Shodex SC1011 (SUGAR) 取扱説明書

  • Shodex SUGAR SC1011およびSUGAR SC-G 6Bカラムの取扱説明書の内容を理解しています。カラムの仕様、使用方法、洗浄方法、トラブルシューティングなど、このカラムに関するご質問にお答えします。お気軽にご質問ください。
  • 溶離液は何を使用すれば良いですか?
    試料調製の際の注意点は何ですか?
    カラムの洗浄・再生方法は?
    カラムの保管方法は?
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カラム取扱説明書
Shodex SUGAR SC1011
カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要
警告 分析に使用する溶媒や試薬は、製造元が発行する安全データシート(SDS)を確認し
使用上の注意事項を順守してください死亡または重傷を負う可能性があります
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱うは、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またはS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 検査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびShodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex SUGAR SC1011 は、糖の分離、分析用に設計した高性能充てんカラムで、充てん剤には硬質のスチレン
ジビニルベンゼン共重合体を基材とした強酸性陽イオン交換樹脂を採用しています。配位子交換クロマトグラフィーと
サイズ排除クロマトグラフィーのミックスモードにより単糖類同士や二糖類同士、糖アルコールの分析が可能です。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ
(mm)
粒径
(μm)
理論段数
(カラム 1本当たり)
排除限界分子量*
(プルラン換算)
内径
長さ
F6378102
SUGAR SC1011
8.0
300
6
13,000
以上
1,000
F6700090
SUGAR SC-G 6B
6.0
50
10
(ガードカラム)
* 参考値としてご利用ください。
充てん剤
スルホ基(対イオン
)を化学結合したスチレンジビニルベンゼン共重合体系多孔質粒子
カラム材質
カラム末端接続ネジ
オシネジ型
出荷時封入液
4. 使用可能条件
* 糖のアノマー分離によるピーク形状不良を抑制するため、高温で分析することをお勧めします。
製品名 流量
(mL/min)
最大圧力
MPa/カラム)
温度
(
)
常用
最大
推奨*
上限
SUGAR SC1011
0.5 ~ 1.0
1.5
4.0
70 ~ 85 95
SUGAR SC-G 6B
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
(1) 基本の溶離液は、水です。
(2) 塩類を添加することも可能です。塩としては硝酸カルシウムまたは硫酸カルシウムを用い、必ず pH 3 ~ 7 なる
ようにしてください。重金属を多く含む試料の分析では、溶離液に 10 ~ 50 µg/mL 度の Ca-EDTA を添加する
ことによりカラム性能の低下を防ぐことができます。
(3) アセトニトリルまたはエタノールの添加が可能です。添加量は 20 % (v/v)以下にしてください
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
カルシウム塩以外の塩は使用しないでください。他の塩を使用すると、スルホ基の対イオンがカルシウム
イオンから別の陽イオンに置換され、カラムを劣化させるおそれがあります。
塩の水溶液と有機溶媒の混合溶媒を使用する場合は、塩が析出しないことを確認してください。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後の HPLC グレードの蒸留水を使用してください。
有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起き
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。
(2) 子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィルタ(0.45 μm)などでろ過してください
(3) 試料注入量はカラム 1あたり 20 μL 以下が目安です。
(4) 試料溶液が酸性またはアルカリ性の場合は、必ず中和してください。
(5) 試料溶液中にカルシウムイオン以外の陽イオンが含まれる場合(中和後も含む)は、陽イオン交換樹脂などにより
除去してください。
(6) タンパク質や脂質などを含む試料は、必ず除タンパクや脱脂を行なってください。除タンパクには酸添加や
アセトニトリル添加、限外ろ過などの方法があります。酸添加の場合は、必ず中和してから注入してください。また
アセトニトリル添加の場合は、アセトニトリルの終濃度を 20 % (v/v)以下にしてから注入してください。
(7) 有機酸を多く含む場合は、OH 型の陰イオン交換樹脂などにより除去してください。
(8) 疎水性物質や界面活性剤が含まれる場合は、逆相系固相抽出などにより除去してください。
注意 試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
試料濃度が高すぎたり、試料注入量が多すぎるとカラム本来の性能が十分に発揮できず、ピーク形状の
異常や分離不良、再現性の低下などにつながるおそがあります。そのような場合は、試料溶液の希釈
や注入量の減少を適宜行ってください
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参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクタ流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させる
おそれがあります
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシール確認しFlow 方向(へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続
してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てなが
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 0.2 ~ 0.3 mL/min に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度に
なるまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
(4) 分析終了後にポンプを止める時は、流量を 0.2 ~ 0.3 mL/min に下げ、カラム温度を室温まで下げてからポンプを
止めます。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、0.2 ~ 0.3 mL/min の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります。
カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる時に溶離液が収縮することでカラム内
空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、カラムを 50 に加温し0.2 ~ 0.3 mL/min の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液して
ください。
注意 溶離液組成の頻繁な変更はしないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
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7-4. カラムの洗浄(再生)
流路系や試料中の不溶性物質または吸着性物質がカラム内に蓄積することで、溶出挙動や圧力の変化が生じる
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄(再生)することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は、
ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄(再生)してくだい。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラムの両方を洗浄(再生)してください。なお、
ガードカラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄(再生)してください。また、分析カラムを複数本連結して使用して
いる場合は、それぞ1本ずつ個別に洗浄(再生)してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄(再生)液
はカラム出口から直接廃液容器で受け取るようにしてください。
カラムを洗浄(再生)しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下
流量で通液することにより取り除けることがあります。
【再生方法】
カラムにカルシウムイオン以外のイオン性物質(陽イオン)が導入されると対イオンであるカルシウムイオンが交換され、
分離パターンの変化やピーク形状の不良につながることがあります。このような場合は、次の操作により対イオンを
カルシウムイオンに戻し、カラムを再生できる可能性があります。
(再生例) カラム温度を 50 に設定し、0.1 M 硝酸カルシウム水溶液を 0.5 mL/min 流量で 50 mL 通液します。
注意 再生液のまま長時間封入するとカラムの劣化を早めるおそれがあります。カラム再生後は速やかに
溶離液に置換してください。
8. カラムの保管
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存
してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品CERTIFICATE OF ANALYSIS記載されていますので確認してください。Shodexは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用しております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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