CKD KBX-60(高負荷ベルト軸) ユーザーマニュアル

  • こんにちは!このCKD KBX-60 電動アクチュエータの取扱説明書を読みました。設置方法、安全対策、保守点検方法など、この装置に関する様々な質問にお答えできます。お気軽にご質問ください!
  • KBX-60の最大可搬質量は何kgですか?
    水平以外の設置方法で使用できますか?
    定期点検はどのくらいの頻度で行うべきですか?
    保守部品はどこで入手できますか?
SM-629761
電動アクチュエータ
KBXシリーズ
KBX-60 高負荷ベルト
製品をお使いになる前に、この取扱説明書を必ず
お読みください。
特に安全に関する記述は、注意深くお読みください。
この取扱説明書は必要な時にすぐ取り出して
読めるように大切に保管しておいてください。
2
はじめに
このたびは、電動スライダKBXシリーズをお買い上げくださいまして、誠にありがとうございました。
電動スライダKBXシリーズをご使用になる前に、正しく使用していただくための手引書としてこの「軸本体取
扱説明書」をお読みください。
電動スライダKBXシリーズの全般については、KCA-25 取扱説明書(基本編)をご参照ください。
ご注意
1.本機は、労働安全衛生規則第36条第31号に規定する産業用ロボットに該当するものです。従って、ご使
用に際しましては労働安全衛生法第28条に基づく「産業用ロボットの使用などの安全基準に関する技術上
の指針」「選定」「設置」「使用」「定期検査等」「教育」それぞれの項に必要な留意事項が示されています。
熟読いただき必ず実施してください。
2.本製品の適用について
・本製品は、一般産業用で人命に危害を及ぼす恐れがある装置に使用することを目的に設計,製造されていま
せん。
・本製品を特殊用途(乗用移動体用,医療用,航空宇宙用,原子力用,電力用等)に使用する場合は、当社営
業窓口までご照会ください。
・本製品は厳重な品質管理下で製造していますが、本製品の故障により重大な事故または損失の発生が予測さ
れる設備への適用に際しては,安全装備を設置してください。
3.本機は、防爆構造にはなっていませんので、周囲環境に十分注意してください。
4.本書の内容は、万全を期してありますが、万一不可解な点や誤り等、お気づきの点がありましたら、ご一報
くださるようお願いします。
5.運用した結果の影響については、4項にかかわらず責任を負いかねますので、ご了承ください。
6.本書の内容については、将来予告無しに変更することがあります。
目次
概要 .............................................................................................. 1
第1章 安全について .............................................................................. 1
■1.1 安全上のご注意 ........................................................................... 1
■1.2 安全に使用していただく為に ............................................................... 5
1.3 保証 ..................................................................................... 8
第2章 出荷品リスト .............................................................................. 9
■2.1 出荷品リスト ............................................................................. 9
第3章 軸仕様 ................................................................................... 10
■3.1 軸形式及び各部の名 .................................................................... 10
■3.2 単軸仕様 ................................................................................ 11
第4章 ケーブルの取付 ........................................................................... 14
第5章 軸の設置 ................................................................................. 16
■5.1 軸の設置 ................................................................................ 17
■5.2 軸別ロボットタイプ ...................................................................... 17
■5.3 パラメータの値 .......................................................................... 18
第6章 使用上のご注意 ........................................................................... 20
■6.1 長期保管時のスライダ部の摺動抵抗変動について ............................................ 20
■6.2 衝突時について .......................................................................... 20
■6.3 サーボゲインの設定について .............................................................. 21
第7章 保守について ............................................................................. 25
■7.1 検査、保守作業時の留意事項 .............................................................. 25
■7.2 作業開始前点検 .......................................................................... 26
■7.3 定期点検 ................................................................................ 26
■7.4 点検箇所 ................................................................................ 26
■7.5 清掃 .................................................................................... 27
■7.6 各部の給脂 .............................................................................. 27
■7.7 タイミングベルトの点検 .................................................................. 28
■7.8 タイミングベルトの張力の確認及び再設定 .................................................. 30
■7.9 原点位置の調整 .......................................................................... 32
■7.10 部品の交換 ............................................................................. 34
■7.11 ボルト・ナット締付トルク ............................................................... 36
第8章 保守部品 ................................................................................. 37
■8.1 保守部品について ........................................................................ 37
1
概要
・本書では軸種別の形式表示方法、仕様、単軸の設置方法及びモータの交換手順等を記載しています。
・組合せ部品の取付などについては、KBX取扱説明書(軸設置編)を参照ください。
第1章 安全について
1.1 安全上のご注意
●当社電動スライダを安全にご使用いただくために、設置、プログラミング、運転、保守、点検等の前に、
取扱説明書を必ずお読みください。
●お読みになった後は、本機の側など、いつでもご覧になれるところに置いてご利用ください
お買い上げいただいた製品(本機)および取扱説明書には、あなたや他の人々への危害や財産への損害を未
然に防ぎ、本機を安全にお使いいただくために、守っていただきたい事項や重要な注意事項を下記マークに
て示しています。
内容をよく理解してから本文をお読みください。
:この内容を無視して、誤った取り扱いをすると、人が死亡または重傷を負う可能性が想定され
る内容を示しています。
:この内容を無視して、誤った取り扱いをすると、人が損害を追う可能性が想定される内容およ
び物的損害(家屋・家財および家畜・ペットに関わる拡大傷害)の発生が想定される内容を示
しています。
:操作手順上のポイントや留意事項および本機を効率的に使用するためのポイントを簡潔に説明
しています。
電動スライダを安全にお使いいただくために
必ずお守りくださ
注意
2
●ロボットの可動範囲への立ち入り防止のため、安全防護柵を設けること。
安全防護柵に扉などを設ける場合は、扉を開いたらロボットが非常停止するよう連動させること。
●非常停止時に備え、コントローラの非常停止入力端子に非常停止ボタンスイッチを接続
し、操作しやすい場所に設置すること。
非常停止ボタンは自動に復帰せず、また、人が不用意に復帰させることができない構造であること。
●配線工事は電気設備基準や内線規定に従って安全・確実に行うこと。
誤った配線工事は感電や火災の原因になります。
●製造業者の許可無しに修理・改造は絶対に行わないこと。
事故発生や故障の原因になります。
●保守、点検作業前には、コントローラの電源供給元のスイッチを切り、ロボットの調整作業に従事
している作業者以外の者が不用意に電源を入れないように対策を講じること。(施錠及び「投入禁
止」の札の掲示)また、電源OFF後、10分間はコントローラ内部に触れないこと。
コンデンサの残留電圧により感電のおそれがあります。
●コントローラ内部のヒートシンクやセメント抵抗、及びモータには触れないこと。
高温になっていますので、やけどの原因となります。
点検の際は、十分に時間をおいて、冷えてから行うこと。
●本機の内外部に水をかけたり、水拭きなどはしないこと。
感電や故障のおそれがあります
汚れたときは、かたく絞った布で汚れを拭き取ること。
シンナー、ベンジンなどの有機溶剤は使用しないこと。
●本機の開口部から内部に金属類や燃えやすいものなど、異物を差し込んだり落とし込ん
だりしないこと。
火災、感電の原因となります。
●稼働部や開口部には指や手を入れないこと
けがをする恐れがあります。
●軸本体を水平取付以外で使用する場合は垂直仕様軸を使うこと
電源OFF時、スライダが落下し、けがをする恐れがあります
KBXベルト駆動軸については、水平以外の垂直及び、傾斜面の動作には使用はできません。
●製品は重いので搬送の際は重量及び重心位置を確認の上、ケーブルを外して持ち運ぶこ
と。また、スライダを持って、運搬はしないこと
スライダが移動し、けがをする恐れがあります。
●本機をマッサージ機など生体に使用しないこと
教示間違いや操作ミスにより、けがをする恐れがあります。
●本機は密封構造ではありません。使用中に開口部よりグリースや、ベルトの摩耗分が飛び
散ったり、液状化したグリースの油分が、軸本体より垂れる場合あります。
食品や薬品関連、精機機器関係などの用途に使用の際には混入防止の対策を講ずること。
3
●ロボットタイプの入力とメモリの初期化(イニシャライズ)は正しく行うこと。
ロボットタイプの入力やメモリの初期化を行った場合、ロボットが予期せぬ方向に動き、けがをする恐
れがあります。
●引火性ガスや爆発雰囲気の中では使用しないこと。
本機は防爆構造にはなっていませんので、爆発する恐れがあります。
●ケーブル類(電源ケーブル、コントローラケーブルを傷つけたり、破損したり、加工し
たり、無理に曲げたり、引張ったり、重いものを載せたり、挟み込んだりしないこと。
火災、感電や故障の原因となります。
●万一、煙が出ている、なにおいがするなどの異常発生時は、直ちに電源を切り、使用を
中止すること。
そのまま使用すると、火災や感電の原因となります。
●周囲温度が40℃を超えるか、結露の原因となるとなるような温度変化の激しい場所
るいは直射日光の当たるような場所には設置しないこと。
また、狭い場所に設置するとコントローラ自体や外部機器の発熱により、周囲温度が上昇し、故障や誤
動作の原因となります。
●衝撃や振動のある場所では使用しないことまた、導電性粉塵、腐食性ガス、オイル等の
ミストが発生する雰囲気中では使用しないこと。
火災、感電、故障、誤動作などの原因となることがあります。
●塵埃の多い場所では使用しないこと。
本機は防塵構造になっていませんので、故障の原因となります
●補修部品はメーカー指定以外のものは使用しないこと。
指定以外のものを使用しますと、十分な性能が発揮できないばかりか、故障の原因となります
●ロボット本体取付架台は剛性のあるものを使用すること。
架台の剛性が不足しますと、ロボット動作中に振動(共振)が発生し、作業に悪影響を及ぼします。
●停電時はフリーランになるので、機械類、ワークの損傷の恐れがある場合はブレーキ
仕様に対応した軸本体を使用すること
本機はダイナミックブレーキ機能を内蔵しておりません。
KBXベルト軸は、ブレーキ付仕様には対応していません
4
●本機の最大速度を超えるような外力をスライダに加えないこと。
故障、誤動作などの原因となることがあります。
●コントローラの電源がON状態で、コネクタの抜き差しを行わないこ
コントローラの故障・誤動作の恐れがあります。
●ワークの落下・飛散に対する安全防護を行うこと
衝突により、軸本体に急激な減速度が発生しワークが落下・飛散する恐れがあります。
●装置全体のリスクアセスメントを行い必要な防護措置をとること
●本製品を廃棄する場合は、産業廃棄物として適切な処理をすること
廃棄物の区分については、貴社の規定及び、各自治体、産業廃棄物処理業者のルール等に従って処理を
してください
5
1.2 安全に使用していただく為に
電動スライダKBXシリーズをご使用いただく際に、必ず下記を満足する措置を行ってください。
本機は、労働安全衛生規則第 36 31 号に規定する産業ロボットに該当するものです。ご使用に際しまし
ては、労働安全衛生法第 28 条に基づく産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上指針」「選
定」「設置」「使用等」「定期検査等」「教育」それぞれの項に必要な留意事項が示されています。先ず、
熟読いただき必ず実施してください。以下に記載する内容は、その一部の紹介です。
1.2.1 安全対策
(1) 人がロボットの危険領域に容易に入れないように安全防護柵を設けてください
1. 作業中に生じる力や環境条件に十分耐える強度を持ち、
容易に調整、撤去、乗り越えなどできない構造とすること。
2. 安全防護柵に、のこ歯状または鋭利な縁、突起などの危
険部がないこと。
3. 固定式とすること。
4. 安全防護柵に扉などを設ける場合は、扉を開くこととロ
ボットの停止を連動させること
(2) 非常の場合などに、作業者が操作しやすい位置に、ロボットを速やかに停止させる非常停止装置を設
けてください。
1. 非常停止機能は人が非常停止ボタンスイッチを操作した
とき、ロボットを速やかに、かつ、確実に停止させる能力
をもつこと。
2. 非常停止ボタンは赤色とすること。
3. 非常停止装置は作業者が、引っ張る、押す、触れる、光
線を遮るなどの操作をしやすい位置に設けること。
4. 非常停止機能は作動した後、自動的に復帰せず、また、
人が不用意に復帰させることができないこと。
(3) 安全確保のため、ロボット本体及び制御装置は絶対に改造しないでください。
1.2.2 設置にあたっての注意事項
ロボットの設置にあたっては次の点に注意してください。
(1) ロボットのティーチング及び、保守点検の作業を行うために必要な作業空間が確保出来るように配置
すること。
(2) ロボットコントローラ及び、他のコントローラや、固定型操作盤は、可動範囲外であって、かつ、操
作者がロボットの作動を見渡せる位置に設置すること。
(3) 圧力計、油圧計その他の計器は見やすい位置に設けること
(4) 電気配線及び、油空圧配管は、損傷を受けるおそれのある場合は覆い等をもうけること。
(5) 非常の際に非常停止装置を有効に作動させることができるようにするため、非常停止装置用スイッチ
を操作盤以外の箇所に必要に応じて設けること。
6
1.2.3 使用にあたっての注意事項
ロボットの使用にあたっては次の点に注意してください。
【可動範囲内における作業について】
(1) 作業規定
次の事項についての規定を定め、これにより作業を行ってください。
1. 起動方法、スイッチの取扱い方法等、作業において必要となるロボットの操作の方法及び手順
2. ティーチング作業を行う場合のロボット本体の速度。
3. 複数の作業者に作業を行わせる場合における合図の方法。
4. 異常時に作業者が取るべき異常の内容に応じた措置。
5. 非常停止装置等が作動し、ロボットの運転が停止した後、これを再起動させるために必要な異常事
態の解除の確認、安全の確認等の措置。
6. 上記事項のほか、次に揚げるロボットの不意な作動による危険またはロボットの誤操作による危険
を防止するために必要な措置。
・操作盤への表示。
・可動範囲内で作業を行う者の安全を確保するための措置。
・作業を行う位置、姿勢等。
・ノイズによる誤作動の防止対策。
・関連機器の操作者との合図の方法。
・異常の種類及び判別法。
7. 作業規定は、ロボットの種類、設置場所、作業内容等に応じた適切なものとする事。
8. 作業規定の作成に当たっては関係作業者、メーカーの技術者、労働安全コンサルタント等の意見
を求めるように努めること。
(2) 操作盤への表示
作業中は、当該作業に従事している作業者以外の者が起動スイッチ、切替スイッチ等を不用意に操作す
る事を防止するため、当該スイッチ等に作業中である旨のわかりやすい表示をし、または操作盤のカバ
ーに施錠する等の措置を講じてください
(3) 可動範囲内で作業を行う者の安全を確保するための措置
可動範囲内で作業を行うときは異常時に直ちにロボットの運転が停止できるよう、次のいずれかの措
置またはこれらと同等以上の措置を講じてください。
1. 必要な権限を有する監視人を可動範囲外であって、かつロボットの作動を見渡せる位置に配置
し、監視の職務に専念させ、次の事項を行わせること。
・異常の際に直ちに非常停止装置を作動させること。
・作業に従事する作業者以外の者を、可動範囲内に立ち入らせないようにすること。
2 .非常停止装置用のスイッチを可動範囲内で作業を行う者に保持させること。
3. 電源の入切及び、油圧または空圧源の入切の構造を有する可搬型操作盤を用いて作業を行わせるこ
と。
(4) ティーチング等の作業開始前の点検
ティーチング等の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは直ちに補修その
他必要な措置を講じてください
1. 外部電源の被覆または外装の損傷の有無。(この点検は電源を切ってから行ってください。)
2. ロボット本体の作動の異常の有無。
3 .制動装置及び、非常停止装置の機能。
4. 配管からの空気圧または油洩れの有無。
7
(5) 作業工具の掃除などの措置
塗装用ノズル等の作業工具をロボット本体に取付ける場合であって、当該作業工具の掃除などを行う必
要があるものについては、当該掃除等が自動的に行われるようにすることにより、可動範囲内へ立ち入
る機械をできるだけ少なくすることが望ましい。
(6) 残圧の解放
空圧系統部分の分解、部品交換等の作業を行うときは、あらかじめ駆動用シリンダー内の残圧を開放す
ること。
(7) 確認運転
確認運転はできる限り可動範囲に立ち入らずに行うこと。
(8) 照度
作業を安全に行うために必要な照度を保持すること。
【自動運転を行うにあたって】
(1) 起動時の措置
ロボットを起動させるときは、あらかじめ次の事項を確認するとともに、一定の合図を定め関係作業者
に対し合図を行ってください。
1. 可動範囲内に人がいないこと。
2. 可動型操作盤、工具等が所定の位置にあること。
3. ロボットまたは関連機器が異常表示等していないこと。
(2) 自動運転及び、異常発生時の措置。
1. ロボットの起動後、自動運転中であることを示す表示がなされていることを確認すること。
2. ロボットまたは関連機器に異常が発生した場合において、応急処置などを行うため可動範囲内に立
ち入るときは、当該立ち入りの前に、非常停止装置を作動させる等によりロボットの運転を停止さ
せ、かつ、安全プラグを携帯し、起動スイッチに作業中である旨を表示する等、当該応急処置を行
う作業者以外の者がロボットを操作することを防止するための措置を講ずること。
軸用警告ラベル
部品コード 55620157
警告
       設置、          プログラミング、
                  運転、                     保守点検の前に必ず取扱説明書を読むこと。
 安全のため、
 ロボットの可動範囲への立ち入り防止のため、
 可動部や開口部には指や手を入れないこと。けがをする恐れがあります。
 落下してけがをする恐れがあります。
                      安全防護柵を設けること。
 水平取付以外で使用する場合はブレーキ付軸を使うこと。電源OFF時、スライダが                                 
8
1.3 保証
1.3.1 保証期間
本製品の保証期間は以下のうち、いずれか先に経過した期間といたします。
(1) 当社工場出荷後 24 ヶ月
(2) お客様据付後 18 ヶ月
(3) 稼働時間 4000 時間
1.3.2 保証内容
(1) 保証対象製品は、本製品です。また、保証範囲は、本製品の仕様書、カタログ、取扱説明書等により
定めた仕様および機能といたします。本製品の故障が原因で発生した二次的付随的損害はいかなる場
合でも保証いたしかねます。
(2) 本製品の保証期間内において、本製品に付属されている取扱説明書通りのお取扱い・ご使用にて発生
した故障に限り、当社は無償修理を行います。また、修理は工場返送によるものと致しますお客様ご
都合により、サービス員派遣等にて対応した場合、交通費や宿泊費等、その製品修理に直接関係しない
発生費用について別途ご請求させていただく場合があります。
1.3.3 免責事項
次の事項に該当する場合は、保証範囲から除外いたします。
(1) 取扱説明書と異なったご使用、および、ご使用上の不注意による故障、ならびに損傷
(2) 経時変化あるいは使用損耗での不都合(塗装等の自然退色、消耗部品*1 の劣化など)
(3) 感覚的現象での不都合(機能上影響のない発生音等)
(4) 当社によって認められていない改造、または分解が行われた場合
(5) 保守点検上の不備、不適当な修理による故障、ならびに損傷
(6) 天災・火災・その他外部要因による故障、ならびに損傷
(7) お客様が作成および変更されたプログラム、ポイントなどの内部データ
(8) 日本国内で購入された本製品を国外へ持ち出した場合
*1:消耗品とは、各製品の取扱説明書に示す保守交換部品(予備部品)及び定期的に交換を必要とする部
品(バックアップ用電池等)を指します。
1.3.4 ご注意
(1) 本製品の仕様を超えてご使用になった場合、当社は本製品の基本性能を保証いたしかねます。
(2) 万一、取扱説明書に掲げた「警告」および「注意」をお守りにならなかった場合、人身事故・損害事
故・故障などが起きましても、当社は責任を負いかねます。
(3) 取扱説明書の「警告」、「注意」および、その他記載事項は当社の想定し得る範囲内のものであるこ
とをご了承ください。
(4) 技術資料として掲示してあります数値は、あくまでも計算による値であり、耐久等の目安を示すもの
で、保証するものではありません。使用条件により差異が生じますのでご注意ください。
9
第2章 出荷品リスト
2.1 出荷品リスト
軸本体は通常下記の部品構成で出荷されます。
(1)軸本体
(2)小判ボルト(M8×40
・上記1軸に付き下記本数が付属されます。
軸ストローク[mm]
付属本数[本]
150~250
12
350~650
16
750~1050
20
1150~1350
26
1450~2050
32
2050~2650
40
2750~3250
48
3350~3850
56
3950~4450
64
(3)取扱注意書
10
第3章 軸仕様
3.1 軸形式及び各部の名称
■軸形式
軸形式は、下記となります。
KBX-60J-BT-L19N-15
(注1)フレーム幅:LLサイ214mm
■各部の名称
フレーム枠番
60
LLサイズ
モータ種類
J
750W アブソリュート
ブレーキ
N
無し
軸ストローク
15
150mm
25
250mm
95
950mm
A5
1050mm
W05
3050mm
W95
3950mm
X05
4050mm
X45
4450mm
呼びリード
19
19.555mm
スライダ形状
M
中スライダ
L
長スライダ
軸形態
BT
モータ上取付け軸
シリーズ名
11
3.2 単軸仕様
■仕様
軸形式 KBX-60J-BT-L19N-□□□
モータ
AC サーボモータ 750W(アブソリュート)
駆動方式
タイミングベルト
ボールネジ換算リード 19.555mm
ガイド方式
リニアガイド(ダブル)
ベアリングブロック 4個
最大可搬質量
(注1)(注2)(注3)
200kg
最大速度
(注2)(注3)
1000mm/s
静的許容モーメント
(注4)
中スライダ
MR:3350Nm
MP:3850Nm
MY:3100Nm
長スライダ
MR:3350Nm
MP:6250Nm
MY:5000Nm
位置繰り返し精度 (注5)
±0.05mm
分解能
0.01mm
定格推力 (注6)
767N
設置方向 (注7)
水平(スライダ上向き)、壁取付(水平)、天吊り(水平)
(注1)最大可搬質量は、スライダ真上に負荷した場合の数値です。
カタログ(技術資料 等)に記載の動的許容モーメントも考量してください・
(注2)加減速時間が0.3s以上の場合の値です。
ストローク1500mm 以上の場合、加速減速時間は、0.6s以上必要です。
(注3)移動後の休止時間は1.0s以上にしてください。
注4)モーメント記号とモーメントの方向は以下になります
MR:ローリングモーメント
MP:ピッチングモーメント
MY:ヨーイングモーメント
(注5)周囲温度 20℃一定時7回試行時の一方向位置繰り返し精度です。絶対位置決め精度ではありま
せん。軌跡精度は保証しておりません。
(注6)定格推力は、モータの定格トルクとボールネジ換算リードより算出した、効率 100%で動作した
場合の理論値です。
(注7)壁取付(水平)、天吊り(水平)は、ストローク 1850mm まで可能です。
(水平(スライダ上向き)は全ストローク使用可能です)
また、ストロークに関係無く、垂直(昇降動作)での使用はできません。
12
■軸寸法
KBX-60J-BT-M19N]
KBX-60J-BT-M19N-□□
15
25
35
45
55
65
75
85
95
A5
B5
C5
D5
E5
F5
G5
H5
J5
K5
L5
M5
N5
P5
Q5
R5
S5
T5
U5
V5
ストローク X (mm)
150
250
350
450
550
650
750
850
950
1050
1150
1250
1350
1450
1550
1650
1750
1850
1950
2050
2150
2250
2350
2450
2550
2650
2750
2850
2950
全長 L(mm)
650
750
850
950
1050
1150
1250
1350
1450
1550
1650
1750
1850
1950
2050
2150
2250
2350
2450
2550
2650
2750
2850
2950
3050
3150
3250
3350
3450
K
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
質量(kg)
40.8
43.1
45.4
47.7
50.0
52.3
54.6
56.9
59.2
61.5
63.8
66.1
68.4
70.7
73.0
75.3
77.6
79.9
82.2
84.5
86.8
89.2
91.5
93.8
96.1
98.4
100.7
103.0
105.3
KBX-60J-BT-M19N-□□
W05
W15
W25
W35
W45
W55
W65
W75
W85
W95
X05
X15
X25
X35
X45
ストローク X (mm)
3050
3150
3250
3350
3450
3550
3650
3750
3850
3950
4050
4150
4250
4350
4450
全長 L(mm)
3550
3650
3750
3850
3950
4050
4150
4250
4350
4450
4550
4650
4750
4850
4950
K
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
質量(kg)
107.6
109.9
112.2
114.5
116.8
119.1
121.4
123.7
126.0
128.3
130.6
132.9
135.2
137.6
139.9
注.表の形式欄は、軸型式の末尾の記号“□□”部のみを記載しています。ストローク3000mm以上の場合、3桁の記号になります。
寸法図の( )内寸法は、ストローク3150mm以上の場合に適応する
13
KBX-60J-BT-L19N]
KBX-60J-BT-L19N-□□
15
25
35
45
55
65
75
85
95
A5
B5
C5
D5
E5
F5
G5
H5
J5
K5
L5
M5
N5
P5
Q5
R5
S5
T5
U5
V5
ストローク X (mm)
150
250
350
450
550
650
750
850
950
1050
1150
1250
1350
1450
1550
1650
1750
1850
1950
2050
2150
2250
2350
2450
2550
2650
2750
2850
2950
全長 L(mm)
750
850
950
1050
1150
1250
1350
1450
1550
1650
1750
1850
1950
2050
2150
2250
2350
2450
2550
2650
2750
2850
2950
3050
3150
3250
3350
3450
3550
K
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
質量(kg)
44.1
46.4
48.7
51.0
53.3
55.6
57.9
60.2
62.5
64.8
67.1
69.4
71.7
74.0
76.3
78.6
80.9
83.2
85.5
87.8
90.1
92.5
94.8
97.1
99.4
101.7
104.0
106.3
108.6
KBX-60J-BT-L19N-□□
W05
W15
W25
W35
W45
W55
W65
W75
W85
W95
X05
X15
X25
X35
ストローク X (mm)
3050
3150
3250
3350
3450
3550
3650
3750
3850
3950
4050
4150
4250
4350
全長 L(mm)
3650
3750
3850
3950
4050
4150
4250
4350
4450
4550
4650
4750
4850
4950
K
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
質量(kg)
110.9
113.2
115.5
117.8
120.1
122.4
124.7
127.0
129.3
131.6
133.9
136.2
138.6
140.9
注.表の形式欄は、軸型式の末尾の記号“□□”部のみを記載しています。ストローク3000mm以上の場合、3桁の記号になります。
寸法図の( )内寸法は、ストローク3050mm以上の場合に適応する
14
第4章 ケーブルの取付
ケーブルの取付は、下記の手順にて実施してください。
(1)モータカバーの上面カバー及び、
ケーブル取付部カバーを固定している
六角穴付ボタンボルトを緩めて、上面カバー及び、
ケーブル取付部カバーを取り外します。
(2)ケーブルの被覆部分の端から約 20mm 位置を
ハンドで縛ります。
(3)ケーブルを2ツ割のケーブルグリップで挟み込み、バンドは、ケーブルグリップの
溝に入れます
(4)組み合わせた、ケーブルグリップ部のネジ部を、
ケーブル取付部カバーの穴に通し、樹脂ナットにより
に取り付けます。
上面カバー
ケーブル取付
部カバー
バンド
20mm
バンド部は、溝に入れる
ケーブルグリップを合わせる
15
(5)コントローラケーブルを取り付けた、ケーブル取付部カバー
をモータカバーの元の位置に取り付けます。
コントローラケーブルの軸本体側用コネクタを、軸本体のコネクタ
(モータ動力用、エンコーダ用、原点センサ用)にロックがかかるまで
差し込み確実に接続してください。
(本機には、特殊仕様を除きブレーキは付いておりませんので、
ブレーキ用コネクタの接続は不要です。ブレーキ付特殊仕様の場合は接続をしてください)
ケーブルのコントローラ側用のモータ動力用コネクタは、コントローラ表面のコネクタに、ロックが
かかるまで差し込み確実に接続してください。エンコーダ用コネクタは、コントローラ表面のコネク
タに差し込み、ネジで固定してください。コントローラ側コネクタについては、KCA-25 取扱説明
(基本編)も参照してください
●通電前に、必ずコネクタの接続漏れ、接続誤りが無いか確認してください。
●モータカバーで配線を挟まないようにしてください。
●コネクタの接続及び、固定の際にはケーブルに無理な力が加わらないようにしてください
(6)モータカバーに、上面カバーを、元の位置に再度取り付けます。
モータカバー取付時には、モータカバーに配線を挟まない
ようにしてください。
16
第5章 軸の設
・本章では、基本的な軸の設置及び周辺部品の基本的な取付方法について記載します。
・設置は、本章を参照して行ってください。設置方法を誤るとロボットの性能を十分に発揮できないばかり
か、寿命を著しく低下させる原因にもなります。
設置時の注意
●設置場所の環境
(1)周囲環境は、下記の状態で使用してください。
・周囲温度 使用温度 0℃~40℃
輸送・保管温度:-10℃~50℃
・湿度 30%~90%RHで結露がない所
・標高 1000m以下
・振動 0.98m/s以下
・塵埃 導電性塵埃のなきこ
・ガス 引火性、腐食性ガスのなきこと
・磁界 付近に磁界を発生させる装置のなきこと
・放射線 放射線管理区域でないこと
・その他 油煙のなきこと
(2)本機は、防塵構造になっておりません。塵埃の多い場所での使用はお避けください。また、防爆構造
になっていませんので、周囲の環境には十分に注意してください。
(3)本機のリニアガイドには無給油シールを標準装備しています(特殊仕様機を除きます)有機溶剤、
灯油等が気化した雰囲気や、直接かかる環境では、無給油シール中の油脂や、駆動部分の油脂が流出
して、寿命が著しく短くなりますので、十分に注意してください。
●設置時の注意
(1)搬送時に落としたり、ぶつけたりしないでください。
(2)あらかじめ、保守点検が容易なスペースを設けてください。
(3)コントローラは、ロボット本体から標準ケーブルでとどく範囲内に置いてください。
(4)据え付けにあたって
・水平な取付ベース上に設置します。
・取付ベースは、フレーム部分だけが載る長さにします。
・取付ベースは、鋼板製で板厚20mm 以上、平面度0.2以下の機械加工面が必要です。このベース
に取り付けることにより軸フレームの曲がり、ねじれの矯正と補強をしてください。
・軸の小判ボルト(取付ボルト)は、約150mm ピッチで取付けてください。
17
5.1 軸の設置
設置は、以下の手順により、行ってください。
(1)小判ボルトのセット
軸端面から、フレーム取付面のT溝に小判ボルトを挿入します。
(2)取付ベースへの取付
架台の取付ベースに約150mmピッチの取付穴をあけて、小判ボルトにより取り付けてください。
●フレーム側面及び上面のT溝(M4ナット用)はCNボックスおよび、オプション部品等の取
付用です。このT溝による軸の取り付けは絶対行わないでください。
●ナットの締付トルクは、12N・mにしてください。
5.2 軸別ロボットタイ
ロボットタイプとは、軸の種類別に設定された6ケタの数字です。
この設定を行うことにより、使用する軸に適合した各種のパラメータ値が自動的に設定されます。入力方法
については、CA25コントローラ取扱説明書(基本編)を参照ください。
■ロボットタイプ
・スライダ移動タイプ軸としての使用の場合(通常の使用方法)
リード(mm)
軸形式
ロボットタイプ
KBX-60J
19.555
BE60J-BT-□19N-□□□
605180
●原点変更センサ(オプション)を使用し、原点位置を通常の反対側にされた場合は、変更前の
ロボットタイプ入力後、KCA-25 取扱説明書(基本編)13.4.5 項パラメータ2の”モータ回転方
向の設定”を変更(0→1)してください。
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