CKD KBXシリーズ軸設置編 ユーザーマニュアル

  • こんにちは!私はCKD KBXシリーズ電動アクチュエータの取扱説明書の内容を理解しており、この機器に関するご質問にお答えできます。このマニュアルには、単軸と組合せ軸の設置方法、安全上の注意事項、保守点検方法などが詳しく説明されています。どのようなご質問でもお気軽にご相談ください。
  • KBXシリーズ電動アクチュエータの保証期間は?
    水平以外の設置方法は?
    コントローラの電源OFF後、内部に触れてはいけないのはなぜ?
    KBXシリーズベルト駆動軸の垂直、傾斜面での使用は可能ですか?
    保守点検の頻度は?
SM-629763
電動アクチュエータ
KBXシリーズ
軸設置編
製品をお使いになる前に、この取扱説明書を必ず
お読みください。
特に安全に関する記述は、注意深くお読みください。
この取扱説明書は必要な時にすぐ取り出して
読めるように大切に保管しておいてください。
2
はじめに
このたびは、電動スライダKBXシリーズをお買い上げくださいまして、誠にありがとうございました。
電動スライダKBXシリーズをご使用になる前に、正しく使用していただくための手引書として、お読みくださ
い。
電動スライダKBXシリーズの全般については、KCA-25 取扱説明書(基本編)をご参照ください。
ご注意
1.本機は、労働安全衛生規則第36条第31号に規定する産業用ロボットに該当するものです。従って、ご使
用に際しましては労働安全衛生法第28条に基づく「産業用ロボットの使用などの安全基準に関する技術上
の指針」「選定」「設置」「使用」「定期検査等」「教育」それぞれの項に必要な留意事項が示されています。
熟読いただき必ず実施してください。
2.本製品の適用について
・本製品は、一般産業用で人命に危害を及ぼす恐れがある装置に使用することを目的に設計,製造されていま
せん。
・本製品を特殊用途(乗用移動体用,医療用,航空宇宙用,原子力用,電力用等)に使用する場合は、当社営
業窓口までご照会ください。
・本製品は厳重な品質管理下で製造していますが、本製品の故障により重大な事故または損失の発生が予測さ
れる設備への適用に際しては,安全装備を設置してください
3.本機は、防爆構造にはなっていませんので、周囲環境に十分注意してください。
4.本書の内容は、万全を期してありますが、万一不可解な点や誤り等、お気づきの点がありましたら、ご一報
くださるようお願いします。
5.運用した結果の影響については、4項にかかわらず責任を負いかねますので、ご了承ください。
6.本書の内容については、将来予告無しに変更することがあります。
目次
1 安全について .............................................................................. 1
■1.1 安全上のご注意 ........................................................................... 1
■1.2 安全に使用していただく為に ............................................................... 5
■1.3 保証 ..................................................................................... 8
第2章 軸構成部品の説明 .......................................................................... 9
■2.1 組合わせ用ブラケッ ..................................................................... 9
■2.2 コントローラケーブ ..................................................................... 9
■2.3 CNボックス ............................................................................ 10
■2.4 フレキダクト ............................................................................ 10
■2.5 フレキシブルチュー .................................................................... 10
第3章 軸の設置 ................................................................................. 11
■3.1 軸の設置 ................................................................................ 12
■3.2 軸端へのケーブル取 .................................................................... 13
■3.3 組合わせブラケットの取付 ................................................................ 15
■3.4 フレキダクトおよびケーブルの取付 ........................................................ 16
■3.5 フレキシブルチューブおよびケーブルの取付 ................................................ 21
■3.6 ハンドの取付および配線、配管 ............................................................ 33
■3.7 フレキトレイの取付 ...................................................................... 34
■3.8 チューブトレイの取 .................................................................... 35
■3.9 ボルト、ナット締付トルク ................................................................ 37
第4章 X-Y組合せ軸の設置 ..................................................................... 38
■4.1 KBX-10:KBX-10,KBX-30:KBX-10 X-Y)組合 ............................................... 38
■4.2 KBX-50:KBX-30 (X-Y)組合せ ............................................................... 41
第5章 X-Y-Z組合せ軸の設置 ................................................................. 46
■5.1 KBX-E50:KBX-30:KBX-10 (X-Y-Z)組合せ ..................................................... 46
第6章 保守・点検 ............................................................................... 51
■6.1 保守について ............................................................................ 51
■6.2 作業開始前点検 .......................................................................... 52
■6.3 定期点検 ................................................................................ 52
■6.4 保守点検のスケジュール .................................................................. 52
■6.5 各部の給脂 .............................................................................. 53
■6.6 清掃 .................................................................................... 53
■6.7 保守部品 ................................................................................ 53
第7章 製品の廃棄 ............................................................................... 54
■7.1 製品の廃棄について ...................................................................... 54
1
概要
本書では、電動アクチュエータ KBXシリーズの単軸及び組合せ別に、設置方法を記載しています。
詳細につきましては、各章を参照してください
なお、組合せについては、基本となるX-Y、XYZ組合せを記載しています
1 安全について
1.1 安全上のご注意
●当社、電動スライダを安全にご使用いただくために、設置、プログラミング、転、保守、点検等の前に、
取扱説明書を必ずお読みください。
●お読みになった後は、本機の側など、いつでもご覧になれるところに置いてご利用ください。
お買い上げいただいた製品(本機)および取扱説明書には、あなたや他の人々への危害や財産への損害を未
然に防ぎ、本機を安全にお使いいただくために、守っていただきたい事項や重要な注意事項を下記マークに
て示しています。
内容をよく理解してから本文をお読みください。
:この内容を無視して、誤った取り扱いをすると、人が死亡または重傷を負う可能性が想定され
る内容を示しています。
:この内容を無視して、誤った取り扱いをすると、人が損害を追う可能性が想定される内容およ
び物的損害(家屋・家財および家畜・ペットに関わる拡大傷害)の発生が想定される内容を示
しています。
:操作手順上のポイントや留意事項および本機を効率的に使用するためのポイントを簡潔に説明
しています。
電動スライダを安全にお使いいただくために
必ずお守りくださ
注意
2
●ロボットの可動範囲への立ち入り防止のため、安全防護柵を設けること。
安全防護柵に扉などを設ける場合は、扉を開いたらロボットが非常停止するよう連動させること。
●非常停止時に備え、コントローラの非常停止入力端子に非常停止ボタンスイッチを接続
し、操作しやすい場所に設置すること。
非常停止ボタンは自動に復帰せず、また、人が不用意に復帰させることができない構造であること。
●配線工事は電気設備基準や内線規定に従って安全・確実に行うこと。
誤った配線工事は感電や火災の原因になります。
●製造業者の許可無しに修理・改造は絶対に行わないこと。
事故発生や故障の原因になります。
●保守、点検作業前には、コントローラの電源供給元のスイッチを切り、ロボットの調整作業に従事
している作業者以外の者が不用意に電源を入れないように対策を講じること。
(施錠及び「投入禁止」の札の掲示)
また、電源OFF後、10分間はコントローラ内部に触れないこと。
コンデンサの残留電圧により感電のおそれがあります。
●コントローラ内部のヒートシンクやセメント抵抗、及びモータには触れないこと。
高温になっていますので、やけどの原因となります。
点検の際は、十分に時間をおいて、冷えてから行うこと。
●本機の内外部に水をかけたり、水拭きなどはしないこと。
感電や故障のおそれがあります
汚れたときは、かたく絞った布で汚れを拭き取ること。
シンナー、ベンジンなどの有機溶剤は使用しないこと。
●本機の開口部から内部に金属類や燃えやすいものなど、異物を差し込んだり落とし込ん
だりしないこと。
火災、感電の原因となります。
●稼働部や開口部には指や手を入れないこと
けがをする恐れがあります。
KBXシリーズ ベルト駆動軸の場合は、水平以外の垂直及び、傾斜面の動作には使用はできません。
●軸本体を水平取付以外で使用する場合はブレーキ付き軸を使うこと。
電源OFF時、スライダが落下し、けがをする恐れがあります。
●製品は重いので搬送の際は重量及び重心位置を確認の上、ケーブルを外して持ち運ぶこ
と。また、スライダを持って、運搬はしないこと。
スライダが移動し、けがをする恐れがあります。
●本機をマッサージ機など生体に使用しないこと。
教示間違いや操作ミスにより、けがをする恐れがあります。
●本機は密封構造ではありません。使用中に開口部よりグリースや、ベルトの摩耗分が飛び散ったり、
液状化したグリースの油分が、軸本体より垂れる場合あります。
食品や薬品関連、精機機器関係などの用途に使用の際には混入防止の対策を講ずること。
3
●ロボットタイプの入力とメモリの初期化(イニシャライズ)は正しく行うこと。
ロボットタイプの入力やメモリの初期化を行った場合、ロボットが予期せぬ方向に動き、けがをする恐
れがあります。
●引火性ガスや爆発雰囲気の中では使用しないこと。
本機は防爆構造にはなっていませんので、爆発する恐れがあります。
●ケーブル類(電源ケーブル、コントローラケーブルを傷つけたり、破損したり、加工し
たり、無理に曲げたり、引張ったり、重いものを載せたり、挟み込んだりしないこと。
火災、感電や故障の原因となります。
●万一、煙が出ている、なにおいがするなどの異常発生時は、直ちに電源を切り、使用を
中止すること。
そのまま使用すると、火災や感電の原因となります。
●モータ折り返し軸を垂直使用する場合はベルトの定期点検を励行すること。また、ルト
は3000時間可動毎に交換すること。
ベルトの寿命を超えて使用し続けますと、ベルトが破断し、不用意にスライダが落下し、けがをする恐
れがあります。
●周囲温度が40℃を超えるか、結露の原因となるとなるような温度変化の激しい場所
るいは直射日光の当たるような場所には設置しないこと。
また、狭い場所に設置するとコントローラ自体や外部機器の発熱により、周囲温度が上昇し、故障や誤
動作の原因となります。
●衝撃や振動のある場所では使用しないことた、導電性粉塵、腐食性ガス、オイル等の
ミストが発生する雰囲気中では使用しないこと。
火災、感電、故障、誤動作などの原因となることがあります
●塵埃の多い場所では使用しないこと。
本機は防塵構造になっていませんので、故障の原因となります。
●補修部品はメーカー指定以外のものは使用しないこと。
指定以外のものを使用しますと、十分な性能が発揮できないばかりか、故障の原因となります。
●ロボット本体取付架台は剛性のあるものを使用すること
架台の剛性が不足しますと、ロボット動作中に振動(共振)が発生し、作業に悪影響を及ぼします。
●停電時はフリーランになるので、機械類、ワークの損傷の恐れがある場合は水平使用の軸
であってもブレーキ付軸を使用すること
本機はダイナミックブレーキ機能を内蔵しておりません。
本機のブレーキの仕様は、保持用であり、制動用でありません。制動用として使用される場合、弊社ま
で確認をしてください
KBXシリーズ ベルト軸の場合、ブレーキ付仕様には対応していません
4
●本機の最大速度を超えるような外力をスライダに加えないこと。
故障、誤動作などの原因となることがあります。
●コントローラの電源がON状態で、コネクタの抜き差しを行わないこ
コントローラの故障・誤動作の恐れがあります。
●ワークの落下・飛散に対する安全防護を行うこと
衝突により、軸本体に急激な減速度が発生しワークが落下・飛散する恐れがあります。
●装置全体のリスクアセスメントを行い必要な防護措置をとること
●本製品を廃棄する場合は、産業廃棄物として適切な処理をすること。
廃棄物の区分については、貴社の規定及び、各自治体、産業廃棄物処理業者のルール等に従って処理を
てください
5
1.2 安全に使用していただく為に
電動スライダKBXシリーズをご使用いただく際に、必ず下記を満足する措置を行ってください。
本機は、労働安全衛生規則第 36 31 号に規定する産業ロボットに該当するものです。ご使用に際しまし
ては、労働安全衛生法第 28 に基づく「産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上指針」「選
定」「設置」「使用等」「定期検査等」「教育」それぞれの項に必要な留意事項が示されています。先ず、
熟読いただき必ず実施してください。以下に記載する内容は、その一部の紹介です。
1.2.1 安全対策
(1) 人がロボットの危険領域に容易に入れないように安全防護柵を設けてください
1. 作業中に生じる力や環境条件に十分耐える強度を持ち、
容易に調整、撤去、乗り越えなどできない構造とすること。
2. 安全防護柵に、のこ歯状または鋭利な縁、突起などの危
険部がないこと。
3. 固定式とすること。
4. 安全防護柵に扉などを設ける場合は、扉を開くこととロ
ボットの停止を連動させること
(2) 非常の場合などに、作業者が操作しやすい位置に、ロボットを速やかに停止させる非常停止装置を設
けてください。
1. 非常停止機能は人が非常停止ボタンスイッチを操作した
とき、ロボットを速やかに、かつ、確実に停止させる能力
をもつこと。
2. 非常停止ボタンは赤色とすること。
3. 非常停止装置は作業者が、引っ張る、押す、触れる、光
線を遮るなどの操作をしやすい位置に設けること。
4. 非常停止機能は作動した後、自動的に復帰せず、また、
人が不用意に復帰させることができないこと。
(3) 安全確保のため、ロボット本体及び制御装置は絶対に改造しないでください。
1.2.2 設置にあたっての注意事項
ロボットの設置にあたっては次の点に注意してください。
(1) ロボットのティーチング及び、保守点検の作業を行うために必要な作業空間が確保出来るように配置
すること。
(2) ロボットコントローラ及び、他のコントローラや、固定型操作盤は、可動範囲外であって、かつ、操
作者がロボットの作動を見渡せる位置に設置すること。
(3) 圧力計、油圧計その他の計器は見やすい位置に設けること。
(4) 電気配線及び、油空圧配管は、損傷を受けるおそれのある場合は覆い等をもうけること。
(5) 非常の際に非常停止装置を有効に作動させることができるようにするため、非常停止装置用スイッチ
を操作盤以外の箇所に必要に応じて設けること。
6
1.2.3 使用にあたっての注意事項
ロボットの使用にあたっては次の点に注意してください。
【可動範囲内における作業について】
(1) 作業規定
次の事項についての規定を定め、これにより作業を行ってください。
1. 起動方法、スイッチの取扱い方法等、作業において必要となるロボットの操作の方法及び手順
2. ティーチング作業を行う場合のロボット本体の速度。
3. 複数の作業者に作業を行わせる場合における合図の方法
4. 異常時に作業者が取るべき異常の内容に応じた措置。
5. 非常停止装置等が作動し、ロボットの運転が停止した後、これを再起動させるために必要な異常
事態の解除の確認、安全の確認等の措置。
6. 上記事項のほか、次に揚げるロボットの不意な作動による危険またはロボットの誤操作による危
険を防止するために必要な措置
・操作盤への表示。
・可動範囲内で作業を行う者の安全を確保するための措置。
・作業を行う位置、姿勢等。
・ノイズによる誤作動の防止対策。
・関連機器の操作者との合図の方法。
・異常の種類及び判別法。
7. 作業規定は、ロボットの種類、設置場所、作業内容等に応じた適切なものとする事。
8. 作業規定の作成に当たっては、関係作業者、メーカーの技術者、労働安全コンサルタント等の意
見を求めるように努めること。
(2) 操作盤への表示
作業中は、当該作業に従事している作業者以外の者が起動スイッチ、切替スイッチ等を不用意に操作す
る事を防止するため、当該スイッチ等に作業中である旨のわかりやすい表示をし、または操作盤のカバ
ーに施錠する等の措置を講じてください
(3) 可動範囲内で作業を行う者の安全を確保するための措置
可動範囲内で作業を行うときは、異常時に直ちにロボットの運転が停止できるよう、次のいずれかの措
置またはこれらと同等以上の措置を講じてください。
1. 必要な権限を有する監視人を、可動範囲外であって、かつ、ロボットの作動を見渡せる位置に配
置し、監視の職務に専念させ、次の事項を行わせること。
・異常の際に直ちに非常停止装置を作動させること。
・作業に従事する作業者以外の者を、可動範囲内に立ち入らせないようにすること。
2 .非常停止装置用のスイッチを可動範囲内で作業を行う者に保持させること
3. 電源の入切及び、油圧または空圧源の入切の構造を有する可搬型操作盤を用いて作業を行わせる
こと。
(4) ティーチング等の作業開始前の点検
ティーチング等の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは直ちに補修その
他必要な措置を講じてください
1. 外部電源の被覆または外装の損傷の有無。(この点検は電源を切ってから行ってください。
2. ロボット本体の作動の異常の有無。
3 .制動装置及び、非常停止装置の機能。
4. 配管からの空気圧または油洩れの有無。
7
(5) 作業工具の掃除などの措置
塗装用ノズル等の作業工具をロボット本体に取付ける場合であって、当該作業工具の掃除などを行う必
要があるものについては、当該掃除等が自動的に行われるようにすることにより、可動範囲内へ立ち入
る機械をできるだけ少なくすることが望ましい。
(6) 残圧の解放
空圧系統部分の分解、部品交換等の作業を行うときは、あらかじめ駆動用シリンダー内の残圧を開放す
ること。
(7) 確認運転
確認運転はできる限り可動範囲に立ち入らずに行うこと。
(8) 照度
作業を安全に行うために必要な照度を保持すること。
【自動運転を行うにあたって】
(1) 起動時の措置
ロボットを起動させるときは、あらかじめ次の事項を確認するとともに、一定の合図を定め関係作業者
に対し合図を行ってください。
1. 可動範囲内に人がいないこと。
2. 可動型操作盤、工具等が所定の位置にあること。
3. ロボットまたは関連機器が異常表示等していないこと。
(2) 自動運転及び、異常発生時の措置。
1. ロボットの起動後、自動運転中であることを示す表示がなされていることを確認すること。
2. ロボットまたは関連機器に異常が発生した場合において、応急処置などを行うため可動範囲内に立ち
入るときは、当該立ち入りの前に、非常停止装置を作動させる等によりロボットの運転を停止させ、
かつ、安全プラグを携帯し、動スイッチに作業中である旨を表示する等、当該応急処置を行う作業
者以外の者がロボットを操作することを防止するための措置を講ずること。
軸用警告ラベル
部品コード 55620157
警告
       設置、          プログラミング、
                  運転、                     保守点検の前に必ず取扱説明書を読むこと。
 安全のため、
 ロボットの可動範囲への立ち入り防止のため、
 可動部や開口部には指や手を入れないこと。けがをする恐れがあります。
 落下してけがをする恐れがあります。
                      安全防護柵を設けること。
 水平取付以外で使用する場合はブレーキ付軸を使うこと。電源OFF時、スライダが                                 
8
1.3 保証
1.3.1 保証期間
本製品の保証期間は以下のうち、いずれか先に経過した期間といたします。
(1) 当社工場出荷後 24 ヶ月
(2) お客様据付後 18 ヶ月
(3) 稼働時間 4000 時間
1.3.2 保証内容
(1) 保証対象製品は、本製品です。また、保証範囲は、本製品の仕様書、カタログ、取扱説明書等により定
めた仕様および機能といたします。本製品の故障が原因で発生した二次的・付随的損害はいかなる場合
でも保証いたしかねます。
(2) 本製品の保証期間内において、本製品に付属されている取扱説明書通りのお取扱い・ご使用にて発生し
た故障に限り、当社は無償修理を行います。また、修理は工場返送によるものと致します。お客様ご都
合により、サービス員派遣等にて対応した場合、交通費や宿泊費等、その製品修理に直接関係しない発
生費用について別途ご請求させていただく場合があります。
1.3.3 免責事項
次の事項に該当する場合は、保証範囲から除外いたします。
(1) 取扱説明書と異なったご使用、および、ご使用上の不注意による故障、ならびに損傷
(2) 経時変化あるいは使用損耗での不都合(塗装等の自然退色、消耗部品*1 の劣化など)
(3) 感覚的現象での不都合(機能上影響のない発生音等)
(4) 当社によって認められていない改造、または分解が行われた場合
(5) 保守点検上の不備、不適当な修理による故障、ならびに損傷
(6) 天災・火災・その他外部要因による故障、ならびに損傷
(7) お客様が作成および変更されたプログラム、ポイントなどの内部データ
(8) 日本国内で購入された本製品を国外へ持ち出した場合
*1:消耗品とは、各製品の取扱説明書に示す保守交換部品(予備部品)及び定期的に交換を必要とする部品
(バックアップ用電池等)を指します。
1.3.4 ご注意
(1) 本製品の仕様を超えてご使用になった場合、当社は本製品の基本性能を保証いたしかねます。
(2) 万一、取扱説明書に掲げた「警告」および「注意」をお守りにならなかった場合、身事故・損害事故・
故障などが起きましても、当社は責任を負いかねます。
(3) 取扱説明書の「警告」「注意」および、その他記載事項は当社の想定し得る範囲内のものであることを
ご了承ください。
(4) 技術資料として掲示してあります数値は、あくまでも計算による値であり、耐久等の目安を示すもので、
保証するものではありません。使用条件により差異が生じますのでご注意ください。
9
第2章 軸構成部品の説明
●軸構成部品は、軸本体以外に下記部品により構成されます
2.1 組合わせ用ブラケット
軸本体と軸本体を組合せる場合に使用する部品で、大別すると、アングル形および、プレート形に分類され
ます。軸の組合せにより選定してください。
アングル形(アングルブラケット) プレート形(ブラケット)
2.2 コントローラケーブル
・軸とコントローラを接続するケーブルです。
信号用と動力用の2本が1組となります。
・軸本体1軸に対し、コントローラケーブル1組が必要です。
・コントローラケーブルは耐屈曲性を考慮していますので、可動ケーブルとして使用可能です。
さらなるに、対屈曲製が必要な場合、ロボットケーブル仕様を選定してください。
信号用
信号用
動力用
動力用
1組
1組
10
2.3 CNボックス
・コントローラケーブルまたは、お客様にて施行されるケーブル配線、エアー配管等の中継ボックスです。
・CNボックスは、軸本体、架台等に取り付けて使用します。
取付の詳細は、2.4 項を参照ください。
スライダ及びハンド部の可動範囲内には取り付けないでください。
2.4 フレキダクト
・コントローラケーブルまたは、お客様にて施行されるケーブル配線、エアー配管等の保護に使用します。
(ダクト内に、ケーブル類を通して使用します)
2.5 フレキシブルチューブ
・コントローラケーブルまたは、お客様にて施行されるケーブル配線、エアー配管等の保護に使用します。
KBA-10-FT-L の場合のみ、チューブ内に、コントローラケーブルを通して使が可能です
・断面形状が小判形のチューブ(KBA-10-FT-M)、縦配置及び横配置での使用が可能です。
・断面形状が丸形のチューブ(KBA-10-FT-L)は、縦配置での使用が可能です。
断面形状が小判形のチューブ(KBA-10-FT-M)の中に、コントローラケーブル通して配線はできませ
ん。チューブの中を通して使用される場合、KBA-10-FT-L を使用してください。
チューブ内径以下の、お客さまの配線、配管は、配線可能です。
・ご使用に際しては、最小曲率半径の配慮が必要です。詳細は、3.5 項を参照ください。
注意
注意
注意
注意
縦配置
縦配置
横配置
横配置
11
第3章 軸の設
本章では、単軸及び、組合せ軸の、設置方法を記載しています
記載手順により、適切かつ安全に設置・組立(組合わせ)を実施してください
・基本的な軸の設置及び周辺部品の基本的な取付方法について記載します。
・軸本体の組合せについては、基本となるX-Y、X-Y-Z組合せを記載しています。
・設置方法を誤るとロボットの性能を十分に発揮できないばかりか、寿命を著しく低下させる原因にもなり
ます。
設置時の注意
●設置場所の環境
(1)周囲環境は、下記の状態で使用してください。
・周囲温度 使用温度 0℃~40℃
輸送・保管温度:-10℃~50℃
・湿度 30%~90%RHで結露がない所
・標高 1000m以下
・振動 0.98m/s以下
・塵埃 導電性塵埃のなきこ
・ガス 引火性、腐食性ガスのなきこと
・磁界 付近に磁界を発生させる装置のなきこと
・放射線 放射線管理区域でないこと
・その他 油煙のなきこと
(2)本機は、防塵構造になっておりません。塵埃の多い場所での使用はお避けください。また、防爆構造
になっていませんので、周囲の環境には十分に注意してください。
●設置時の注意
(1)搬送時に落としたり、ぶつけたりしないでください。
(2)あらかじめ、保守点検が容易なスペースを設けてください。
(3)コントローラは、ロボット本体から標準ケーブルで届く範囲内に置いてください。
(4)据え付けにあたって
・水平な取付ベース上に設置します。
・取付ベースは、フレーム部分だけが載る長さにします。
・取付ベースは、鋼板製でKBX-T3/T4/T5/T7,KBX-0,KBX-30は板厚9
mm 以上、KBX-50,KBX-60は板厚2mm 以上、
平面度0.2以下の機械加工面が必要です。このベースに取り付けることにより軸フレームの
曲がり、ねじれの矯正と補強をしてください。
・T溝を使用して固定する軸の場合、小判ボルト(取付ボルト)は、約150mm ピッチで取り付けて
ください。
・取付穴又は取付タップを使用する軸の場合、各穴又はタップを使用して取り付けてください。
12
3.1 軸の設置
設置は、以下の手順により、行ってください。
(1)小判ボルトのセット
軸フレーム取付面のT溝に小判ボルトを挿入します。
(2)取付ベースへの取付
●フレーム側面及び上面のT溝(M4ナット用)はCNボックスおよび、オプション部品等の取
付用です。このT溝による軸の取付は絶対行わないでください
●ナットの締付トルクは、3.9 項を参照してください。
小判ボルト(M6×30):KBX-10,KBX-30
(M8×40):KBX-50,KBX-60
スプリングワッシャ
スプリングワッシャ
小判ボルト
小判ボルト
六角ナット
六角ナット
150mm 以下
150mm 以下
150mm 以下
150mm 以下
150mm 以下
150mm 以下
原点位置付近
原点位置付近
エンドプレート付近
折返し軸の場合は無し
エンドプレート付近
折返し軸の場合は無し
KBX-T3/T4/T5/T7
KBX-10,KBX-30
920mm
KBX-50,KBX-60
2030mm
平面度 0.2 以下
モータ
モータ
13
3.2 軸端へのケーブル取付
コントローラケーブルの取付(KBX-10)
(1) (2)
(3) (4)
(5) (6)
コントローラケーブルの軸本体側用コネクタは、軸本体のコネクタ(モータ動力用、エンコーダ用、原点
センサ用、ブレーキ用(ブレーキ付軸のみ接続))にロックがかかるまで差し込み確実に接続してください。
ケーブルのコントローラ側用のータ動力用コネクタは、コントローラ表面のコネクタに、ロックがかか
るまで差し込み確実に接続してください。エンコーダ用コネクタは、コントローラ表面のコネクタに差し
込み、ネジで固定してください
コントローラ側のコネクタについては、KCA-25 取扱説明書(基本編)も参照してください。
●通電前に、必ずコネクタの接続漏れ、接続誤りが無いか確認してください。
●カバー等の間に配線を挟まないでください。
●コネクタの接続及び、固定の際にはケーブルに無理な力が加わらないようにしてください。
結束バンドは、ケーブル
グリップの溝へ入れます
エンドベース、カバーを元の位置に固定します
樹脂ナットを締付けます
ケーブルグリップを組合せます
カギスパナ
(オプション)
結束バンドでケーブルを固定
ケーブルは、中に入れすぎない
ようにしてください
14
コントローラケーブルの取付(KBX-30,KBX-50)
(1) (2)
(3) (4)
(5) (6)
コントローラケーブルの軸本体側用コネクタは、軸本体のコネクタ(モータ動力用、エンコーダ用、原点
センサ用、ブレーキ用(ブレーキ付軸のみ接続))にロックがかかるまで差し込み確実に接続してください。
ケーブルのコントローラ側用のモータ動力用コネクタは、コントローラ表面のコネクタに、ロックがかか
るまで差し込み確実に接続してください。エンコーダ用コネクタは、コントローラ表面のコネクタに差し
込み、ネジで固定してください
コントローラ側のコネクタについては、KCA-25 取扱説明書(基本編)も参照してください。
●通電前に、必ずコネクタの接続漏れ、接続誤りが無いか確認してください。
●カバー等の間に配線を挟まないでください。
●コネクタの接続及び、固定の際にはケーブルに無理な力が加わらないようにしてください。
カギスパナ
(オプション)
樹脂ナットを締付けます
(エンドプレートとエンドカバーを共締めします)
エンドベース、カバーを元の位置に固定します
結束バンドは、ケーブル
グリップの溝へ入れます
ケーブルグリップを組合せます
結束バンドでケーブルを固定
ケーブルは、中に入れすぎない
ようにしてください
15
3.3 組合わせブラケットの取付
下記の取付は、X-Y組合せを例にしています。
単軸で使用される場合は、お客様でご用意のハンドを取り付けてください。
ボルトの締付トルクは、3.9 参照
(1)Y軸の取付
小判ボルトをY軸に挿入し図のように取り付けます。
・Y軸は、X軸に対する直角及びベースに対する平行を出して取り付けてください。
ナットの締付トルクは、3.9 参照
組合せによりフレームカバー上のステッカ、警告シールが上下逆になる場合はフレームカバーを
取り外し左右逆に取り付けてください。
KBX-30:KBX-10(X-Y)組合せでは、Y軸がストレート軸の場合ブラケットへ
取付は8本の小判ボルトで固定します。モータ折り返し軸の場合は、ブラケットの軸先端方向6
個の穴に小判ボルトを入れ固定します。
・取付ベースは、剛性が有り、良好な平面度が必要です。
・取付ボルトは、付属の小判ボルトを使用してください。
・小判ボルトの取付ピッチは150mm 以下にしてください。
・フレームの側面および、上面のT溝は軸の取付用ではありません。
16
3.4 フレキダクトおよびケーブルの取付
フレキダクトは、コントローラケーブルおよび、ハンド部からの配線、配管の保護に使用します。
フレキダクトの長さは、ご使用箇所に応じ最適の寸法にしてご使用ください。
(フレキダクトのリンクの取り外しは、マイナスドライバ等により容易に行えます。
なお、X-Y組合せ場合、CNボックスはX軸にKBA-10-BX-F10
Y軸にKBA-10-BX-F30を使用します。
■フレキダクト使用時の注意点
フレキダクト使用時は、コントローラケーブル等を先に通しておいてから下記により取り付けてください。
X軸のスライダが軸先端側に有る場合、フレキダクトの飛び出し量は、150mm 前後になります。
●フレキダクトの飛び出し量は、組合わせ形態によって変わります。外形寸法図で確認をしてく
ださい。
●上記寸法外で使用された場合は、寿命が著しく低下する場合があります。
●フレキダクト内にケーブル等を詰め込み過ぎないようにしてください。
ケーブル等の寿命が著しく低下する場合があります。
約150
注意
注意
17
X軸への取付例(軸上面部取付(KBX-0)
(1)フレームカバーのT溝に六角ナット(M4)を入れ、CNボックスを軸上面に取り付けます。
(2)固定用プレートをCNボックスに取り付けます。
(3)フレキダクトリンク取付金具を固定プレートに取り付けます。
固定ベースを固定プレートに取り付けます。
(4)配線を行い、CNボックスのカバーを取り付けます
ケーブルの取付方法は、本章内の「ケーブルの取付例」を参照してください
(1) (2)
(3) (4)
軸側面取付の場合は、CNボックスを側面に取り付けて上記手順と同様にフレキダクトを取り付
けます。
/