Shodex GS-310 20G (Asahipak), GS-510 20G (Asahipak) 取扱説明書

  • Shodex Asahipak GS-310 20G、GS-510 20G、GS-10G 7Bカラムの取扱説明書の内容を理解しました。カラムの使用方法、洗浄方法、保管方法、トラブルシューティングなど、あらゆる質問にお答えできます。お気軽にご質問ください!
  • 使用可能な溶媒は?
    カラムの洗浄方法は?
    カラムの保管方法は?
    高分子試料の取り扱いについて
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カラム取扱説明書
Shodex Asahipak GS-310 20G, GS-510 20G
カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要
警告 分析に使用する溶媒や試薬は、製造元が発行する安全データシート(SDS)を確認し、
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱うは、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またS/N)が記
されていますので確認してください。
(3) 検査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびShodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex Asahipak GS-310 20GGS-510 20Gは、溶媒耐久性の高いポリマー系サイズ排除クロマトグラフィー
(SEC)用カラムです。水系の他、各種有機溶媒を用いたSEC分析が可能です。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名
サイズ (mm) 粒径
(μm)
理論段数
(カラム 1本当たり
対象分子量範囲*
(プルラン算)
排除限界分子量*
(プルラン算)
内径 長さ
F6810038
Asahipak GS-310 20G
20.0 500 13 14,000 以上 300 ~ 30,000 40,000
F6810039
Asahipak GS-510 20G
20.0 500 13
14,000
以上
5,000 ~ 200,000 300,000
F6710020
Asahipak GS-10G 7B
7.5 50 20 (ガードカラム
* 参考値としてご利用ください。
充てん剤
ポリビニルアルコール系多孔質粒子
カラム材質
SUS-316
カラム末端接続ネジ
オシネジ型
No. 10-32 UNF
出荷時封入液
/
メタノール
=70/30
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4. 使用可能条件
4-1. 基本条件
4-2. 使用可能溶媒
溶媒 製品名
GS-310 20G
GS-510 20G
メタノール
エタノール
アセトニトリル
テトラヒドロフラン
(THF)
アセトン
2-
プロパノー
(IPA)
酢酸エチル
N,N-
ジメチルホルムアミ
(DMF)
ジオキサン
ジメチルスルホキシド
(DMSO)
50 %
以下)
50 %
以下)
クロロホルム
: 置換可能
(1) リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、トリスなどの各種緩衝液や塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム、硫酸アンモニウムなどの各種塩の水溶液が使用可能です。また、両者の併用も可能です。全塩濃度
は、0.5 M 以下にしてください。通常は0.05 ~ 0.3 M が適当です。
(2) DMF DMSO に臭化リチウムなどの塩を添加して使用することも可能です。添加の目安は、10 ~ 50 mM です。
(3) タンパク質の変性剤である尿素や塩酸グアニジンの水溶液も使用可能です。ただし、これらの水溶液は通常
高濃度水溶液で使用するため、溶媒置換時にカラムを劣化させるおそれがあります。専用カラムとして使用する
ことをお勧めします。
(4) SDS Brij-35 などの界面活性剤を添加することも可能です。ただし、界面活性剤はカラムに残留しやすいため、
使用後の溶媒置換は、一般的な溶媒との置換に比べて時間を要します。30 ~ 50 % (v/v)程度のメタノール
水溶液で置換すると比較的短時間で行えます。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
緩衝液(または塩の水溶液)と有機溶媒の混合溶媒を使用する場合は、塩が析出しないことを確認して
ください。
塩化ナトリウムなど腐食性の高い塩を使用する場合は、分析終了後、装置やカラムに塩が残ないよう
洗い流してください。装置やカラムの金属部分が錆びるおそれがあります。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
製品名
流量
最大圧力
MPa/カラム) pH 範囲 温度範囲
()
常用
最大
Asahipak GS-310 20G
5 ~ 8 12 2.0 2 ~ 9 4 ~ 60
Asahipak GS-510 20G
Asahipak GS-10G 7B
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高分子は、分子量が大きくなるほど分子鎖切断が起きやすくなります。分子鎖が切断されると真の
分子量よりも小さい値を示したり、再現性が悪くなることがあります。分子鎖切断が起きている可能性が
ある場合は、流量を下げて分析することをお勧めします
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラ
フィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後の HPLC グレードの蒸留水を使用してください。
有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用ないでください。変性や吸湿、汚染などが起きて
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は、使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。
(2) 子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあかじめ
メンブランフィル(0.45 μm)どでろ過してください
(3) 分子量が 1,000,000 以上の高分子試料は、溶離液中で半日から 1日静置し、試料を十分に膨潤させた後、試料
溶液を静かにかくはんして試料を完全に溶解させます。かくはんによる分子鎖切断に注意してください。
(4) 試料注入量は 1 mL 以下が目安です。
(5) 高分子試料溶液の粘度は、高分子の分子量や濃度が大きく関係します。試料溶液の粘度が高いとピーク幅
広がりや溶出の遅れが生じ、分子量分布測定に影響を与えます。一般的に分子量が大きくなるほど粘度は
高くなるため、試料濃度を下げてください。下記の表を目安に試料溶液を調製してください。
試料の分子量範囲
濃度
(w/v)
~ 5,000
1.0 %
以下
5,000
~ 25,000
0.5 %
以下
25,000
~
200,000
0.25 %
以下
200,000
~ 2,000,000
0.1 %
以下
2,000,000
~
0.05 %
以下
注意 試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります
参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクタ流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
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注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させる
おそれがあります
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシール認し、Flow 方向(へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接
してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 3.0 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度に
なるまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
(4) カラムを複数本連結して使用することが可能です。排除限界分子量が異なるカラムを連結する場合は、上流側
排除限界分子量が大きいカラムを配置してください。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、3.0 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります
カラムを加温して使用した後は、流量を 3.0 mL/min 以下下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、3.0 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液してください。
(1) カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒が混和するかどうかを確認してください。
(2) カラムに封入されている溶媒と混和性のある溶媒で置換する場合は、カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒
1:1 の混合溶媒を通液してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) 水から THF に置換する時は、水と THF 1:1 の混合溶媒を通液してから THF に置換してください。
(3) カラムに封入されている溶媒と混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または
溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) THF から臭化リチウムを含む DMF に置換する時は、上記(2)の手順で DMF に置換してから臭化リチウムを
含む DMF に置換してください。
注意 溶離液組成の頻繁な変更はしないでください。カラムを劣化させるおそれがあります
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7-4. カラムの洗浄
流路系や試料不溶性物質または吸着性物質がカラム内蓄積することで溶出挙動や圧力変化が生じ
ことがあります。のような場は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定しください。これで改善する場合は
ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外して改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラム両方を洗浄してください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で
受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下
の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) 吸着性物質の具体的な洗浄方法は下記の例を参考にしてください。カラム洗浄時は、カラムを逆向きにつな
替えてください。流量は 3.0 mL/min 以下で行ってください。通液量はカラム体積の 5 ~ 10 倍量が目安です
(洗浄例 1 疎水性物質の洗 (水系溶離液の場合)
アセトニトリルやメタノールなどの極性有機溶媒を添加して通液します。
(洗浄例 2 イオン性物質の洗浄
塩濃度を上げて通液します。
注意 極性有機溶媒や塩濃度は、「4-2. 使用可能溶媒」の範囲内で添加してください。
洗浄液のまま長時間封入するとカラムの劣化を早めるおそれがあります。カラム洗浄後は速やかに
溶離液に置換してください。
8. カラムの保管
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存
してください。溶離液の置換については、「7-3. 離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品CERTIFICATE OF ANALYSISに記載されていますので確認してください。Shodexでは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用ております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合はCERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)参照してください。その他
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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