National Instruments 373873C-01 ユーザーマニュアル

カテゴリー
測定
タイプ
ユーザーマニュアル
LabVIEW
TM
SignalExpress
TM
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
2007
08
373873C-0112
サポート
サポート
技術サポートのご案内
www.ni.com/support/jp
日本ナショナルインスツルメンツ株式会社
105-0011
東京都港区芝公園
2-4-1
ダヴィンチ芝パーク
A
4F Tel
0120-108492
National Instruments Corporation
11500 North Mopac Expressway Austin, Texas 7875
9-3504 USA Tel: 512 683 0100
海外オフィス
イスラエル
972 3 6393737
、イタリア
39 02 413091
、インド
91 80 41190000
、英国
4401635523545
オーストラリア
1800 300 800
、オーストリア
43 662 457990-0
、オランダ
31 (0) 348 433 466
カナダ
800 433 3488
、韓国
82 02 3451 3400
、シンガポール
1800 226 5886
、スイス
41 56 2005151
スウェーデン
46 (0) 8 587 895 00
、スペイン
34 91 640 0085
、スロベニア
386 3 425 42 00
タイ
662 278 6777
、台湾
8860223772222
、中国
86 21 5050 9800
、チェコ
420 224 235 774
デンマーク
45 45 76 26 00
、ドイツ
49 89 7413130
トルコ
90 212 279 3031
ニュージーランド
0800 553 322
、ノルウェー
47(0)66907660
、フィンランド
385 (0) 9 725 72511
フランス
01 57 66 24 24
ベルギー
32 (0) 2 757 0020
、ブラジル
55 11 3262 3599
ポーランド
48 22 3390150
ポルトガル
351 210 311 210
マレーシア
1 800 887710
南アフリカ
270118058197
、メキシコ
01 800 010 0793
、レバノン
961(0)1332828
ロシア
7 495 783 6851
サポート情報の詳細については、「技術サポートおよびプロフェッショナルサービス」を参照してください。
ナショナル
インスツルメンツのドキュメントに関してご意見をお寄せいただく場合は、ナショナルインスツルメンツのウェブ
サイト、
ni.com/jp
の右上にある
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feedback とご入力ください。
© 2004–2007 National Instruments Corporation. All rights reserved.
必ずお読みください
保証
NI
のソフトウェア製品が記録されている媒体は、素材および製造技術上の欠陥によるプログラミング上の問題に対して、受領書
などの書面によって示される出荷日から
90
日間保証致します。
NI
は、保証期間中にこのような欠陥の通知を受け取った場合
弊社の裁量により、プログラミングの指示どおりに実行できないソフトウェア媒体を修理、交換致します。
NI
は、ソフトウェア
の操作が中断されないこと、および欠陥のないことを保証致しません。
お客様は、保証の対象となる製品を
NI
に返却する前に、返品確認
(RMA: Return Material Authorization)
番号を
NI
から取得
し、パッケージ外に明記する必要があります。
NI
は、保証が及んでいる部品をお客様に返却する輸送費を負担いたします。
本書の内容については万全を期しており、技術的内容に関するチェックも入念に行っております。技術的な誤りまたは誤植が
あった場合、
NI
は、本書を所有するお客様への事前の通告なく、本書の次の版を改訂する権利を有します。誤りと思われる個所
がありましたら、
NI
へご連絡ください。
NI
は、本書およびその内容により、またはそれに関連して発生した損害に対して、一
切責任を負いません。
NI
は、ここに記載された以外、明示または黙示の保証は致しません。特に、商品性または特定用途への適合性に関する保証は致
しません。
NI
側の過失または不注意により発生した損害に対するお客様の賠償請求権は、お客様が製品に支払われた金額を上限
とします。
NI
は、データの消失、利益の損失、製品の使用による損失、付随的または間接的損害に対して、その損害が発生する
可能性を通知されていた場合でも、一切の責任を負いません。
NI
の限定保証は、訴訟方式、契約上の責任または不法行為に対す
る責任を問わず、過失責任を含め、適用されます。
NI
に対する訴訟は、訴訟原因の発生から
1
年以内に提起する必要がありま
す。
NI
は、
NI
の合理的に管理可能な範囲を超えた原因により発生した履行遅延に関しては一切の責任を負いません。所有者が
インストール、操作、保守に関する
NI
の指示書に従わなかったため、所有者による製品の改造、乱用、誤用、または不注意な
行動、さらに停電、サージ、火災、洪水、事故、第三者の行為、その他の合理的に管理可能な範囲を超えた事象により発生した
損害、欠陥、動作不良またはサービスの問題については、本書に定める保証の対象となりません。
著作権
著作権法に基づき、
National Instruments Corporation
(米国ナショナルインスツルメンツ社)の書面による事前の許可なく、
本書のすべてまたは一部を写真複写、記録、情報検索システムへの保存、および翻訳を含め、電子的または機械的ないかなる形
式によっても複製または転載することを禁止します。
National Instruments
は他者の知的財産を尊重しており、お客様も同様の方針に従われますようお願いいたします。
NI
ソフト
ウェアは著作権法その他知的財産権に関する法律により保護されています。
NI
ソフトウェアを用いて他者に帰属するソフトウェ
アその他のマテリアルを複製することは、適用あるライセンスの条件その他の法的規制に従ってそのマテリアルを複製できる場
合に限り可能であるものとします。
商標
National Instruments
NI
ni.com
および
LabVIEW
National Instruments Corporation
(米国ナショナルインスツルメ
ンツ社)の商標です。
National Instruments
の商標の詳細については、
ni.com/legal
の「
Terms of Use
」セクションを参照
してください。
本文書中に記載されたその他の製品名および企業名は、それぞれの企業の商標または商号です。
ナショナルインスツルメンツ・アライアンスパートナー・プログラムのメンバーはナショナルインスツルメンツより独立してい
る事業体であり、ナショナルインスツルメンツと何ら代理店、パートナーシップまたはジョイント・ベンチャーの関係にありま
せん。
特許
National Instruments
の製品を保護する特許については、ソフトウェアに含まれている特許情報(ヘルプ→特許情報
CD
含まれている
patents.txt
ファイル、または
ni.com/patents
のうち、該当するリソースから参照してください。
National Instruments Corporation
製品を使用する際の警告
(1) National Instruments Corporation
(以下「
NI
」という)の製品は、外科移植またはそれに関連する使用に適した機器の備
わった製品として、または動作不良により人体に深刻な障害を及ぼすおそれのある生命維持装置の重要な機器として設計されて
おらず、その信頼性があるかどうかの試験も実行されていません。
(2)
上記を含むさまざまな用途において、不適切な要因によってソフトウェア製品の操作の信頼性が損なわれるおそれがありま
す。これには、電力供給の変動、コンピュータハードウェアの誤作動、コンピュータのオペレーティングシステムソフトウェア
の適合性、アプリケーション開発に使用したコンパイラや開発用ソフトウェアの適合性、インストール時の間違い、ソフトウェ
アとハードウェアの互換性の問題、電子監視・制御機器の誤作動または故障、システム(ハードウェアおよび
/
またはソフト
ウェア)の一時的な障害、予期せぬ使用または誤用、ユーザまたはアプリケーション設計者の側のミスなどがありますが、これ
に限定されません(以下、このような不適切な要因を総称して「システム故障」という)。システム故障が財産または人体に危
害を及ぼす可能性(身体の損傷および死亡の危険を含む)のある用途の場合は、システム故障の危険があるため、
1
つの形式の
システムにのみ依存すべきではありません。損害、損傷または死亡といった事態を避けるため、ユーザまたはアプリケーション
設計者は、適正で慎重なシステム故障防止策を取る必要があります。これには、システムのバックアップまたは停止が含まれ
ますが、これに限定されません。各エンドユーザのシステムはカスタマイズされ、
NI
のテスト用プラットフォームとは異なる
ため、そしてユーザまたはアプリケーション設計者が、
NI
の評価したことのない、または予期していない方法で、
NI
製品を他
の製品と組み合わせて使用する可能性があるため、
NI
製品をシステムまたはアプリケーションに統合する場合は、ユーザまた
はアプリケーション設計者が、
NI
製品の適合性を検証、確認する責任を負うものとします。これには、このようなシステムま
たはアプリケーションの適切な設計、プロセス、安全レベルが含まれますが、これに限定されません。
© National Instruments Corporation v LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
目次
このマニュアルについて
表記規則
.....................................................................................................................................................vii
関連ドキュメント
...................................................................................................................................vii
1
LabVIEW SignalExpress
の概要
2
LabVIEW SignalExpress
をインストールする
LabVIEW SignalExpress LE ..............................................................................................................2-1
最小システム要件
...................................................................................................................................2-1
LabVIEW SignalExpress
をインストールする
...........................................................................2-2
3
プロジェクトの操作
プロジェクトを開く
...............................................................................................................................3-1
プロジェクトの実行と信号の表示
....................................................................................................3-2
ステップを構成する
...............................................................................................................................3-4
ステップを移動、削除する
.................................................................................................................3-7
エラーと警告を処理する
......................................................................................................................3-8
4
信号を操作する
信号をグラフ化する
...............................................................................................................................4-1
信号をファイルからインポートする
................................................................................................4-3
信号を整列および比較する
.................................................................................................................4-4
LabVIEW SignalExpress
の信号タイプ
........................................................................................4-6
信号をエクスポートおよび印刷する
................................................................................................4-7
信号をファイルに保存する
................................................................................................4-7
Microsoft Excel
へ信号をエクスポートする
..............................................................4-7
信号を印刷する
......................................................................................................................4-7
LabVIEW SignalExpress
でレポートを作成する
.....................................................4-8
5
データをロギングする
信号を記録する
.......................................................................................................................................5-1
ログされた信号を表示する
.................................................................................................................5-2
事前に定義した開始および停止条件で信号をログする
............................................................5-4
ログされた信号を解析する
.................................................................................................................5-5
上級再生
.....................................................................................................................................................5-6
目次
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
vi ni.com/jp
6
スイープ計測を行う
スイープの範囲と出力を定義する
.................................................................................................... 6-1
スイープの結果をプロットする
........................................................................................................ 6-4
多次元掃引(スイープ)を実行する
............................................................................................... 6-5
7
LabVIEW
LabVIEW SignalExpress
プロジェクトを拡張する
LabVIEW
VI
をステップとして
LabVIEW SignalExpress
にインポートする
........... 7-1
LabVIEW SignalExpress
プロジェクトを
LabVIEW
のブロックダイアグラムに変換する
............................................................................................ 7-4
8
詳細情報
LabVIEW SignalExpress
サンプルプロジェクト
...................................................................... 8-1
LabVIEW SignalExpress
でハードウェアを使用する
............................................................. 8-1
ウェブリソース
....................................................................................................................................... 8-1
付録
A
技術サポートおよびプロフェッショナルサービス
© National Instruments Corporation vii LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
このマニュアルについて
LabVIEW SignalExpress
の対話式計測、および信号の集録と解析に使用
する
LabVIEW SignalExpress
基本機能の習得について説明します。
本書には、
LabVIEW SignalExpress
で作業を開始する際に役立つ演習問
題などが含まれています。
これらの演習では、プロジェクトの実行方法、
ステップの構成方法、信号の操作方法、スイープ計測の構成方法、データ
のログ方法、
LabVIEW
のグラフィカルプログラミングを使用した
LabVIEW SignalExpress
の拡張方法について説明します。
表記規則
このマニュアルでは、以下の表記規則を使用しています:
矢印
(
)
は、ネストされたメニュー項目やダイアログボックスのオプ
ションをたどっていくと目的の操作項目を選択できることを示します。
とえば、ファイル→ページ設定→オプションという順になっている場合
は、まずファイルメニューをプルダウンし、次にページ設定項目を選択し
て、最後のダイアログボックスからオプションを選択します。
このアイコンは、注意すべき重要な情報を示します。
太字 太字のテキストは、メニュー項目やダイアログボックスなど、ソフトウェ
アでユーザが選択またはクリックする必要のある項目を示します。
また、
入出力名、パラメータ名、ダイアログボックスまたはその一部、メニュー
名も示します。
斜体
斜体のテキストは、変数、強調、相互参照、または重要な概念の説明を示
します。
また、ユーザが入力する必要がある語または値のプレースホルダ
も示します。
monospace
このフォントのテキストは、キーボードから入力する必要があるテキスト
や文字を示します。
また、ディスクドライブ、パス、ディレクトリ、プロ
グラム、サブプログラム、サブルーチンなどの名称、デバイス名、関数、
操作、変数、ファイル名および拡張子の引用にも使用されます。
関連ドキュメント
詳細は、
Help
LabVIEW SignalExpress
ヘルプを選択し、
LabVIEW
SignalExpress
ヘルプ』を参照してください。
© National Instruments Corporation 1-1 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
1
LabVIEW SignalExpress
の概要
ナショナルインスツルメンツでは、業界標準のコンピュータとプラット
フォームを使用した自動計測システムを構築するための革新的なソリュー
ションを科学者やエンジニアのために提供しています。
当社では、グラ
フィカルプログラミングが可能な
LabVIEW
ANSI C
プログラミング対
応の
LabWindows
TM
/CVI
TM
Microsoft Visual Studio
プログラミング対
応の
Measurement Studio
など、堅固で業界最先端の自動計測システム
用プログラミング環境を開発しています。
これらのプログラミングツール
を弊社の計測ハードウェアや従来の計測器へのインタフェースとともに使
用すれば、カスタム仕様の高機能な仮想計測システムを構築することが可
能です。
LabVIEW SignalExpress
は、プログラミングが不要な対話式計測環境を
提供します。
LabVIEW SignalExpress
では、信号の集録、生成、解析、
比較、インポート、ログを対話式に行うことができます。
また、設計デー
タと測定データの比較を
1
つのステップで行えます。
LabVIEW
SignalExpress
を使用すれば、信号の集録や解析が必要な際にプログラミ
ングアプリケーションなしで、仮想計測器の使いやすさと性能を活用でき
ます。
また、
LabVIEW
開発システムで作成したカスタム仮想計測器(
VI
のインポートや、
LabVIEW SignalExpress
プロジェクトを
LabVIEW
ロックダイアグラムに変換することにより、
LabVIEW
で開発を継続で
き、
LabVIEW SignalExpress
の機能拡張が可能です。
詳細は第
7
LabVIEW
LabVIEW SignalExpress
プロジェクトを拡張する」を参
照してください。
© National Instruments Corporation 2-1 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
2
LabVIEW SignalExpress
をインストールする
LabVIEW SignalExpress CD
で、
LabVIEW SignalExpress
をインストー
ルして本書の演習を行うことができます。
LabVIEW SignalExpress LE
LabVIEW SignalExpress LE
は、
LabVIEW SignalExpress
フルバージョ
ンを
30
日間お試しいただけるようになっています。
この期間後は、ご使
用いただいているバージョンの
LabVIEW SignalExpress LE
をアクティ
ブ化するか、フルバージョンを購入していただくことになります。
フルバージョンの
30
日間お試し期間が満了する前に
LabVIEW
SignalExpress LE
をアクティブ化する場合も、フル機能は
30
日間のお試
し期間の残りとして有効です。
LabVIEW SignalExpress LE
は簡単なデー
タ集録とロギング関数を使用できます。
30
日間を経過しても
LabVIEW SignalExpress LE
バージョンを登録しな
いと、
LabVIEW SignalExpress LE
に以下の制限が付きます。
プロジェクトを保存できなくなるため、プロジェクトを
LabVIEW
ブロックダイアグラムに変換できません。
プロジェクトはセッション毎に
10
分のみ実行できます。
フルバージョンの
LabVIEW SignalExpress
を購入するには、ナショナル
インスツルメンツのウェブサイト ni.com/jp/signalexpress を参照
してください。
最小システム要件
LabVIEW SignalExpress
は、最小で
256 MB
RAM
、および
Pentium III
以上、
Celeron 866 MHz
、または同等のプロセッサを必要と
しますが、ナショナルインスツルメンツでは
512 MB
RAM
、および
Pentium 4/M
、または同等のプロセッサを推奨します。
2
LabVIEW SignalExpress
をインストールする
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
2-2 ni.com/jp
LabVIEW SignalExpress
をインストールする
LabVIEW SignalExpress
Windows Vista/XP/2000/NT
にインストー
ルするには、以下の手順に従ってください。
メモ
LabVIEW SignalExpress
プロジェクトを
LabVIEW
のブロックダイアグラムに
変換する場合、
LabVIEW SignalExpress
をインストールする前に
LabVIEW 7.1
以降をインストールする必要があります。
1.
インストールを始める前に自動ウイルス検出プログラムを無効にして
ください。
一部のウィルス検出プログラムは、インストーラの実行を
妨げる場合があります。
2.
管理者または管理者権限のあるユーザとしてログオンします。
3. LabVIEW SignalExpress
開発版または評価版の
CD
を挿入し、画面
上の指示に従います。
デフォルトで、
LabVIEW SignalExpress
Program Files
¥
National Instruments
¥
SignalExpress
ディレクトリにインス
トールされます。
4.
インストール後、一時的に無効にしたウィルス検出プログラムを有効
にし、ハードディスクにウィルスがないことを確認します。
本書で使用するサンプルプロジェクトは、
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
にあります。
各演習問題の回答は、
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
¥
Solutions
にあります。
LabVIEW SignalExpress
をナショナルインスツルメンツのデータ集録ま
たはモジュール式計測のハードウェアで使用する場合、
NI-DAQmx 8.5
以降、
NI-SCOPE 2.7
以降、
NI-FGEN 2.2
、または
NI-DMM 2.4.2.
以降を
インストールする必要があります。
LabVIEW SignalExpress
には、これ
らのドライバを含む、ナショナルインスツルメンツのドライバ
CD
が用
意されています。
© National Instruments Corporation 3-1 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
3
プロジェクトの操作
LabVIEW SignalExpress
では、対話式計測環境でステップの追加や構成
を行い、測定処理を定義することができます。
ステップとは、信号の集録
や生成、解析、ロード、保存を行う機能のことで、それぞれ構成すること
が可能です。
多くの場合、ステップにより入力信号が処理され、出力信号
が生成されます。
構成ビューで値を指定すると、ステップの操作を構成で
きます。
構成されたステップのシーケンスを保存したものが
LabVIEW
SignalExpress
プロジェクトです。
本章では、既存のプロジェクトのロードや実行を行う方法、プロジェクト
のステップを構成する方法について説明します。
プロジェクトを開く
LabVIEW SignalExpress
でサンプルプロジェクトをロードするには、以
下の手順に従ってください。
1. LabVIEW SignalExpress
を起動します。
LabVIEW SignalExpress
は大きく
3
つの表示(左側のプロジェクト
ビュー、中央のデータビュー、右側のヘルプ)に分かれていることに
注目してください。
データビューには、データビュータブ、ロギング
オプションタブ、プロジェクトドキュメントタブがあります。
2.
出荷時のデフォルト設定で
LabVIEW SignalExpress
開かない場合、
表示→データビューを選択してデータビューを表示します。
3.
ファイル→プロジェクトを開くを選択し、
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
ディレクトリを参照して、
LabVIEW
SignalExpress
プロジェクトの
First
Project.seproj
をダブルク
リックします。
3
プロジェクトの操作
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
3-2 ni.com/jp
4.
ヘルプが非表示の状態で図
3-1
のようなウィンドウが表示されたら、
LabVIEW SignalExpress
の様々なコンポーネントを確認してくださ
い。
3-1 First Project.seproj
左側のペーンがプロジェクトビューで、プロジェクトの操作手順やス
テップを表示します。
右のペーンがデータビューで、プロジェクトが
生成および解析した信号がここに表示されます。
プロジェクトの実行と信号の表示
LabVIEW SignalExpress
には、
2
つの実行モード(実行および
1
回実行)
があります。
実行ボタンをクリックすると、停止ボタンをクリックするま
で、プロジェクトのステップがすべて連続して実行されます。
プロジェク
トの実行中は、実行ボタンは押せなくなり、停止ボタンは押せるように表
1
実行制御ボタン
2
作業エリアプルダウンメニュー
3
ステップ
4
入力
5
出力
6
プロジェクトビュー
7
ログデータウィンドウ
8
データビュー
9
記録ボタン
5
8
1
3
4
2
9
56
7
3
プロジェクトの操
© National Instruments Corporation 3-3 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
示されます。
プロジェクトのステップを実行している間にも、データ
ビューは更新され続けます。
プロジェクトの実行中に測定の構成を変更し
たり、測定結果を即座に表示したりすることができます。
プロジェクトの
実行中にステップの構成を変更すると、この変更は
LabVIEW
SignalExpress
に直ちに適用されます。
1
回実行ボタンをクリックすると、
プロジェクトのすべてのステップが1回実行されます。
サンプルプロジェクトを実行して信号を表示するには、以下の手順に従っ
てください。
1.
左に示す実行ボタンをクリックし、プロジェクトのすべてのステップ
を連続的に実行します。
プロジェクトはテキストファイルから信号をロードし、信号上で
2
つの操作(振幅とレベル計測およびひずみ計測)を実行します。
「振
幅とレベル」ステップおよび「ひずみ」ステップは、これらの測定を
個別に実行します。
プロジェクトを実行する場合、ステップは入力信
号を解析し、解析結果として新規の出力信号を生成します。
このプロ
ジェクトでは、
ASCII
からロード」ステップが歪み正弦波をロード
し、「振幅とレベル」ステップと「ひずみ」ステップはこの正弦波を
解析した後、両方のステップ共、新規出力を返します。
プロジェクト
ビューでは、入力は赤い矢印が付いた状態、出力は青い矢印が付いた
状態で示されます。
データビューのグラフには、時間領域信号であるロードされた信号が
引き続き含まれています。
グラフには、時間領域、周波数領域、また
x-y
信号が表示されます。
2.
プロジェクトビューで「ひずみ」ステップのエクスポートスペクトル
出力信号をクリックしてデータビューにドラッグし、その信号を表示
します。
データビューに新規のグラフが作成されます。
エクスポートスペクト
信号が周波数領域信号のため、時間領域信号のように同じグラフに
エクスポートスペクトル信号は表示されません。
LabVIEW
SignalExpress
では自動的に異なる信号タイプを認識し、適切な表示
でその信号をレンダリングします。
3.
信号タイプの詳細については、ヘルプ→
LabVIEW SignalExpress
ルプを選択して検索タブをクリックし、「信号タイプ」と入力して
LabVIEW SignalExpress
ヘルプ』を参照してください。
このヘルプ
は、プロジェクト、ステップ、信号など、
LabVIEW SignalExpress
の機能の詳細を記載しています。
4.
「振幅とレベル」ステップの
DC
出力をクリックしてデータビューに
ドラッグし、その測定を表示します。
DC
出力からスカラ計測を表示する表が作成されます。
3
プロジェクトの操作
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
3-4 ni.com/jp
5. rms
出力を表へドラッグし、スカラ
RMS
計測を表示します。
表で新規行が作成され、
2
番目の測定が表示されます。
3-2
のよう
なプロジェクトが表示されます。
3-2 First Project.seproj
の出力
ステップを構成する
ステップとは、信号の集録や生成、解析、ロード、保存を行う機能のこと
で、それぞれ構成することが可能です。
ステップにより、入力信号が処理
され、出力信号が生成されます。
ステップの操作は、そのステップの
テップ設定ダイアログボックスまたは構成ビューで値を指定することで構
成できます。
プロジェクトの実行中でも、ステップの構成を変更して変更
が適用された結果を表示したり、必要な測定結果が得られるまで測定を調
整することができます。
3
プロジェクトの操
© National Instruments Corporation 3-5 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
「ひずみ」ステップおよび「振幅とレベル」ステップを構成するには、以
下の手順に従ってください。
1.
プロジェクトビューの「ひずみ」ステップをダブルクリックします。
3-3
のような「ひずみ」ステップのステップ設定ダイアログボック
スが表示されます。
3-3
「ひずみ」ステップのステップ設定ダイアログボックス
構成
タブ上のこの設定では、「ひずみ」ステップは時間軸の信号を入
力として受け取り、信号に対してパワースペクトルを計算して周波数
領域に変換し、この信号の全高調波ひずみ
(THD)
と基本周波数を計
算します。
このステップは出力として
3
つの計測(スペクトル、
THD
、元の時間領域の波形入力の基本周波数)を生成します。
2.
詳細ヘルプが画面右側に表示されない場合は、左に示すヘルプの表示
ボタンをクリックし、ステップに関する参照情報を表示します。
詳細
ヘルプの上方にはステップについての情報、そして下方には項目につ
いて(項目の上にカーソルを移動させることで表示)の情報が表示さ
れます。
3
プロジェクトの操作
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
3-6 ni.com/jp
3.
構成タブ上で、エクスポート信号
(THD)
プルダウンメニューから
本トーンを選択します。
入力信号の全周波数領域スペクトルが表示されていたステップに、入
力信号の基本トーンの周波数スペクトルのみが表示されます。
ステッ
プ設定ダイアログボックスの上半分に表示されている信号は、変更に
基づいて更新されます。
4.
エクスポート信号
(THD)
プルダウンメニューから高調波のみを選択
します。
このステップは、入力信号から高調波信号のスペクトルのみがエクス
ポートされるよう変更されます。
「ひずみ」ステップの出力信号と
データビューのグラフは両方とも、変更に基づいて更新されます。
5.
プロジェクトビューの「振幅とレベル」ステップをクリックします。
「ひずみ」ステップの構成が表示されていたステップ設定ダイアログ
ボックスに、「振幅とレベル」ステップの構成が表示されます。
6.
入力
/
出力タブをクリックし、
3-4
で表すようにこのステップで選
択できる入出力リストを表示します。
3-4
「振幅とレベル」ステップのステップ設定ダイアログボックス
7. +peak
値をエクスポート
–peak
値をエクスポート
peak-peak
値をエクスポートの各チェックボックスを有効にして「振幅とレベ
ル」ステップを構成し、追加した
3
つの計測を返します。
追加された
3
つの出力は、プロジェクトビューに表示されます。
8.
データビュータブをクリックし、データビューを表示します。
3
プロジェクトの操
© National Instruments Corporation 3-7 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
9.
プロジェクトビューから
3
つの新規出力を表へドラッグし、スカラ
計測を表示します。
10.
左に示す停止ボタンをクリックし、プロジェクトを停止します。
停止ボタンをクリックすると、現在の一連のステップ操作または反復
が完了した後でプロジェクトの実行は停止されます。
停止ボタンの下
矢印をクリックし、中断ボタンをクリックすると、プロジェクトは完
全に緊急停止し、残りのステップは実行されません。
11.
ファイル→プロジェクトを別名で保存を選択し、プロジェクトを
My
First
Project.seproj
という名前で
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
ディレクトリに保存します。
12.
ファイル→プロジェクトを閉じる
を選択し、プロジェクトを閉じます。
ステップを移動、削除する
LabVIEW SignalExpress
のプロジェクトのステップは、入力データに
よって異なります。つまり、各ステップで操作できるのは、プロジェクト
ビューにある以前のステップからエクスポートされた信号上のデータのみ
です。
ステップの
ステップ設定
ダイアログボックスの
入力
タブで、
入力信
プルダウンメニューをクリックすると、以前のステップからエクスポー
トされた互換性のある信号のみがメニューに表示されます。
ステップの出
力が別のステップの入力になると、その
2
つのステップは互いに依存する
ようになり、順次実行されます。
最初のステップによって生成された出力
信号は、
2
つ目のステップの入力として受信され、実行が開始されます。
プロジェクトビューでステップを上下にドラッグすることで、プロジェク
ト内でステップを移動できます。
また、プロジェクトビューでステップを
右クリックし、ショートカットメニューから削除を選択すると、ステップ
を削除できます。
ただし、ステップの移動や削除を行った場合には、プロ
ジェクトの信号のステータスが変更されます。
たとえば、出力信号を生成
するステップを削除した場合に、削除された出力信号のいずれかが他のス
テップの入力になっているとプロジェクトの動作は中断され、プロジェク
トビューにエラーインディケータが表示されます。
また、プロジェクト内
でステップの切り取り、コピー、貼り付けを行うには、
<Ctrl-X>
<Ctrl-C>
<Ctrl-V>
のそれぞれのキーを押すか、プロジェクトビューのス
テップを右クリックしてショートカットメニューから切り取りコピー
選択したステップの前に貼り付け、または選択したステップの後に貼り付
を選択します。
3
プロジェクトの操作
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
3-8 ni.com/jp
エラーと警告を処理する
プロジェクトの実行中にエラーが発生した場合には、左に示すエラーイン
ディケータが、エラーが発生したステップのプロジェクトビューに表示さ
れます。
エラーが発生したステップをダブルクリックし、エラーの説明を
ステップ設定ダイアログボックスの下全体に表示します。
エラーの説明の
右にある詳細ボタンをクリックすると、エラーの全説明が表示されます。
エラーおよび警告はすべて、プロジェクトの実行中にイベントログに記録
されます。
イベントログを表示するには、表示→イベントログを選択し、
データビューのイベントログタブをクリックします。
エラーと警告の詳細
は、
LabVIEW SignalExpress
ヘルプ』を参照してください。このヘル
プは、ヘルプ→
LabVIEW SignalExpress
ヘルプを選択して検索タブをク
リックし、エラー」と入力すると表示されます。
© National Instruments Corporation 4-1 LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
4
信号を操作する
LabVIEW SignalExpress
では、信号の生成および解析を行い、プログラ
ミングを行わずに設計を評価することができます。
本章では、信号をグラ
フにプロットする方法、信号をファイルからインポートする方法、
2
つの
信号を対話式に整列して比較する方法、信号をファイルに保存する方法と
いった
LabVIEW SignalExpress
における信号の操作方法について説明し
ます。
信号をグラフ化する
サンプルプロジェクトの信号をプロットし、カーソルを使用して視覚的に
検証するには、以下の手順に従ってください。
1.
ファイル→プロジェクトを開くを選択し、
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
ディレクトリを参照して、
Signals.seproj
をダブルクリックします。
このプロジェクトでは、方形波を生成する
「アナログ信号を作成」ステップと、ローパスバタワースフィルタを
実行する「フィルタ」ステップを構成します。
2.
「アナログ信号を作成」ステップのステップ信号出力をデータビュー
にドラッグします。
3.
「フィルタ」ステップのフィルタ処理済みのステップ出力をデータ
ビューにドラッグします。
信号タイプが同じ信号は、同一のグラフにプロットすることができま
す。
ステップ信号フィルタ処理済みのステップ信号は、両方とも時
間領域信号であるため、同じグラフに表示されます。
異なるタイプの
信号をプロットする場合には、信号を同じグラフにドラッグすると、
新しいグラフが作成されます。
4.
左に示すツールバーのビューを追加ボタンをクリックし、新しいグラ
フを作成します。
5.
「フィルタ」ステップのフィルタ処理済みのステップ出力を新しいグ
ラフにドラッグします。
4
信号を操作する
LabVIEW SignalExpress
スタートアップガイド
4-2 ni.com/jp
6.
新しいグラフを右クリックし、ショートカットメニューから
表示項目→カーソルを選択して、
4-1
に示す
2
つの対話式カーソル
を表示します。
4-1 Signals.seproj
カーソルをドラッグするたびに、カーソルの
x
値と
y
値が更新され、
データビューの下方にあるカーソルの表に表示されます。
7.
ファイル→プロジェクトを別名で保存を選択し、プロジェクトを
My Signals.seproj
という名前で
SignalExpress
¥
Examples
¥
Tutorial
ディレクトリに保存します。
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National Instruments 373873C-01 ユーザーマニュアル

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測定
タイプ
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