「ELCajon Mic Processor」とは
Roland ELCajon Mic Processor(エルカホン・マイク・プロセッサー)EC-10M は、ローラ
ンドが独自に開発したマイク・センサーと音源技術を使って、お手持ちのカホンのアコースティッ
ク音をマイクで拾って増幅し、さらにその上に電子音を重ねて演奏できる、新しい概念のパー
カッション 音 源 で す 。
主な特長
5
カホン本来の音の響きを生かしながら、さまざまな電子音を重ね
ることができます。
5
マイクに入る音の高さに応じて、2 種類の電子音を叩き分けるこ
とができます。
5
簡易ループ再生機能を使って、電子音のリズム・パターンに合わ
せて演奏することができます。
5
カホン本体に直接装着できる、高性能のクリップ式コンデンサー・
マイクが付属しています。
5
マイクの音と電子音の音量バランスを、演奏者自身が調節でき
ます。
5
マイク専用のコンプレッサーやエンハンス機能で、音圧や音の輪
郭をはっきりさせる効果が得られます。
各部の名称とはたらき
トップ・パネル
9
MIC(マイク)
A
[COMPRESSOR]
(コンプレッサー)つまみ
マイクの音圧を調節します。
つまみを右に回すほど音圧が上が
り、アタック感が出ます。
B
[VOLUME]つまみ
マイクの音量を調節します。
C
PEAK インジケーター
マイクの入力レベルがピークに達したときに点灯します。PEAK インジケーターが点灯し
ないようにマイクのゲインを調節します。
9
ELECTRONIC(エレクトロニック)
D
[THRESHOLD](スレッショルド)つまみ
電子レイヤー音を鳴らすための入力レベルの大きさを調節します。つまみを右にまわすほ
ど、強打したときのみ電子レイヤー音が鳴るようになります。
E
[VOLUME]つまみ
電子レイヤー音の音量を調節します。
F
[TRIGGER](トリガー)インジケーター
電子レイヤー音が発音されたときに点灯します。
G
[KIT No.](キット番号)インジケーター
選択されているキット番号を表示します。(1 〜 9、0、A 〜 F)
H
[POWER]スイッチ
電源をオン/オフします。
オフにするときは長押しします。
I
[MODE SELECT](モード・セレクト)ボタン
フット・ボタン[A]
J
/[B]
K
のモードを切り替えます。
モ ード ボタンの状態 説明
キット・シフト・モード
(電源投入時の設定)
消灯 フット・ボタン[A]/[B]で、キットを切り替えます。
パ ッド ・ モ ード 点灯 パッド[A]/パッド[B]を鳴らします。
ル ー プ ・モ ード 点滅
Loop 機能を使います。詳しくは「Loop 機能について」をご
覧ください。
サイド・パネル(右)
A
MIC/MIX OUTPUT 端子
ELECTRONIC 端子にケーブルを接続し
ているときはマイク音が単独で出力され
ます。
ELECTRONIC 端子にケーブルを接続し
ていないときはマイク音と電子レイヤー
音の両方が出力されます。
B
ELECTRONIC OUTPUT 端子
電子レイヤー音が出力されます。
C
DC IN 端子
付属の AC アダプターを接続します。
※ AC アダプターを使用する場合でも、電池を入れておけば、万一本機から AC アダプター
のコードが抜けても演奏が続けられます。
※ 他の機器と接続するときは、誤動作や故障を防ぐため、必ずすべての機器の音量を絞り、
すべての機器の電源を切ってください。
サイド・パネル(左)
A
TRIGGER IN 端子(PAD A/B)
外部キック・トリガー・パッド(別売 :KD-
7、KT-9、KT-10)をつなぎます。
パッド [A]/パッド[B]に設定されて
いる 2 種類の電子レイヤー音を鳴らすこ
とができます。
※ ス テ レ オ ・ ス プ リット ・ ケ ー ブ ル
(別売:PCS-31L)を使って、最大 2 個
の キック ・トリガ ー ・ パ ッド を 本 体 に つ な
ぐことができます。
B
MIC IN 端子
付属のクリップ・マイクをつなぎます。
C
[MIC GAIN]つまみ
マイクのゲインを調節します。
D
[ENHANCE ON/OFF]スイッチ
マイク音にかけるエンハンス効果のオン/オフを切り替えます。オンにすると、マイク音に
輪郭が加わります。音抜けを良くしたいときに効果的です。
ボトム・パネル
A
電池ボックス
EC-10M は、電池または付属の
AC アダプターで動作します。電
池で使用するときは、電池の向き
に注意して、単 4 形電池を 4 本入
れてください。
※ 本機を裏返すときは、破損を防ぐ
ためボタンやつまみなどを保護し
てください。また、落下や転倒を
引き起こさないよう取り扱いに注
意してください。
※ 電池の寿命は、通常演奏での使用
で約5時間です。電池が消耗して
くると、キット番号インジケーター
に「L」と点滅表示されます。 早
めに電池を交換してください。
※ 電池の使いかたを間違えると、破裂したり、液漏れしたりする恐れがあります。「安全上の
ご注意」「使用上のご注意」(『安全上のご注意』チラシ)に記載の電池に関する注意事項
を守って正しくお使いください。
B
ブロック図
EC-10M の、信号の流れを示しています。
クリップ ・マ イク
B
A
A
クリップ開閉つまみ
クリップを開閉します。
B
ケーブル・フック
クリップ・マイクのケーブルを固定します。
使いかた
1.
アンプ、または PA ミキサーなどにつなぎます。
2.
付属のクリップ・マイクを、MIC IN 端子につなぎます。
3.
クリップ ・ マ イ ク を 、 カホ ン に 装 着 し ま す 。
カホン本体の裏側にあ
る、サウンド・ホールの
下側(6 時の位置)に
図のようにマイクを内側
(Roland ロゴが表側)にし
てクリップで挟みます。ケー
ブル・フックを上手に使って、
ケーブルが暴れてカホンに
当たらないようにします。
※ サウンド・ホールの形状によっ
ては、6 時の位置に取り付け
できない場合がありますが、
6 時以外の位置(9 時など)
に取り付けても問題ありません。
4.
本体を足下に設置します。
片足で操作ができる範囲に本体を置きます。
5.
電源を入れます。
※ 電源を入れる/切るときは、音量を絞ってください。
音量を絞っても電源を入れる/切るときに音がするこ
とがありますが、故障ではありません。
6.
[MIC GAIN]つまみで、マイクのゲインを調節します。
最初にゲインを最大にしてから、強く叩いたときに
PEAK インジケーターが点灯しないように、徐々に下
げてください。
※ マイクの音がひずんで聞こえる場合は、[MIC
GAIN]つまみを絞ってください。
7.
[VOLUME]つまみ(MIC、ELECTRONIC)で、音量を調節します。
カホン本体の響きを強調したい場合は、
ELECTRONIC の音量を下げ、MIC の音量を上げる
と効果的です。
8.
[THRESHOLD](スレッショルド)つまみで、電子レイヤー音の発音感度を調節します。
値を小さくすると、弱く叩いたときにも電子レイヤー
音が鳴ります。値を大きくすると強く叩いたときだけ
電子レイヤー音が鳴ります。
※ 演奏時のカホン以外の音をマイクが拾って電子音が
意図せず鳴ってしまう場合は、スレッショルドの値を
上げて演奏に必要な音だけを拾うようにしてください。
9.
フット・ボタン[A]/[B]を使って、キットを切り替えます。
各キットについては「キット・リスト」をご覧ください。
Loop 機能について
EC-10M は、電子レイヤー音を 1 フレーズだけ録音し、即座にループ再生することができま
す。電子レイヤー音のループ再生(シェイカー、タンバリン、バス・ドラムやその他効果音な
ど)に合わせて、カホンの演奏を楽しむことができます。
以下の手順で録音/再生をします。
1.
録音したい電子音が入っているキットを選びます。
2.
カホンやキック・トリガーを演奏しながら、電子レイヤー音の音量バランスを調節します。
3.
[MODE SELECT]ボタンを押して、ループ・モードを選びます。
4.
フット・ボタン[A]を押して、録音内容を一度消去します。
5.
フット・ボタン[B]を押して、録音スタンバイ状態にします。
フット・ボタン[B]が赤色で点灯します。
6.
演奏を始めると、自動的に録音が開始されます。
録音中、フット・ボタン[B]が赤色で点滅します。
7.
録音を終了するタイミングで、フット・ボタン[B]を押します。
録音を始めてからフット・ボタン[B]を押すまでの演奏情報が、自動的にループ再生さ
れます。記録された演奏情報がある場合、フット・ボタン[B]は緑色に点灯します。
8.
再生を停止する場合は、もう一度フット・ボタン[B]を押します。
※ ループ再生時には、電子レイヤー音は鳴らすことができません。カホン本体とマイクの音
のみ合わせて演奏することができます。
キ ット ・リ スト
No. キ ット 名 レイヤー(ロー) レイヤー(ハイ) パ ッド A パ ッド B
1 ア ンビ エ ント・ カ ホ ン
カホン・ベース
(リバーブ付)
カホン
(リバーブ付)
ス プ ラッシュ・シン バ ル カウベル
2 カホン&タンバリン カホン・ベース タンバリン ス プ ラッシュ・シン バ ル カウベル
3
カホ ン&クロ ス ・ス
ティック
カホン・サム・ロー クロ ス ・ ス ティック ス プ ラッシュ・シン バ ル シェイカー
4 カホン&シェイカ ー カ ホ ン ・ フ ット シェイカー ス プ ラッシュ・シン バ ル カウベル
5 カ ホ ン & サ ガ ット カホン・ベース サ ガット ス プ ラッシュ・シン バ ル
ビンテージ・
キック
6 バ ー スト・カ ホ ン カホン・サム・ロー
フラメンコ・ク
ラップ
ス プ ラッシュ・シン バ ル シェイカー
7 バジー・スネア コン プ ・キック バジー・スネア ス プ ラッシュ・シン バ ル コン プ ・キック
8 ハイブリッド 808
ハ イ ブ リッド・
キック
TR-808 スネア ス プ ラッシュ・シン バ ル
ハ イ ブ リッド・
キック
9 スチール・スネア プラグド・キック スチール・スネア ス プ ラッシュ・シン バ ル シェイカー
0 ダラブッカ ダ ラ ブッカ ・ドン ダ ラブッカ・テク ス プ ラッシュ・シン バ ル サ ガット
A ドール ドール ドール・スティック ス プ ラッシュ・シン バ ル シェイカー
b スルド ス ルド・ ミッド スルド・ハイ タンバリン シェイカー
C ブ ガラブ ー&ジャン ベ ブガラブー ジャンベ・スラップ タンバリン シェイカー
d ポット ・ド ラ ム
ポ ット ・ド ラ ム ・
ホール
ポ ット ・ド ラ ム ・
ヒール
ス プ ラッシュ・シン バ ル サ ガット
E アフロ・ストンプ ア フ ロ ・ストン プ
ア ン ビ エ ント・ス
ネア
ス プ ラッシュ・シン バ ル
アフ ロ ・ スト
ンプ
F ワブ ル ・キック ジャンパ ー・キック
オールド・スクール・
スネア
ス プ ラッシュ・シン バ ル
ジャンパ ー・
キック
演奏時のアドバイス
5
マイク音のアタック音を効かせたい場合は、コンプレッサーの値を上げて調節してくだ
さい。
5
カホン本体の中にミュート材を入れると、不要な残響音が減り、よりシャープでタイトな音
が出るようになります。
5
EC-10M の電子レイヤー音(ハイ/ロー)の叩き分けは、マイクに入る音質によって変わ
ります。叩き分けを正確に再現したい場合は、ご自分のカホン本体のどこを叩けばどのよ
うな音が出るかをあらかじめ把握しておくとよいでしょう。
5
ループ再生時には、電子レイヤー音は鳴らすことができません。カホン本体とマイクの音
のみ合わせて演奏することができます。
A
J K
I
B D E
G H
C
F
A B C
A
B C D
B
A
エルカホン・マイク・プ ロセッサー
EC-10M
© 2016 ローランド株式会社
日本語
取扱説明書
本機を正しくお使いいただくために、ご使用前に『安全上のご注意』と『使用上のご注意』(『安全上のご注意』チラシ)をよくお読みください。お読みになったあとは、
すぐに見られるところに保管しておいてください。
主な仕様
ローランド EC-10M:エルカホン・マイク・プロセッサー
電源
AC アダプター(DC5.7V)
充電式ニッケル水素電池(単 4 形)× 4
消費電流 150mA
連続使用時の電池
の寿命
約5時間
※ 電池の仕様、容量、使用状態によって異なります。
外形寸法 175(幅)× 135(奥行)×55(高さ)mm
質量(電池含む) 500g
付属品
取扱説明書、「安全上のご注意」チラシ、AC アダプター、クリップ・マイク、保証書、
ローランド ユーザー登録カード
※ 本書は、発行時点での製品仕様を説明しています。最新情報についてはローランド・
ホームページをご覧ください。