Shodex P-82 [STANDARD] 取扱説明書

  • Shodex STANDARD P-82 標準試料の取扱説明書の内容を読み込みました。試料調製方法、保存方法、測定方法、注意事項、標準試料の構造式などについて質問にお答えできます。お気軽にご質問ください。
  • 標準試料の調製方法は?
    標準試料の保存期間は?
    標準試料の乾燥方法は?
    標準試料の検出にはどのような検出器を使用しますか?
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株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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標準試料取扱説明書
Shodex STANDARD P-82
(安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要>
※分析に使用する溶媒や試薬を取り扱う際は、製造元が発行する安全データシート(SDS)
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります。
※有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱う際は、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、試薬瓶の外観に異常がないか確認してください。
(2) 製品外箱と試薬瓶に貼られているラベルシールに製品名、ロットナンバー(Lot No.)などが記載されていますので
確認してください。
(3) 検査証明書(INSPECTION CERTIFICATE)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはロットナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびは、Shodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex STANDARD P-82は、プルランの標準試料で、マルトトリオースがα-1,6 結合した枝分かれのない直鎖状
の中性多糖類です。これらの標準試料は、水に容易に溶解し会合や結晶化はほとんど認められません。また、分子量
分布が狭くカラムに吸着しにくいため、水系のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による相対分子量分布測定に必要
な較正曲線の作成に好適です。
2. 構造式
3. 製品内容
製品コード 製品名 内容量 分子量(Mp)範囲
F8400000 STANDARD P-82 0.2 g × 8種類 5,000 ~ 800,000
(注意)キットの分子量(MpMw/Mn)は、製造ロットにより変動します。
4. 標準試料の使用方法
4-1. 標準試料の調製
(1) 高分子試料溶液の粘度は、高分子の分子量や濃度が大きく関係します。試料溶液の粘度が高いとピーク幅
広がりや溶出の遅れが生じ、分子量分布測定に影響を与えます。一般的に分子量が大きくなるほど粘度は
高くなるため、試料濃度を下げてください。下記の表を目安に試料溶液を調製してください。
試料の分子量範囲 濃度 (w/v)
5,000 ~ 25,000 0.5 % 以下
25,000 ~ 200,000 0.25 %以下
200,000 ~ 1,000,000 0.1 % 以下
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(2) 標準試料に溶媒を加え、膨潤するまで静置します。膨潤や溶解に要する時間は試料の分子量によって異なります。
低分子量試料は、数時間で膨潤・溶解しますが、高分子量試料は、半日から 1冷蔵庫で静置し、時間を掛けて
膨潤させてください。
(3) 標準試料が十分に膨潤したら試料溶液を静かにかくはんし、試料を完全に溶解させ、均一化します。
(4) 調製した試料溶液は、メンブランフィルター(0.45 μm)などでろ過してください。
(5) 試料溶液は、バクテリアの発生を防ぐため冷蔵保管(約 4 を推奨)してください。試料溶液の保管時は、
試料溶液の pH 5 ~ 7 の範囲に調整してください。
(6) 試料溶液の保存期間の目安は、冷蔵保管で 1週間以内です。
注意 超音波による標準試料の溶解は、分子鎖切断が起きる可能性があるのでお勧めしません。
※バクテリアが発生すると試料が分解されるおそれがあります。また、バクテリアが発生した試料をカラムに
注入するとカラムを劣化させるおそれがあります。
※標準試料を硝酸ナトリウム水溶液で溶解した試料溶液は、冷蔵保存でも分解する可能性があります。
硝酸ナトリウム水溶液で溶解する場合は、用時調製してください。
参考 ※プルランの溶液物性については下記文献を参照ください。
T. Kato, T. Okamoto, T. Tokuya, A. Takahashi. “Solution properties and chain flexibility of
pullulan in aqueous solution” Biopolymers 21(8), 1982, 1623-1633
4-2. 標準試料の乾燥
標準試料には僅かに水が含有しています。厳密に試料溶液の濃度を求める場合は、試料を乾燥させてから秤
してください。以下に乾燥方法の一例を紹介します。
(P-5 ~ P-100) 90 ℃で 6時間以上真空乾燥させます
(P-200 ~ P-800) 五酸化リンを入れたデシケーター中に静置して乾燥させます
注意 P-200 以上の高分子量標準試料は、加熱すると一部分解するおそれがあります。
4-3. 較正曲線の作成
標準試料は、測定対象試料と同じ分析条件で分析します。各標準試料の溶出時間と検査証明書に記載のピーク
トップ分子量(Mp)の値を用いて分子量分布測定用の較正曲線を作成してください。
4-4. 標準試料の検出
プルランは紫外吸収をほとんど持たないため、紫外検出器の使用は不適当です。一般的には示差屈折率検出器を
用います。
5. 標準試料の保管
溶解前の標準試料は、デシケーターなどの密閉できる容器に入れて冷蔵保管(約 4 を推奨)してください。
冷蔵庫から出した試薬瓶はすぐに開封せず、室温に戻してから開封してください。
注意 ※一般的に多糖類は、空気中や器具に付着したバクテリアやカビなどにより、標準試料が分解される
可能性があります。
※バクテリアなどによる分解で標準試料に変色などの異常がみられる場合は、使用を中止してください。
6. 使用期限
標準試料の使用期限は、未開封の状態で検査日より 2年です。
参考 ※検査日は、INSPECTION CERTIFICATE に記載されていますので確認してください
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイ(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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