Vector 75

Vinten Vector 75 Operator Guide

  • Vinten Vector 75 パンチルトヘッドのオペレーターズガイドの内容を確認しました。このデバイスの最大積載量、Perfect Balanceシステム、パン&チルトブレーキ、照光式水準器など、様々な機能についてご質問にお答えできます。お気軽にご質問ください!
  • Vector 75の最大積載量は?
    Perfect Balanceシステムとは?
    パン&チルトのドラッグ調整は可能ですか?
    水準器はどのように動作しますか?
日本語
97
目次
ページ
安全のために - 最初にお読みください . . . . . . . . . . . . . . . 99
操警告表示につい . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 99
使用量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 99
リサイクルによる環境保全 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 100
目次 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 101
機能紹介 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
パーフェクトバランス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
パン & チルトドラッグ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
パン & チルトブレーキ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
水準器 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
パンバー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
カメラ装着 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 104
操作 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 105
開梱 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 105
ヘッドを取り付け . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 105
パンバー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 106
カメラを装着する . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 106
ヘッドのバランシング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 107
プラットフォームのロッキング . . . . . . . . . . . . . . . . 109
パン/チルトブレーキ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 110
パン/チルトドラッグ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 110
保守 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111
概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111
日本語
98
クリーニング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111
バランス機構のトラックの清 . . . . . . . . . . . . . . 111
定期的な保守 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 113
水準器照光ユニットのバッテリー交換 . . . . . . . . . . . 113
調節 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 114
プラットフォームのスライドクランプの調 . . . . . . . . 114
ウエッジアダプタの再位置決 . . . . . . . . . . . . . . 115
パン/チルトブレーキの調節 . . . . . . . . . . . . . . . 115
パーツリスト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 117
日本語
99
安全のために - 最初にお読みください
操警告表示について
このたびは本製品をお買い上げいただきありがとうございます。
本製品は安全を十分考慮して設計されておりますが、誤った使
用方法により人にけがを負わせる可能性が想定される内容には
左記のマークが示され、本製品や周辺機器への損傷の可能性が
想定される内容には「注意」と示しています。
指はさみ注意
本製品や本製品に取り付けられた機器の部位で指をはさむ危険
がある箇所には、指はさみ注意の記号が示されています。
使用量
Vector 75 パン/チルトヘッドは放送および映画スタジオ内での使用にお
いて 75 kg (165.3 ポンド ) までの重量のカメラおよび補助機器を支えて
ランスを取るために設計されており、95 kg (209 ポンド ) の最小積載質量
を支えられるように設計された機器に取り付けなければいけません。
Vector 75 はプロフェッショナルな TV 放送および映画のカメラオペレータ
によって使用されることを目的としています。
警告 !
1. 操作方法を正しく理解したうえでご利用ください。
2. 本来の用途以外の目的で使用しないでください
(使用量)。
3. 本取扱説明書に記載されている以外のメンテナンスにつ
いては、ヴィンテンサービスセンターまたは取扱店にお
問合せください。
CAUTION
finger trap
日本語
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リサイクルによる環境保全
電池の処理
本製品に含まれる電池は家庭用ごみとして処理することはできません。こ
れらの電池を適正に処理することで、環境や人体への悪影響を防ぐだけで
なく、資源を節約することにつながります。電池を処理する場合は、適正
な回収場所に持ち込んでください。
日本語
101
目次
最大積載質量 . . . . . . . . . . . . . . . . 75 kg (165.3 ポンド )
積載質量重心高さの範囲 . . . . . . . . 80 250 mm (3 ~ 10 インチ )
重量 ( パンバーおよびウ
ウエッジアダプタ装着時 ) . . . . . . . . . 19.15 kg (42.2 ポンド )
全体寸法
高さ ( ウエッジアダプタ装着時 ):
最小バランス設定 . . . . . . . . . . . 255 mm (10.0 インチ )
最大バランス設定 . . . . . . . . . . . 355 mm (14.0 インチ )
長さ ( ンバー非装着 ) . . . . . . . . . 355 mm (14.0 インチ )
( パンバー非装着時 ) . . . . . . . . . . 350 mm (13.8 インチ )
( パンバー 2 本装着時 ) . . . . . . . . . 445 mm (17.5 インチ )
チルト範囲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ± 52
パン範囲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .360
カウンターバランス . . . . 完全バランスシステムによりフル対応可能
水準器 . . . . . . . . . . . . . . コントラスト青色 LED 照明付き
水準器点灯 . . . . . . . . . . . . . . . . . 15 秒間(タイムアウト)
バッテリのタイ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . PP3 (9V)
三脚の固定 . . . . . . . . . . . . . . . Quickfix
®
グルーブ(標準)
付き 4 本ボルトフラットベース
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102
Vector 75
パン & チルトヘッド ( 左手側 )
( 図 1)
[1] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ウエッジアダプ
[2] . . . . . . . . . . . . . . . . . . ウエッジアダプタ操作レバー
[3] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ウエッジアダプタ固定ねじ
[4] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ンブレーキレバ
[5] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . チルトブレーキレバー
[6] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . キャリーハンド
[7] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 準器照光スイッ
[8] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 水準
[9] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . パンドラッグ設定ノブ
[10] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . パンバークラン
[11] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . チルトドラッグ設定ノブ
[12] . . . . . . . . . . . . . . . . . . スライドプレートクランプ
[13] . . . . . . スライドプレート調整ノブ(リトラクタブル式 T バー)
Vector 75
パン/チルトヘッド ( 右手側 )
( 図 2)
[14] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . スライドプレー
[15] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 完全バランス調整ノブ
[16] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . センターロックボタン
[17] . . . . . . . . . . . . . . . センターロックリリースキャッチ
[18] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . パンバーマウン
Vector 75
パン/チルトヘッド ( 底面 )
( 図 3)
[19] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 ボルト取り付
[20] . . . . . . . . . . . . . . . . . . ボルト穴位置インジケータ
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103
機能紹介
Vector 75 パン&チルトヘッドは独自の連携カウンターバランスメカニズ
ム、特許技術のヴィンテン LF(潤滑摩擦)ドラッグアセンブリ、ならびに
調整可能なカメラ取り付け板を採り入れています。
パーフェクトバランス
バランスシステムはヘッドの右手側にあるノブ [15] によって容易に調節
できます。完全バランス調整コントロールは、カウンターバランスメカニ
ズムにおけるベルクランクのさまざまな機械的利点によりプラットフォー
ムの荷重と重心高さの違いを補っています。
パン & チルトドラッグ
パン/チルトメカニズムの両方が LF(潤滑摩擦)ドラッグシステムと連携
することによってこれらの軸でカメラがスムーズに動き、付属のコント
ロールノブ([9]、[11])でドラッグの設定を調節します。ドラッグコン
トロールはヘッドのパン/チルトヘッド上に取り付けられています。ホ
イップパン機能はパンドラッグ設定の影響を受けません。
パン & チルトブレーキ
各軸のフリクションブレーキにより、ヘッドを好みの位置にロックするこ
とが可能です。両ブレーキ([4]、[5])の操作レバーはヘッド後部の右下
に取り付けられています。チルト軸センターロックが [16] ヘッドの右手
側に設けられ、運搬中や荷重の変動の際にプラットフォームを水平姿勢に
保ちます。
水準器
水準器は [8] ヘッドの後部に装備され、スイッチで動作するタイムディレ
イ照光ユニットを備えています。[7] 照光ユニットのバッテリーはベース
部に収納されています。
パンバー
パンバーの取り付け箇所は [18] ヘッドの後部に位置し、カメラマウント
プラットフォームのどちらの側にもあります。テレスコピックパンバーが
日本語
104
供給され、パンバークランプを用いて取り付けられており、[10] 取り付け
用セレーション上で角調整が可能です。もう 1 つ取り付けることも可能で
す。オプションで伸縮パンバー、ショート/エクストラショートパンバー
をお求めいただくこともできます。
カメラ装着
カメラはウエッジアダプタを用いてヘッドに取り付けられています [1]。
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105
操作
開梱
ヘッドには伸縮パンバー、自動ウェッジアダプタおよび水準器のライト用
バッテリ(搭載済み)が付属しています。
ズーム/フォーカスコントローラと併用する 2 つめの伸縮パンバーや
ショート/エクストラショートパンバーはオプションです。梱包材料を廃
棄する前に、すべての製品が開梱されていることをご確認ください。
開梱後に以下をご確認ください:
パン/チルトブレーキが [4] 搭載 [5] されている ( パン/チルトブ
レーキ 110 ページを参照 )。
センターロックが [16] かかっている ( プラットフォームのロッキ
ング 109 ページを参照 )。必ずセンターロックをかけてから、ヘッ
ドを上げたり持ち運んだりしてください。
ヘッドを取り付ける
注意 ! ヘッドはプラットフォームを使って持ち上げないでください
ヘッドの損傷を防ぐため、ベース部および/またはキャリーハン
ドルのみをご使用ください。
: Vinten‘Hawk’ または ‘Teal’ ペデスタルに取り付けを行う場
合、ヘッドとペデスタル重量トレイとの間のすき間により 1.6 kg
(5.5 ポンド ) および 0.5 kg (1.0 ポン ) のトリムウェイトは使
用できません。代替ウェイトを用いるか、アダプタプレートキッ
( 部品番号 3354-900SP) をヘッドとペデスタルの間に装着して
ください。
警告 !
1. 本製品は、最小 95 kg (109 ポンド ) を支えられるように
設計された機器にのみ取り付けてください。
2. ヘッドを装着する前に、取り付けボルトを所定位置で保
持し、ねじ込型が取り付け面の上方に 20 mm (3 4 イン
) 以上突き出していないことを確認してください。
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106
ヘッドは三脚、ペデスタルまたは適切な堅固な面上に 4 本の取り付けボル
トとワッシャを用いて取り付けます。ヘッド底面の 4 本のボルトの取り付
け穴 [19] は、ボルト穴位置インジケータを用いて容易に見つけられます
[20]。ボルトは同梱のスパナで締め付けます。
ヘッドを取り付けた後に、水準器を用いて水平であることを確認します。
[8] 水準器スイッチを押して照光できる場合があります [7]。その場合、
照明は約 15 秒間後に消灯します。
パンバー
パンバーをヘッドに装着するし、それぞれのパンバーの位置を調節してか
[10] マウント上のクランプを締め付けます [18]。テレスコピックパン
バーの長さを調節します。
カメラを装着する
カメラを装着するには、以下のように行います:
作業しやすい高さまでマウントを下げます。
まだ装着されていない場合、ウエッジアダプタをスライドプレート
の中央位置に [1] 装着します [14] ( ウエッジアダプタの再位置決め
115 ページを参照 )。
ウエッジをカメラ/レンズに取り付けます。
センターロックがかかっていることを [16] センターロックがか
かっていることを確認します ( プラットフォームのロッキング 109
ページを参照 )。
パンベークをかけます [4] ( パン/チルトブレーキ 109 ページを参
照)
警告 !
1. 積載質量を変更する時は、チルトブレーキに依存しない
こと。必ずセンターロックをかけること。
2. 重量および総積載質量の重心高さがヘッドの設計範囲内
に収まっていることを確認してください 80 250 mm (3
10 インチ ) の重心高さで 75 kg (165.3 ポンド ) まで。
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107
ウエッジアダプタ操作レバーをばね張力に逆らって前側に [2] 約
6 mm (1/4イ)スる(ウに)
エッジアダプタの本体から、操作レバーをできるだけ手前まで引き
出します。
カメラウェッジをウェッジアダプタ [1] に挿入して完全に固定され
るまで前に押し込みます。ウエッジアダプタ [2] 本体と平行になる
まで
、ウェッジアダプタレバーを押し込みます。この動作を行って
いる間は、ばね荷重式のオーバセンタメカニズムの抵抗が感じられ
るでしょう。終端までレバーを押し込むと、レバーは固定位置に
ロックされます(レバー上部に南京錠マークが示されます)
ウェッジアダプタ本体と反対方向に引いてみて、レバーがロッ
クされているか確認してください。レバーがロックされていれ
ばレバーは動かず南京錠マークが表示されます
積載質量の残り ( レンズ、ズーム/フォーカスコントローラー、
ビューファインダ、プロンプタなど ) を装着します。
ヘッドのバランシング
ヘッドのバランスは、荷重範囲と重心がプラットフォームピボットの真上
になるようヘッドの上で負荷を前後に配置することで成り立ち、完全バラ
ンス調整ノブを使用して荷重範囲と重心高さを補います。
積載質量の前後方向の位置決めは以下のように行います:
注: 各パンバーおよびすべてのカメラアクセサリ ( レンズ、ズーム/
フォーカスコントローラー、ビューファインダ、プロンプタなど )
が、ヘッドのバランシングの前にそれぞれの操作可能位置に装着
されることが重要です。機器の装着または調節を後から行うと、
ヘッドのバランスが崩れます
警告 !
激しくバランスが崩れている積載質量に対して バランス設定
を増大させる場合は、 センターロックを外す前に行い、プ
ラットフォームが急激に傾くことを防止すること。
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108
センターロックがかかっていること ( プラットフォームのロッキン
109 ページを参照 )、ならびにカメラおよびすべてのアクセサ
が装着されていることを確認します。
チルトドラッグ設定ノブを [11] 最小最小設定位置まで回します。
プラットフォームを安定させるためにパンバーを手で握った状態で
リリースキャッチ [17] を押しセンターロックを外します ( プラッ
トフォームのロッキング 109 ページを参照 )。
クランプレバー [12] を下に押しスライドプレートクランプを解放
して、スライドプレート調整ノブまたは T バー [13] をプラット
フォームドライブに固定されるまで引き出します。T バーを回して
スライドプレートを前後方向に動かし、水平方向のバランスを取り
ます。
水平方向のバランスが取れているのは、プラットフォームが水平な
状態で識別できる傾斜力がパンバーに感じられない場合です。クラ
ンプレバーを上向きに [12] 引くことにより、スライドプレートク
ランプをかけます。
バランスを取るのに十分な動きがスライドプレートで得られない場
合は、ウエッジアダプタの再位置決めを行い ( 保守 111 ページを参
)、積載物を再装着し、水平方向のバランシング手順を再度行い
ます。
前後方向のバランスが取れた場合は、積載質量の重心高さを以下のように
調節します:
パンバーを用いて、プラットフォームを前方および後方に傾けます。
バランスが正しい場合、傾斜角の大きさに関わらず識別できる傾斜
力がパンバーに感じられず、また、 ヘッドは設定したチルト位置に
そのまま留まるはずです。
プラットフォームを傾けたときにヘッドが落下しそうな場合は、完
全バランス調整ノブ [15] を押して時計回りに回し、荷重範囲と重
警告!
カメラ負荷が安定するようパンバーをしっかり握ってくださ
い。 ヘッドが落下しないように注意してください。
日本語
109
心高さ設定を上げます。ヘッドが中心方向に跳ね返る場合は、完全
バランス調整ノブ [15] を押して反時計回りに回して荷重範囲と重
心高さ設定を下げます。
積載質量の重心高さの調節が完了したら、前後方向のバランスが良
好な状態のままであることを確認します。必要であれば、スライド
プレートの位置を再調節します
バランシングを行った後は、ブレーキを解除し、ヘッドを両方の軸に対し
て動かし、スムーズに動作することを確認します。
プラットフォームのロッキング
(図 4)
センターロックのメカニズムは [16] ヘッドの右手側にあるボタンで操作
します。ロックをかけるには、プラットフォームを水平姿勢に保ち、[16]
ラッチしてリリースキャッチが現れるまで [17] ボタンを内向きに押しま
す。ボタンを押している間は、パンバーを用いてプラットフォームを若干
揺り動かします [16]。
センターロックを解除するには、プラットフォームを若干揺り動かし、リ
リースキャッチを押し下げます [17]。
注: 完全バランス調整ノブはマルチターンコントロールが可能です。
ノブをより容易に回転させるためには、ノブを回している最中に
パンバーを用いて若干プラットフォームを傾けます。
警告! 指はさみ注意
人身傷害を避けるため、プラットフォームを傾けるときはプ
ラットフォーム底面から手を離してください。
CAUTION
finger trap
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110
パン/チルトブレーキ
パン/チルトブレーキは ([4]、[5]) ヘッドの後部にあるレバーで操作し
ます。これらのブレーキは適切なレバーを引き上げて戻すことによってか
けられ、レバーを前方へ押すことによって解除されます。
カメラを置いてその場を離れる場合には、ブレーキをかけておくべきです。
パン/チルトドラッグ
パンドラッグ設定ノブは、[9] 本体の左側下部に取り付けられています。
チルトドラッグは、[11] ヘッドの左手側にあるチルトドラッグハウジング
の表面に取り付けられているノブで調節されます。
ドラッグを増大させるにはノブを時計回りに回し、ドラッグを減少させる
には反時計回りに回します。
注意!
1. ブレーキレバーは無理やり回さず 手動で固定します。
2. ブレーキ代わりにドラッグを使用しないでください。ヘッドが破
損する恐れがあります。
ブレーキを使用していないときは完全に解除してください。
注意! ヘッドを長期間使用しない場合は、ドラッグ部品の摩耗を抑える
ためにドラッグを緩めてください。
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111
保守
概要
Vector 75 パン/チルトヘッドは高度なエンジニアリングで堅牢に製造さ
れているので、機能を維持するため定期的なクリーニング以外にはほとん
ど保守を必要としません。 調節および修理は適格者が行ってください。
クリーニング
通常の使用している場合に必要なクリーニングは、けばのない布で定期的
に拭くことだけです。保管中または使用していない間にたまったほこり
は、掃除機を使用して取り除いてください。 特に、ウエッジアダプタのウ
エッジが位置する面には注意してください。
悪条件下で特に注意を要する場合は屋外で用いてください。ヘッドは使用
していない時にはカバーをかけてください。塩水は、清潔な水で極力早め
に洗い流してください。砂やほこりは傷の原因となるので、掃除機または
送風機で取り除いてください。
バランス機構のトラックの清掃
バランス機構のトラックは内蔵のワイパーで自動的に清掃されますが、特
に悪条件下で用いられた後にはトラックは清掃を必要とする場合がありま
す。ヘッドを多少解体することが必要となりますので、清潔な作業場の条
件下で行うことが推奨されます。
垂直方向のトラック ( 図 5)
垂直方向のトラックを清掃するには、プラットフォームを取り外すことが
必要です。作業は以下のように行います。
積載質量を取り外します ( 装着されている場合 )。ウエッジアダプ
タを取り外す必要はありません
注意 ! たまった汚れを落とすために、溶剤や油を主成分とするクリー
ナー、研磨剤、ワイヤブラシを使用しないでください。これらは
保護面を損傷するおそれがあります。機械的平面を清浄にするに
は、洗剤を主成分とするクリーナーのみを使用してください。
日本語
112
スライドプレートのクランプを緩めます [12]。調整ノブを用いて
[13] スライドプレートを後方に回し、[14] 取り付けねじから外れ
るまで動かします [21]。
プラットフォームを水平にします。
プラットフォームをバランス機構に固定している [22][23] 6 本のね
じを取り外します。プラットフォームを持ち上げて外します。
イソプロパノールを主成分とするクリーナ (3M VBH または同様の
もの ) で湿らせたパイプクリーナー ( または同様のもの ) を用いて、
2 本の垂直方向のトラックを清掃します [24]。 バランス機構に上向
きの圧力をかけることにより、垂直方向のローラーの下側のトラッ
ク部分も清掃できます。
バランス機構にプラットフォームを [22] 装着し、[23] Loctite
222E を用いて 6 本のねじで [21] 固定します。
調整ノブを用いて、[13] スライドプレートが中央位置に来るまで前
方に回します。
積載質量を再装着し ( 必要な場合 )、ヘッドのバランスを再度整え
ます。
水平方向のトラック ( 図 6)
水平方向のトラックの清掃には解体の必要はありません。作業は以下のよ
うに行います:
積載質量を取り外します ( 装着されている場合 )。
全バランスノブ [15] を押し停止するまで時計回りに回して、バラ
ンスメカニズムを最大の値に設定してください。
プラットフォームを十分に後方に傾け、チルトブレーキをかけます
[5]。
フラップガードを [28] ベベルギヤが見えるまで引き下げます [26]。
水平方向のトラックに達するには、[27] ベベルギヤ内の穴を通って
行います。べべルギヤは自由に回転する場合があります。
イソプロパノールを主成分とするクリーナ (3M VBH または同様の
もの ) で湿らせたパイプクリーナー ( または同様のもの ) を用いて、
2 本の水平方向のトラックを清掃します。 バランス機構に上向きの
日本語
113
圧力をかけることにより、水平方向のローラーの下側のトラック部
分も清掃できます。
フラップガードとチルトブレーキを外し、[28] プラットフォームを
[5] 水平方向位置に戻します。
積載質量を再装着します ( 必要な場合 )。
定期的な保守
Vector 75 パン/チルトヘッドの定期的な保守は、水準器の照明用
バッテリーの年 1 回の交換作業に限定されています。
通常の使用時においては、プラットフォームのスライドクランプの
効力と、水準器の照度が十分であることを確認してください。
それ以上の定期的な保守は必要ではありません。
水準器照光ユニットのバッテリー交
(図 7)
Vector 75 パン/チルトヘッドの水準器は電池式の発光ダイオード (LED)
による照光式です。スイッチで起動するタイムディレイ回路が LED を制御
しています。バッテリーは 1 年に一度の間隔で、または、照明が不十分と
思われる時に交換を行ってください
バッテリーの装着または交換を行うには:
電池室のカバープレートをヘッドに固定している [29] 3 本のねじを
[32] 取り外します。
バッテリーの装着または交換を行うには [30]、バッテリーの端子に
[31] コネクタを押し込みます。
バッテリーを電池室内の適切な場所に置き、配線が巻き込まれてい
ないことを確認します。
: マウントのタイプによっては、 電池室内の作業を行うためにヘッ
ドをマウントから取り外すことが必要な場合があります
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114
バッテリーのカバープレートを再装着し [32]、バッテリーがカバー
プレート内に収まっていることを確認します。3 本のねじで固定し
ます [29]。
スイッチを押し、[7] ランプが約 15 秒間点灯することを確認してく
ださい。
調節
かなりの使用を行った場合、プラットフォームのスライドクランプ
は調節を必要とすることがあります。
積載質量のバランスを正しく取ることを可能とするには、ウエッジ
アダプタの再位置決めを必要とする場合があります。
パン/チルトブレーキは、かなりの使用を行った場合、調節を必要
とすることがあります。
プラットフォームのスライドクランプの調節
(図 8)
プラットフォームのスライドクランプは [12] 、クランプが上がっている
か締められている位置ではプラットフォームスライドの移動を防止できる
ように、そして下がっているか解除された位置ではスライドの自由な調節
が行えるように設定するのが望ましいでしょう。
クランプの調節は、以下のように行います:
プラットフォームの左手側のプラスチックキャップを慎重に取り外
し、[12.2] 溝切りシャフトを露出させます [12.1]。
スライドクランプレバーを [12] 一杯に引き上げます。
クランプのねじを緩めます。[12.3]。
溝切りシャフト [12.1] 時計回りに一杯に回して、クランプをか
けます。
クランプのねじを締め付けま [12.3]。
レバーを動作範囲以上に動かし、クランプされた位置ではスライド
の移動を防止できることと、解除された位置ではスライドの自由な
調節が行えることを確認します。必要に応じて再調節してください。
日本語
115
溝切りシャフト [12.2] プラスチックキャップを交換します
[12.1]。
ウエッジアダプタの再位置決め
(図 9)
ウエッジアダプタ [1] 4 本のキャップヘッドねじで固定されており、
[3] これらのねじはウエッジアダプタからスライドプレートを貫通してい
ます [14]。
ウエッジアダプタの再位置決めをするには:
センターロックをかけ ( プラットフォームのロッキング 109 ページ
を参照 )、積載物を取り外します。
ウエッジアダプタ本体を保持し、[1] 4 mm の六角レンチを用いて 4
本の固定ねじを取り外します [3]。
スライドプレート上でウエッジアダプタの [1] 再位置決めを行い
[14]、ウエッジアダプタの細い方の先端部が前側に向いているこ
を確認します。
4 本のねじを [3] ウエッジアダプタの穴に差し込んで締め付けます。
パン/チルトブレーキの調
( 10)
パン/チルトブレーキはレバーストロークの 1/3 を過ぎてからブレーキが
かかり始めるように設定するのが望ましいでしょう。
チルトブレーキは、2 mm の六角レンチをチルトユニットカバーの底部にあ
る穴に差し込み [5.2]、グラブねじを回すことによって調節できます
[5.1]。チルトブレーキを調節するには、以下のように行います
チルトブレーキレバー [5] OFF から ON 位置に動かします。
警告 !
長過ぎるねじはスライドプレートの動作を妨げます。必ず付
属のねじ
(M6 x 30 mm) を使用してください。
日本語
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ブレーキ圧力がレバーストロークの約 1/3 を過ぎても感じられない
場合は、感じられるようになるまでグラブねじを [5.1] 時計回りに
回します。
チルトブレーキレバーを [5] OFF 位置に動かし、プラットフォーム
が自由に動くことを確認します
パンブレーキはピンを回すことで調節できます [4.3]。ピンに触れるには、
ヘッドから積載質量を取り外し、ヘッドをマウントから取り外し、カバー
プレートを [4.1] ヘッドの底面から取り外す必要があります。パンブレー
キを調節するには、以下のように行いま:
ヘッドから積載質量を取り外します。
ヘッドをマウントから取り外します。
ヘッドの底面でカバープレートを固定している [4.2] 3 本のねじを
取り外します [4.1]。
パンブレーキレバー [4] OFF から ON 位置に動かします。
ブレーキ圧力がレバーストロークの約 1/3 を過ぎても感じられない
場合は、[4.3] 感じられるようになるまでピンを時計回りに回しま
す。
パンブレーキレバーを [4] OFF 位置に動かし、ヘッドが自由に回転
することを確認します。
カバープレートを再装着し、[4.1] 3 本のねじで固定します [4.2]。
警告 !
積載質量を取り外してから、パンブレーキを調節します。
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