ver.20221202J
株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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(2) 標準試料に溶媒を加え、膨潤するまで静置します。膨潤や溶解に要する時間は試料の分子量によって異なります。
低分子量試料は、数時間で膨潤・溶解しますが、高分子量試料は、半日から 1日冷蔵庫で静置し、時間を掛けて
膨潤させてください。
(3) 標準試料が十分に膨潤したら試料溶液を静かにかくはんし、試料を完全に溶解させ、均一化します。
(4) 調製した試料溶液は、メンブランフィルター(0.45 μm)などでろ過してください。
(5) 試料溶液は、バクテリアの発生を防ぐため冷蔵保管(約 4 ℃を推奨)してください。試料溶液の保管時は、
試料溶液の pH を5 ~ 7 の範囲に調整してください。
(6) 試料溶液の保存期間の目安は、冷蔵保管で 1週間以内です。
注意 ※超音波による標準試料の溶解は、分子鎖切断が起きる可能性があるのでお勧めしません。
※バクテリアが発生すると試料が分解されるおそれがあります。また、バクテリアが発生した試料をカラムに
注入するとカラムを劣化させるおそれがあります。
※標準試料を硝酸ナトリウム水溶液で溶解した試料溶液は、冷蔵保存でも分解する可能性があります。
硝酸ナトリウム水溶液で溶解する場合は、用時調製してください。
参考 ※プルランの溶液物性については下記文献を参照ください。
T. Kato, T. Okamoto, T. Tokuya, A. Takahashi. “Solution properties and chain flexibility of
pullulan in aqueous solution” Biopolymers 21(8), 1982, 1623-1633
4-2. 標準試料の乾燥
標準試料には僅かに水が含有しています。厳密に試料溶液の濃度を求める場合は、試料を乾燥させてから秤量
してください。以下に乾燥方法の一例を紹介します。
(P-5 ~ P-100) 90 ℃で 6時間以上真空乾燥させます。
(P-200 ~ P-800) 五酸化リンを入れたデシケーター中に静置して乾燥させます。
注意 ※P-200 以上の高分子量標準試料は、加熱すると一部分解するおそれがあります。
4-3. 較正曲線の作成
標準試料は、測定対象試料と同じ分析条件で分析します。各標準試料の溶出時間と検査証明書に記載のピーク
トップ分子量(Mp)の値を用いて分子量分布測定用の較正曲線を作成してください。
4-4. 標準試料の検出
プルランは紫外吸収をほとんど持たないため、紫外検出器の使用は不適当です。一般的には示差屈折率検出器を
用います。
5. 標準試料の保管
溶解前の標準試料は、デシケーターなどの密閉できる容器に入れて冷蔵保管(約 4 ℃を推奨)してください。
冷蔵庫から出した試薬瓶はすぐに開封せず、室温に戻してから開封してください。
注意 ※一般的に多糖類は、空気中や器具に付着したバクテリアやカビなどにより、標準試料が分解される
可能性があります。
※バクテリアなどによる分解で標準試料に変色などの異常がみられる場合は、使用を中止してください。
6. 使用期限
標準試料の使用期限は、未開封の状態で検査日より 2年です。
参考 ※検査日は、INSPECTION CERTIFICATE に記載されていますので確認してください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。