェアコン
ポーネント、およびドライバまたはファームウェアのバージョ
ンのリストについては、
dell.com/ha
で、
Dell Cluster
Configuration Support Matrices
Dell
クラスタ構成のサ
ポートマトリックス)を参照してください。
8 はじめに
クラスタストレージ
共有ストレージシステムの構成要件を 1-2 に示します。
NIC
(パブリッ
クおよびプライ
ベート)
2
枚以上の
NIC
1
枚はパブリックネットワーク用で、もう
1
枚はプライベートネットワーク用)
メモ: パブリックネットワーク用の各 NIC は同一仕様のも
の、プライベートネットワーク用の各 NIC も同一仕様のもの
を使うことをお勧めします。
内蔵ディスクコ
ントローラ
各ノードにつき、内蔵ディスクに
1
枚のコントローラを接続。
サポートされている
RAID
コントローラまたはディスクコント
ローラならどれでも使用できます。
ミラーリング(
RAID 1
)には
2
台の物理ディスク、パリティ付
きのディスクストライプ(
RAID 5
)には
3
台以上のハードドラ
イブが必要です。
メモ: 内蔵ドライブにはハードウェアベースの RAID または
ソフトウェアベースのディスクフォールトトレランスの使用
をお勧めします。
1-2. クラスタストレージの要件
ハードウェアコン
ポーネント
最小要件
サポートされるスト
レージシステム
Dell PowerVault MD3600i/MD3620i RAID
エンクロージャ
1
台。
Dell PowerVault MD1200/MD1220
拡張エンクロージャの
任意の組み合わせで
7
台まで。
メモ: 取り付け可能なハードドライブは 96 台までです。
スイッチとケーブル カテゴリ
6
以上のケーブル、
10GBase-T
対応のパッチパネ
ル、およびスイッチで構成された
10GBase-T
対応のインフ
ラストラクチャ。
既存の
1GBase-T
インフラストラクチャは、
10GBase-T
イッチ経由か、
iSCSI
ポートを
1GBase-T
の速度で動作する
ように手動で設定することで使用できます。
電源および冷却に関
する要件
ホットスワップ対応内蔵電源ユニット
/
冷却ファンモ
ジュール
2
台。
1-1. クラスタノードの要件 (続き)
コンポーネント 最小要件
はじめに 9
メモ: RAID 0 および独立のディスクとして使用することも可能ですが、
ディスクが故障した場合にデータの冗長性を確保できないため、高い可用
性を必要とするシステムにはお勧めできません。
クラスタストレージ管理ソフトウェア
Dell PowerVault MD Storage Manager
このソフトウェアは、複数の PowerVault MD3600i/MD3620i RAID
ンクロージャを集中管理するために管理ステーションまたはアレイに接
続されたホストで実行します。Dell PowerVault MD Storage Manager
MDSM)を使用して、ディスクグループの作成、仮想ディスクの作成
とマッピング、エンクロージャのステータスの監視、ファームウェアの
ダウンロードなどのタスクを実行できます。
MDSM は、ウィザード形式のツールとタスクベースの構造を持つ GUI
です。MDSM は以下の目的で設計されています。
ストレージアレイのインストール、設定、管理、診断のタスクを単
純化する。
ストレージアレイに重大な問題が発生した時にアラートの送信に使
用されるイベント監視サービスを格納する。
OS
のプロンプトからコマンドを実行するためのコマンドラインイン
タフェース(
CLI
)を提供する。
MD Storage Manager エージェント
このソフトウェアは各クラスタノードに常駐して、MDSM によって管
理できるシステムベースのトポロジデータを収集します。
物理ディスク
PowerVault MD3600i/MD3620i RAID
エンクロージャ内に
少なくとも
2
台の物理ディスク。
複数のクラスタとス
タンドアロンシス
テム
スイッチ接続構成では、クラスタとスタンドアロンシステ
ムは、
1
台または複数の
PowerVault MD3600i/MD3620i
ステムを共有できます。
1-2. クラスタストレージの要件 (続き)
ハードウェアコン
ポーネント
最小要件
10 はじめに
マルチパス I/OMPIO)ソフトウェア
マルチパス I/O ソフトウェア(別名「フェイルオーバードライバ」)は
各クラスタノードにインストールされています。ソフトウェアにより、
システムと RAID エンクロージャの間の冗長データパスが管理されま
す。MPIO ソフトウェアによって冗長パスが正しく管理されるために
は、構成において NIC とケーブル接続が冗長になっている必要があり
ます。
MPIO ソフトウェアは、1 つの仮想ディスクに対して複数のパスがある
ことを認識し、そのディスクへの優先パスを確立します。優先パス内の
コンポーネントのいずれかに障害が発生すると、ストレージアレイが中
断されることなく動作し続けるように、MPIO ソフトウェアは I/O 要求
の経路を自動的に代替パスに変更します。
拡張機能
PowerVault MD3600i/MD3620i RAID ストレージシステムの拡張機能
は、次のとおりです。
スナップショット仮想ディスク
は、ソース仮想ディスクの内容に影
響を与えずに、バックアップ、テスト、またはデータ処理を目的に
仮想ディスクのポイントインタイムイメージをキャプチャします。
仮想ディスクのコピー
は、ソース仮想ディスクからストレージアレ
イ内のターゲット仮想ディスクにデータのフルコピーを生成します。
仮想ディスクコピー機能を使用して、データのバックアップ、小容
量の物理ディスクを使用するディスクグループから大容量の物理
ディスクを使用するディスクグループへのデータのコピー、または
スナップショット仮想ディスクデータのソース仮想ディスクへの復
元ができます。
ハイパフォーマンス階層化へのアップグレード
標準的なパフォー
マンスレベルで動作する
MD3600i
シリーズのアレイよりもシステム
のパフォーマンスが高くなります。
メモ: クラスタ環境で正しいオプションを導入する方法については、
65 ページの「PowerVault MD Storage Manager の詳細(プレミアム)機
能の使い方」を参照してください。
はじめに 11
サポートされているクラスタ構成
1-1. 直接接続のクラスタ構成
ストレージア
レイ
MD36xxi RAID
ントローラモ
ジュール 0 MD36xxi RAID コン
トローラモジュー
1
企業、パブリック、
またはプライベー
トネットワーク
12 はじめに
1-2. ネットワーク接続の冗長クラスタ構成
メモ: 最大構成は 64 ノードです。ノードは次のいずれかになります。
最大 16 ノードのクラスタ 1
複数のクラスタ
複数のクラスタと単一または複数のスタンドアロンサーバー
ストレージアレイ
MD36xxi RAID コント
ローラモジュール 0
MD36xxi RAID コント
ローラモジュール 1
企業、パブリック、
またはプライベー
トネットワーク
はじめに 13
その他の必要マニュアル
注意: コンピュータに同梱されている安全情報のマニュアルには、安全
および認可機関に関する重要な情報が記載されています。 保証情報は、こ
のマニュアルに含まれている場合と、別の文書として付属する場合があり
ます。
ラックソリューションに付属の『ラック取り付けガイド』では、
システムをラックに取り付ける手順について説明しています。
『はじめに』では、最初にシステムをセットアップする場合の概要を
説明しています。
Microsoft
Windows
Server
2008
を使用した
Dell
フェイルオーバー
クラスタのインストール
&
トラブルシューティング』には、クラス
タの導入に関する詳細情報が記載されています。
Dell
Cluster Configuration Support Matrices
(デルのクラスタ構
成のサポートマトリックス)には、
Dell Windows Server
フェイル
オーバークラスタ用として推奨される
OS
、ハードウェアコンポーネ
ント、およびドライバまたはファームウェアのバージョンのリスト
が記載されています。
OS
のマニュアルでは、
OS
ソフトウェアのインストール手順(必要
な場合)や設定方法、および使い方について説明しています。
システムとは別に購入されたコンポーネントのマニュアルでは、購
入されたオプション装置の取り付けや設定について説明しています。
Dell PowerVault
のテープライブラリのマニュアルでは、テープライ
ブラリのインストール、トラブルシューティング、およびアップグ
レードについて説明しています。
システム、ソフトウェア、またはマニュアルの変更について記載さ
れたアップデート情報がシステムに付属していることがあります。
お使いの
PowerEdge
システムの『ユーザーズガイド』では、システ
ムの機能や仕様、セットアップユーティリティ(該当する場合)、ソ
フトウェアのサポート、システム設定ユーティリティについて説明
しています。
Dell
PowerVault
MD3600i/MD3620i
ストレージアレイの『はじめ
に』では、ストレージアレイのセットアップとケーブル接続の概要
を説明しています。
14 はじめに
Dell
PowerVault MD3600i/MD3620i
の『オーナーズマニュアル』で
は、システムの機能、トラブルシューティングの方法、およびコン
ポーネントの取り付け方や交換方法について説明しています。
Dell
PowerVault MD3600i/MD3620i
ストレージアレイの『導入ガイ
ド』では、ソフトウェアとハードウェアのインストール
/
取り付けと
設定について説明しています。
Dell
PowerVault MD
ストレージアレイ
の『
CLI
ガイド』では、コマ
ンドラインインタフェース(
CLI
)を使用してストレージアレイの設
定と管理を行う方法を説明しています。
Dell
PowerVault
MD36xxi
Resource DVD
には、本項に含まれて
いるすべてのマニュアルのほかに、設定
/
管理ツールのマニュアルが
収録されています。
Dell
PowerVault MD
システムの『
Support Matrix
(サポートマト
リックス)では、
PowerVault MD
システム用のサポートされている
ソフトウェアとハードウェアについて説明しています。
メモ: このアップデート情報には他の文書の内容を差し替える情報
が含まれていることがあるので、必ず最初にお読みください。
リリースノートまたは
readme
ファイルには、システムまたはマ
ニュアルの最新のアップデート情報や、専門知識をお持ちのユー
ザーや技術者のための高度な技術情報が含まれていることがあり
ます。
クラスタハードウェアのケーブル接続 15
クラスタハードウェアのケーブ
ル接続
以下の項では、クラスタのさまざまなコンポーネントのケーブル接続に
ついて説明します。
マウス、キーボード、モニターのケーブル
接続
クラスタ構成をラックに取り付ける場合は、マウス、キーボード、モニ
ターをノードに接続するためのスイッチボックスを含める必要がありま
す。各ノードをスイッチボックスに接続する方法については、ラックに
付属のマニュアルを参照してください。
電源ユニットのケーブル接続
個々の電源の要件が満たされていることを確認するには、クラスタソ
リューションの各コンポーネントのマニュアルを参照してください。
電源関連の障害からクラスタソリューションを保護するために、次のガ
イドラインに従うことをお勧めします。
複数の電源ユニットを使用したクラスタノードでは、各電源ユニッ
トを別々の
AC
回路に接続する。
無停電電源装置(
UPS
)を使用する。
環境によっては、バックアップ用の発電機の設置や別の変電設備か
らの電力供給を検討する。
2-1 は、2 台の Dell PowerEdge システムと 1 台のストレージシステ
ムで構成されるクラスタソリューションの電源ケーブルを接続するお勧
めの方法です。冗長性を確保するため、すべてのコンポーネントのプラ
イマリ電源ユニットは、1 つまたは 2 つの回路にまとめて接続し、冗長
電源は別の電源供給回路にまとめて接続するようにします。
16 クラスタハードウェアのケーブル接続
2-1. 電源ケーブルの接続例
メモ: この図は、電源ユニットから各コンポーネントへの配線のみを示
したものです。
プライマリ電源は 1 つの AC
電源タップ(または図外の 1
つの AC PDU の電源タップ)
に接続
冗長電源は 1 つの AC 電源タッ
プ(または図外の 1 つの AC
PDU の電源タップ)に接続
MD36xxi
RAID コン
トローラモ
ジュール 0
MD36xxi
RAID コント
ローラモ
ジュール 1
クラスタハードウェアのケーブル接続 17
パブリックネットワークとプライベートネッ
トワークのケーブル接続
クラスタノード内のネットワークアダプタは、各ノードに対して少なく
とも 2 つのネットワーク接続を提供します。これらの接続について、
2-1 にまとめます。
2-2 は、ネットワークアダプタのケーブル接続の例です。各ノード内
の専用ネットワークアダプタはパブリックネットワークに、残りのネッ
トワークアダプタは相互に接続されています(プライベートネットワー
ク用)
2-1. ネットワーク接続
ネットワーク接続 説明
パブリックネットワーク クライアント
LAN
へのすべての接続。
プライベートネットワークのフェイルオーバー用
に、少なくとも
1
つのパブリックネットワークを
混在モード(パブリックモードとプライベート
モード)に設定する必要があります。
プライベートネットワーク クラスタノード間でクラスタの稼動状況の情報を
共有するための専用接続。
LAN
に接続されたネットワークアダプタでは、ク
ラスタ内の相互接続が失敗した場合に備えて通信
レベルでの冗長性も提供されます。
プライベートネットワークの冗長性の詳細につい
ては、
Microsoft Failover Clustering
のマニュアル
を参照してください。
18 クラスタハードウェアのケーブル接続
2-2. ネットワークのケーブル接続の例
パブリックネットワークのケーブル接続
TCP/IP を実行しているシステムでサポートされているネットワークア
ダプタならどれでも、パブリックネットワークセグメントに接続できま
す。追加のパブリックネットワークセグメントをサポートするため、ま
たはプライマリネットワークアダプタやスイッチポートの故障に備えて
冗長性を持たせるために、追加のネットワークアダプタを取り付けるこ
とができます。
パブリックネットワーク
プライベート
ネットワーク
アダプタ
クラスタノード 1 クラスタノード 2
プライベートネッ
トワーク
クラスタハードウェアのケーブル接続 19
プライベートネットワークのケーブル接続
クラスタノード間のプライベートネットワーク接続には、各ノードに取
り付けた 2 番目以降のネットワークアダプタを使用します。このネッ
トワークはクラスタ内の通信に使用します。
3 つの可能なプライベートネットワーク構成に必要なハードウェアのコ
ンポーネントと接続方法を 2-2 に示します。
メモ: 本書でイーサネットという場合は、ギガビットイーサネットまた
10 ギガビットイーサネットを指します。
2-2. プライベートネットワークのハードウェアコンポーネントおよび接続
方式 ハードウェアコンポー
ネント
接続
ネットワークスイッチ ギガビットまたは
10
ガビットイーサネット
ネットワークアダプタと
スイッチ
ハードウェアに応じて、
CAT5e
または
CAT6
ケーブ
ル、ローカルコネクタ(
LC
を備えたマルチモード光
ケーブル、または
2
芯同軸
ケーブルを、ノード内の
ネットワークアダプタから
スイッチの間に接続します。
ポイントツーポイント
2
ノードクラスタのみ)
RJ-45
コネクタを備えた
銅線ギガビットまたは
10
ギガビットイーサ
ネットネットワークアダ
プタ
両方のノードのネットワー
クアダプタ間に標準
CAT5e
または
CAT6
イーサネット
ケーブルを接続します。
SFP+
コネクタを備えた
銅線
10
ギガビットイー
サネットネットワークア
ダプタ
両方のノードのネットワー
クアダプタ間に
2
芯同軸
ケーブルを接続します。
LC
コネクタを備えたオ
プティカルギガビットま
たは
10
ギガビットイー
サネットネットワークア
ダプタ
両方のノードのネットワー
クアダプタ間にマルチモー
ドの光ケーブルを接続し
ます。
20 クラスタハードウェアのケーブル接続
プライベートネットワーク用のデュアルポートネットワークアダ
プタの使用
パブリックネットワークをプライベートネットワーク通信のフェイル
オーバー用に使えるように、クラスタを構成することもできます。ただ
し、デュアルポートネットワークアダプタを使用している場合、パブ
リックとプライベートの両方のネットワークをサポートするために 2
つのポートを同時に使わないでください。
NIC のチーム化
ネットワークインタフェースカード(NIC)のチーム化によって複数の
NIC を組み合わせ、ロードバランシング機能やフォールトトレランス機
能を付加することができます。お使いのクラスタは、パブリックネット
ワークでのみ NIC のチーム化をサポートしています。プライベート
ネットワークでは NIC のチーム化はサポートされていません。
チーム化を行う場合、チーム内では同じブランドの NIC を使用します。
また、チーム化のドライバもブランドを混在させることはできません。
ストレージシステムのケーブル接続
本項では、お使いのクラスタをストレージシステムに接続する方法につ
いて説明します。
メモ: PowerVault MD36xxi ストレージシステムには、カテゴリ 6 以上の
ケーブル、10GBase-T 対応のパッチパネル、およびスイッチで構成された
10GBase-T 対応のインフラストラクチャが必要です。既存の 1GBase-T イン
フラストラクチャは、10GBase-T ネットワークと相互接続する 10GBase-T
スイッチ経由か、iSCSI ポートを 1GBase-T の速度で動作するように手動で
設定することで使用できます。
ストレージ管理は、ホストツーコントローラインタフェースによる帯域
内管理、またはイーサネット接続による帯域外管理が可能です。帯域外
ストレージ管理には、ストレージアレイのイーサネットポートをパブ
リックネットワークにケーブル接続します。
メモ: PowerVault MD3600i/MD3620i は帯域外管理を使用する構成にするこ
とをお勧めします。
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Dell PowerVault MD3600i/3620i Windows HA Cluster 取扱説明書

タイプ
取扱説明書