Shodex LF-604 (GPC) 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
ver.20221202J
株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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カラム取扱説明書
Shodex GPC LF-604
カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要
警告 分析に使用する溶媒や試薬は、製造元が発行する安全データシート(SDS)を確認し、
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります。
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱うは、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またS/N)が記
されていますので確認してください。
(3) 検査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびShodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex GPC LF-604は、有機溶媒系のサイズ排除クロマトグラフィー用カラムで、高性能分析に対応したセミミクロ
カラムです。LF-604は、細孔分布の広い(細孔多分散型)充てん剤採用により、変曲点のない直線性の高
較正曲線が得られます。広い分子量分布を持つ高分子の子量分布測定に適しています。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ
(mm)
粒径
(μm)
理論段数
カラム 1本当たり)
対象分子量範囲*
(ポリスチレン換算)
排除限界分子量*
(ポリスチレン換算)
内径 長さ
F6021042
GPC LF-604
6.0
150
6
9,000
以上
300 ~ 2,000,000
F6709621
GPC LF-G
4.6
10
6
(ガードカラム)
* 参考値としてご利用くさい。
充てん剤
スチレンジビニルベンゼン共重合体系多孔質粒子
カラム材質
SUS-316
カラム末端接続ネジ
オシネジ型
No. 10-32 UNF
出荷時封入液
テトラヒドロフラン
(THF)
4. 使用可能条件
4-1. 基本条件
製品名
流量
(mL/min)
最大圧力
MPa/カラム)
温度
(
)
常用
最大
推奨
範囲
GPC LF-604
0.5
1.0
3.5
25 ~ 40 20 ~ 60
GPC LF-G
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4-2. 溶媒置換性
溶媒 置換性 溶媒 置換性
クロロホルム
ヘキサフルオロイソプロパノー
(HFIP)
*
四塩化炭素
N-
メチルピロリドン
(NMP)
*
トルエン ジメチルスルホキシド
(DMSO)
*
メチルエーテルケトン ヘキサン ×
30 % m-
クレゾール
/
クロロホルム
アセトニトリル ×
30 % o-
クロロフェノー
/
クロロホルム
メタノール ×
N,N-
ジメチルホルムアミ
(DMF)
* ×
N,N-
ジメチルアセトアミド
(DMAc)
*
: 置換可能 *: 40 ℃以上で使用 ×: 置換不可
基本の溶離液、テトラヒドロフラン(THF)です。可能な限り、安定剤(BHT)含有の THF を使用してください。
警告 THF は、空気中の酸素と反応すると徐々に過酸化物を生成します。過酸化物を濃縮すると爆発の
危険性があります。分画した試料溶液を濃縮する場合は、特に注意が必要です。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
BHT 不含の THF は、過酸化物が生成しやすく、ベースラインが安定しにくくなります。BHT 含の
THF を使用する場合は、開封直後のものを使用してください。
BHT 含有の THF も開封後、長時間経過したものは、過酸化物が生成している可能性がいため、
使用は避けてくださ
THF は吸湿性が高いため、使用中に大気中の水分を吸収しないように注意してください。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
高分子は、分子量が大きくなるほど分子鎖切断が起きやすくなります。分子鎖が切断されると真
分子量よりも小さい値を示したり、再現性が悪くなることがあります。分子鎖切断が起きている可能性が
ある場合は、流量を下げて分析することをお勧めします
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラ
フィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 有機溶媒はHPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお開封後長時間経過したものは使用ないでください。変性や吸湿、汚染などが起きて
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は、使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
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6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。
(2) 子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィル(0.45 μm)どでろ過してください
(3) 分子量が 1,000,000 以上の高分子試料は、溶離液中で半日から 1日静置し、試料を十分に膨潤させた後、試料
溶液を静かにかくはんして試料を完全に溶解させます。かくはんによる分子鎖切断に注意してください。
(4) 試料注入量は 5 ~ 30 μL が目安です。
(5) 高分子試料溶液の粘度は、高分子の分子量や濃度が大きく関係します。試料溶液の粘度が高いピーク幅の
広がりや溶出の遅れが生じ、分子量分布測定に影響を与えます。一般的に分子量が大きくなるほど粘度は
高くなるため、試料濃度を下げてください。下記の表を目安に試料溶液を調製してください。
試料の分子量範囲
濃度
(w/v)
~ 5,000
1.0 %
以下
5,000
~ 25,000
0.5 %
以下
25,000
~
200,000
0.25 %
以下
200,000
~ 2,000,000
0.1 %
以下
2,000,000
~
0.05 %
以下
(6) 試料に水、メタノー、ヘキサンなどが含まれる場合は、これらを取り除いてからカラムに注入してください。
注意 料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります
参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
7. カラムの使用方法
GPC LF-604 は、セミミクロカラムです。カラムの性能を十分に発揮するため、セミミクロ仕様の装置を使用して
ください。
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクタ流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させる
おそれがあります
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られていラベルシー確認しFlow 方向(へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接
してくださいガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
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(3) 流量を 0.1 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度にな
までは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、0.1 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります
カラムを加温して使用した後は、流量を 0.1 mL/min 以下に下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 ※使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、カラムを 40 ~ 60 ℃に加温し、0.1 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液
してください。
(1) カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒が混和するかどうかを確認してください。
(2) カラムに封入されている溶媒と混和性のある溶媒で置換する場合は、カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒
1:1 の混合溶媒を通液してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) THF から DMF に置換する時は、THF DMF 1:1 の混合溶媒を通液してから DMF に置換し
ください。
(3) カラムに封入されている溶媒と混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または
溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) THF から臭化リチウムを含む DMF に置換する時は、上記(2)の手順DMF に置換してから臭化リチウム
含む DMF に置換してください。
注意 溶離液組成の頻繁な変更はしないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
7-4. カラムの洗浄
流路系や試料不溶性物質または吸着性物質がカラム内蓄積することで溶出挙動や圧力変化が生じ
ことがあります。のような場は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定しください。これで改善する場合は
ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外して改善が見られない場合はガードカラムと分析カラムの両方を洗浄してください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で
受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下で
通液することにより取り除けることがあります。
8. カラムの保管
使用した溶離液のまま、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存して
ください。ただしDMSO どの融点が高く、保管時に固化する可能性が高い溶媒を使用した場合は、出荷時封入
溶媒に置換してから保存してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
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9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品CERTIFICATE OF ANA LYSISに記載されていますので確認してください。Shodexは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用ております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex® WEBサイトを参照ください
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. の他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)参照してください。その他
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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