Shodex I-524A (IC) 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
ver.20221202J
株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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カラム取扱説明書
Shodex IC I-524A
(カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要>
警告 分析に使用する溶媒や試薬を取り扱う際は、製造元が発行する安全データシート(SDS)
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります。
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱う際は、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またはS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびは、Shodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex IC I-524A は、ノンサプレッサー方式のイオンクロマトグラフィー(陰イオン分析)用カラムです。環境分
などにおける陰イオンの分離、分析に好適です。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ (mm) 粒径
(μm)
理論段数
(カラム 1本当たり)
内径 長さ
F6995240 IC I-524A 4.6 100 12 2,000 以上
F6700400 IC IA-G 4.6 10 12 (ガードカラム)
充てん剤 4級アンモニウム基を化学結合したポリヒドロキシメタクリレート系多孔質粒子
カラム材質 SUS-316
カラム末端接続ネジ オシネジ型 No. 10-32 UNF
出荷時封入液 2.5 mM フタル酸 + 2.4 mM Tris* + 16.2 mM ホウ酸水溶液
*トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
4. 使用可能条件
製品名 流量 (mL/min) 最大圧力
MPa/カラム) pH 範囲 温度範囲
()
常用 最大
IC I-524A 1.0 ~ 1.5 2.0 2.5 3 ~ 11 室温 ~ 50
IC IA-G
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
(1) フタル酸、サリチル酸、4-ドロキシ安息香酸、酒石酸、クエン酸などの水溶液を使用します
(2) 溶離液の濃度、 pH、溶離液の種類などを変えることにより、試料の溶出時間や溶出順序を変えることが可能です。
(3) 基本の溶離液は、2.5 mM フタル酸 + 2.4 mM Tris + 16.2 mM ホウ酸水溶液です。ホウ酸はリン酸イオンと
フッ化物イオンの分離改善に有効です。具体的な調製方法は「5. 溶離液の調製」を参照ください。
(4) アセトニトリルやメタノールは、20 % (v/v)まで添加可能です。
警告 ホウ酸[Cas No. 10043-35-3/11113-50-1]は、REACH 規則の高懸念物質SVHC)リストに収載された
認可対象物質の候補物質です。ホウ酸を含む溶離液の廃棄には十分に配慮してください。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
pH7 以上のアルカリ性溶離液は、炭酸ガスの吸収により溶離液の pH が変化しやすくなるため、
炭酸ガストラップを溶離液の容器の入口につけることをお勧めします。一般的には、pH の変化が少ない
酸性溶離液の使用をお勧めします。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
5. 溶離液の調製
(1) (基本の溶離液の場合)1 L メスフラスコにフタル酸(特級グレード)0.415 gTris (特級グレード)0.29 g
ホウ酸(特級グレード)1.00 g を量り取り、水を加えて 1 L とします。メスフラスコを超音波にあてて試薬を完全
溶解させてください。
(2) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(3) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルター(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後の HPLC グレードの蒸留水を使用してください。
有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起きて
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 粒子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィルター(0.45 μm)などでろ過してください。
(2) 試料注入量はカラム 1本あたり 100 μL以下が目安です。
(3) タンパク質を含む試料は、除タンパクを行ってください。除タンパクは、限外ろ過膜を通す方法が適しています。
(4) 疎水性不純物を含む試料は、固相抽出などで除去してください。
注意 ※試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
試料濃度が高すぎたり、試料注入量が多すぎるとカラム本来の性能が十分に発揮できず、ピーク形状の
異常や分離不良、再現性の低下などにつながるおそれがあります。そのような場合は、試料溶液の希釈
や注入量の減少を適宜行ってください。
参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
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7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクター流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させ
おそれがあります。
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシールを確認し、Flow 方向)へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続
してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 0.5 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度になる
までは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
※溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 ※カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります。
※カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、0.5 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります
※カラムを加温して使用した後は、流量を 0.5 mL/min 以下に下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 ※使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッターを設定することをお勧めします
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、0.5 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液してください。
警告 ホウ酸を含む溶離液の廃棄には十分に配慮してください。
注意 ※溶離液組成の頻繁な変更はしないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
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7-4. カラムの洗浄
流路系や試料中の不溶性物質または吸着性物質がカラム内に蓄積することで、溶出挙動や圧力の変化が生じる
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は、
ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラムの両方を洗浄してください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ個別に洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液
容器で受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下
の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) 吸着性物質の具体的な洗浄方法は下記の例を参考にしてください。カラム洗浄時は、カラムを逆向きにつなぎ
替えてください。
(洗浄例 1 金属汚れ
0.1 M 水酸化ナトリウム水溶液で pH3 ~ 4 に調整した 0.01 M 酒石酸水溶液を 1.0 mL/min の流量で 30 mL
通液します。
(洗浄例 2 タンパク質汚れ
20 % (v/v) 酢酸水溶液を 0.2 mL/min の流量で 30 mL 流した後、純水を 30 mL 通液します。
(洗浄例 3 有機物汚れ
アセトニトリル/=20/80 0.2 mL/min 流量で 30 mL 流した後、純水を 30 mL 通液します。
注意 洗浄液のまま長時間封入するとカラムの劣化を早めるおそれがあります。カラム洗浄後は速やかに
溶離液に置換してください。
8. カラムの保管
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存
してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品のCERTIFICATE OF ANALYSISに記載されていますので確認してください。Shodexでは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用しております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムに、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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