SCM810
8 チャンネルマイクロホンミキサー
Shure SCM810 eight-channel microphone mixer user guide
Version: 5.1 (2020-K)
Shure Incorporated
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Table of Contents
SCM810 8 チャンネルマイクロホンミキサー 3
安全のための重要注意事項 3
概要 4
システムの機能 4
動作原理 4
フロントパネルの機能 4
リアパネルの機能 6
DIPスイッチ 7
ミキサーのラックマウント 8
SCM810/Eの接続 8
出力リミッター設定 9
イコライザー機能 9
自動ミキサーとのイコライザー/フィードバックコントローラー
の使用 10
ミキサーの基本操作 10
複数のミキサーのネットワーク 10
グローバル/ローカル機能 11
リンクケーブル 12
交換パーツ 12
仕様 12
サービスステートメント 15
認証 15
拡張機能 15
15
ロジック接続の仕様 15
推奨ロジックアプリケーション 17
内部の変更 21
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SCM810
8 チャンネルマイクロホンミキサー
安全のための重要注意事項
この説明書をお読みください。
この説明書を保管しておいてください。
警告事項すべてに留意してください。
すべての指示に従ってください。
この製品は水の近くで使用しないでください。
掃除は乾いた布でから拭きするだけにしてください。
通風口を塞がないようにしてください。十分な換気ができるよう余裕を持たせ、メーカーの指示に従って設置してくださ
い。
火、ラジエーターや暖房送風口、ストーブ、その他、熱を発生する機器 (アンプなど) の近くには設置しないでください。
火が出る物を製品の上に置かないでください。
有極プラグやアース付きプラグは安全のために用いられていますので、正しく接続してください。有極プラグは、2本のブ
レードのうち一方が幅広になっています。アース付きプラグは2本のブレードの他に、3本目のアース端子がついています。
幅広のブレードや3本目の棒は、安全のためのものです。これらのプラグがコンセントの差し込み口に合わない場合は、電
気工事業者に相談し、コンセントを交換してもらってください。
電源コードは特にプラグ差し込み部分、延長コード、機器から出ている部分において、引っかかって抜けたり挟まれたりし
ないように保護してください。
アタッチメントや付属品は必ずメーカー指定のものをご利用ください。
カートやスタンド、三脚、ブラケット、テーブル等はメーカー指定のものか、この装置用に販売されているものを必ずご利
用ください。カートに装置を載せて動かす際はつっかけて怪我をしないよう注意してください。
雷を伴う嵐の際、または長期間使用しない場合は、プラグをコンセントから抜いてください。
整備の際は、資格のある整備担当者に必ずご相談ください。電源コードやプラグの損傷、液体や異物が装置内に入り込ん
だ場合、装置が雨や湿気に曝された場合、正常に作動しない場合、装置を落とした場合など、装置が何らかの状態で損傷
した場合は、整備が必要です。
水滴や水しぶきに曝さないでください。液体の入った花瓶などを装置の上に置かないでください。
MAINSプラグまたはアプライアンスカップラーが使用できる状態にしておいてください。
装置の空気伝播音は70 dB（A）を超えません。
クラスI構造の装置は保護接地接続のある主電源の壁コンセントに接続してください。
火災や感電の危険を避けるため、本機器は雨や湿気のある場所にさらさないでください。
本製品の改造は試みないでください。けがや製品の故障の原因となる可能性があります。
本製品は指定された動作温度範囲内で使用してください。
この記号は、この装置内に感電の危険性のある高電圧があることを示します。
この記号は、重要な操作・メンテナンスの説明が装置添付の文書に記載されていることを示します。
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警告: この装置内には、生命の危険を伴う高電圧が存在します。ユーザーは内部の部品を保守できません。保守の際は、資格のある保守担当者に必ずご相談くだ
さい。使用電圧の工場出荷時設定が変更された場合は、安全保証は適用されません。
概要
ShureモデルSCM810/Eは、拡声、録音、放送等用としてデザインされた8チャンネルオートマイクロホンミキサーです。SCM810
を使って、複数のマイクロホンが必要となるアプリケーションにおいて、音質を大幅に改善できます。あらゆるローインピーダンス
のダイナミック型マイクロホンやコンデンサー型マイクロホン（ワイヤレスを含む）がSCM810/Eと使用できます。複数のSCM810
ミキサーを他のSCM810/EミキサーおよびShureモデルFP410、SCM410、SCM800にリンクできます。
各入力チャンネルには、2バンドイコライザーと3つのロジック端子があります。イコライザーにより、低周波での不要な収音を低
減し、ラベリア、バウンダリー、ハンドヘルドなどの異なるタイプのマイクロホンを同等の音質に整えます。ロジック端子は、外部
デバイスを制御するために使用できます。SCM810は120 VAC電源で、SCM810Eは230 VAC電源でそれぞれ動作します。各ミキ
サーには、電源コード、ラックマウント金具、およびリンクケーブルが付属しています。
システムの機能
バックグラウンドルームノイズの変化に対して自動的に調整される、高速動作でノイズフリーなマイクロホン選択
追加のマイクロホンがアクティブになるとゲインを自動調整
ラストマイクロックオン回路により周囲の音を調整
チャンネルごとに調整可能な低周波ロールオフおよび高周波シェルビング
チャンネルのアクティベーションおよびクリッピングインジケーター
スレッショルドとLEDインジケーターを選択可能なピーク応答出力リミッター
アクティブバランスマイク/ライン入力およびライン/レベル出力
手動でレベルコントロール可能なAuxレベル入力
レベルコントロール可能なフロントパネルのヘッドホン出力
最大400までのマイクロホンリンク機能
動作原理
SCM810/E自動ミキサーの動作コンセプトは、Shure独自のIntelliMix
®
回路です。IntelliMixは、3つの異なる機能を組み合わせて、
シームレスな自動ミキシングを実現します。
ノイズ適応スレッショルド。入力チャンネルごとに、変化のないバックグラウンドノイズ（空調など）と変化のある音（ス
ピーチなど）を区別します。継続的にアクティベーションスレッショルドを調整することで、スピーチレベルがバックグラウン
ドノイズよりも大きくなったときだけチャンネルをアクティブにします。
MaxBus。1つの音源に対してアクティブにできるチャンネル数を制御します。発言者が1人の場合、複数のマイクロホンがそ
の発言者の声を「拾う」場合でも、1つのチャンネルのみがアクティブになります。
ラストマイクロックオン。別のマイクロホンがアクティブになるまで、最後にアクティブになっていたマイクロホンをオープン
のままにします。ラストマイクロックオンがなければ、会話中に長い休止がある場合にすべてのマイクロホンがオフになり、
音声信号が失われているかのように聞こえてしまいます。ラストマイクロックオンによって、バックグラウンドの環境音を常
に存在させることができます。
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フロントパネルの機能
モデルSCM810フロントパネル 図1
① マイクロホンチャンネルゲインコントロール1～8：
マイクロホンのゲイン調整ができます。
② 入力LED 1～8：
チャンネルがアクティブな場合は緑色に点灯します。クリッピングレベルの6 dB下までになると赤色に点灯します。
③ ローカットフィルター1～8：
凹型ドライバーを使って低周波の可変ロールオフ（ハイパス）を調整し、不要な低周波信号を低減します。
④ 高周波シェルビングフィルター1～8：
中/高周波領域のレベルブーストまたはカットができます。収音軸を外れたトーンを補正したり、高周波シビランスをカットし
たりします。
⑤ AUXレベルコントロール：
隣接する1/4インチINPUTフォンジャックまたはリアパネルの1/4インチAUX入力に接続されたAuxレベル機器の入力レベルを設
定します。
⑥ 1/4インチAux INPUTフォンジャック：
外部の補助またはラインレベルのソースを出力にミックスします。この出力は自動ではありません。すべてのリンクミキサーの
出力で信号が表示されます。
⑦ MASTERレベルコントロール：
全体的なミックスレベルを決定します。
⑧ 出力レベルメーター：
9段階のLEDメーターで、ピーク出力信号レベルを示します。最後のLEDはリミッターの動作を示します。
⑨ PHONESコントロールおよび1/4インチフォンジャック：
ヘッドホンを介してミキサー出力をモニターすることができます。PHONESノブでヘッドホンの出力レベルを制御します。
⑩ 電源LED：
ユニットの電源を入れるとグリーンに点灯します。
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リアパネルの機能
SCM810リアパネル 図2
⑪ AC電源コネクターおよびロッカースイッチ：
電源にプラグを挿している場合、コネクターからユニットにAC電源が供給されます。ロッカースイッチでユニットをオンにしま
す。
⑫ マイクロホンロジック：
各チャンネルのゲートアウト、ミュートイン、およびオーバーライドインロジック端子のあるDB-25オスコネクターインター
フェイスです。「
推奨ロジックアプリケーション
」セクションを参照してください。注：これはRS-232ポートではありません。
⑬ DIPスイッチ：
7ポジションDIPスイッチによって、ミキサーのセットアップオプションを設定できます（「DIPスイッチ」セクションを参照）。
⑭ LINK IN/OUTジャック：
追加入力用に複数のミキサーをスタックすることができます。最大50台のSCM810ミキサーをリンクすることができます。
⑮ LINE OUTPUT取り外し可能ブロックコネクター：
アンプ、レコーダーまたは他のミキサーに接続するための、アクティブバランスラインレベルの信号です。出力はマイクロホン
レベルに変更できます（「
内部の変更
」を参照）。
⑯ DIRECT OUT1/4インチフォンジャック：
各チャンネルからの非ゲートAuxレベル信号を利用できます。ダイレクトアウトは、プリフェーダーとプリEQに接続されていま
す。ゲートチャンネル出力、送信/受信挿入ポイント、またはミキシングコンソール用の外部スピーチゲートとして使用できる
ように変更できます（「
内部の変更
」セクションを参照）。
⑰ AUX/D.O./D.O.スイッチ：
ライン出力コネクターの背部のこのスイッチで、チャンネル8のダイレクトアウトジャックとしてAux入力機能またはダイレクト
出力機能のいずれかを選択します。スイッチを左の位置にするとAUX IN、中心および右の位置はDIRECT OUTです。
⑱ INPUT 1～8取り外し可能ブロックコネクター：
アクティブバランスマイクロホンまたはラインレベル入力。
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⑲ 入力1～8 MIC/PHM/LINEスイッチ：
取り外し可能ブロックコネクターの背部のこのスイッチで、マイクロホンレベル（左）、48 Vファントム電源のマイクロホンレ
ベル（中央）、またはラインレベル（右）信号による動作を選択します。
DIPスイッチ
リアパネルDIPスイッチで、次のセットアップオプションを利用できます。太字で表示されている位置は、工場出荷時の設定で
す。
注：スイッチの位置と効果は、図3およびミキサーのラベルにも表示されています。
変更可能な機能スイッチ 図3
DIPスイッチSW702の機能
スイッチ機能 手動/自動
ラストマイク
ロックオン
ホールド時
間
オフアッテ
ネーションレ
ベル
リミッタースレッショルド
リンクローカ
ル/グローバ
ル
スイッチ位置番号 1 2 3 4 5、6 7
スイッチUp 自動 オン 0.4秒 15 dB
5 Up、6 Up
=リミッ
ターオフ
グローバル
5 Down、6
Up
= +8 dBm
5 Up、6
Down
= +16 dBm
5 Down、6
Down
= +4 dBm
スイッチDown 手動
ホールド時間
後にすべての
マイクをオフ
1.0秒
∞（完全にオ
フ）
ローカル
手動/自動：手動の位置にすることで自動アクティベーションを無効にします。手動モードでは、標準の8x1ミキサーとして機能し
ます。
ラストマイクロックオン：ラストマイクロックオン機能で、新しくアクティブになったマイクロホンに切り替わるまで、最後にアク
ティブになっていたマイクロホンがオンになります。無効になると、マイクロホンはプリセットのホールド時間後にオフになりま
す。
ホールド時間：音声通話が停止した後も、アクティブになっている（ロックオンされていない）マイクロホンをオンにしたままにす
る時間を調整します。設定は0.4秒または1.0秒です。
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オフアッテネーション：オフアッテネーションレベルを15 dBから無限（∞）に変更します。15 dBの設定では、未使用のマイクロ
ホンがアクティブになったときよりも 15 dB低いレベルになります。∞の設定では、未使用のマイクロホンは完全にオフになりま
す。
リミッタースレッショルド：出力リミッターのスレッショルドを変更します。設定はオフ（出荷時設定）、+16 dBm、+8 dBm、ま
たは+4 dBmです（他のスレッショルド設定については、「
内部の変更
」を参照）。
リンクグローバル/ローカル：SCM810のリンクされた各出力に独自のプログラム出力だけを含めるか、またはリンクされているす
べてのミキサーのプログラム出力を含めるかを決定します（詳細については、「
ミキサーリンク
」を参照）。
ミキサーのラックマウント
SCM810を標準の483 mm（19インチ）オーディオ機器ラックに取り付けるには、ミキサーをラックに挿入し、付属のプラスネジ
で固定します（図4を参照）。4本のネジをすべて使用してください。
SCM810/Eのラックマウント 図4
SCM810/Eの接続
次のようにオーディオ接続します（図5を参照）。
マイクロホンまたはラインレベルの信号ソースをチャンネル入力コネクターに接続します（従来の2芯シールドケーブルを
使用）。
ドライバーまたはその他の工具を各ブロックコネクターの上のスロットに挿入し、必要に応じて入力スライドスイッチを調
整します。マイクロホン（左の位置）、48 Vのファントム電源のマイクロホン（中央の位置）、またはラインレベル（右の
位置）。
ミキサー、EQ、アンプまたはレコーダーの入力にSCM810ラインレベル出力を接続します。
ヘッドホンでモニターするには、ヘッドホンをフロントパネルの1/4インチフォンジャックに接続します。
電源コードを120 VAC（SCM810）または230 VAC（SCM810E）に接続します。動作電圧を変更する場合は、「
内部の変
更
」セクションを参照してください。
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オーディオ接続 図5
出力リミッター設定
出力リミッターは、通常のプログラムレベルには影響を与えずに、大音量のプログラムピーク時の歪みを防止します。これによっ
て、SCM810/Eの出力に接続したデバイスの過負荷を防ぐことができます。
個々のチャンネルまたはマスターゲインコントロールを増やすと、平均出力が増加し、同様に、制限の量が増えます。出荷時には
出力リミッターが無効になっています。ただし、最大出力レベルが+4、+8、または+16 dBmになるようにリミッタースレッショル
ドを変更することができます。「
内部の変更
」セクションを参照してください。
イコライザー機能
ローカットフィルター（ハイパス）
ローカット（またはハイパス）フィルターを使用すると、カットオフポイントより上の全周波数がフィルター入力からフィルター出
力に減衰せずに通過し、カットオフより下の周波数が減衰します（図6を参照）。カットオフポイントは、信号がフラット（バンド
パス）領域に対して3 dB低下した周波数として定義されます。カットオフポイントより下では、フィルターは周波数が下がるにつ
れて、より多くの減衰を示します。この減衰が発生するレートは、1オクターブあたりのデシベル（dB/oct）で定義されます。
SCM810は1オクターブあたり6 dBのワンポールローカット（ハイパス）フィルターを備えています。
ローカットフィルターは本来、外部ノイズ、過度の近接効果、またはその他の不要な素材が存在するオーディオ信号の減衰または
ロールオフのために使用されます。例えば、足音や車両の通過が原因の低周波振動は、マイクロホンスタンドを介してマイクロホ
ンに、さらにサウンドシステムに伝達することがあります。これらの周波数（通常5～80 Hzの範囲）は、一般的には望ましくあり
ません。
ローカットフィルターの効果 図6
高周波シェルビング
固定周波数イコライザーは、5 kHz以上で6 dBブーストまたはカットを生成します（図7を参照）。高周波シェルビングは、フラッ
ト周波数特性をブーストしたり、非常に歯擦音の多いボーカルマイクロホンを軽減したり、あるいは収音軸外のラベリアマイクロ
ホンの音を向上させるために非常に便利です。
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周波数（Hz）高周波シェルビングの効果 図7
自動ミキサーとのイコライザー/フィードバックコン
トローラーの使用
アウトボードのイコライザーやフィードバックコントローラーを信号チェーン上に持つサウンドシステムをセットアップする場合に
は、SCM810をマニュアルに設定します。これによってすべてのマイクロホン入力がアクティブになり、利用できるすべてのフィー
ドバックパスが開きます。マニュアルモードのSCM810を使って、サウンドシステムをイコライジングし、フィードバックコント
ローラを設定してその部屋を「鳴らしきる」ことができます。
サウンドシステムをイコライジングしたら、SCM810を自動モードに設定します。自動ミキサーの入力は、アクティブな入力数が
倍増するたびに3 dBずつ低下することに注意してください。手動モードでSCM810を使用する場合、8つの入力がすべてアクティ
ブになると、マスター出力は9 dB減少します。反対に、自動モードに戻すと9 dB上昇します。
ミキサーの基本操作
電源スイッチをオンにします。
各チャンネルレベルを調整して、オーバーロードLEDが非常に大きな音声またはノイズの発生時にのみ点滅するようにしま
す。
未使用のチャンネルコントロールを反時計回りに回しきっておきます。
SCM810マスターレベルコントロールは出力ピークメーターで表示されます。必要な出力レベルまで調整します。
ヘッドホンによるモニターを使用する場合は、目的の音量レベルに達するまでPHONESコントロールノブを調整します。こ
れで、SCM810/Eを使用する準備が整いました。
注：SCM810/Eミキサーは全自動です。ほとんど用途において、追加の調整は必要ありません。
複数のミキサーのネットワーク
追加の入力が必要な場合は、付属のリンクケーブルを使用して、SCM810ミキサーをさらに（50台まで）を「リンク」させることが
できます。このような構成では、最大400のマイクロホン入力を利用することができます。
複数のミキサーをリンクするには、最初のミキサーのLINK OUTを次のミキサーのLINK INに接続します（図8を参照）。接続され
ていない最初のミキサーのLINK INとの最後のミキサーのLINK OUTジャックはそのままにしておきます。
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ミキサーのリンク 図8
すべてのミキサーのリンクジャックが接続されている限り（出力から入力、順番、Link Inジャック1つとLink Outジャック1つに何
も接続していない状態）、自動ミキシング機能がすべてのユニットで共有されます。すべての入力信号は、すべてのリンクミキ
サー出力に表示されます。
リンクされた各ミキサーの出力コントロールと機能はポストリンクであり、リンクされた他のミキサーの出力に表示される信号に
は影響しません。各ミキサーのマスターレベルコントロールは、各自の出力のみを制御します。各出力は個別に使用できます。
注：15 dBスイッチ位置での実際のオフアッテネーションは、ミキサーがさらにリンクされるにつれて増加します。これにより、減衰されたマイクロホンの増加に
よって発生する過度のノイズや残響が低減されます。リンクされたシステムでは、すべてのミキサーのAux入力は、リンクされた各ミキサーの出力に表示されま
す。Aux信号のリンクを無効にするには、「内部の変更」を参照してください。
重要：リンクされたミキサーのロジック端子を使用する場合は、各ユニットのLOGIC GROUND端子をそれぞれ接続してくださ
い。この処理を行わないと、クリックの切り替えが発生する可能性があります。
グローバル/ローカル機能
グローバル/ローカルスイッチで、そのリンクされたミキサーの出力に表示される入力チャンネルを選択します。グローバルの位置
に設定すると、すべての入力チャンネルがそのミキサーの出力に表示されます。ローカルの位置に設定すると、そのミキサーの出
力には、自身の8つの入力チャンネルのみが表示されます。マスターレベルコントロールは、どのモードでも、自身の出力のレベル
のみを制御します。
マスターレベルコントロールは、グローバル/ローカルスイッチから独立しています。各ミキサーの出力レベルは、自身のマスターコ
ントロールのみに影響されます。すべての自動機能（ラストマイクロックオンやMaxBusなど）は、リンクされたすべてのミキサー
と接続され、グローバル/ローカルスイッチに影響されません。
このセットアップで設定可能な例を図9に示します。ここでは、2台のSCM810がローカルに設定され、結果として得られるサウン
ドの分布によって、フィードバックを回避しながらローカルで拡声されます。これは、シンプルな「ミックスマイナス」セットアップ
です。3台目のSCM810はグローバルに設定され、テープレコーダーに入力します。同時に、自動機能（ラストマイクロックオンな
ど）は、すべてのミキサーに共通のままになります。次の表は、ミキサーの設定をまとめたものです。
ミキサー リンクグローバル/ローカルスイッチ オーディオ出力に含まれるもの：
A ローカル A
B ローカル B
C グローバル A、B、C
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リンクされたSCM810ミキサー 図9
リンクケーブル
追加のリンクケーブルは、Shure部品番号95A1143（305 mm/12インチ）としてご利用いただけます。さまざまな長さのより長い
ケーブルは、Appleコンピューターのコンピューターとプリンターの接続用のものが利用可能です。Appleではこれらは「ミニDIN-8
コネクター付きシールドシリアルケーブル」および「Appleシステムペリフェラル8ケーブル」などと呼ばれています。
交換パーツ
ブロックコネクター 95A8580
ノブ、チャンネルゲインとフォン（白） 95A8238
ノブ、チャンネルゲイン（青） 95B8238
ライン（電源）コード（SCM800） 95B8389
ライン（電源）コード（SCM810E） 95C8247
リンクケーブル 95B8889
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仕様
周波数特性
電圧ゲイン
出力
(typical, controls full clockwise)
Line ヘッドホン ダイレクト出力
(typical, controls full clockwise)
ローインピーダンス マイクロホン (150 Ω) 80dB 88dB 34dB
Line 40dB 48dB -6dB
Aux 44dB kΩ 52dB -
センド/リターン 20dB 28dB -
Inputs (入力)
インピーダンス
との使用用途で設計 典型的 出力クリッピングレベル
マイクロホン 19-600Ω 1.6kΩ -15dBV
Line ≤2kΩ 10kΩ +22dBV
Aux ≤2kΩ 10kΩ +22dBV
センド/リターン ≤2kΩ 10kΩ +18dBV
出力
インピーダンス
との使用用途で設計 典型的 出力クリッピングレベル
Line >600Ω 60Ω +18dBV
ヘッドホン 8-200Ω, 60Ω 推奨 300Ω +12dBV
ダイレクト出力 >2kΩ 1kΩ +18dBV
センド/リターン >2kΩ 1kΩ +18dBV
THD（全高周波歪率)
<0.1%at +18dBVoutput level, 50Hz to 20kHz(through 20Hz-20kHz filter); Input 1 and Master at 5, all
other controls full counterclockwise)
Hum and Noise
等価入力ノイズ -125dBV(150Ω source; through 400Hz-20kHz filter)
等価入力ハムおよびノイズ -123dBV(150Ω source; through 20Hz-20kHz filter)
出力ハムおよびノイズ
through 20Hz-20kHz filter; channel controls full
counterclockwise
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マスター 反時計回りに一番左 -90dBV
マスター 時計回りに一番右 -70dBV
同相除去比
>70dB at 1 kHz
極性
Mic/Line, Send inputs to all outputs are non-inverting; Aux input to all outputs is inverting
入力チャンネルのアクティベーション
アタック 時間 4 ms
押し続ける 時間 0.4 ms (Switchable to 1.0 s)
減衰 時間 0.5 s
オフアッテネーション
15dB (switchable to∞)
オーバーロードおよび短絡保護
Shorting outputs, even for prolonged periods, causes no damage. Microphone inputs are not damaged by
signals up to 3 V; Lines and Monitor inputs by signals up to 20 V
イコライゼーション
低周波数 6 dB/オクターブcut, adjustable corner from 25 to 320Hz
高周波数 ±6dBat 5kHz, ±8dBat 10kHz, shelvingat 5
リミッター
タイプ ピーク
スレッショルド 切り替え可能: off, +4, +8, +16 (dBm (クラス 出力)
アタック 2 ms
Recovery 300 ms
Indicator Lights red when limiting occurs
入力LED
Green on channel activation, red at 6dBbelow clipping
ファンタム電源
46VDC 開回路 スルー 6.8 kΩ series resistance per DIN 45 596
使用電圧
SCM810 120 V AC レート 公称, 50/60 Hz, 200 mA
SCM810E 230 V AC レート 公称, 50/60 Hz, 100 mA
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温度範囲
使用温度範囲 0° to 60° C (32° to140° F)
保存温度 -30° to 70° C (-20° to165° F)
寸法
44.5 mm H x 483 mm W 317 mm D (1¾ x 19 x 12½ in.)
質量
4.3kg (9 lb ., 9 オンス)
サービスステートメント
サービスまたはパーツについてのその他の情報は、Shureサービス部門までお電話でお問い合わせください：1-800-516-2525（米国内のみ）。米国外のお客様は、
認可Shureサービスセンターまでお問い合わせください。
認証
SCM810：Underwriters Laboratories, Inc.記載、cUL認証（カナダ）。SCM810E：欧州連合指令に適合、EN60065について認
定、CEマーキングに適格、欧州EMC指令2004/108/ECに適合。住宅（E1）および軽工業（E2）環境に対し、EN55103-1:1996
およびEN55103-2:1996の整合規格に対応。
本製品は、関連するすべての欧州指令の基本的要件を満たし、CEマークに適合しています。
CE適合宣言書は以下より入手可能です：www.shure.com/europe/compliance
ヨーロッパ認定代理店：
Shure Europe GmbH
ヨーロッパ、中東、アフリカ地域本部：
部門：EMEA承認
Jakob-Dieffenbacher-Str.12
75031 Eppingen, Germany
TEL：+49-7262-92 49 0
FAX：+49-7262-92 49 11 4
Eメール：[email protected]
拡張機能
SCM810の拡張機能は、オーディオ電子機器の技術的知識があり精通されている方にのみ推奨いたします。
ロジック接続の仕様
SCM810のロジック機能は、ミキサーのインストール範囲とコントロールオプションを拡張します。ロジックは、単純なカフスイッ
チから精密なコンピューター制御の室内システムに至るまで使用することができます。（ShureのAMS Updateの出版物には、高
度なロジックの追加の使用法が含まれています。この出版物は、Shureのアプリケーショングループに連絡することにより入手可
能です。）以下のロジック機能は各チャンネルで使用できます：
ゲートアウト：チャンネルゲートに従い、マイクロホンのゲートがオンとされた際に、ロジックは「ロー」（流込電流）になります。
500 mAの電流の流れ込みに対応できます（図10Aを参照）。
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ロジック等価回路図 図10
ミュートイン：ロジック「ロー」を加えると（ゲートアウトから、またはロジックアースへのスイッチを閉じる）、チャンネルがオフ
になります（図10Bを参照）。チャンネル出力は-にドロップします。
オーバーライドイン：ロジック「ロー」を加えると（ゲートアウトから、またはロジックアースへのスイッチを閉じる）、チャンネル
が強制的にオンになります（図10Bを参照）。工場出荷時の設定では、ミュートとオーバーライドの両方を有効にすると、ミュー
トが優先されます（オーバーライドの優先については、「
内部の変更
」を参照してください）。
ロジックアース：ロジックアースは、SCM810音声アースとは別になっています。ロジックアースの接続はすべてこのピンにしてく
ださい。外部ロジック回路の電源アースもこれに含みます。切り替えクリックを避けるには、ロジックアースをオーディオ、シャー
シまたはラックのアースには接続しないでください。ロジックコントロールには、リアパネルのDB-25マルチピンコネクターからア
クセスできます（図11）。ピンの接続は、次の表に示されています。
ロジックコネクター 図11
ロジック接続
ロジック機能 入力チャンネル コネクターピンの番号
ゲートアウト1 ゲートアウト2 ゲートアウト3 ゲート
アウト4 ゲートアウト5 ゲートアウト6 ゲートアウト
7 ゲートアウト8
12345678 1 15 4 18 7 21 10 24
オーバーライドイン1 オーバーライドイン2 オーバー
ライドイン3 オーバーライドイン4 オーバーライドイ
ン5 オーバーライドイン6 オーバーライドイン7 オー
バーライドイン8
12345678 14 3 17 6 20 9 23 12
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ロジック機能 入力チャンネル コネクターピンの番号
ミュートイン1 ミュートイン2 ミュートイン3 ミュー
トイン4 ミュートイン5 ミュートイン6 ミュートイン
7 ミュートイン8
12345678 2 16 5 19 8 22 11 25
ロジックアース すべて 13
推奨ロジックアプリケーション
このセクションには、SCM810のロジック機能の推奨使用方法が記載されています。これらの機能の使用は記載されているアプリ
ケーションに限られないことに留意してください。ユーザーは、個々の想像力と創造性によってのみ制限されます。他の推奨事項
や、インストール時の問題のソリューションについては、Shureのアプリケーショングループまでお問い合わせください。
次の段落では、図4で示されているDB-25コネクターピンを使った配線図を示します。
カフボタン
変更したいチャンネルのミュートインとロジックアースピンの間にSPSTプッシュボタンスイッチを設けることで、話し手は、咳こ
んだりプライベートな会話中にマイクロホンをオフにすることができます（図12のチャンネル1、2、および3変更を参照）。チャン
ネルがミュートのとき、音声は送られません（ミュートインロジックの詳細については、「内部の変更」セクションの「ミュートイン
無効時のデッドゾーン」を参照してください）。
カフボタン 図12
司会者コントロールミュート
司会者は、スイッチを作動させて、他のすべてのマイクロホンをミュートして、他の人に中断されることなく話すことができます。
このモードでの操作については、司会者のチャンネルを除くすべてのミュートインピンを一緒に接続し、これらのミュートインとロ
ジックアースピンの間にSPSTプッシュボタンまたはトグルスイッチを配線します（図13を参照 - 司会者はチャンネル1として表示
される）。スイッチの代わりとして、司会者のゲートアウトを他のチャンネルのミュートインに接続します。司会者のマイクロホン
が作動すると、他のすべてのマイクロホンがミュートされます。
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司会者制御のミュート 図13
リモートチャンネルオンインジケーター
リモートインジケーターは、話し手のマイクロホンがオンのときに使用することができます。LEDと5ボルトサプライをゲートアウ
トピンに接続し（図14を参照）（表記のチャンネル1、2、3を変更）音声出力のスイッチクリックを防止するために、オーディオ
システムまたはラックアースの電源マイナス端子を接地しないでください。
重要：シングルケーブルをマイクロホン音声信号とLED DC電源に使用している場合、必ず別々のシールドペアを使用します。
シールドペアでのDC電源供給方法を誤ると、DC電源ラインとマイクロホンラインの間の容量結合によりクリック音が聞こえてし
まうことがあります。
リモートチャンネルオンインジケー タ図14
ゲート機能を無効にする（バイパス）
特定のマイクロホンを常にオンにしておくには、目的のマイクロホンチャンネルのオーバーライドピンを一緒にロジックアースピン
に配線します。選択したチャンネルは、これで非自動ミキサーの場合と同じように機能します（図15を参照 - チャンネル1、2、3
を変更）。
ゲートバイパス 図15
不要な音によるゲートを抑制する
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「動作原理」セクションで説明したように、MaxBusは音源ごとに1つのマイクロホンのみをアクティブにしようとします。マイクロホ
ンチャンネルをミュートすると、ミキサーの出力から音声が現れることを防止することができます。ただし、ミュートされたマイク
ロホンであってもMaxBusによる他のマイクロホンチャンネルとのやり取りは継続します。
ミュートされたマイクロホンがピック
アップした音源により、他のマイクロホンを作動させなくしてしまいます。
不要なマイクロホンチャンネルの作動を引き起こしうる音源：
ノイズのあるファックス機やプリンター
ドアのきしみ
呼出装置のラウドスピーカー
音声テレビ会議リターン信号ラウドスピーカー
SCM810は、以下のステップにより、この種の音によってマイクロホンが作動しないようにすることができます。
不要な音源近くにマイクロホン1台を設置します。このマイクロホンの信号をひとつのチャンネル入力に接続します。
または
不要な音源を直接マイク/ラインチャンネル入力に接続します。
ロジック端子を使用して、そのチャンネルをミュートします（図16を参照 - チャンネル1がミュート）。
チャンネルのゲインコントロールを、システムの他のマイクロホンが不要音によって作動させられないレベルに調整しま
す。チャンネルゲインが高すぎると、他のシステムマイクロホンが、希望する音声で作動するのが難しくなります。低すぎ
ると、不要な音によって他のマイクロホンが作動し続けます。
不要な音のゲートの抑制 図16
ラウドスピーカーのミュート
いくつかのアプリケーションにおいては、話し手の近くにラウドスピーカーを設置して、音を拡声したり、電話や会議のモニタリ
ングをする場合があります。各ラウドスピーカーは、近くの話し手が話したときに自動的にオフに切り替わらないと、フィード
バックを生じることがあります。この機能を提供するためには、図17（チャンネル1、3、5を変更）に示すように、各チャンネルの
ゲートアウト端子を、個別のラウドスピーカーミュートリレーに接続します。推奨されるリレーはOmron G6B-1174P-US-DC12、
Potter & Brumfield R10-E1Y2-V185、または同等品（Digi-KeyおよびNewark Electronicsにより入手可能）です。
注：SCM810に損傷を与える可能性のある誘導電圧ノイズを抑制するには、各リレーコイル間のダイオードが必要です。
リレーコイル電流が500 mA以下の場合、24ボルトのリレーを使用した既存のサウンドシステムを、変更を加えることなく
SCM810で使用することができます。
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ラウドスピーカーのミュート 図17
「フィリバスター」モード
通常の動作では、複数の人が話すと、それぞれのマイクロホンがゲートオンしてすべてのスピーチを拾うようにします。「フィリバ
スター」作動時には、ゲートオンされているマイクロホンが、他のマイクロホンのゲートオンを防ぎます。マイクロホンがゲートオン
されると、他のマイクロホンは、話し手がそのマイクロホンがゲートオフになるために十分なだけ間を空けるまで、ゲートオンされ
ません。これによって、話している人が発言権を有し、邪魔されることはありません。
この機能を確立するには、まず内部ミュートを実行して「抑制」に変更します（「内部の変更」を参照）。次に、変更されたチャンネ
ルのすべてのミュートインピンを一緒に接続し、変更されたチャンネルのすべてのゲートアウトピンを一緒に接続します。さらに変
更されたチャンネルのゲートアウトピンを、他の変更されたチャンネルのミュートインピンにそれぞれ接続します（図18を参照 -
チャンネル1、2、3を変更）。ラストマイクロックオンスイッチ（SW702、位置2）をオフにします。
注:高周波の振幅を防止するため、ミュートを実行して「抑制」に変更しない限り、チャンネルのゲートアウトピンを自身のミュートインピンに配線しないでくださ
い。
「フィリバスター」モード 図18
抑制機能
「
内部の変更
」を参照してください。
ロジックコントロールのダイオード絶縁
同じロジックピンを使用する2つ以上のコントロール機能を、ダイオードで絶縁することができます。この方法では、グループ全体
のミュートスイッチ、または自身のカフボタンによってチャンネルをミュートすることができます（図19 - チャンネル1、3、5を変
更）。
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