TP20

Renishaw TP20 ユーザーガイド

  • こんにちは!Renishaw TP20タッチトリガープローブシステム、MCR20、TCR20、MSR1に関するユーザーズガイドの内容を理解しています。プローブの種類、ラックの設置方法、基準設定方法など、TP20システムに関するご質問にお答えします。
  • TP20プローブにはどのような種類がありますか?
    MCR20ラックを使用する際の制約事項は?
    TP20プローブモジュールの種類と識別方法は?
    MCR20ラックの基準設定方法について教えてください。
    MSR1ラックの取り付け方法は?
TP20ユーザーズガイド
ドキュメントパーツNo.H1000529204C
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全般情報
©19982016Renishawplc.無断転用禁止。
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することを禁止します。
本文書に掲載された内容は、Renishawplcの特許権の使用許可を意味するものではありません。
お断り
レニショーでは、本書作成にあたり、細心の注意を払っておりますが、誤記等により発生するいかなる損害の責任を負うものではありません。
商標について
RENISHAW®およびRENISHAWロゴに使用されているプローブシンボルは、英国およびその他の国におけるRenishawplcの登録商標です。
apply innovationは、Renishawplcの商標です。
本文書内で使用されているその他のブランド名、製品名は全て各々のオーナーの商品名、標章、商標、または登録商標です。
WindowsXPWindows2000Vista、およびWindows7は、MicrosoftCorporationの登録商標名です。
すべての商標および商標名の著作権表示を行っています。
WEEE
レニショーの製品や付随文書にこのシンボルが使用されている場合は、一般の家庭ごみと一緒に製品を廃棄してはならないことを示します。この製品を廃
棄用電気・電子製品(WEEE)の指定回収場所に持ち込み、再利用またはリサイクリングができるようにすることは、エンドユーザーの責任に委ねられま
す。この製品を正しく廃棄することにより、貴重な資源を有効活用し、環境に対する悪影響を防止することができます。詳細については、地元の廃棄処分
サービスまたはレニショーの販売店にお問い合わせ下さい。
保証について
Renishawplcは、関連するRenishawの説明書に記載されている通り設置されていることを条件として、その装置を保証します(弊社の標準販売条件
の通り)。
Renishaw製以外の装置(インターフェースや配線など)を使用または代用する場合は、Renishawから事前に同意を得る必要があります。これらの条件
を守っていただけない場合には保証の対象外とさせて頂きます。
保証条件に適った保証請求は、認定サービスセンターでのみ受け付けます。認定サービスセンターの詳細については、サプライヤまたは販売代理店にお問
い合わせください。
装置のケア
Renishawのプローブと関連システムは、正確な測定値を得るために使用される精密ツールです。取り扱いには十分注意をしてください。
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2
Renishaw製品の変更
Renishawは、既に販売されているRenishawの装置に変更を加える義務を生じることなく、ハードウェアやソフトウェアに改良、変更、修正を加える権利
を有します。
特許について
RenishawTP20製品、および同様のRenishaw製品の機能は、次の特許や特許出願の対象となっています。
US6012230
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警告
保護眼鏡の着用をお勧めします。部品間および動作部品と静止部品との間に指を挟む危険があります。予想外の動きに注意してください。プローブヘッド
やエクステンションバー、プローブの動作範囲全体の外側にいるようにしてください。
操作に伴うあらゆる危険性(製品の説明書に記載されている内容を含める)をユーザーに明示すること、それらを防止するための充分な保護及び安全用
インターロックを取り付けることは測定機供給者の責任で行って下さい。
特定の状況下では、プローブ信号が正しく出力されない場合があります。プローブ信号のみに頼って機械を停止させないようにして下さい。
使用の際の制約事項
重要:TP20プローブシステムには、磁気感知式インヒビットシステムを使用するものがあります。インヒビット式TP20プローブをご使用の際は、次の
制約事項をお守りください。制約事項をお守りいただかないと、プローブが作動しなくなることがあります。
1. インヒビット式TP20は、MCR20プローブモジュールチェンジラック前面から100mmまでの範囲ではプローブが反応ないため、使用しないでください。
2. 磁化部品の測定や、磁化製品を含む治具により固定した部品の測定にインヒビット式TP20を使用しないでください。
3. 完全に消磁している場合以外は、インヒビット式TP20をレニショー製PEシリーズエクステションバーと共に使用しないでください。上記に示したような
磁化部品の測定等には、非インヒビット式TP20プローブを使用してください。
重要:TP20非インヒビット式プローブを用いスタイラスを自動交換する場合は、交換時にプローブ信号が入力しないよう三次元測定機側で制御し
てください。不明な点がある場合は、三次元測定機の製造元に確認してからTP20非インヒビット式プローブおよびMCR20ラックを使用してくださ
い。
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はじめに
本取り付けおよびユーザーガイドは、次のレニショー製品をサポートします。
プローブ本体とプローブモジュールを含むTP20タッチトリガープローブシステム(インヒット式と非インヒット式)
MCR20プローブモジュールチェンジラック(自動操作)
TCR20プローブモジュールチェンジラック(自動操作)
MSR1モジュールストレージラック(手動操作)
レニショーのTP20タッチトリガープローブは、再基準設定をすることなく、スタイラスの構成を交換できる、5方向または6方向の三点支持プローブです。業
界標準であったレニショーTP2の後継となるTP20は、既存のTP2アプリケーションに容易に後付け可能で、マニュアルおよびCNC三次元測定機
CMM)共にこの機能を使用することができます。
TP20はプローブ本体(磁気感知デバイス内蔵型と非内蔵型)と取り外し可能なプローブモジュールとのツーピース設計となっています。TP20プローブモ
ジュールは、手作業で交換する場合はMSR1に、プログラム制御により自動で交換する場合はMCR20に格納できます。TCR20ラックは、PH20を用
TP20プローブモジュールを交換する場合に使用します。
レニショーCMMタッチトリガープローブ製品群の一部をなすTP20は、レニショーのM8プローブヘッド(レニショーのPAAアダプタ製品群および延長バーを
組み込むレニショーのオートジョイントに取り付けるものを含む)と互換性があります。必要に応じ、レニショーPEL延長バー等のM8アプリケーションを使用し
てプローブの長さを延長できます。
これらの製品の詳細については、レニショーのウェブサイトを参照してください。
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TP20タッチトリガープローブキット
標準のレニショーTP20タッチトリガープローブキット(下図を参照)は、次の主要部品で構成されます。
TP20プローブ本体×1
TP20プローブモジュール×1または2(販売されている組み合わせについてはTP20プローブキットを参照)
プローブおよびスタイラスツール
TP20プローブ本体
プローブ本体は、標準のレニショーM8×1.25mmネジのコネクターマウントとなっており、反対側は三点支持型結合の設計になっています。
TP20インヒビット式プローブ本体
プローブモジュールを自動交換する際プローブが信号入力しないよう、磁気感知式近接スイッチを内蔵しています。
TP20非インヒビット式プローブ本体
このプローブは磁気感知式近接スイッチを内蔵しないため、強い磁場を持つものを含めあらゆるアプリケーションに使用できます。
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TP20プローブモジュール
各プローブモジュールは、三点支持機構、スタイラスの構成を収容し、XY+Zの各軸(Z軸はTP206方向プローブモジュールで使用)のオーバートラベ
ルが得られます。各プローブモジュールはM2取り付けとなっており、レニショーのあらゆるM2スタイラス製品を用いることができます。
プローブモジュールの取り付けを間違えた際、プローブの「着座」信号が出力される可能性を低くするため、プローブモジュールは繰返し再現性の高い三点
支持機構及び磁力によって保持されます。
電気接点ピンを通してプローブの接触信号は電圧となり伝わります。
測定圧力オプション
ほとんどのアプリケーション(推奨のスタイラス製品を用いた場合)では、スタンダードフォースのプローブモジュールが適しています。しかし、スタイラスの長さや
質量、機械の加速や振動の影響により、プローブの誤入力が生じることがあります。
加速度が速い、あるいは機械に振動がある場合、誤入力を発生することがあります。このような場合に発生する誤入力を避けるため、測定圧力の高いプ
ローブモジュールも用意しています。変形しやすい素材の測定用に、ローフォースモジュールも用意されています。ご使用のアプリケーションに適正なプローブ
モジュールを選択する方法は、本書で後述のアプリケーションガイドを参照してください。
ご使用のプローブモジュールの種類は、各プローブモジュールの前面リングに記載されています。プローブモジュールは、フロントキャップの色で種類を識別する
ことができます。
ローフォース(LF)プローブモジュール(緑色)
スタンダードフォース(SF)プローブモジュール(黒)
ミディアムフォース(MF)プローブモジュール(灰色)
エクステンドフォース(EF)プローブモジュール(茶色のキャップ)
6方向(6W)プローブモジュール(青)
延長モジュール1スタンダードフォース(EM1STD)(黒)
延長モジュール2スタンダードフォース(EM2STD)(黒)
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TP20プローブキット
次の各TP20プローブキットを最寄りの販売店からお求めいただけます。
インヒビット式プローブ本
非インヒビット式プローブ本
LFプローブモジュー
MFプローブモジュー
SFプローブモジュー
EFプローブモジュー
A-1371-0290 A-1371-0640 2
A-1371-0291 A-1371-0641 1 1
A-1371-0292 A-1371-0642 1 1
A-1371-0293 A-1371-0643 2
A-1371-0294 A-1371-0644 1 1
A-1371-0295 A-1371-0645 2
A-1371-0428 A-1371-0603 1 1
A-1371-0429 A-1371-0604 1 1
A-1371-0370 A-1371-0656 1
A-1371-0371 A-1371-0657 1
A-1371-0372 A-1371-0658 1
A-1371-0390 A-1371-0602 1
全プローブキットの内容:
プローブ本体インヒビット式または非インヒビット式プローブ(表参照) S9両面‘C’スパナ
プローブモジュールの数量と種類は表参照 S7スタイラスツール(×2
TP20システムの取り付け/ユーザーズガイド(H10005008 CK200クリーニングマテリアル
S1‘C’スパナ テスト証明書
次の各TP20プローブモジュールキットを最寄りの販売店からお求めいただけます。
TP20プローブモジュールキット(プローブモジュールのみ) パーツNo
ローフォースプローブモジュール A-1371-0392
スタンダードフォースプローブモジュール A-1371-0270
ミディアムフォースプローブモジュール A-1371-0271
エクステンドフォースプローブモジュール A-1371-0272
6方向プローブモジュール A-1371-0419
EM1STDプローブモジュール A-1371-0430
EM2STDプローブモジュール A-1371-0431
EM1STDおよびEM2STDの両プローブモジュール A-1371-0432
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MCR20プローブモジュールチェンジラックキット
注:レニショーでは8種類のMCR20プローブモジュールチェンジラックキットを供給しており、各キットでプローブモジュールの組み合わせが異なります。
MCR20プローブモジュールチェンジラックキットは、次の主要構成部品で構成されます。
レニショーMCR20プローブモジュールチェンジラック×1
レニショーSCR200取り付けキット×1
位置決め用部品×1
レニショーPS2Rスタイラス×1
レニショーTP20プローブモジュール×2(キットのパーツ番号によってプローブモジュールの組み合わせが異なります)
MCR20プローブモジュールチェンジラックは、レニショーSCR200取り付けキットと位置決め用部品を使って三次元測定機に容易に取り付け可能で、自
動交換時にも問題が発生しないようプローブモジュールを確りと固定し、作業環境に存在する粉塵等から保護する設計となっています。MCR20ラックの
位置合わせとプローブモジュールの交換座標の設定には、7つの基準点のみを使用します。
ラックを使用する場合は、必ずインヒビット式TP20プローブを使用してください。MCR20は、各ドッキングポートの蓋の前面付近で磁界を生成しており、プ
ローブモジュールの交換サイクル中に、効果的にプローブのインヒビットスイッチを「閉じ」ます。ラックの機能に、電気は不要です。
プローブモジュールの自動交換中は、MCR20のベース部とドッキングポートアセンブリの両方に組み込まれている可倒式オーバートラベル機構により、ある
程度の衝突保護が提供されます。オーバートラベル方向で何らかの衝突が発生した場合は、可倒式オーバートラベル機構を手作業でリセットでき、通常は
ラックの再基準設定が不要です。
MCR20プローブモジュールチェンジラックキットは、次のプローブモジュールの組み合わせで用意されており、最寄りの販売代理店からご注文いただけます。
MCR20キットパーツ番号 LFプローブモジュール SFプローブモジュール MFプローブモジュール EFプローブモジュール
A-1371-0261 2
A-1371-0262 1 1
A-1371-0263 1 1
A-1371-0264 2
A-1371-0265 1 1
A-1371-0266 2
A-1371-0267 1 1
A-1371-0268 1 1
A-1371-1100 2
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PH20TCR20モジュールチェンジラック
TCR20PH20用のコンパクトなプローブモジュールラックで、高い繰り返し再現性を有し、短時間でモジュール交換と先端補正を行うことができます。
業界標準のMCR20ラックシステムを基に開発されたTCR20は、高速での自動交換が可能で、モジュールをしっかりと固定し、機械の作業環境に見ら
れる空気中の埃や汚れから結合面を保護します。
TCR20には、PH20システムに使用できる全てのTP20を格納することができ、6組のモジュールとスタイラスの組み合わせに対応が可能です。
TCR20は、ラックの中央に基準片を装備しており、先端補正のサイクル時間を短縮します。
先端補正は、高精度な測定が要求される場合に重要となり、モジュール交換後の誤差を補正し、市場をリードするPH20の精度を維持します。
TCR20モジュールチェンジラックキットは、TP20プローブモジュールに付属していません。最寄りの販売代理店に下記の部品番号でご注文いただけます。
パーツNo 名称
A-1371-1001 TCR20ラックキット
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MSR1モジュールストレージラックキット
オプションのMSR1モジュールストレージラックキットは、TP20プローブモジュールに付属していません。これには2種類の取り付けオプションがあります(詳細
取り付けのセクションを参照してください)。
これら2種類のバージョンは、最寄りの販売代理店に下記のパーツ番号でご注文いただけます。
取り付けオプション パーツNo
定盤取り付け A-1371-0347
壁面取り付け A-1371-0330
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コンポーネントの接続
TP20プローブのプローブヘッドへの取り付け
1. 手作業により、プローブ本体のネジ部をプローブヘッドのM8ブッシュにねじ込み、手でしっかりと締めます。
2. 下図のように、S1‘C’スパナ(付属品)をプローブ本体に取り付けます。
3. S1‘C’スパナを使って、プローブ本体をM8ブッシュに手でしっかりと締めます(0.3Nm0.5Nm)。
スタイラスのプローブモジュールへの取り付け
注:スタイラスとプローブモジュールの選択については、アプリケーションガイドのアドバイスを参照してください。
1. 所定のアプリケーション用に適正なプローブモジュールを選択していることを確認し(「プローブモジュールの選択」を参照)、選択したスタイラスのネジ部を
プローブモジュールのM2スタイラス取り付け部にねじ込み、手で締めて固定します。
2. 付属のS7タイプのスタイラスツールか、S20スパナ(レニショーGFシリーズのスタイラスを取り付ける場合)を使い、スタイラスを、0.05Nm0.15Nm(最
大許容トルク0.3Nm)の推奨トルクに達するまで手でしっかりと締め付けます。
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プローブモジュールとスタイラスのプローブ本体への取り付け
1. プローブモジュールとプローブヘッドの結合面に汚れがないか、目視で点検します。必要に応じて、CK200クリーニングキット(付属品)で結合面をクリー
ニングしてください。
2. プローブモジュールとプローブ本体の両方にある3つの位置合わせマークの位置が正しく合うように注意しながら、プローブモジュールをプローブ本体まで
持ち上げ、プローブモジュールがプローブ本体に磁力の作用ではまるようにします。
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三次元測定機へのMCR20の取り付け
MCR20プローブモジュールチェンジラックを三次元測定機に取り付けるには、次の手順を実施してください。
重要:衝突からラックを保護するため、MCR20を三次元測定機の動作範囲のできるだけ端に取り付けるようお勧めします。
位置決め用部品を定盤の必要な位置に設置し、付属のM8/M10のボルトとワッシャで固定します。適切な六角レンチ(付属品)を使って、M8/M10
ボルトを定盤のネジ取り付け部に入れてしっかりと手で締めます。
MCR20の下ベース部を位置決め用部品に取り付け、ラックのX軸を回して必要な位置に調整します。
付属の1.5mmAF六角レンチを使って、M3グラブスクリューを手作業でしっかり締め付け(0.5Nm1Nm)、MCR20を所定の位置に固定します。
注:TP20システムではMCR20を三次元測定機の軸と位置合わせする必要はありませんが、プログラミングを簡素化したり、ソフトウェアの制約か
ら、三次元測定機の軸との位置合わせを行なうことが望ましい場合があります。
MCR20はポートを垂直方向に設置した水平作業用には設計されていません。
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MCR20の基準設定
注:レニショーは、付属のレニショーPS2Rスタイラスを使用してMCR20の基準設定を行うことをお勧めします。別のスタイラスを使用する場合は、
長さ(L)が20mm30mmのものとし、オフセットの計算には必ず適切なボール半径(R)を使用してください。
延長プローブの長さによりプローブシステムの誤差が増えるため、EM1STDおよびEM2STDのプローブ延長モジュールはMCR20の基準設定に
は使用しないようお勧めします。
以下の説明では、プローブ補正されていない測定点を用いているため、ポートドッキングの目標位置は機械の絶対値座標となっています。
MCR20の三次元測定機に対する軸調整
MCR20プローブモジュールチェンジラックを三次元測定機の軸と位置合わせするには、次の手順を実施してください。
1. 各ポートの蓋の押しツメをドッキングプレートの溝にはめて、全開の状態にします。
2. P1P2の両点を測ります。
3. 付属の1.5mmAF六角レンチを使って、MCR20のベース部のM3グラブスクリューを十分に外します。
4. MCR20の方向を、P1P2の両点間の逃げが0.25mm以下になるまで調整します。MCR20をこの位置で保持しながら、付属の1.5mmAF
角レンチを使って、M3グラブスクリューを締めます(0.5Nm1Nm
ドッキング深さ(Y)の確認
MCR20ポートのドッキング深さ(Y)を確認するには、次の手順を実施してください。
1. P1P2の両点を測ります。
2. 次の計算式を使って、全ポートのドッキング深さを設定します。
{P1/P2ラインのY+R(1mm)+8.75mm}
ここでR=スタイラス球の半径
ドッキング高さ(Z)の確認
MCR20ポートのドッキング高さ(Z)を設定するには、次の手順を実施してください。
1. P3P4P5の各点を測ります。測った三点から、ラックのZ軸平面を作ります。
2. 次の計算式を使って、全ポートのドッキング高さを設定します。
{P3/P4/P5平面のZ–L(20mm)–R(1mm)–21.25mm}
ここでL=スタイラス長
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ポート1のドッキング中心の確認
ポート1のドッキング中心(X1)を設定するには、次の手順を実施してください。
注:P6P7の測定にはスタイラス軸部を使用できます。
1. P6P7の両点を測ります。
2. 次の計算式を使って、ポート1のドッキング中心(X1)を設定します。
{P6/P7の中心点=X1}
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ポート26のドッキング中心の設定
ポート2X2)~6X6)のドッキング中心を設定するには、次の計算を行います。
ポート2のドッキング中心(X2)=X1+30mm
ポート3のドッキング中心(X3)=X2+30mm
ポート4のドッキング中心(X4)=X3+30mm
ポート5のドッキング中心(X5)=X4+30mm
ポート6のドッキング中心(X6)=X5+30mm
ドッキング位置の三次元座標の設定
重要:MCR20が三次元測定機の各軸と位置合わせされていない場合、各ポートについてY値が異なる場合があります。
ポート1X1)~6X6)のドッキング中心の三次元座標を設定するには、次の計算を行います。
ポート1=X1,Y,Z
ポート2=X2,Y,Z
ポート3=X3,Y,Z
ポート4=X4,Y,Z
ポート5=X5,Y,Z
ポート6=X6,Y,Z
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