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通常、制御盤と変換器の距離は短く、多くの場合はPOFまたはハー
ドクラッドシリカ(HCS)ケーブルが使用されます。この用途では、一
般に、DC~5 MBdまたはDC~10 MBdのスイッチング速度が可能
な光ファイバ・トランスミッタおよびレシーバが使用されます。表1
に示されたように、アバゴ・テクノロジーのVersatile Link製品シリー
ズは、この用途に対応する最高のコスト効果と信頼性を持つソリュ
ーションを提供します。
列車中央コンピュータは、制御装置からより遠くに配置されること
があり、光信号をより長距離で送受信するマルチモード・ガラスファ
イバが選択されます。
列車通信システム
過去においては、列車内には多くの独自通信システムが使用さ
れ、このようなシステムでは、残念ながら相互接続は不可でした。
列車の通信アーキテクチャやプロトコルを規定するために、IEC
61375列車通信ネットワーク(TCN)規格が策定されました。一般
に、TCNは、ワイヤートレインバス(WTB)と多機能車両バス(MVB)
を規定しています。WTBは車両間を、MVBは車両内の機器または
車両群を接続します。
MVBでは、短距離にはRS-485、200mまでの距離には変圧器結合
ツイストペア線、2kmまでの長距離には光ガラスファイバのよう
に、3つのタイプの媒体から選択できます。このホワイトペーパー
では、一般に過酷な高電磁障害環境で使用される光ガラスファイ
バを使用したMVBについて考察します。光ガラスファイバやPOF
は、機関車環境の電気ノイズに対して高い耐性を持つため、多く
の場合において機関車に適した媒体です。光ファイバで、コントロ
ーラと、パワー・エレクトロニクス、モータ・コントローラ、ブレーキ、
ラジオなどの装置およびサブシステムを接続します。図3は、機関
車内の一般的なMVBレイアウトを示しています。
図4に示したように、MVBは、客車内の機器を接続して、照明、扉、
空調および乗客用ディスプレイを制御します。ネットワークの可
用性を高めるために、MVBは、冗長ラインによってバックアップさ
れ、装置は両方のラインで伝送します。一方のラインが故障した
場合に他方のラインを通信に利用することができます。
図3. 機関車内のMVBレイアウト
Figure 4. MVB layout in a coach
表1.列車推進、制御および監視システムに使用される一般的な
アバゴの光ファイバ部品
部品 データ転送速度 リンク距 離
AFBR-1629Z & AFBR-2529Z DC – 50MBd 50m (POF)
HFBR-1528Z & HFBR-2528Z DC – 10MBd
40m (POF)
200m (HCS)
HFBR-1521ETZ & HFBR-2521ETZ DC – 5MBd 20m (POF)
HFBR-1522ETZ & HFBR-2522ETZ DC – 1MBd 43m (POF)
HFBR-1414Z & HFBR-2416Z 20MBd 2700m (MM)
HFBR-57E5APZ 125MBd 2000m (MM)
AFBR-5972Z 125MBd 50m (POF)