Shodex FP-2002 (GPC) 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
ver.20221202J
株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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カラム取扱説明書
Shodex GPC FP-2002
カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要
警告 分析に使用する溶媒や試薬は、製造元が発行する安全データシート(SDS)を確認し、
使用上の注意事項を順守してください死亡または重傷を負う可能性があります。
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱うは、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またはS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 検査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにシリアルナンバの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびShodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex GPC FP-2002、高性能迅速分取用有機溶媒系サイズ排除クロマトグラフィー用カラムです有機溶媒系
での有機物やオリゴマーおよび高分子物質の迅速分取に適しています。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ
(mm)
粒径
(μm)
理論段数
カラム 1本当たり)
対象分子量範囲*
(ポリスチレン)
排除限界分子量*
(ポリスチレン換算)
内径 長さ
F6102520
GPC FP-2002
20.0
600
8
30,000
以上
100 ~ 5,000
8,000
F6700340
GPC FP-G 8B
8.0
50
8
(ガードカラム)
* 参考値としてご利用ください。
スチレンジビニルベンゼン共重合体多孔質粒子
SUS-316
オシネジ型
No. 10-32 UNF
クロロホルム
4. 使用可能条件
製品名
流量
(mL/min)
最大圧力
MPa/カラム)
温度範囲
()
常用
最大
GPC FP-2002
5 ~ 10
20
5
20 ~ 60
GPC FP-G 8B
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ジクロロエタン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)
アセトン
警告 ※クロロホルムなど塩素を含む溶媒は毒性があります。使用時は十分な換気を行ってください。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
高分子は、分子量が大きくなるほど分子鎖切断が起きやすくなります。分子鎖が切断されると真
分子量よりも小さい値を示したり、再現性が悪くなることがあります。分子鎖切断が起きている可能性が
ある場合は、流量を下げて分析することをお勧めします。
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起き
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は、使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。
(2) 子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ため、試料はあらかじめ
メンブランフィル(0.45 μm)などでろ過してください。
(3) 試料注入量は 500 ~ 2,000 μL が適切です。
(4) 高分子試料溶液の粘度は、高分子の分子量や濃度が大きく関係します。試溶液の粘度が高いとピーク幅の
広がりや溶出の遅れが生じ、分子量分布測定に影響を与えます。一般的に分子量が大きくなるほど粘度は
高くなるため、試料濃度を下げてください。下記の表を目安に試料溶液を調製してください。
試料の分子量範囲
濃度
(w/v)
~ 5,000
1.0 %
以下
5,000
~ 25,000
0.5 %
以下
(5) 試料に水、メタノール、ヘキサンなどが含まれる場合は、これらを取り除いてからカラムに注入してください。
注意 試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
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7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また
インジェクタ流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させる
おそれがあります
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られていラベルシー確認し、Flow 方向(へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接
してくださいガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 量を 5 mL/min 以下に設定し、通液を開始してくだい。カラムを加温して使用する場合は、設定温度
なるまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、 5 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります。
カラムを加温して使用した後は、流量を 5 mL/min 以下下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下が
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 ※使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、5 mL/min 下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液してください。
(1) カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒が混和するかどうかを確認してください。
(2) カラムに封入されている溶媒と混和性のある溶媒で置換する場合は、カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒
1:1 の混合溶媒を通液してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) クロロホルムから DMF に置換する時はクロロホルムと DMF 1:1 の混合溶媒を通液してから DMF
置換してください。
(3) カラムに封入されている溶媒と混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または
溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) クロロホルムから臭化リチウムを含む DMF に置換する時は、上記(2)手順で DMF 置換してから
臭化リチウムを含む DMF に置換してください。
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注意 溶離液組成の頻繁な変更はしないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
7-4. カラムの洗浄
流路系や試料不溶性物質または吸着性物質がカラム内蓄積するとで溶出挙動や圧変化が生じ
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は、
ガードカラムに原因がある可能性が高いた、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラム両方を洗浄てください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で
受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下で
通液することにより取り除けることがあります。
8. カラムの保管
使用した溶離液のまま、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化少ないところ(冷暗所)で保存して
ください。ただし、トリクロロベンゼンなどの融点が高く、保管時に固化する可能性が高い溶媒を使用した場合は、
出荷時封入溶媒に置換してから保存してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照し
ください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品CERTIFICATE OF ANA LYSISに記載されていますので確認してください。Shodexでは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用しております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS 記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. の他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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