・イネーブルスイッチはロボットのティーチングペンダント等に取り付けられ、
ロボットのティーチングのような危険区域にてマニュアル操作する際に、手
で操作している場合のみ機械の作動を許可するスイッチです。ポジション2
（3mm操作時）でのみ機械が作動可能とするシステムとしてください。
・安全性の高いシステムのイネーブルスイッチとしてご使用いただくため、
3ポジションスイッチの2接点は不一致検出回路（安全リレーモジュール等）
に入力してご使用ください。（EN ISO 13849-1）
・
2接点が各々独立して動作する構造としているため、ボタン端部を操作すると、2接点
の動作に時間的なずれを生じる場合があります。この場合、2接点動作の時間的なずれ
のみでエラーとして検出しないような制御にすることをお勧めします。
万一、2接点動作の時間的なずれをエラー検出させる場合は、一旦スイッチのボタン
から手を放す操作（2接点ともOFF)でエラーがリセットできる制御をお勧めします。
・完全密封仕様のBOXにゴムカバー付きタイプを取付けると、温度変化など
によって大きく内圧が変わった場合にゴムカバーが膨張／収縮を起こして
イネーブルスイッチの動作に悪影響をあたえることが
ありますので、ご使用
の際には定期的に動作の確認を行ってください。
・ゴムカバー付きタイプの場合、防水性能はゴムカバーのパネルの接触面に形
成されている突起を潰すことにより得られます。取付けパネルが歪んでしま
うとゴムカバーの突起が潰れずに正常な防水性能が得られませんので、取付
けパネルには充分な強度を確保してください。取付けパネルが歪む恐れがあ
る場合は、取付けパネルに下図のような補強リブを追加する構造を推奨します。
・ゴムカバー付きタイプの場合、ゴムカバーに対して無理に引っ張るような
力が加わりますと、スイッチとパネルの間で挟み付けられている部分が外
にはみ出して防水性能を損ないますので、そのような力が加わる恐れのあ
る場合は右図のようにゴムカバーの外周を包み込むように、取付部分を段
落としする構造を推奨します。
・ゴムカバー無しタイプの場合、
ボタンの動作不良を防ぐために、
保護構造の追加をお願いします。
・ゴムカバーは使用環境、使用条件
により劣化する恐れがあります。
変形やひび割れ等が発生した場合、
速やかにゴムカバーを交換してください。
・本製品は産業用に設計されています。本製品を住宅・商業・照明用に使用さ
れますと予期せぬ電磁障害が起こる可能性があります。必要に応じて適切な
電磁障害緩和方策をご検討ください。（IEC 60947-1 5、3項）
・
配線は印加電圧、通電電流に適した電線サイズを使用してください
。
不適当な電線を使用されますと、異常に発熱し火災の危険があります。
・過度の衝撃の無いようにご使用ください。
・
カタログまたはこの取扱説明書通りの正しい配線でご使用ください。
・複数のセーフティコンポーネントを直列接続する場合、故障検出機能の低下のた
めにEN ISO 13849-1のパフォーマンスレベルが低下します。
・本製品が組み込まれた制御システム全体はEN ISO 13849-2に従って妥当性を
確認する必要があります。
・取付け、取外し、配線作業および保守・点検は、必ず電源を切って行って
ください。感電および火災の危険があります。
・
分解、改造ならびにイネーブルスイッチの機能を故意に停止させるよう
なことは
絶対に行わないでください。故障や事故の原因となります。
・本製品を制御システムの安全関連部にご使用の場合は、 実際の機械／設備に
おける使用用途に応じた各国、 地域の安全規格、規制を参照し、正しくご使
用ください。また、ご使用の前にはリスクアセスメントを実施ください。
・テープ、ひも、ゴムカバーを無理に変形させる等によってポジション２状態
に保持することによる安全機能の無効化は、絶対にしない
でください。
イネーブルスイッチ本来の機能を失い、非常に危険です。
・ボタン押し込みによるON→OFFの高操作荷重に対して、ご使用状態にて
充分なリスクアセスメントを行ってください。
・イネーブルスイッチ取付部の形状および構造に対して、意図しない操作を
防止するよう充分なリスクアセスメントを行ってください。(例えばティーチ
ングペンダント外形からの突出は、ペンダント自重による操作の危険性があります。）
・取付箇所は、予測される操作力に対して充分な強度を確保してください。
（ボタン押し込みによるON→OFFの際、特に強力な操作力が予測されます。）
取扱説明書
ＨＥ２Ｂイネーブルスイッチ
安全上のご注意
1形番構成
2主な仕様
3使用上のご注意
4配線
5取付け
7廃棄上のご注意
警 告
注 意
注 意
この度は、IDEC製品をお買い上げいただき、ありがとうございます。
ご注文の製品に間違いがないかご確認のうえ、この取扱説明書の内容を
よくお読みいただき、正しくご使用ください。
また、この取扱説明書はユーザ様にて大切に保管ください。
本取扱説明書では、誤った取扱いをした場合に生じることが予測される
危険の度合いを「警告」「注意」として区別しています。
それぞれの意味は以下の通りです。
取扱いを誤った場合、人が死亡または重傷を負う可能性があります。
取扱いを誤った場合、人が重傷を負うか物的損害が発生する可能性があります。
B-567(6)
ゴムカバー材質／色
無指定
：ゴムカバー
無
し
Y：シリコンゴム／黄
B：シリコンゴム／黒
N1：
NBR／PVCポリブレンド／グレー
ゴムカバーの有無
無指定
：ゴムカバー
無
し
P ：ゴムカバー付き
HE2B-M200P※
3ポジションスイッチ
2：2接点
復帰モニタスイッチ
0
：なし
1：1接点
2：2接点
押込モニタスイッチ
0
：なし
1：1接点
2：2接点
IEC 60947-5-1, EN 60947-5-1, JIS C8201-5-1
IEC 60947-5-8, EN 60947-5-8
UL508, CSA C22.2 No.14, GB/T14048.5
ISO 12100 / EN ISO 12100,
IEC 60204-1 / EN 60204-1,
ISO 11161 / EN ISO 11161,
ISO 10218-1 / EN ISO 10218-1,
ANSI / RIA / ISO 10218-1,
ANSI / RIA / R15.06, ANSI B11.19,
ISO 13849-1 / EN ISO 13849-1
低電圧指令、
機械指令、RoHS指令
－25～＋60℃（ただし、氷結しないこと）
（ゴムカバー材質 ：ゴムカバー無し／シリコンゴムの場合）
－10～＋60℃（ただし、氷結しないこと）
（ゴムカバー材質 ：NBR／PVCポリブレンドの場合）
45～85％RH（ただし、結露しないこと）
－40～＋80℃（ただし、氷結しないこと）
汚染度2（パネル内部／端子側）
汚染度3（パネル外部／操作部側）
2000m以下
2.5kV
250Ｖ
3A
抵抗負荷（AC-12）
誘導負荷（ACｰ15）
抵抗負荷（DC-12）
誘導負荷（DC-13）
交流
直流
適用規格
用途規格
適用指令
標準 使用周囲温度
使用
状態
相対湿度
保存周囲温度
使用環境
標高
インパルス耐電圧（Uimp）
定格絶縁電圧（Ui）
定格通電電流（Ith）
警 告
□動作特性（参考･･･ゴムカバー無し/ボタン中央押し）
□取付穴加工図
（注）ゴムカバー付きの場合、操作荷重は周囲温度により変化します。
□接点構成と端子番号
□本体端子配列図（BOTTOM VIEW）
・ 3ポジションスイッチ：2接点
…端子No. ：NO1- C1間, NO2- C2間
・ ボタン復帰モニタスイッチ：0～2接点
…端子No. ：11-12間, 21-22間
・ ボタン押込モニタスイッチ：0～2接点
…端子No. ：31-32間, 41-42間
（注）OFF→ON→OFFの3ポジションスイッチはNO-C間をご使用
ください。（NCは使用しません。）
□端子部のはんだづけ
□適合電線
・0.5mm2以下 1本
□交換用ゴムカバー（別売）
注）ゴムカバーの取付は下図を参照し、破らないように取り付けて
くだ
さい。
本製品を廃棄するときは、産業廃棄物として扱ってください。
IDECマーク側
： ON （Close）： OFF （Open）
・必ずはんだごて(先端温度310～350℃ 3秒以内)を使用して行ってください。
自動はんだ槽(フロー槽)やディップ槽でのはんだ付けは行わないでください。
(鉛フリーはんだをご使用の場合はSn-Ag-Cuタイプを推奨します。)
・作業時は、はんだごてをスイッチ本体の樹脂部からできるだけ離れた位置に
あて、端子を曲げたり電線を引っ張るなど、外力を加えないようにしてくだ
さい。（ご使用に際しては、お客様の実使用条件でのご確認をお願いします。）
・フラックスは非腐食性のロジン液をご使用ください。
・取付ねじ：M3ねじ 2本
・取付ねじ長さ：
取付パネル厚＋4～5mm
・取付ねじ推奨締付トルク：
0.5～0.8N・m
6外形寸法(ｍｍ)
HE9Z-D2Y
HE9Z-D2B
HE9Z-D2N1
シリコンゴム
シリコンゴム
NBR／PVCポリブレンド
ゴムカバー材質
黄色
黒色
グレー
ゴムカバー色形 式
30V
－
－
1A
0.7A
250V
0.5A
0.5A
－
－
125V
1A
0.7A
0.2A
0.1A
抵抗負荷（AC-12）
誘導負荷（ACｰ15）
抵抗負荷（DC-12）
誘導負荷（DC-13）
交流
直流
IP40： HE2B-M2□□
IP65： HE2B-M2□□P※
耐振動 誤動作：5～55 Hz, 片振幅 0.5 mm
耐 久：16.7 Hz, 片振幅 1.5 mm
保護構造
直接開路動作力
条件付短絡電流
短絡保護装置
操作部強度
質量
60N 以上 (ボタン復帰モニタスイッチおよび
ボタン押込モニタスイッチ)
50A (250V)
250V 10A 速断形ヒューズ (IEC 60127-1)
500 N 以上(ボタン全面押し)
約26g (ゴムカバーなし)、約30g (ゴムカバー付き)
ボタン押込モニタスイッチ：4.7ｍｍ以上
直接開路動作ストローク
ボタン復帰モニタスイッチ：1.7mm以上
●安全規格認証定格
（１）TÜV定格 3ポジションスイッチ AC-12 250V/0.5A
DC-12 30V/1A
DC-13 30V/0.7A
モニタスイッチ AC-15 250V/0.75A
AC-15 250V/0.5A
DC-13 125V/0.22A
DC-13 30V/2.3A
（２）UL , c-UL定格 3ポジションスイッチ AC 250V/0.5A Resistive
DC 30V/1A Resistive
DC 30V/0.7A Pilot Duty
モニタスイッチ AC 250V/0.75A Pilot Duty
AC 250V/0.5A Pilot Duty
DC 125V/0.22A Pilot Duty
（３）CCC定格 3ポジションスイッチ AC-12 250V/0.5A
DC-12 30V/1A
DC-13 30V/0.7A
モニタスイッチ AC-15 250V/0.75A
DC-13 125V/0.22A
DC-13 30V/2.3A
耐衝撃 誤動作：150m/s2
耐 久：500m/s
電気的耐久性 10万回以上(接点定格負荷)
100万回以上(AC/DC24V 100mA)
2
－
－
2.5A
2.3A
1.5A
0.75A
0.55A
0.27A
2.5A
1.5A
1.1A
0.55A
操作ストローク（mm）
N01-C1間
N02-C2間
11-12間
21-22間
31-32間
41-42間
N01-C1間
N02-C2間
11-12間
21-22間
31-32間
41-42間
約 30N
約 4N
参考操作荷重
（ボタン操作時）
0
3.0±0.3
2.4±0.3
1.4±0.3 3.6±0.5 4.2±0.5 6.0±0.5
N01-C1間
N02-C2間
11-12間
21-22間
31-32間
41-42間
N C 1 N 0 1 C 1 1 1 1 2 2 1 2 1
3 1 3 2 4 1 4 2 N C 2N 0 2C 2
・ゴムカバー装着方法
①M3ナットを六角溝に装着する。
②フランジ部の外側から被せる。
（動作不良の原因になりますので
ゴムカバー内に異物が入らない
ようご注意ください。）
③端子側から見て、 部
にゴムカバーが装着され
ていることを確認する。
3ポジション
スイッチ
ボタン復帰／押込
モニタスイッチ
ボタン
操作時
ポジション
123
ボタン
復帰時
ポジション
21
ボタン
復帰時
ポジション
31
・HE2B-M2□□P※
（ゴムカバー付き）
・HE2B-M2□□
（ゴムカバー無し）
11.5
19
6.5
14.814.2
5
5
7
69
10
16
5.5
13.514.2
7
69
68
90
66.5
78
87
M3ナット装着穴
取付パネル厚：6mm以下
78±0.2
70±0.2
12.2＋0.2
0
2-φ3.2
取付ねじ
ポジション1ポジション2ポジション3
2
1
3
2
1
( )
段落とし
補強リブ
□安全カテゴリ4対応回路例
・IDEC製安全リレーモジュール
HR6S-AFに接続する場合の回路例
ESC : 外部起動条件
K1,2 : 安全対応コンタクタ
F1 :安全リレーモジュールの
電源ライン外部ヒューズ
（ファンクションモード：1
スタートモード：1）
3ポジション
スイッチ
A1
L(+)
N(-)
HR6S-AF形安全リレーモジュール
K1
K2
A2 S11
F1
ESC
S12 S21 S22
Y1 Y2
14 24
13 23
K1
K2
外部出力回路
開閉頻度
定格使用電圧（Ue）および定格使用電流（Ie）
1200 回/時
機械的耐久性 ポジション 1⇒2⇒1：100万回以上
ポジション 1⇒2⇒3⇒1：10万回以上
B10d
10万(EN ISO 13849-1、付属書C 表C.1による)
注 : ケーブルの絶縁被覆は周囲条件の影響に耐えるものを選定ください。
2022.08
取扱説明書にご不明な点がございましたら、
製品問合せ窓口にお問い合わせください。 製品問合せ窓口
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